君に捧げるほろ苦いブルース

1997年7月14日

地下鉄四谷三丁目の駅に設置されている四谷文庫の荒木一郎の本を手に取る。 「こんな女なら最高」(1982年 KKベストセラーズ)だ。
斜に構え、それでいて少しロマンチックな彼が書いた読み物。中で「猫に捧げるほろ苦いブルース」に心ひかれた。「空に星があるように/荒木一郎ベストヒット12」:1976年 トリオ(3A-2017)の中で一等好きな曲「君に捧げるほろ苦いブルース」が生まれた経緯を書いている。
可愛がっていた猫が死んだ夜につくったということで、こう書いている。

「この歌がある限り、ベティは永遠に歌を聴いている人たちの心に中に生きてくれるんじゃないかと思った」
もう1枚持っている荒木一郎のLP 「荒木一郎1969」:CBS SONY 25AH227
逼塞していた時代、カートリッジ テープとして発売したものをLP化したものだ。「僕は君と一緒にロックランドにいるんだ」で醒めた狂気を歌っている。時代に寄り添いながら、荒木一郎の衒いは決して消えない。閉所恐怖症を庭に草花をうえるということによってのりきり、彼はほろ苦いブルースを歌う。
六月の空を見れば
まぶしすぎる僕だよ
Bye Bye MY LOVE 永すぎた
Bye Bye MY LOVE 僕の歌もやがて
Bye Bye MY LOVE 終るだろう
Bye Bye MY LOVE もうすぐ



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