書のひろば

 

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第7節  芸    術

第1款  目    標



  芸術の幅広い活動を通して,生涯にわたり芸術を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,芸術の諸能力を伸ばし,豊かな情操を養う。

 

第2款  各  科  目

第10  書道I

1  目      標
  書道の幅広い活動を通して,書を愛好する心情を育てるとともに,感性を豊かにし,書写能力を高め,表現と鑑賞の基礎的な能力を伸ばす。

2  内      容
A  表現
  表現に関して次の事項を指導する。
(1)  漢字仮名交じりの書
  ア  表現と用具・用材との基本的な関係
  イ  漢字と仮名の調和した線質の表し方
  ウ  字形,文字の大きさと全体の構成
  エ  目的や用途に即した形式と表し方
  オ  意図に基づく表現の構想と工夫
(2)  漢字の書
  ア  古典に基づく基本的な点画や線質の表し方と用筆・運筆との関係
  イ  字形の構成,全体の構成
  ウ  意図に基づく表現の構想と工夫
(3)  仮名の書
  ア  古典に基づく基本的な線質の表し方と用筆・運筆との関係
  イ  単体,連綿と全体の構成
  ウ  意図に基づく表現の構想と工夫
B  鑑賞
  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
  ア  日常生活における書への関心と効用
  イ  書の美しさと表現効果
  ウ  日本及び中国等の書の文化

3  内容の取扱い
(1)  内容のA及びBの指導に当たっては,相互の関連を図るものとする。
(2)  内容のAの(2)及び(3)については,生徒の特性,地域や学校の実態を考慮して,いずれかを選択して扱うことができる。また,(1)の漢字は楷書及び行書,仮名は平仮名及び片仮名,(2)は楷書及び行書,(3)は平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとし,(2)については,生徒の特性等を考慮して,平易な隷書を加えることもできる。
(3)  内容のAについては,日常生活における目的や用途に応じて硬筆も取り上げるものとし,生徒の特性等を考慮して,篆刻等を加えることもできる。また,名筆を取り扱う場合は,目的に応じて精選して活用するよう配慮するものとし,(2)及び(3)については臨書及び創作を通して指導するものとする。
(4)  内容のAの(1)のオ,(2)のウ及び(3)のウについては,表現の構想から完成の喜びに至る過程の指導を通して,主体的に自己実現を果たしていく態度の形成を図るよう配慮するものとする。

第11  書道II

1  目      標
  書道の創造的な諸活動を通して,書を愛好する心情を育てるとともに,感性を高め,書の文化や伝統についての理解を深め,個性豊かな表現と鑑賞の能力を伸ばす。

2  内      容
A  表現
  表現に関して次の事項を指導する。
(1)  漢字仮名交じりの書
  ア  意図に即した表現と用具・用材の工夫
  イ  名筆の鑑賞に基づく表現の工夫と個性的な表現
  ウ  表現形式に応じた全体の構成
  エ  感興や意図に応じた素材の選定,表現の構想と工夫
(2)  漢字の書
  ア  書体や書風に即した用筆・運筆
  イ  古典に基づく表現の工夫と個性的な表現
  ウ  表現形式に応じた全体の構成
  エ  感興や意図に応じた素材の選定,表現の構想と工夫
(3)  仮名の書
  ア  書風に即した用筆・運筆
  イ  古典に基づく表現の工夫と個性的な表現
  ウ  連綿や散らし書きによる全体の構成
  エ  感興や意図に応じた素材の選定,表現の構想と工夫
B  鑑賞
  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
  ア  書の美の諸要素の把握と表現効果
  イ  書の美と時代,風土,筆者の個性などとの関連
  ウ  日本及び中国等の書の歴史・文化と書の現代的意義

3  内容の取扱い
(1)  内容のA及びBの指導に当たっては,相互の関連を図るものとする。
(2)  書についての総合的な理解や技能を高め,主体的な学習態度を育てるため,適切な課題を設定して学習することができる機会を設けるよう配慮するものとする。
(3)  内容のAについては,生徒の特性,地域や学校の実態を考慮して,(1),(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。(1)の漢字は楷書,行書及び草書,仮名は平仮名及び片仮名,(2)は楷書,行書,草書,隷書及び篆書,(3)は平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとする。
(4)  内容のAについては,篆刻も扱うものとし,刻字等を加えることもできる。また,(2)及び(3)については,臨書及び創作を通して指導するものとする。
(5)  内容のAの(1)のエ,(2)のエ及び(3)のエについては,素材の選定から完成の喜びに至る過程の指導を通して,主体的に自己実現を果たしていく態度の形成を図るよう配慮するものとする。

第12  書道III

1  目      標
  書道の創造的な諸活動を通して,生涯にわたり書を愛好する心情と書の文化や伝統を尊重する態度を育てるとともに,感性を磨き,個性豊かな書の能力を高める。

2  内      容
A  表現
  表現に関して,次の事項を指導する。
(1)  漢字仮名交じりの書
  ア  素材を生かした効果的な表現方法の工夫
  イ  主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現
(2)  漢字の書
  ア  古典による書の伝統の理解と書体の特色を生かした表現への深化
  イ  主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現
(3)  仮名の書
  ア  古典による仮名の書の伝統の理解と表現への深化
  イ  主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現
B  鑑賞
  鑑賞に関して,次の事項を指導する。
  ア  書の美の多様性と作品の特徴
  イ  書論による書の理解と鑑賞の深化
  ウ  日本及び中国等の書の伝統と諸文化との関連

3  内容の取扱い
(1)  生徒の特性,地域や学校の実態を考慮して,内容Aの(1),(2),(3)又はBのうち一つ以上を選択して扱うことができる。
(2)  内容のAの(2)及び(3)の指導に当たっては,臨書又は創作のいずれかを目的に応じて重点的に扱うことができる。
(3)  書についての総合的な理解や技能を高め,主体的な学習態度を育てるため,適切な課題を設定して学習することができる機会を設けるよう配慮するものとする。

 

第3款  各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い



1  指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1)  IIを付した科目はそれぞれに対応するIを付した科目を履修した後に,IIIを付した科目はそれぞれに対応するIIを付した科目を履修した後に履修させることを原則とすること。
(2)  生徒が興味・関心等に応じ,選択履修や発展的な学習をすることができるよう留意すること。
2  内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1)  各科目の特質を踏まえ,学校の実態に応じて学校図書館を活用するとともに,コンピュ−タや情報通信ネットワ−クなどを指導に生かすこと。
(2)  各科目の特質を踏まえ,地域や学校の実態に応じて,地域の文化財,文化施設,社会教育施設等の活用を図ったり,地域の人材の協力を求めたりすること。

平成11年3月29日告示

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