ヨットは帆船の子孫です。帆船は、青少年を育てる最高の教室として現在も盛んに使用されています。帆船には、知力、体力、英知、気力、勇気、協調、奉仕・・・と将来を担う青少年に期待し、望む、全ての要素が凝縮しているからに他ならないからです。

しかし、日本は、四方を海で囲まれてはいるものの、徳川幕府の鎖国令により300年もの長い間海外渡航が禁じられていました。
安土桃山時代までは、優秀な船と、航行技術、乗組員を持ち、海外各地に進出し勢力を広げて行った日本人の旺盛な「潮っ気」は、 鎖国政策により完全に潮抜きされて「海の民」ではなくなっしまったのです。

当時、西欧諸国は、植民地や香辛料の獲得に、帆船が主役とし活躍していました。
頑強で、速度が早い船と、 優れた戦略をもつ提督が率いる艦隊が勝利をもたらし領土を広げて行きます。
やがて、
大航海時代を迎えるや中国やセイロンからその年取れた新茶を、ロンドンに一早く届けた者が巨大な富を獲得する。 必然、 帆船は長距離レースを展開し帆船技術は急速に進化を遂げるのです。その光景は、現在世界最高のヨットレースである、アメリカンズカップのトレーニングで垣間見ることができます。

ヨーロッパでは船は身近な存在でした。遊び用の船も数多く作られました。人々は、小船に帆を付けて走ります。
自然と、隣の船と競争となり、風上に向かって走る船が勝利を収めます。
そこで、人々は工夫を重ねてゆきます。

やがてオランダでこの願いが叶う発明がされます。 それは、リーボードと言う横流防止用の板を船縁から水中におろし横流れを防ぎ、ラテンセールという縦帆が生み出す揚力により風上帆走が可能となったのです。
現在の「ヨット」の原形が誕生したのです。 以後、ヨットレースではスピードを競い合い、 各国で改良に改良を重ねられてゆきます。流体力学の粋を集めて進化し、究極の形に変貌してゆきます。ヨットの美しさは洗練された究極の美となっているのでしょうか。

 

 


ヨットの種類

 

 

ヨットには、1人から3人乗りで昼間、平水域でレースを楽しむ軽快なオープンデッキのディンギィーと呼ばれる小艇と、外洋を数日から、数年かけて航海をする事を目的としたクルーザーとがあります。

OLIVEOILは、後者のクルーザーの範疇に入ります。
クルーザーで数日の間航海をするには、操船技術、儀装、結索、航海術、機関修理技術、気象、海象等の幅広い知識が必要となります。とても難しそうに思われますが、学ぶと、とても面白く、奥が深いものです。一度覗いて見てください。
 

 

 


クルーザーのしくみ


 

 

わずか全長5.85mのベニア製の「マーメイド号」を操り、太平洋を単独横断した堀江青年の冒険は40年経た現在でも我々に新鮮な感動を与える出来事です。

6mにも満たぬ小さな船で嵐に耐え100日以上も生活が出来る構造をもっています。

クルーザーは「ヤジロベイ」の原理で船の30〜40%の重りが船底に付いています。もし、転覆しても自然と起き上がる仕組みになっているのです。その安全性は2万トンクラスの船に匹敵するそうです。


また、狭い船内をいかに人と荷物を積めるのか、究極の合理主義が貫いています。例えばOLIVEOIL号では全長9m、巾3mの船体に、ヘッド(トイレ)、ギャレー(台所)があり、何と7名分のバース(ベット)があり寝起きができます。ヨットに接していると、合理性、科学性が自然と身に付くことになります。



「ノンビリズム」の素晴らしさ


 

 

ヨットは、風をエネルギーとして走ります。流体力学や物理学を知らなくともヨットを走しらせることは出来ます。知っていれば更に早く走ることが出来るのです。

風を受け、エンジンを止め、 風だけで走る瞬間、 艇に乗っている誰もが幸せな気持になります。機走(エンジンで走ること)では聞こえなかった波をきる音が心地よいBGMとして聞こえてくるのです。

速度がおそいこともヨットの魅力の一つなのです。
もし、速度が早ければ波に当たるショックは大きなものとなり乗員の身体を疲れさせるでしょう。
ヨットの速度は神経が休まる癒しの速度なのです。

何回かヨットに乗っているうちにこの「ノンビリズム」が理解出来るようになります。そのとき始めてヨットの素晴らしさが理解できるのです。
波を切る優しい音と、「サザンオールスターズ」の曲が奏でる絶妙なハーモニーを体感するまで何度も乗られることをお勧めします。陸の上では味わうことができない極楽のひと時を与えてくれます。ヨットをやめられぬ理由の一つです。

素晴らしきクルージングの世界をこのホームページでお楽しみください。



Olive Oilのホームページに戻る