【正解】
大真(84期)×百花(80期)


さて、ここで突然ですが
ナパームスクエアVD2006 vol.8480




 バレンタイン直前の日曜日。
 事業部女子一同の義理チョコ買出し係になったももかさんが、チョコを買いに行くという。いいよー、寒いんだから家にいなよーというももかさんにせっかくのお休み離れていたくないんだもん、と僕は甘えた顔をしてついて行った。本当はももかさんが僕へのチョコを買うところを見たかった。きっとついでに僕の分も買うはずだ、と。いや、本当は義理チョコ買出しがついでなのかもしれない。もう、ももかさんてばテレ屋だなあ……。
 そんなこんなで某デパートの特設会場。女をみっつ重ねると姦しいと読むけれど、じゃあこれだけ女のひとがたくさんいるのは……なんと読めばいいんだろう?いつもの癖で考え込みそうになっていたら、ももかさんからはぐれそうになった。慌ててももかさんについて人ごみに入っていった。
 ももかさんはあーだこーだと悩んでなかなか決めてくれない。僕がコレでいいんじゃないですか?と言ってもうーん、とイマイチな顔をする。たかが義理チョコぐらいで……もしかして、最初から僕の分を選ぶだけだった?そう思った僕ははさりげなく
「僕はこれがいいなぁー」
 と言ってみた。
「大真くんの好みなんか聞いてないわよ」
 ばっさり。がっかり。
 それにしたってももかさん悩みすぎ……!まさか僕に内緒で他に本命が……っ!といつもの癖で考え込みそうになっていたら、ももかさんは何やらチョコを写真で撮ってメールを打っていた。メールはすぐに帰ってきた。また別のチョコを撮ってメールを打つ。更にすぐにメールが帰ってきた。
「まったくもー、だったらそんちゃんが選べばいいんじゃないー」
 どうやら、アキソノさんにメールで相談していた模様。ちらりとメールを覗いたら、アキソノさんは「ダサいわね」「イマイチね」「高いわね」と文句ばかり。……アキソノさん、暇なのかなぁ。それはさておき、相談する相手が間違っているんじゃないかなぁ。ももかさんもそれに途中でようやく気づいて、メールの相手をひかるさんに変えた。ひかるさんからは一言「それでいいじゃん」と。
「だよねー、あー、最初からひかちゃんに相談すればよかった」
 いやももかさん、きっとひかるさんは「面倒くさいから」そう言ったんですよ?と言うとまた迷い始めるから、僕はひとこと「良かったですね」と言っておいた。
 それにしても疲れた。ももかさんとぐったりと近くのベンチに座りこんだ。
「ひゃあー、しかしすごい人だったね!」
「皆真剣ですね」
「なんていうか女祭りって感じだよねー、さて、これで用事も済んだし!」
「え?ももかさん?僕のは?」
「え?大真くん、今年もいるの?」
「いりますよ!」
「去年もあげたじゃん」
「関係ないじゃないですか!」
「しょうがないなー、はい、じゃあこれで好きなの買ってきていいから、ね?」
 ももかさんは千円札を僕に渡した。
「じゃ、あたし、向うのカフェで休んでいるからー」
 事業部義理チョコを抱えたももかさんは僕を置いて去っていってしまった。
「……」
 ももかさん、僕への愛はこの野口英世ということですか……ッ!!
 結局、その千円は僕のやけプリン代になった。


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 ビバテラ視点の大百です。いつもこんなことばかりやっているんです(笑)




 遠回りをさせてすみません、それではどうぞ→かけざんだいすき。