OLIVEOIL流DIYメンテ特集 No2

グランドパッキンの交換

UP DATE 2007.5.14
ReNew 2008.09.10



テフロン製のスタンパック

はじめに

 

 

 プロペラシャフトが船体から船外に出るところで海水が入らぬ役目をするのがグランドパッキンである。
通常、グランドパッキンの交換は数年に一度上架した時に行なうものだが、水に浮かんだ状態で交換も可能である。

然し、パッキンを外すと船は栓を抜いた状態になるので交換を躊躇している方が多いようだ。
しかし、心配はご無用である。勿論、パッキンを外すと当然漏水はするものの漏れる水量は僅かであり水に浮かんだ状態でも簡単に交換が出来る。然し、油断は禁物!しっかりと事前の準備をして挑戦すれば意外と簡単に交換が出来るのでトライしてください。

実施日 2002年10月22日


事前の準備       
1.必要な工具・部品は何か?
 工具

 
@眼鏡レンチ :13mm×2本。ヤンマーYS8には13mmのレンチが必須である。

 A両口レンチ :13mm×1本

 B
パッキン外し:先を曲げた千枚通しなど(私は100円均一で買った「たこやき返し」の先を曲げたものを使用。
            


 Cウエス    :漏水の海水を吸い取り掃除のための雑巾、吸い取りスポンジを若干


 【部品】

 @グランドパッキン:タイトルの写真のものでテフロン製、高澤製作所にて購入。夢の島マリーンサービスに在庫あり。

 Aマリングリース :耐海水用を用意する。小生はウエストマリン社のグランドパッキン専用グリスを使用しました。
              国内では、ヤマハ用品のマリングレードのグリースがあります。
              使用方法は、事前にシャフトに合せカットしたパッキンにたっぷりとグリス漬けしておくこと。
              


 Bパッキン蓋を閉める黄銅製の特殊ボルト&ナット

              ・専用の締め付け用のボルトは船尾装置側が逆ネジ、蓋側が順ネジとなっています。
              ・永年使用すると電蝕でナット側のねじ山が無くなりねじがバカに成ったので応急処置として
               SUS13mmのナットで対応しました。但し、黄銅とSUSでは電蝕を起すので早急に純正品に
               戻しました。
              ・専用のボルト&ナットは中々入手が難しかった。それは販売店で仕入先が判らない様でして
               販売店に仕入先を伝えと入手出来ると思います。私は、Y社を通じ轄もV製作所で購入した。
              

                   
2.その他準備
@心の準備 :初めてトライする心境は、水に浮いた船の栓を開けることで沈没するのではないかと言う心配と恐れがあった。
          大丈夫!船が沈むまでは相当な時間を要する。段取りとシュミレーションを充分にしてトライすれば恐れること
          はない。 終わってみれば「なんだ!簡単じゃーないか!」と言うことになる。

A漏水量測定:スカンピMKUはエンジンがフォクスルに有り、シャフトはバラスト後部上の船尾装置を経て外に出ています。
          従って、グランドパッキンの位置はバラスト上約15cmに有り喫水も割と浅いところにあります。
          一般の艇ではグランドパッキンの位置が異なり、喫水から深い処にある艇では水圧が異なるので漏水量も艇
          によって異
なりますので漏水量をテストします。
          方法は、パッキンを一枚ずつ取り外して行き各々の漏水量を知ることです。最後の一枚を外したときの漏水量
          を知る事が大切です。


B予行練習 :確かに簡単ではあるものの準備を怠ってはならぬ!
          ・工具のおき場所
          ・パッキンをシャフト径の長さにカットしてマリングリスをたっぷり塗っておくこと。
          ・全工程をシュミレーションし、頭で、手先で、身体で、習得しておくと安心感が増します(重要)。
          ・
C修了後準備:達成感で幸せ一杯になります。乾杯の用意を是非 ^^v
 


工 程
@スカンピマークUの場合船尾装置はキャビン中央にあります。(やり易くとてもお利口さんです)
  一般のヨットではコックピット下にあるので窮屈な作業は覚悟してください。


 @これが船尾装置(高澤製作所製のTMマークが見えるます)



 Aグランドパッキン蓋の開放。グランドパッキンを締め付けている真鍮製のWナット2本のレンチで外す。(容易です)

 BWナットを外しパッキン蓋を引き出す。と中にグランドパッキンが入っている。



 C中のグランドパッキン外しでパッキン3〜4枚を掻きだします(容易)



 Dパッキンを全て外した状態です。漏水はほとんど無い状態です。



新パッキンの取りつけ

E新パッキンの挿入は、古いパッキンを取り除いた後、マリングリス漬処理済みの
新しいパッキンを船尾装置に切り口を各60°の角度にずらし挿入する。(重要)
2枚も入れれば漏水は止まります。


F船尾装置の黄銅製のボルトとナットが磨り減っていたので全て新品に交換しました。

Gパッキン蓋を元に戻し、ナットを均等に締めて行きます。
パッキン蓋のボルトの締め付けは、くれぐれもきつく締めてはいけない。
機走時の締め付けトルクは、1分間に数滴の漏水がある状態にし、
摩擦によるシャフトの発熱を海水で冷却するためです。

停泊時はウエストマリンのマリングリスのお陰で漏水も殆ど無い。

H増締め:新しいパッキンがなじむにつれ隙間が出来るのでパッキン蓋を僅かに増締めを行なう。



回転テスト
 @舫ったままエンジンでプロペラを回すので艇をしっかり舫う。
 Aエンジンを掛け、前進にクラッチを入れシャフトを回転させる。
 Bグランドパッキンから水漏れがあるか確認する。水漏れがあればパッキン蓋の増締めをする。




 

 

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