ローマ字表記
pIqaD [ピカド]
ピカドとは、スタートレック・シリーズの映像中に登場するクリンゴンの文字体系のことです。 我々は、これをローマ字アルファベットに置き換えた表記でクリンゴン語を学ぶ事になります。
■ローマ字表記の特徴
・大文字と小文字の区別がない
D は常に D、p は常に p です。文頭でも大文字にはなりません。
また、q と Q は発音の異なる別の文字であることに注意して下さい。
・複数の文字で一つの音を表しているものがある
ch、gh、ng、tlh は便宜上、複数文字で表記されますが、ピカドではこれらは一つの音を表す「一文字」です。 日本語の「つ」がローマ字表記では tsu と3文字になるのと同じような物です。 例えば tlhIngan(クリンゴン)はピカドでは tlh、I、ng、a、n の5文字で表記されます。
・≪ ’ ≫(アポストロフィ)
英語などではアポストロフィは記号として使われますが、クリンゴン語(のローマ字表記)では発音を持つ独立した「文字」です。
クリンゴン語には母音で始まる単語が存在せず、また綴りが母音で終わる場合はその後に大抵この字が付きます。 この為クリンゴン語では、単語が並んで文章になった時も、この音で区切られるのでリエゾンが起きません。
・読み方は常に一定
英語では、同じ字でも綴りによって読み方が変化します。 例えば ba は bank、bake、ball でそれぞれ「バ」「ベイ」「ボゥ」と発音が違いますが、クリンゴン語では後ろにどの字が来ても常に「バ」です。
ただし、そのままでは発音しにくい綴りの時には、発音しやすいように a の音を少し伸ばしたり、u の音を短く発音したりする事はあります。
単母音
a [ア]
英語の
father に含まれる
a の音です。
日本語の普通の「ア」のつもりで発音して問題ありません。
e [エ]
英語の
pet、
sensor に含まれる
e の音です。 国際音声記号では[ɛ]になる、口を開いて出す「エ」の音です。
I [イ]
英語の
misfit、
bit に含まれる
i音です。
英語の
i音は日本語の「イ」と「エ」が混ざったような音ですが、これはほぼ日本語の「イ」の発音で問題ありません。
o [オゥ]
英語の
go に含まれる
o の音です。 単なる「オ」ではなく、「オゥ」である点に注意して下さい。
u [ウー]
「ウー」と伸ばす
u音です。 英語の
soon や
fool に含まれる、
ooの部分の発音です。
ただし、
tu'lu' のようにこの音が続く時は「トゥッ・ルゥッ」という風にやや短く発音されるようです。
二重母音
aw [アゥ]
英語の
cow の
ow の部分の音です。
例:maw' [マゥッ] (狂っている(v)) / maw'wI' [マゥッウィッ] (狂人)
SeHlaw [シェフラゥ] (コントロール・パネル)
waw' [ワゥッ] (基地) / 'ejyo'waw' [ッエジヨゥッ・ワゥッ] (宇宙基地)
ay [アィ]
英語の
cry に含まれる音です。
例:may'ron [マィッ・ろゥン] (アコーディオン、コンチェルティーナ)
vay' [ヴァィッ] (誰か、何か)
yay [ヤィ] (勝利)
ey [エィ]
英語の
pay の
ay の部分の音です。
例:mebpa'mey [メブパッ・メィ] (ホテル)
pey [ペィ] (酸)
tey [ティ] (〈物を〉こする、こすりとる(v))
Iy [イィ]
英語の
key の
ey の部分の音です。
例:mIy [ミィ] (自慢する(v))
SonchIy [ションチィ] (サンチー)
wIy [ウィィ] (戦術ディスプレイ)
oy [オィ]
英語の
toy の
oy の部分の音です。
例:joy' [ジョィッ] (拷問する、苦しめる(v))
ngoy' [ンゴィッ] (責任がある(v))
'oy' [ッオィッ] (痛み(n)/痛む(v)) / Ho''oy' [ホゥッオィッ] (歯痛)
uy [ウーィ]
英語の
gooey の
ooey の部分の音です。
例:Duy' [ドゥーィッ] (欠点(n)/欠陥がある(v))
puy [プーィ] (難破する(v))
Suy [シューィ] (商人)
ew [ェウ]
e と
u を同時に発音します。
これは英語にも日本語にもない音で、唇を「ウ」の形にして「エ」の音を出すとこの音になります。
「エウ (e-u)」の二音でなく、一音である点に注意しましょう。
例:ghIlab ghew [ギラブ ゲウ] (グロブ蝿)
Hew [ヘウ] (彫像)
wew [ウェウ] (輝く、光る(v))
Iw [ィウ]
I と
u を同時に発音します。
唇を「ウ」の形にして「イ」の音を出すとこの音になります。
やはり「イウ (i-u)」の二音でなく、一音である点に注意しましょう。
例:mIw [ミウ] (手順、過程)
pIw [ピウ] (臭い、香り)
'Iw [ッィウ] (血)
子音
b [バ、ベ、ビ、ボゥ、ブー]
英語の
b音です。
ba, be, bI, bo, bu はこのページでは「バ、ベ、ビ、ボゥ、ブー」と表記しています。
単語の綴りが子音で終わる場合、例えば
Qab は「クァブ」と表記していますが、この場合は
bu ではなく、母音の付かない
b である点に注意して下さい。
(以下の子音についても全て同様です)
例:be' [ベッ] (女) / be'nal [ベッ・ナル] (妻)
bom [ボゥム] (歌(n)/歌う(v))
web [ウェブ] (信用を失う、失脚する(v))
ch [チャ、チェ、チ、チョゥ、チュー]
英語の
chocolate に含まれる
ch の音です。
例:chaq [チャク] (多分、おそらく)
chov [チョゥヴ] (評価する、査定する(v))
toch [トウチュ] (手のひら)
D [ダ、デ、ディ、ドウ、ドゥー]
これは英語の
d音と違い、舌の先を上あごの口蓋の中心に当てて発音します。 英語の
d音よりくぐもった音になります。
例:Dev [デヴ] (導く、案内する、率いる(v)) / DevwI' [デヴウィッ] (指導者、リーダー)
Duy [ドゥーィ] (代理人、使者) / Duy'a' [ドゥーィッアッ] (大使)
QongDaq [クォングダク] (ベッド)
gh [ガ、ゲ、ギ、ゴゥ、グー]
これは後述する
H の有声音で、喉に息を通しながら声を出します。 文字通り
g と
h の中間的な、
g と
h を同時に出すような音です。
実際には日本語の「ガギグゲゴ」とは違い、「ハヒフヘホ」に近い音に聞こえます。
英語の
laugh の
gh(
fの音)とは違うので注意しましょう。
アラビア語のガイン(ghain)という音がこれとよく似た音です。
例:ghItlh [ギトゥル] (原稿、文書(n)/書く(v))
ghoj [ゴゥジュ] (学ぶ(v)) / ghojmoH [ゴゥジュモゥフ] (教える、指導する(v))
Qagh [クァグ] (エラー、間違い(n)/間違える(v))
H [ハ、ヘ、ヒ、ホゥ、フー]
これは
gh の無声音です。 喉に息を通す時、声を出さないようにします。
ドイツ語の
bach(バッハ)や
Mach(マッハ)の
ch の音、また中国語の「好 "hao"」や「花 "hua"」の
h の音、スペイン語の
Don Quixote(ドン・キホーテ)や
Mexico(メヒコ、「メキシコ」は英語読み)の
x と同じ音です。
有声音と無声音の違いは、日本人にはなかなか聞き分けられません。 クリンゴン語の
H と
gh も良く似ていて、初めは聞き分けにくいと思います。
例:Har [ハる] (信じる(v))
HIDjolev [ヒドジョゥレヴ] (メニュー)
tuQmoH [トゥークモゥフ] (〈服を〉着る(v))
j [ジャ、ジェ、ジ、ジョゥ、ジュー]
英語の
junk に含まれる
j の音です。
例:ja'chuq [ジャッ・チューク] (話し合う、討論する(v))
jegh [ジェグ] (降参する、あきらめる(v))
Ha'quj [ハッ・クージ] (懸章・飾り帯(ウォーフが付けてるアレです))
l [ラ、レ、リ、ロゥ、ルー]
英語の
lunch に含まれる
l の音です。 舌の先を上の歯茎に付けて発音します。
例:lay' [ラィッ] (約束する(v))、lay'Ha' [ラィッ・ハッ] (約束を破る(v))
loD [ロゥド] (男)、loDnal [ロゥドナル] (夫)
tlhIl [トゥリル] (鉱石、鉱物(n)/採掘する(v))
m [マ、メ、ミ、モゥ、ムー]
英語の
mother に含まれる
m の音です。
例:mIp [ミプ] (富、財産(n)/裕福な(v))
mu' [ムーッ] (言葉) / mu'ghom [ムーッ・ゴゥム] (辞書)
morgh [モゥるグ] (主張する(v))
n [ナ、ネ、ニ、ノゥ、ヌー]
英語の
nose に含まれる
n の音です。
日本語の「ナニヌネノ・ン」の音で問題ありませんが、「ン」は日本語や英語では次に
b, p, m の音が来ると
m の音に変化しますが、クリンゴン語では変化しない事に注意して下さい(
tunbe',
qonmoH など)。
例:naHlet [ナフレト] (木の実、ナッツ)
nob [ノゥブ] (贈り物(n)/贈る、与える(v))
mon [モゥン] (笑う、冷笑する(v))
ng [ンガ、ンゲ、ンギ、ンゴゥ、ングー]
英語の
thing に含まれる
ng の音です。
これは鼻濁音の「ガギグゲゴ」です。 少し昔の日本では「カ゚、キ゚、ク゚、ケ゚、コ゚」と書いたそうです。
音楽の授業で、歌を歌う時は ガ行を鼻濁音で発音するように習った方も多いと思います。
例:ngeD [ンゲド] (易しい、簡単な(v))
ngong [ンゴゥング] (実験(n)/実験する(v))
tungHa' [トゥーングハッ] (励ます、勇気付ける(v))
p [パ、ペ、ピ、ポゥ、プー]
英語の
p音よりやや強く唇を破裂させて発音します。 唾が飛ぶ事は気にしてはいけません。
例:pe' [ペッ] (切る(v))
por [ポゥる] (〈植物の〉葉)
yInSIp [ユインシプ] (酸素)
q [カ、ケ、キ、コゥ、クー]
英語の
k音に似ている音ですが、
k よりも少し喉の奥のほうで発音します。
例:qeS [ケシュ] (アドバイス(n)/アドバイスする(v))
qorDu' [コゥるドゥーッ] (家族)
luq [ルーク] ((質問に対する答えで)はい、そうです、そうします)
Q [クァ、クェ、クィ、クォゥ、クー]
喉を強く軋らせて発音します。 無声口蓋垂破擦音という地球上では少し特殊な発音です。
クリンゴン語の
H の音と
q の音を含んでいて、舌の根元を閉じてから、そこに強く息を通して
H と
q を同時に出す感じです。
このページでは、便宜上「クァ、クェ、クィ、クォゥ、クー」で表記していますが、実際にはカ行の響いたような音に聞こえます。
例:QIH [クィフ] (損害、破壊(n)/損害を与える、破壊する(v))
Qub [クーブ] (考える(v))
nIQ [ニク] (朝食)
r [ら、れ、り、ろゥ、るー]
英語の
r 音に似ていますが、より巻き舌にして、息で舌を振動させる音です。 ロシア語の
Р/р の音(ピーではありません)がこれと同じ音で、TOSのチェコフの発音が参考になります。 ロシア語の挨拶「Здравствуйте [ズド
らーストヴィチェ]」や「Хорошо [ハ
らショー]」(良い、素晴らしい)、「икра [イク
らー]」(イクラ)などに含まれています。
巻き舌音のコツは、舌やノドの力を抜いて反り舌で声を出すと良いと思います。 日本語に無い発音なので、最初は出せなくても仕方ありませんが、舌先が上顎に付かないように気をつけましょう。
このページでは、便宜上「ら、れ、り、ろぅ、るー」と ひらがなで表記しています。
例:rar [らる] (つなぐ、接続する(v))
ruv [るーヴ] (正義)
mer [メる] (驚く(v))
S [シャ、シェ、シ、ショゥ、シュー]
Sa は「シャ」と「サ」の中間、やや「シャ」に近い音になります。 巻き舌気味にして、舌の先を上あごの口蓋の中心に近づけて発音します。
このページでは便宜上「シャ」で表記していますが、
sh の音とは違うのでご注意ください。
例:Saq [シャク] (上陸する、着陸する(v)) / Saqghom [シャクゴゥム] (上陸班)
SuS [シューシュ] (風、そよ風) / SuS'a' [シューシュッ・アッ] (強風)
DIS [ディシュ] (白状する、自白する(v))
t [タ、テ、ティ、トウ、トゥー]
英語の
t音です。
D とは違い、普通に舌先を上の歯茎に付けて破裂させます。
「タ・テ・ト」は日本語とほぼ同じです。(日本語の「チ・ツ」は
chi,
tsu で
t音ではないので注意)
例:taH [タフ] (生き残る(v))
toy'wI' [トィッ・ウイッ] (召使い) / toy'wI''a' [トィッ・ウイッ・アッ] (奴隷)
yot [ヨゥト] (侵略(n)/侵略する(v))
tlh [トゥラ、トゥレ、トゥリ、トゥロゥ、トゥルー]
tlh は英語の
t と
l を同時に出すような音です。
便宜上「トゥル」と表記していますが、あくまで一息に発音する『一音』で、この子音だけの発音(あとに母音が続かない)の場合、実際には(日本人の耳には)「ティ」や「キ」「ティリ」のように聞こえます。
まず舌先を上の歯茎に付け、舌の両脇を下ろして下の奥歯に近付けます。 そこに息を送り込み、舌の両脇と下の奧歯との間で摩擦音を出して発音します。 初めの内はまず発音できないでしょうから、英語の
little や
battle の
tl の部分の音で代用しても良いと思います。
英語にも日本語にも、その他中国語・韓国語・アイヌ語・ヨーロッパの各言語のどれにも存在しない音であり、この音を聞いた事のある人はまず殆どいないと思います。(南米原住民のナワトル語{アステカ族の言語}の
tl の音{「ケツァルコアトル」の「トル」の部分}が、これと同じ音のようです) ぜひカセットテープなどの教材を聞いて、実際の発音を確認してください。
例:tlhIj [トゥリジ] (謝る(v))
tlhutlh [トゥルートゥル] (飲む(v))
yotlh [ヨゥトゥル] (平原、野原)
v [ヴァ、ヴェ、ヴィ、ヴォゥ、ヴー]
英語の
v音です。 英語の
f や
v と同じように、上の前歯で下唇に触れて声を出します。
なお、クリンゴン語には
f の音がありません。 そのため、例えば
Ferengi(フェレンギ)を音訳する場合は、
f の音は
v で代用して
verengan[ヴェれンガン]となります。 ウォーフ(Worf)の名前はクリンゴン語では
wo'rIv[ウォッ・りヴ]です。
例:vIttlhegh [ヴィトトゥレグ] (諺、格言)
voDleH [ヴォゥドレフ] (皇帝)
Duv [ドゥーヴ] (進む、進める(v))
w [ワ、ウェ、ウィ、ウォゥ、ウー]
英語の
w音です。 日本語と違い、唇を尖らせるようにして発音します。
例:wam [ワム] (狩る、狩猟する(v)) / wamwI' [ワムウィッ] (狩人、ハンター)
-wI' [-ウィッ] ((動詞の後について)~する人、~する物)
wup [ウープ] (急に歌い出す)
y [ヤ、イェ、ユィ、ヨゥ、ユー]
英語の
y音です。 便宜上このようにカタカナ表記してますが、「イェ」は「ヤ行のエの段の音」、「ユィ」は「ヤ行のイの段の音」で、子音
y+母音から成る「一音」です。 どちらも現代日本語には存在しない音です。
中国語の 「爺」「野」「夜」「葉」(ピンイン表記:
ye)や、「一」「以」(
yi)、「銀」「音」(
yin) の発音がこの音です。
このサイトのカタカナ表記では、英語の
ear が「イアー」なら、
year が「ユィアー」となります。 日本人には苦手な音のひとつなので(ear と year の区別が付いてない人は多いですよね)、最初は
yI は「イ」、
ye は「エ」でも構わないと思います。
例:yay' [ヤィッ] (ショックを受ける、驚く(v))
yIt [ユィト] (歩く(v))
yoH [ヨゥフ] (勇敢な(v)) / yoHwI' [ヨゥフウィッ] (勇者、勇士)
' [ッア、ッエ、ッイ、ッオゥ、ッウー]
' (アポストロフィ)は声門閉鎖音で、日本語の小さい「ッ」に似ています。 喉を閉めて、音を一瞬止めるようにします。 後ろに母音が続かないときは息を飲み込むようにして音を詰まらせます。
このページでは便宜上「ッ」で表記しています。
アラビア語のハムザ(hamza)という音がこれと同じ音のようです。
例: 'av [ッアヴ] (守る、警戒する(v)) / 'avwI' [ッアヴウィッ] (守衛、護衛、番人)
'uQ [ッウーク] (夕食、ディナー)
Do'Ha' [ドウッ・ハッ] (不運にも、あいにく(副詞))
ピカド(pIqaD)の読み方
|
pIqaD | ローマ字表記 | 国際音声記号 IPA | 一字での読み |
|
a | a | 'at 【ッアト】 |
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b | b | bay 【バィ】 |
|
ch | ʧ | chay 【チャィ】 |
|
D | ɖ | Day 【ダィ】 |
|
e | ɛ | 'et 【ッエト】 |
|
gh | ɣ | ghay 【ガィ】 |
|
H | x | Hay 【ハィ】 |
|
I | ɪ | 'It 【ッイト】 |
|
j | ʤ | jay 【ジャィ】 |
|
l | l | lay 【ラィ】 |
|
m | m | may 【マィ】 |
|
n | n | nay 【ナィ】 |
|
ng | ŋ | ngay 【ンガィ】 |
|
o | o | 'ot 【ッオゥト】 |
|
p | pʰ | pay 【パィ】 |
|
q | q | qay 【カィ】 |
|
Q | qχ | Qay 【クァィ】 |
|
r | r | ray 【らィ】 |
|
S | ʂ | Say 【シャィ】 |
|
t | tʰ | tay 【タィ】 |
|
tlh | tˡɬ | tlhay 【トゥラィ】 |
|
u | u | 'ut 【ッウート】 |
|
v | v | vay 【ヴァィ】 |
|
w | w | way 【ワィ】 |
|
y | j | yay 【ヤィ】 |
|
' | ʔ | ' 【ッ】 |
強勢(アクセント)
複数の音節を持つ単語は全て、ひとつの音節が強調されます。
強調される音節は、他の音節よりも少し高く、少し強く発音されます。
(日本語の「高低アクセント」と英語の「強弱アクセント」を半分づつ併せ持つような形になっています)
名詞の場合
・通常は最初の名詞接尾辞のひとつ前の音節が、名詞接尾辞が付かない場合は、最後の音節が強調されます。(つまりどちらの場合も、名詞自体の最後の音節が強調されます)
・終わりに
’(アポストロフィ、声門閉鎖音)が付く接尾辞がある場合、代わりにこの接尾辞が強調されます。 ふたつの
’ 付き接尾辞が連続してある場合は、この両方が強調されます。
動詞の場合
・通常、動詞自体が強調されます。
・終わりに
’(声門閉鎖音)が付く動詞接尾辞が、ひとつ以上の他の接尾辞が間に入って動詞本体から離れているときは、動詞とこの
’ 付き接尾辞の両方が強調されます。
・また、特にその意味を強調したい接尾辞がある場合、強調される音節はそこに移動します。 多くの場合に、9類の疑問形接尾辞
-'a' と Rover接尾辞
-be'、
-Ha'、
-Qo'、
-qu' は強調して発音されます。(おそらく、相手がこれらの音を聞き逃すと、逆の意味に受け取られてしまうためです。 内容によっては、これはクリンゴン同士なら殺し合いになりかねない危険なことです)
ただし、これらの決まりに当てはまらず、その時によって異なる音節が強調される単語も存在します。
やはりカセットテープ(iTunesでも購入可能)などの実際の発音を繰り返し聞いて、アクセントの流れを感覚的につかむのが最良だと思います。