「あひるの造船所」 PartU by Oliveyz Date: 03 Sep
2006
”我が愛する造船所” 船橋のミクロネシア!!のその後の話しをしませう。 ・・・前話まで・・・ 船橋港の西外れに、くだんの造船所はある。 余りにも良心的なオーナーに要らぬお節介をし、ご迷惑を掛けぬ様、匿名 での紹 介をお許し願いたい。 全国的に、木造りの和船を作る造船所は少なくなった。 この造船所も同様で、「とらさん」で有名な葛飾柴又の近くにある水元公園のへら鮒池での釣宿に欠かせぬ 和船を作っている船大工さんがこの造船所のオーナーでありこの話の主である。 主は、豊かな奉仕心と、きさくな人柄で、海好きの若者(主 より若い人は60歳でも若者!)を応援してい、 ・・・中略・・・ 木陰談義で、目の前の水面に 「アヒルがいると絵になる〜!」 と提案した者 がい全員が一致して 「いいな〜!、それは善い考えだ〜!」 と言う事になった。 早速、先出の会長格のH氏があひるを12 羽購入し、小屋をつくり、念願のあひるの泳ぐ風景を手に入れた。 ここで、始め て「餌は誰がやるの? クラブ員は土日しか来ない 平日は毎日くる俺がやるは めになった」と ぼやくオーナーには、可愛く育ったアヒルたちと、集まってく るメンバーをこよなく愛する目があった。 ・・・PartT話まで・・・ その後、その造船所は、あの大きなプラタナスの木陰のクラブガーデンも何回か落葉し、葉も入れ替わっ たが、主も、メンバーも元気で、昔と変わらぬ佇まいを保っている。 変わったと言えば、もう一人の主役のアヒルたちだが、その後、2代目、3代目が誕生し代替わりが行なわ れていたが、真っ白だった羽根が何時の間にか茶色の羽に変わっているのだ。 そう!主の評判を聞きつけて鴨が一羽紛れ込んできたそうな。 その鴨とアヒルたちが恋に堕ち生まれた 子供が合鴨と成って繁殖したと言う訳である。 合鴨は、あひると違って自らが卵を抱き雛を孵す能力が高いという。 そして数年したらその殆どが合鴨に 成ったと言う訳だ。 さて、合鴨といえば、鴨南蛮や、燻製にすると上品な味でとても美味しく、あひると違い食べられてしまう 確立は極めて高くなるのだが、嬉しいことに、此処の合鴨は食べられた形跡は無い。 今も、そよ風がプラタナスの大木を涼しげに通りすぎ、何時ものメンバーが集まり、お茶を飲み、漁に出 かけ、釣った魚の自慢話に華を咲かせている。 勿論、その傍には、あのアヒルの子孫たちが元気で泳ぎ回っている。 船橋の南太平洋は確実に生き残っていました。 おわり |