【正解】
涼(82期)×真飛(81期)


さて、ここで突然ですが
ナパームスクエアVD2006 Vol.8281




 2月14日。
 今日はバレンタインデー。
「どっちがたくさんもらうか競争だからな」
 開店前に、ジャンプが言った。やれやれ、子供じみた競争だ。ここは子供のいる場所じゃないのに。夜のクラブ、店にいる俺達はボーイで、お客様はマダム、そういう店だ。二人とも店にでればそれなりに大人の駆け引きをするのに、ジャンプはにっ、と子供みたいに笑うから俺は苦笑するしかない。
 お店にとってはちょっとしたイベントもやる特別な日だ。そしてお店を訪れるマダム達にとっても、特別な日。本気なのか戯れなのか、誰もはっきりはさせないけれど。
 俺もジャンプも馴染みのマダム達からたくさんチョコをもらった。それに対して、本気なのか戯れなのか「あなたの事が好きですよ」というサービスで応えていく。義理でもなんでも関係ない。応えるのはまったく同じ「サービス」だ。
 すこしだけうわついた店の空気は、すこしだけチョコレートみたいに甘かった。
 店が終わってジャンプがさっそくと勝負の結果をだそうと近づいてきた。さっきの店に出ていた顔とはまるきり別の、やっぱり子供みたいな顔。それは俺の前だから、とは自惚れすぎかもしれない。
 チョコの数は、二人とも見事に一緒だった。ジャンプが悔しそうに唸る。
「勝てると思ったんだけどなー」
「いや、お前の勝ちだよ」
 俺はポケットから小さなチョコを取り出すと、ジャンプの前の山の上に置いた。
「俺から」
 本当は、あげるかどうか迷っていた。今更な気もしたし、なんだか気恥ずかしかった。小さな包みは、そんな迷いの表れだ。でも、これでジャンプの勝ちにすれば、ジャンプが喜ぶだろう。それだけでいい。
「いや、やっぱり引き分けだよ」
 ジャンプはそう言うと、ポケットから小さなチョコを取り出して、俺の前の山の上に置いた。
「俺から」
 ……嬉しかった。同じ事を考えていたのが。そのチョコが小さい理由も同じなように思えて嬉しかった。

「来年は、負けないからな」


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 錫嗄というかクール&ジャンプ。
 クール&ジャンプは夕雫さん(@be awake)ちの登録商標です(笑)。お好きな方はかおりちゃんちのリンクからどうぞ(省略するな!)

 ちなみに店のイベントは「ワタさんのチョコレート瓦割り」です(笑)。
「今から瓦を割りまーす(黒帯コス)」
 でも割った瓦はチョコレートなのよね、その割ったチョコレートをお客さんに配るイベントなのよね、とお約束。ところがその破片を拾った柚長は驚く。
「!!(三枚目より下は本物だった)」
 柚長のハートもきゅんと鳴ります(笑)。




 遠回りをさせてすみません、それではどうぞ→かけざんだいすき。