OLIVEOIL流DIYメンテ特集
No6
海水ストレーナー取り付け
UP DATE 2007.09.23
はじめに
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2007年9月、台風9号が関東地方を直撃し記録的な降雨量をもたらし大量の漂流物が河川に流れ込み 東京湾に流れ込んだ。特に江戸川から船橋港に流れ込んだ葦や流木は我々のヨット係留場所に押し寄せ 流れ込み流氷のごとく港を埋め尽くした。 この様な状態でエンジンを掛けたらたちまちゴミが冷却水経路に塞いでしまう恐れがある。実際にクラブ艇 2艘からゴミ詰まりの報告を受けたのでこの機会に海水ストレーナーを取り付けることにした。 取り付けた結果、夜間航行の時などゴミ漂流海域を視認出来ずに突っ込みゴミ詰まりの不安から100% 開放されて精神的にも安心感が増した事を皆さんに報告します。 |
事例報告 | OLIVEOILの冷却水経路には海水ストレーナーが付いておらず海水は海水取り入れ口からダイレクトにインペラに 行きエンジンのウオータージャケットに流れ込んでいる。 然し、過去20数年の間、冷却パイプが詰まった例はミキシングエルボーの海水取り入れ口のカーボン堆積による 詰まり以外経験していない。然し、今回の大量ゴミ漂着で我がヨットクラブの2艘の艇長からゴミ詰まりの報告が 寄せられた。 【報告1】 26feet艇、エンジンはYS8、船内に海水漉器装着艇。 大量のゴミに囲まれた中でエンジンを掛けたら冷却水警告ランプが点灯した。幸いこの船には海水ストレーナーが 付いているのでエンジンを掛けたのだが、ストレーナーに大量のゴミが詰まって目詰まりを起していた。 ストレーナーのゴミを取いて復旧した。ゴミの内容は水を含み水中に漂う小さな葦であったそうな。 【報告2】 30feet艇エンジンYS8、海水取入口に口径3mm程度の網目ストレーナー装着艇。 ゴミも少なく成ったので15マイルの回航をシングルハンドで行った途中、冷却経水警告ランプが点灯した。 そこで、エンジンを止めオートパイロットで帆走しながら冷却経路を分解点検した。インペラを分解し付近にゴミが詰 まってい取り除き復旧した。 何れも艇長の適切な処置で正常に復旧されているが、もし夜間航行で水に漂う漂流物に突っ込みゴミ詰まりが発生 する確率はゼロでは無くゴミ詰まりは何時発生してもおかしく無いと言うことになる。 そこで、ゴミ詰まり対策を考えストレーナーを取り付けることにした。 |
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ストレーナーとは? | 早速、ストレーナーについて各社のカタログやWebで調べたみた。 @ストレナーの定義 :液体の中に混入する異物を漉すフィルターを言う。 A名称 :フィルター、ストレーナー、漉器、ポンプガード、などと呼ばれている。 B種類 :食品用、燃料用、飲料水用、冷却水用、と用途に合わせ作られている。 C液体の種類 :卵、牛乳、ケーキ材料、ガソリン、軽油、重油、清水、海水、と様々な用途がある。 Dメッシュ :網目の細かさに応じ「メッシュ」の単位で表している。数字が多きほど細かくなる。 |
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形態・スペック |
@取付ホース口径 :10mm〜数10センチまである A漉網細かさ(メッシュ):ミクロン単位から数mm単位まで様々ある。(数値が大きくなる程に網目は細かくなる) B網の材質 :紙製(燃料用、コーヒーメーカー)、真鍮網(燃料用)、SUS網(飲料水用)、プラスティックス C網面積と形状 :筒型、平型、成型型、自作可能型、純正部品型 D取付ブラケット形状 :垂直壁及び水平面に付けるもの、ホース途中に付けるもの、手持ちのもの、コーヒーメーカー E使用目的 :漁船向、小型艇向、PWC向、飲料水向、食品向、ケーキ作り向、コーヒーメーカー等。 F本体材質 :ブロンズ、ステンレス、プラスティックス、混合タイプ G価格 :100円〜数十万円まで |
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適応機種探し | 今回のストレーナーは海水漉器用のものを選ぶ。 網目サイズは細か過ぎると小さなゴミまで捕らえてすぐに詰まってしまうので荒めのもので良い。 飲料水用のストレーナーではメッシュが細か過ぎるので適さない。要は適当な網目と流量が得られれば良いのだ。 ヨット用エンジンの小さなインペラではさほど流量もないので漁船用のストレーナーではオーバースペックと言うこと に成る。それはそれでもよいのだが価格も極めてオーバースペックなのでお金のある方、大型艇向けである。 サイズ等は、ヨット用エンジン(YS8やGM2)のインペラサイズと回転数から推し量ると、10馬力程度の船外機並み の大きさで回転数も船外機の1/2程度と低く当然流量も少なくなる。 一方、PWC(水上バイク)のエンジンを見ると 40馬力程度あり回転も2倍以上あり水量、流量とも余裕を持って対応できると判断しPWC用のストレーナーを視野 に入れ探した。 |
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見つけました |
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取付けました | 【必要部品】 @径19mmの耐圧ホース 30cmほど A異径継手 径15mm/19mmの異径パイプ継手(ホームセンターで家庭用継手を購入) 2個 Bホースクランプ 径15mm用×3個 径19mm用×2個 (現用使用の15mm用1個は再使用できる) 【概 要】 ポンプガードを付けた場合の経路は 〔冷却水スルハル〕⇒〔バルブ〕⇒〔径15mm耐圧ホース〕⇒〔異径継手15mm/19mm〕⇒〔径19mm耐圧ホース〕⇒ 〔ポンプガード本体流入口〕⇒〔径19mm耐圧ホース〕⇒〔異径継手15mm/19mm〕⇒〔径15mm耐圧ホース〕⇒ 〔インペラ〕 と成る。文字で書くと面倒そうだが実際は極めて簡単である。次回写真載せるので参照ください。 【工 程】 @ 径19mm耐圧ホース15cmを2本作り、異径継手19mm側に挿入する(ホースを暖める)。 A @の19mmホースをポンプガードの流入口、流失口に挿入しホースクランプで締め付け固定する。 B Aを冷却水取入口のホースに合わせ取付位置を慎重に定めカットする場所をマジックなどでマーキングする。 C 冷却ホースをカッターナイフでカットする。鋼線入りのホースではニッパなどでカットする。 D 切り取った15mmホースを流入口側の異径継手15mm側に挿入しホースクランプで締め付け固定しておく。 E ポンプガード本体を取り付けるまえに先にホースクランプを挿入しておく。 F ポンプガード本体の矢印で流入方向を確認し入口側を冷却水取入口のバルブ側に挿入しホースクランプで締め付 け固定する。( Gポンプガードの流出口側にインペラに行く15mmホースを取り付けホースクランプで締め付け固定し取付は完了。 キングストンバルブからウオーターポンプの間に挿入した。 【点 検】 @ 冷却水バルブを開ける。ポンプガードに水が流れて来るのが確認できる。 A 継ぎ手から水が漏れぬことを確認する。 B エンジンを掛ける。冷却水が流れるのを確認する。量 C 各部の水漏れが無いか点検する。漏れがあったら締め付けを増締めする。 D 異常が無ければ完了する。 |
作業後記 |
最近の中国の商品開発は面白いものが沢山ある。日本の規格にない電動スクーター等は秀逸である。常識に捕らわ れぬ企画のものが結構ある。 特に感じることは、エンターテーメントに関する製品に常識に捕らわれず斬新で面白い魅力溢れる一寸気を引かれる 製品が作られていることです。 電動スクーターなどは日本では道路交通法から見て決して考えられぬものだと思いました。一寸危険が伴うがそれが とても魅力的である。ちょい悪おやじの魅力のごとく規制に捕らわれぬ遊び用具を日本人も作って欲しいものです。! そして価格の安さが何と言っても魅力でもある。問題の品質もここ数年良くなってきており過去の日本の歩んできた道 歴史と同様に良質の製品となるものと思われます。 メードインJAPANガンバレ! と思わず叫んでしまう。今日この頃です。 |
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