COBRA

1998年6月22日




John Zornを初めて(多分それが最後だと思うが)みたのは1986年8月20日、 今はない池袋西武のStudio200だった。近藤達郎、高橋悠治、他計5人に対して"Pandora's Box"という無声映画をバックにカードで指示をし、演奏を行ってい た。
John Zornが「コブラ」を始めたのもちょうどそのころのことだろうか。

土曜日(20日)の午前、メールの整理をしながら、John Zorn/COBRA Studio Versionをきく。4曲めのModeratoで鳥肌がたった。そんなことは、CDでは久しぶりのことだ。
メロディの断片 それは決して解決しない。
ケーデンス、カデンツは存在しない。
COBRAを音楽たらしめているのは何であろうか。 制約の多い中での演奏者の発する偶然を基底とした確定の音であろうか。

隣の子供たちが遊びであげる嬌声と私道をかける音がミックスし、実にいい。 愛犬トヨンはCOBRAに呼応し吠え始め、曲はcoolな大団円へと向かう。

COBRAは購入以来、終わりまで、続けてきいたことのないまま、放置していた。最後まできけるようになったのは何故だろうか。何故、退屈とおもわなくなったのだろうか。 それは、多分、起承転結の音楽に対して少しいやだなと思う気持ちと断片の音そのものを愛でるという聞き方の変化の故だろう。 また、今年に入り、midiを始め、所謂コード進行のきちんとした曲を勉強不足で作成できないことの反動もあるだろう。

CDのジャケットの久保キリコのイラストはコブラを中心に「いまどきの子供」達が楽しく踊るものである。
裏はそれをじっとうらやましくみている男の子が描かれている。
私はその、踊りをみている子供ダッタノカモシレナイ。

COBRA 東京作戦 をききにいこうかなと思う。



トヨン
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