OLIVEOIL乗船ガイド

初めてヨットに乗るあなたに楽しくヨットに乗船して頂くためのガイドです。




☆はじめに☆
ヨットは奥の深い乗り物で身に付くのは数年、数十年掛かります。
従って、このガイドの内容も一度に全て覚える事は不可能です。
「ヨットってこんなものか」と気軽に読み流してください。

オリエンテーション

   
はじめての乗物に乗るとき、誰しもが大きな期待と、ちょっぴり不安が付きまといます。

  まして海の上でスリリングなイメージがあるヨットでは・・・「転覆しないかしら?」、「船酔が心配!」、「食事は?」、

  「トイレは?」、
「傾いて走るんだよね」、「落ちないだろうか?」・・・等など、きっと、不安も大きいことでしょう。

  このガイドは、ヨットと言う乗物や、乗り方等の要領を知ることで不安を取り除き、楽しくヨットを体験して頂くために、

  出港から帰港までの様子や、ヨットの知識、船上での楽しみ方、生活等を説明い
たします。

  貴方の不安が取り除かれ、ヨットを楽しんでいただけたら幸いです。


訓 練 生 心 得

海と船の世界を少しでもご理解いただくために

1.船長、乗組員からのアドバイス
    ヨットは安全な乗り物ですが、陸上の乗物と異なり若干の海や、船の知識技能(シーマンシップと称する)が必要となります。
   事前に予備知識として艤装、帆走理論、ロープワーク、船上生活等の知識を得ておきますとヨットを十分に楽しめると思います。
   また、当船長、乗組員はあなたの安全を守るために必要なアドバイス
を適時行いますので指示に従ってください。

2.訓練生として乗船いただきます
    OliveOilは客船ではありません。乗船される方は全員がOliveOilの乗組員として乗船する事に成ります。そこで皆様には、艇の運航に
   必要な簡単な初歩的作業をお願いする事が有りますのでどうぞ了解ください。


3.救命胴衣、ハーネスの着用
    コックピットやデッキに出る時は必ず救命胴衣を着用ください。なお、荒天時、夜間航行の場合はハーネスを着用して頂きます。
    海洋教室では教材のロープで簡易ハーネスを作り着用しますので下図のロープワークを習得してください。

    
もやい結び 身体に結びます。
ふたむすび 船体側に繋げる金具

(スナップフック)に結びます。

   OLIVEOILでは安全を第一にと考えて行動していますのでご協力をお願いします。

4.船乗り言葉
   
海の上は、波や風の音で言葉が届かない場合が多々あるので自然と大声極めて短いセンテンスが必要となり習慣と成っています。
   また、言葉が届いたのか否かを確認する為にも
大きな声で返答をして頂きます。時に、敬称を略したり命令調の言葉を使う事があります。
   この習慣は陸上の人々から見ると怒って怒鳴っている様に聞こえたり、自分が叱られている様に聞こえたりする様ですが、船乗り言葉、漁
   師言葉は、本来、海の上で迅速確実な伝達の必要性から生まれた独特のコミニケーション方法であり必要不可欠な方法なのです。決して
   貴方の人格を否定するものではありませんのでどうぞご理解をお願いします。

5.明朗、協調性を発揮してください
  
 自然の中では、時に悪天候に成り航海が辛く感じる場合があります。まして、狭い艇内での共同生活ではなお更です。 その様なときこそ
   明朗さを忘れずにいたいものです。それには、お互いに
助け合いとエンターテナー精神を存分に発揮していただき楽しい船上生活に成る様
   期待し願ってやみません。

        


乗船前の準備
 服 装

 ヨットに乗るときの服装はカジュアルな
 装いであれば特別なことはありません

 但し、海上は夏でも風に当ると寒くなる
 ので
1シーズン寒い身支度が良い。

 上着はラガーシャツがヨットに良く似合
  います。
 スラックス、スニーカー、帽子、水着、サ
 ングラス等
少し派手めが似合います
 また、
汚れても良い服装が好ましい。

 無風の時は汗をかき、風が吹くと飛沫
 に濡れることもあるので
下着の予備と、
 タオル等
を用意されると良いでしょう。

 マリーナを利用する場合はシャワー室
 が完備し利用出来る場合も有ります。


 荷物制限

 一般に艇内は広さに限りがあり持込
 む荷物の容積制限をしています。

 通常、数日の航海でも大き目の
バッ
 ク1個と手荷物バッグ程度
までとし
 ています。

 カメラ、サングラス等こわれやすい物
 はタオルや着替え等でパッキングして
 おいてください。


 水に濡れると壊れるものはポリ袋等
 の防水袋
に入てください。






 持 参 品

 カメラ、サングラス、CD・カセット等の
 音楽ソース、
嗜好品、常備薬、酔止
 薬、日焼クリーム等。

 船内備品としてIpot、CD、カセットデ
 ッキ、双眼鏡
は艇に備えています。
 電気製品は100V/100Wまで使用で
 きます。(器機によっては使えないも
 もあります)

 貴重品は持参されぬよう願います。


 注:@胸ポケットに物を入こと!
   下を向いた時に大切なものを海に
   プレゼントすることになります。
   A濡れて壊れるものは
防水袋
   入れてください。


 船酔予防

 船酔を心配される方に艇長からの
 アドバイス。

 @船酔いは船内で身の処し方や、
  要領も解らないと不安感から船酔
  いする様です。
  少しでも予備知識を得て
作業
  お喋りに
積極的に参加すると酔
  いも少なく成ります。


 Aベテランでも
二日酔寝不足
  時は船酔をします。乗船前日は睡
  眠を十分に取るとよいでしょう。


 B最近の船酔薬は進歩しています。
  
乗船30分前に適量服用すると
  安心です。

  又、手首をベルト等で縛る船酔い
  防止バンドも効果があると言われ
  ています。
乗 船 案 内

乗船後ご案内します
救命胴衣

 乗船時に救命胴衣を配り
 ます。

 @必ず試着してください。

 A
胴回ひもは強く締める。

 Bサイズが合っているか。

 C紐が切れていないか。

 D笛が鳴るか。

 E
置場を覚えておくこと。




三点ホールド習得

 船から落ちない基本動作

 @
デッキを移動する時、
 
両手両足で離れるのは
  一つだけ。


 Aデッキを移動する際に
  船長・クルーは安全に掴め
  る所を説明
しますので必ず
  その場所を
覚えて下さい。

 B静平水走行中に艇
内の
  移動の練習をしましょう。





危険箇所と指定座席

 デッキでは追い風の時、非常に
 
危険になる場所があります。

 @メインセールのブームが動く
  範囲内
が危険区域です。

 A
安全のため、船長、クルーは
  着座位置を指定する場合が有
  ります。

 B重心が高いとバランスを崩し
  落水の危険が有りますので低
  い姿勢を守ってください。
  (O脚が好ましい^^)




ヘッド(トイレ)の使用法

 艇内には水洗トイレが完備して
 います。

 @船長・クルーがヘッドの使い
  方を
説明します。

 A
付用紙以外は排出パイ
  プが詰まる
ので使用厳禁
  です。
  もし、詰まると地獄を味わいま
  すので宜しくお願いします。







ワッチ&オフ

 航海時には当直(ワッチ)が
 定められ交代で操
船や見張
 任務に付いて
頂きます。

 当直が終わり次の当直まで
 の自由時間(ワッチオフ)を
 どのように過ごすかで船旅
 の
楽しみが倍加するのです。

 初心者はやる事が
なく無為
 に時を過ごします。


 船旅のベテランは何もしない

 悠久の時(ノンビリズム)を楽
 しみます。是非、早く
コツを掴
 んでください

 船旅の醍醐味がここに尽きる
 の
ですから。

講習ステップ

あなたの希望のステップをお選びください。
ヨットに乗るだけならば、ステップTをマスターすれば良いでしょう
ステップWまで身につけば 世界周航も夢ではありません。

 ステップT乗る

  1.3点支持(ホールド)

  2.安全なデッキ移動

  3.主要部の名称を知る

  4.設備の使用法を習得

  5.航海見張(ワッチ)

  6.報告、連絡、確認

  7.2つのロープワーク習得

  8.ヨットの原理を知る

  9.舵を握ってみよう

 10.ノンビリズム術習得
 ステップU 【操る】

  1.4つのロープワーク習得

  2.メインセール取扱い


  3.ジブセール取扱


  4.帆走の種類を知る


  5.タッキング


  6.ジャイビング


  7.操船−舵取り


  8.基本セールトリム

  9.海上衝突予防法


 10.艇清掃
 ステップV 【走る】

  1.セールトリム

  2.セールチェンジ


  3.ヘルム(リー、ウエザー)


  4.リーウエイ

  5.荒天対策(縮帆)


  6.アンカーリング

  7.離岸、着岸、係船


  8.離艇準備


  9.係留、錨泊


 10.簡単な調理
 ステップW 【旅する】

  1.海図、水路誌、灯台

  2.航海術


  3.GPS、コンパス取扱い


  4.気象・海象の知識


  5.天気図、観天望気


  6.航海計画、食料計画
、調理

  7.エンジン整備


  8.艇体点検・整備・修理


  9.クルージング


 10.係留索設置、保守


出 航

  1.身体や手を船外に出すと船体と挟まれ大怪我をし危険なので船外に出さぬこと。


  2.コックピットやデッキに出る場合は
救命胴衣の着用をお守りください。

  3.慣れるまでは、安全の為座席位置や居場所は船長、クルーが指示します。



船上生活

元来舟遊びとは楽しいもの、贅沢なものの代名詞です。
早くノンビリズムを修得ください。

  1.
酔いそうになったら早めに船長又はベテラン乗員に伝えてください。「酔い止め」防止策をします。

  2.航海中は当直を定める場合があります。この時は皆さんに見張当直(ワッチ)や操船をして頂きます。


  3.当直解除の時間はあなたの自由時間です。船旅の楽しさ「ノンビリズム」を大いに修得してください。


  4.但し、船長の「オールハンズ オン デッキ」の号令が出ると全員ワッチとなる場合があります。


  5.食事は、船長又は、担当クルーの合図で開始いたしますが交代で操船と見張りを行います。


  6.艇内フリードリンクや、ご持参のお菓子、果物などはご自由にお取りください。

  7.判らない事は遠慮なくお気軽に質問ください。


帆走技術

この項は更に興味をお持ちの方がお読みください

 
1.【メインセール】

  @メインセ−ルは名前の通り主役となるセールで帆走に重要な働きをします。
  A出航前にブーム(横桁)のグルーブ(溝)にセールを差込みブーム上に畳んで結んでおきます。
  Bメインセールを上げるには、艇を風上に向け速度を落として走らせます。
  Cセールの上端(ピーク)をマストのグルーブ(溝)に差し込みます。
  Dマストトップに回してあるロープ(メインハリヤード)を引上げます。
  Eメインセールはメインシート(ブーム後端につないであるロープ)の出し入れで調整します。


 2.【ジブセール】
  @ジブセール(前帆)はマストを支える前支線(フォアステー)にセットします。
  Aジブセールの後端には2本のロープ(ジブシート)をセットしておきます。
  Bジブセールをマストトップに回したロープ(ジブハリヤード)で引き上げます。
  Cジブセールの後端にセットしたロープ(ジブシート)を引き調整します。


 3.【帆走の原理】
  ヨットのセールは風を受けるのではなく、風を流す事により生まれる揚力で走ります。
  揚力とは、飛行機の翼の原理と同じ仕組みです。セール曲面を流れる風が、上面と、下面に別れセール後端で
  再び合流するときに風の速度
差で生れた揚力で走ります。従って、セールトリム(調整)とはセールに風をスムー
  スに流すことが大切なのです。真追手で走る時以外は、風に押され走るのではなく、風に引っ張られ走るのです。



 4.【セールの調整】
  @メインセールの調整
   メインシートの出入れで行います。調整のポイントは風がスムースに流れる様にメインシート
を出し入れし調整
   します。メインセールの後端の4本の赤テープが均等に水平に流れる様に成れば調整完了です。

   シートは、ただ引っ張ればよいと言うわけではありません。

  Aジブセールの調整
   ジブシートの出入れで行います。調整ポイントはメインセールと同様に風がスムースに
流れる様に調整します。
   そのため、ジブシートの前端表裏に「テルテール」と言う赤青のテープが付いていますが表裏共にスムーズに
   水平にはためく状態に調整します。

 5.【舵の操作】
  @目的地に船首を向け又、コンパスを目標に合わせ舵棒(テラー)を調整します。
  A次に、船首前方の動かぬ目標物に船首を合わせテラーを小さく動かし操縦します。
  Bときとして、風向きが変わった場合はセールを微調整します。

  .


帰 港

たのしいセーリングも終わりOliveOilは母港にもどります。


  1.自分の荷物をまとめ忘れ物の無い様に退船の準備を始めてください。


  2.船長から納艇作業の指示がありますので従ってください。

  3.艇が桟橋に接岸するとき身体が挟まれぬ様ご注意ください。


  4.船長、クルーからの指示があるまで下船しないでください。

  5.陸に上がるまで救命胴衣は脱がないでください。


  6.上陸してから救命胴衣を脱ぎ船内に戻してください。


お疲れ様でした。


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