倉林誠一郎記念賞

倉林誠一郎記念賞について
倉林誠一郎記念賞 受賞者
倉林誠一郎 略歴



倉林誠一郎記念賞は今回(第10回)で終了とさせていただきます。
たくさんの方々にご協力をいただきましたことを深く感謝致します。
俳優座劇場は、これからもこの賞の理念を忘れずに発展させていきたいと思っております。
俳優座劇場通信ひろば(No114・2010年7月)より



倉林誠一郎記念賞について

株式会社俳優座劇場代表取締役であり、演劇制作者であった倉林誠一郎氏の遺志とご遺族の協力により、
『日本の演劇文化活動を助成し技術の向上を図り、もって演劇活動の発展に寄与する』
ことを趣旨として記念基金が設立されました。

その趣旨に則り
「現代演劇の分野で演劇制作に優れた活動をされた方」
「長年にわたり演劇を側面から支えてこられた方」
「年度内に上演された優秀作品を制作された団体」
を顕彰することを目的としております。

客席からは中々見えないところで多くの方が努力されて演劇が成立している、
そういったところに少しでも光が当たればと考えております。

表彰内容
 個人賞 賞状、副賞オリジナルガラス工芸品(志村靖夫氏 作)、及び賞金50万円
 団体賞 賞状、副賞オリジナルガラス工芸品(志村靖夫氏 作)、及び賞金100万円

選考方法
 関係各位の推薦をいただき、運営委員会によって選定されています。

運営委員 (敬称略)
 宮下展夫 (演劇評論)/北倉美智子 (元京都労演事務局長)/西川信廣 (演出)/水谷内助義 (演劇制作・3回〜)/原 恒雄 (株式会社俳優座劇場)
 森 秀雄 (演劇評論・〜2回)/岡田文江 (元大阪労演事務局長・〜5回)

俳優座劇場 内に運営委員会事務局を置き、運営事務に当たっています。


倉林誠一郎記念賞 受賞された方々 (敬称略)

第10回(2010年)
細野利郎 (かつら)
舞台かつらの分野において優れた技法により多大な貢献と後継者の育成に対して《個人賞》
霞 雄吉 (履物)
舞台靴の分野において優れた伝統の継承と向上による多大な貢献に対して《個人賞》
劇団桟敷童子
地域と結びついた拠点作りと優れた企画・制作の成果に対して《団体賞》

第9回(2009年)
阿部義弘 (制作)
演劇の幅広い国際交流を長年にわたって推進してきた業績と優れた企画に対して《個人賞》
上田 亨 (作曲)
演劇音楽の分野での優れた業績でその重要性の確立に貢献してきた成果に対して《個人賞》
人形劇団プーク
長年にわたる人形劇の上演姿勢と優れた企画・制作の成果に対して《団体賞》

第8回(2008年)
三宅 博 (舞台監督)
長年にわたり舞台監督の分野での多大な貢献と後継者の育成に対して《個人賞》
島倉二千六 (背景画)
舞台美術の分野において優れた技法により背景画の重要性を確立した業績に対して《個人賞》
二兎社
生活に直結した視線で描く永井愛作品を上演している企画・制作の成果に対して《団体賞》

第7回(2007年)
若生 昌 (衣裳)
長年にわたり演劇衣裳の分野での多大な貢献と後継者の育成に対して《個人賞》
流山児 祥 (制作)
制作者として流山児★事務所の特色を生かした「パラダイス一座」公演等の企画姿勢に対して《個人賞》
シアターΧ
名作劇場(日本近・現代秀作短編劇シリーズ)、国際舞台芸術祭の企画とその成果に対して《団体賞》

第6回(2006年)
広渡常敏 (演出)
長年にわたり「ブレヒトの芝居小屋」を運営し優れた作品を作り上げた姿勢と成果に対して《個人賞》
秦 和夫 (演劇音響)
長年にわたり演劇音響効果の分野での多大な貢献と後継者の育成に対して《個人賞》
演劇集団 円
「次世代の劇作家書き下ろしシリーズ」における三人の劇作家連続公演の企画とその成果に対して《団体賞》

第5回(2005年)
木山 潔 (制作)
厳しい演劇環境の中で長年にわたり制作を続けてきた実績と昨年上演されたレパートリーシアター「この道はいつか来た道04」の成果に対して《個人賞》
佐藤哲夫 (特殊美術)
舞台美術の分野において独特の手法でスチロールなど新素材を使って材質感を出し劇的効果を高める作品を長年にわたり作り続けてきた成果に対して《個人賞》
劇団青年座
劇団創立以来一貫した創作劇中心の上演姿勢と昨年の五劇場同時公演を同一地域で実現したその成果に対して《団体賞》

第4回(2004年)
寺川知男 (制作)
永年にわたって演劇の幅広い国際交流を裏方として推進してきた業績に対して《個人賞》
藤田良勝 (背景画家)
背景画の伝統と技術を守り優れた舞台美術の創造に寄与してきた業績に対して《個人賞》
東京演劇集団 風
拠点劇場によるレパートリーシステムの確立を目指しまた特色ある演劇祭を実現した成果に対して《団体賞》

第3回(2003年)
中西和久 (制作)
「しのだづま考」を始めとする「説教節三部作」等に挑戦している企画姿勢に対して《個人賞》
高橋 巖 (演劇音響)
演劇音響効果プランナーとしての実績と音響効果の確立への貢献と後継者の育成に対して《個人賞》
ベニサンスタジオ
ベニサン・ピットおよびベニサン・スタジオの運営を通した演劇文化への貢献と支援に対して《団体賞》

第2回(2002年)[団体賞該当なし]
坪松 裕 (制作)
長年にわたる演劇制作の実績と演劇鑑賞会の創立と推進に尽力されたことに対して《個人賞》
杉本了三 (制作)
演劇分野において韓国や米国との国際交流に制作として優れた活動をされたことに対して《個人賞》
田村 悳 (演劇音響)
演劇音響プランナーとしての実績と音響効果の確立への多大な貢献と後継者の育成に対して《個人賞》
矢野森一 (舞台監督)
舞台監督としての活動と舞台監督を業として組織化した草分け的な業績に対して《個人賞》

第1回(2001年)
金井彰久 (制作)
制作者として永年に亘る企画制作姿勢、プロデュース公演の先駆者としての功績に対して《個人賞》
佐藤正隆 (制作)
制作者としてロングラン公演(「リタの教育」等)に挑戦している企画制作姿勢に対して《個人賞》
文学座アトリエの会
「文学座アトリエ50周年記念 三作品連続公演」の企画に対して《団体賞》

倉林誠一郎 略歴
俳優座劇場通信ひろば(No76・ 2000年6月)「倉林誠一郎を偲んで」より

1912年12月台東区深川に生まれる。
1927年 3月開進第一尋常小学校高等科卒業。智山中学校二年へ編入。
1946年 8月劇団俳優座に入団。
1953年 5月株式会社俳優座劇場 創立、取締役就任。
1954年 5月劇団俳優座主事となり、劇団機関誌「コメディアン」編集責任者。俳優座劇場と舞台美術部の責任をもつ。
1957年12月日本演劇代表団訪中に事務局長として参加。
1960年 9月第1回訪中新劇団の事務局長として参加。
1965年11月日本芸能実演家団体協議会〈芸団協〉の創立に参加。
1967年 3月芸団協の常任理事に就任、「芸能人年金制度」の創設に尽力。
1971年12月草加市教育委員に任命される。
1972年10月第20回菊池寛賞を労作「新劇年代記」全三巻の完成に対し受賞。
1981年 6月株式会社俳優座劇場 代表取締役に就任。
1981年 9月第1回俳優座劇場プロデュース公演「なよたけ」以後、劇場プロデュース公演を軌道にのせ、地方公演も定期化し社会的評価を得る。
1985年 3月こどもの広場「不思議の国のアリスの帽子屋さんのお茶の会」(演劇集団 円との提携公演)にて、厚生省福祉文化賞、東京都児童演劇賞を受賞。
1990年 1月第24回紀伊国屋演劇賞を俳優座劇場プロデュース公演「サムとハロルド」の成果により受賞。
1999年11月第5回ニッセイ・バックステージ賞を永年の演劇制作により受賞。
2000年 5月逝去。享年87歳。