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【正解】 沢音(84期)×安城(83期) さて、ここで突然ですが ナパームスクエアVD2006 Vol.8483 2月14日。 今日はバレンタインデー。 「はい、沢音君」 「え?」 安城さんが俺に差し出したのは、どうみてもどうみてもどうみてもどーみても、 チョコレート。 俺は固まった。これは夢だろうか?安城さんが、俺に、バレンタインデーに、ちょちょちょちょここれーとおおおおおお???? 「妻がよろしくって、」 …………ああ、そうかー。 納得した。いや冷静に考えればそれが一番自然だ。何度か会った事のある安城さんの綺麗な奥さんから。不思議なことに、安城さんに、その、こういう感情を抱いている俺だけれど、奥さんへの嫉妬はないんだ。だから普通に嬉しかった。 「味は保証しないって言っていたけれどね」 とんでもない、安城さんの奥さんの料理は中々の腕だ。俺はありがとうございますとそれを受け取った。 「それから、これはウチの娘から」 チロルチョコレートと、クレヨンで書いた手紙がついていた。「またあそびにきてね」と書いてある、その字から、あの子の顔が浮かんで俺の顔は思わず綻んだ。 奥さんとお嬢さん、その二人に出会って、俺はやっぱり安城さんを好きだと思った。安城さんと同じように俺に優しく接してくれる奥さん、俺になついてくれる可愛いお嬢ちゃん。そんな暖かさに触れる度に、その暖かさの先に安城さんがいると思った。そんな家族を大事にしている、安城さんが好きだった。そう、それだけでいいんだ。俺が安城さんを好きなだけだったら、誰にも迷惑をかけないのだから。それだって俺は結構しあわせなのだから。 「それから、これは僕から」 …………安城さんから差し出されたのは、チョコレート。 「妻にはそんなのおかしいって笑われたんだけどね。でもきっかけは何でもいいと思うんだ。沢音君にはいつも助けてもらっているから」 愛を伝えることと、感謝を伝えることは、似ていると思うんだよ。そう言って安城さんは少し照れたように笑った。 「いつも、ありがとう」 ずるい。安城さんはずるい。そんな事をされたら、俺はもっと安城さんが好きになってしまう。俺は黙って頷いて受け取るだけだった。言葉にならないくらい、嬉しかった。けれどもその嬉しさを現す言葉を俺は知らない。だから 俺はすぐにその包みをあけた。そしてこじんまりとならんだチョコを口に放り込んだ。 「おいしいです」 ありがとうございますの代わりに。感謝と、愛情は似ているのだから。今の俺にはこれが精一杯だった。 チョコレートは、少しほろ苦かった。 ++++++++++ SAWANE×ANJOが読めるのはナパームスクエアだけ!(茨道) こんな辺境の地に来てくれている数少ないSAWANE×ANJO派のロムっ娘ちゃんへ捧げます。 |