わがまま
最近ジタンは、ひどくわがままになる時がある。
例えば、今みたいに戦闘が終わって、宿屋に入って怪我の手当てをしようとする時。
「ビビが手当てしてくれよ」
部屋割りと、手当てはどうしようか、という事を話し合おうとした時、その一言は別に唐突でも何でもない一言なんだけど。
そんなこと言われると、ビビは戸惑ってしまう。
だって、エーコや、ダガーや、それどころかジタン本人が手当てする方が、余程上手いだろうとビビは思うのに。
「エーコとダガーは、他の皆の手当てを頼むよ。オレはもうポーションと毒消し使ってあるんだし、薬塗って包帯巻くだけだから」
今日もそんな風にのらくらと言いぬけて、とっとと自分とビビを隣同士に部屋を決めてしまうジタン。
そのままビビを連れて、すたすた部屋へ向かう、その行動。
別に、何か問題があると言うことじゃないんだけど。
二人が去る時の皆だって特に驚いた風もなかった。エーコがちょっと釈然としないようにこっちを見てはいたけど。ビビ達が廊下の角を曲がる時には、部屋割りと手当ての順番を決めてしまったのか、もう解散するところだったし。
後衛であまり怪我をしていないビビは、怪我をしている皆の手当てに回るのは順当だし、ビビの背中に当てられた手は、強引にビビを押したりするわけじゃなくて。
でも、やっぱり何だか戸惑ってしまう。
「あ、明日の予定とか話し合わなくて大丈夫?」
「今この宿屋に来るまでにちょっと話したろ?予定通りで大丈夫だろうって。それに夕飯の時には皆集まるんだし」
「で、でも、エーコが何か言いたそうだったよ。その怪我、ボクが手当てしても大丈夫なの?」
「スタイナーやクイナの方がちょっと大きいからな、オレのなんかかすり傷さ」
「部屋割り、あれでいいのかなあ」
「今日は全員個室だぜ。誰がどこ入ったって同じだよ」
言うことはいちいちもっともなのだけれど。
それにしたって、何だかひどく強引な気がする。
普段、今後の行動の予定を立てたり、皆で色々談笑してたりする時のジタンは、絶対こんな風じゃない。
冗談に紛らしたりしてても、皆の意見をちゃんと聞いてとって、それをどう今後の予定に組み込もうかさりげなく考えていて。話題が途切れそうな時はちゃんと話のきっかけを作って、沈黙が落ちないように工夫して。いつの間にか皆の取りまとめ役になってるけど、それは自分の都合で無理に物事を決めたりとかしないからなのだし。ジタンは話すのも人に話させるのも、人の話を聞くのもすごく上手。ジタンが我侭を言うのなんて、殆ど見たことない。
なのに、最近のこれは何なんだろう?
ビビが歩きながら戸惑っていると、ジタンがぴたりと立ち止まる。
「オレの手当てすんの、嫌か?」
何でそんな風に、拗ねたような顔するんだろう?
ちょっと、わざとらしいくらいに。
でも、その中にほんのちょっとだけ、本当にさびしそうな顔が潜んでいることに、ビビは気がついてしまう。
嫌じゃない。
そんなことない。全然、ない。
そんなさびしそうな顔、しないで。
そんな気持ちがそのまま勢いになって、ぶんぶんと首を振る。
すると、ジタンは、
「そうか」
と、嬉しそうに笑う。…本当に、嬉しそうに。内側から、じわっと広がっていくような、本物の笑顔で。
その笑顔に、また戸惑ってしまう。
胸の中が、ふわふわと落ち着かなくなる。
背中に当てられた手の平が、やたらと温かくて。
固いはずの板張りの床の上を歩いているのに、柔らかいものを踏んで歩いているような気分になる。
けれど、部屋に着いて、二人でベッドの上に座り込んで。そして、上着を脱いだジタンの、剥き出しになった腕のあたり。そこにある傷を見た途端、膨らみかけた気持ちがしゅうと萎む。
肩口から、ひじの内側にかけて、まっすぐ走る切り傷。
攻撃を受けた直後にポーションは使ってあるから、もう傷口は乾いて塞がっている。けれど魔法やポーションは当面のダメージを即座に消してくれても、即座に傷を消してくれるわけじゃない。完全に傷が消えるまでは丸1日かかる。ちゃんと薬を塗って一晩安静にしていないと、傷が開いて元の木阿弥になってしまう。痛みだって、まだちゃんとあるはずだ。
まして、これは毒のある爪で受けた傷。その周辺は、触れるとかなり高い熱を持っていた。
「ジタン、これ、化膿しかかってるんじゃない?エーコにちゃんと診てもらった方が…」
するとジタンは、笑いながら首を振る。
「大丈夫だよ。化膿しかかってるんならもっと痛いはずだから。毒のせいで熱持ってるだけさ。解毒剤が効けば引くよ」
怪我については、ビビよりジタンの方が余程詳しくて慣れている。だから、その言葉は多分正しいはずだ。
でも。ビビは、出来ればエーコやダガーや、ちゃんと知識を持っている人に手当てして欲しいと思う。だって、もし悪くなってしまったら?今のうちに処置しておけば良かったのに、なんて事になったら?
不安げにしているビビに気がつくと、ジタンはぽん、と頭をなでた。
「心配性だな、ビビ。これくらいの怪我でいちいち死にかけてたら、旅なんか出来ないよ。オレはそんな柔じゃないって」
何てことない、と言う風な顔をして。
微笑みかけられても、かえってビビはしゅんとしてしまう。
ジタンは怪我してるのに。気を、遣わせてしまったみたいで。
ぎゅっと帽子を引き下げてちょっと泣きそうなのを隠して、手当てにかかる。
ジタンは、優しい。
何も考えていないふりをして、いつでも皆の意見をちゃんと聞こうと気を配ってる。誰かが自分の都合で何かしたいと言い出しても、無下に諦めさせたりしない。エーコがマダイン・サリに寄りたいって言い出しても、クイナが蛙捕りしたいって言い出しても。何かのついで程度の寄り道で行けるように、上手く計画の中に組み込んでしまう。
旅をしている間だって、そりゃ皆気をつけてない訳じゃないけど。モンスターの気配に最初に気付くのは、大半がジタン。それに、スタイナーやサラマンダーはともかく、ダガーやビビと言った、後方支援型の面子が攻撃を受けそうになると、庇ってくれることが多い。
この怪我だって、ダガーを庇って受けたもの。
いくら柔じゃないって言ったって、こんなに気を遣ってて疲れるんじゃないのかな。
もうちょっと、ジタンが気を遣わなくて済むように、ジタンの役に立てるようになりたい。どうすればいいのかな?
一生懸命考えても、どうしたらいいのか良く分からない。
こうして手当てするのでさえ、そんなに上手いわけじゃないのに。
何で自分に手当てさせるんだろうと、不思議に思ってしまう。
うつむいてガーゼを切っていた顔をふと上げると、ジタンが優しく微笑んで、ビビの手元を見つめていた。
嬉しそうに。
さっき、嫌じゃないよと首を振ったビビに、『そうか』と答えた時と、同じ笑み。
笑おうと思わなくても自然にこぼれるような、温かく顔の表面に満ちるような。
ジタンがそんな風に手当てする自分を嬉しそうに眺めているのを見ると、なんだかどうでもよくなってくる。
ふとジタンがビビの視線に気がついて、『どうした?』と訊くように軽く覗き込んだ。
慌ててビビは、『何でもない』と、ふるふると首をふる。
頷く代わりに軽く目を細めてから、また視線をビビの手元に落とすジタン。
ビビも、自分の手元に注意を戻すことにした。
自分が手当てしてあげることで、ジタンが嬉しそうにしてくれるのなら。取り敢えず今ビビが出来ることは、少しでも痛くないように、痛くないように、丁寧に薬を塗ってあげること位だけれど。
精一杯頑張ろう。そう思って。
薬を含んだ脱脂綿で、あまり押さえつけないようにそっと、でもちゃんと薬が塗れるように、傷口に触れる。
それが済むと、ガーゼを当てて、その上から包帯を巻いていく。
締め付けないように、緩過ぎないように、ジタンの怪我が、少しでも早く治りますようにと祈りながら。
最後に、結び目が傷の真上にこないように注意して、しっかりと結んで、余分な包帯を切り落とす。
「出来た…」
ふうとため息をつく。すると、ジタンはビビが巻いた包帯をそっと撫でて、へへっと笑った。
自分が巻いた包帯をそんな風に撫でられると、まるで自分を撫でられたような感じで、くすぐったい気がする。
不思議な気分でその光景を見ていたら、ジタンが顔を上げて、ビビ自身に向かって手を伸ばした。
「さんきゅ」
頭を撫でられるのかと思ったら、違った。ジタンの指が、さくりと髪の中に入り込んで、すいっと頭を引き寄せられる。
あっと思った瞬間に、柔らかい、温かい感触がビビの額のあたりでちゅっと鳴った。
その辺りから、ビビの顔がぽぉっと熱くなる。
また、胸のところがふわふわして。
キスをもらった辺りを手で押さえながら、上目遣いにジタンを見ると、ジタンはそんなビビの様子を、ほんの少し目を細めて優しく見つめている。
その眼差しが、居心地が良いような悪いような、複雑な感じがした。
何でだろ。前は、誰かから頬や額にキスしてもらっても、こんな風に照れくさい気持ちにはならなかったのに。
いつからかな?
ちょっと考えてみて、思い当たるところを見つけた瞬間、さらに顔がぽっと熱くなった。
初めて、唇にキスをもらった日からだ。
『本当に大切なキスは、ビビとしかしない』
ジタンにそう言われてから、ビビは頬や額であっても、他の誰かにキスしたりされたりするのを避けていた。そう言われたからって訳じゃないつもりなんだけど、何となく。他の人とするのは、もったいない気がして。
でも、ビビはまだ、『本当に大切なキス』の意味を、きちんと教えてもらっていない。それが分かったら、こんな風に照れくさくなる理由も分かるだろうか?
考え事をしながら顔を上げてから、おや?と思う。ジタンが、何か変だ。
「ジタン…体、傾いてるよ?」
「へ?」
自覚がないのか。
笑顔でベッドの上にあぐらをかいたまま、ちょっと右の方に傾きつつあるジタン。
ぐいっと姿勢を元に戻して、ジタンはごしっと目をこすった。
「ああ…解毒剤のせいだな。宿屋に入るちょっと前からやたらと眠くてさ」
「ええっ!?」
慌ててビビはベッドから降りようとする。
「は、早く言ってよ、ジタン!」
気がついていたら、手当てももうちょっと急いで、眠いのを我慢させたりしないように出来たのに。
気付かなかった自分にちょっと腹を立てながら、靴を履こうとするビビ。その腰の辺りに、後ろからするりとジタンの手が巻き付いて、ビビはぐいっとベッドの上に引き戻された。
「きゃっ!?」
「どこ行くんだよ、ビビ」
眠そうに間延びしかけた声に、ビビは困ったようにジタンを振り向く。
「自分の部屋に行くよ。ゆっくり寝てて、ジタン」
ビビの言葉に、ジタンは不思議そうにビビの顔を覗き込む。
その仕草が妙にのろっとしている。既に半分寝ぼけているのかもしれない。
「ビビ、何か、用事あんの?」
「べ、別に何もないけど、でも…」
ジタンの腕から抜け出そうと身じろぐビビに、ジタンは不満そうなのを隠す事すらしなかった。むっつりとした顔で言う。
「ならここにいてくれよ」
「だ、だって眠いんでしょ?寝なきゃ駄目だよジタン」
「じゃあ、ビビが出てくなら寝ない」
「ええ!?」
また、そんなわがままを言う。
一体何なんだろう?
ついこの前まで、わがままなんか言わない人だと思ってたのに。
強くて優しくて、すごく格好良い、物語に出てくる勇者みたいな人だと思ってたのに。
まるで今のジタンは、なりだけ大きい子供みたい。
ジタンの腕を解こうとするビビに、小さく首を傾げてジタンは言う。
「嫌か?」
またそんな風に、そんなことを訊く。
拗ねたような顔。
嫌なんて言えるわけない。
強引に押さえつけるんじゃなくて、軽く抱きしめるような、ビビがすっぽり入ってしまう腕の中。逃げられないのは、居心地がよくて、本気で逃げ出そうと出来ないせい。感じ慣れない居心地の良さのせいで、じっとしているのも何だか落ち着かないけれど。
そんな時に、そんな顔で、そんな事言われたら。
身じろぎしそうな体を何とか押さえて、ビビは小さく首を振った。
すると、眠そうなジタンの顔にあからさまに嬉しそうな笑みが浮かんで、ビビはぎゅうっと抱きしめられた。
あったかい腕の中で、ビビの全身をふわふわしたものが踊る。
あんまり広くないベッドの上を、ジタンはビビを抱えたままずるずると真中辺りまで移動して、ぽすんとビビを座らせる。
そして、その膝の上に頭を乗せ、ごろりと横になってしまった。
ビビはもう為すがままになっているしかない。
「オレが寝ちまうまでは、ここにいてくれよな」
「うん…」
ビビが頷くと、目を伏せたジタンの顔がにへらぁっと緩む。
正直、ちょっとだらしない顔だなあと、ビビは思ってしまうんだけれど。
でも、そんなジタンの顔が、ひどく可愛いような気がする。
それを見られることが、ひどく嬉しいような気がする。
何でだろう?
何でだろう?
胸の中が、ぽかぽかする。優しい気持ちがしゅわしゅわと沸いてきて、膝の上に散らばる金色の髪を、そっと指先で整えながら撫でてみる。
すると、一度伏せられたはずのジタンの目が、薄く開いた。
「あ、ご、ごめん」
髪をいじられたのが嫌だったのかな?思わず謝ると、ジタンはゆっくりと首を振った。膝の上では、その動きがひどくくすぐったい。
「ビビの指、気持ちいい」
一気にビビの顔が熱くなった。
赤くなったビビの顔に気がついたのか、ジタンがくすりと笑うと、右肘で体を支えて、少し上半身を起こした。
「?」
ビビが首を傾げると、ジタンが左腕でビビの頭を引き寄せる。
導かれるままに背を傾けると。
さっき額に触れたのと同じものが、唇に触れた。
驚きに開きかけた唇を、柔らかく摘み取るような、湿った感触。
今度は、顔だけじゃなかった。全身ぼおっと、しびれるみたいに熱くなる。
間近で、ジタンの青い瞳が微笑んでいる。
その瞳の色に惹き込まれながら、ビビはぼんやりと思い出した。
『本当に大切なキスは、ビビとしかしない』。
ジタンがわがままを言うようになったのは、こう言った日からだ。
『ビビとしか』。
ジタンが、他の皆にわがままを言うのなんか、見たことない。
ビビにだけ。
皆に向かっては、いつもさりげなく気を遣っているジタン。
そのジタンが、ビビに対してだけ、わがままになる。
何だかビビは、すごくいろんな事を訊きたい気分になってきて。
「ジ…」
ジタンの名を呼ぼうとした瞬間、その体が、ぱたりと崩れた。
どさりと、金色の頭がビビの膝の上に落ちる。
「ジタン!?」
慌ててビビがジタンの様子を伺うと。
「すー…」
ジタンは寝息を立てていた。
「びっくりした…」
思わずビビは呟く。
膝に、温かい吐息がかかる。
小さな膝の上には、ちょっぴり重い。
『寝付くまで』と言われていたのだから、もう部屋に戻っても良いと言うことなのだけれど。
もう既に、何の表情もないくらいに寝入っているジタンの顔を見ていたら、部屋に戻ってしまうのがもったいないような気がしてくる。
その時、部屋の扉が、こんこん、と鳴った。
ビビは反射的に、ジタンの耳の辺りに手を当てる。
起こしてしまわないように。
返事をせずにいると、扉の向こうから、エーコの声が聞こえてくる。
「ジタン?いないの?」
思わずビビは息を詰めて、身を潜めるように沈黙を守った。
そのままエーコが立ち去ってくれることを、祈りながら。
やがて、
「寝ちゃったのかしら?」
そんな声と共に扉から離れていく足音が聞こえて、ビビはほっと息を吐いた。
膝の上を確認すると、ジタンは何にも気がつかなかった様子で、軽く寝息を立てている。
その後で、エーコをだますような形になってしまったことに、ちょっぴり罪悪感が沸いた。
ジタンを、起こしてしまいたくないと言う気持ちはあったけど。
どちらかと言うと、もう少し、ジタンの寝顔を独り占めしていたくて。
ビビにはまだ、そんな気持ちの正体が、良く分からないのだけれど。
でも、ジタンも自分にわがままを言っているんだし、自分ももうちょっとわがまま言っても、いいかな?なんて気もする。
ビビにしては珍しく、自分勝手な気分になって、心の中で呟いてみる。
『ねえ、ジタン?これからも、ボクにだけわがまま言ってくれる?』
『ボク、ジタンのわがままにちゃんと応えられるように頑張るから』
『ボクのわがまま、聞いてくれる?』
ジタンの寝顔を見つめる目に、ふと、白い包帯が映った。
胸が痛い。
本当なら、戦闘の最中、ジタンが怪我をしなくて済むくらい役に立てれば良いのにと思うのだけれど。まだ自分に出来る事は少ししかなくて。
もっと、強くなろうと思う。
今のような時だけじゃなくて、どんな時だって、ジタンが頼ってくれる位に、強くなれたらいいな。
そしたら、もっとジタンのわがままを独り占めできるような気がする。
そんな欲求の出所を、ビビ自身はまだ知らないのだけれど。
その気持ちは、もう押さえようもないらしいことだけは、気がついている。
この寝顔が、もうちょっとの間、自分だけのものでありますように。
ビビは祈りながら、眠っているジタンの頬に、小さくおまじないのキスを落とした。
「で?ビビは一体どうしたのじゃ?」
フライヤが、ジタンの腕に抱き上げられて運ばれているビビを見て言った。
「いや、足がしびれて歩けないって言うからさ」
ジタンが事も無げに答える。
あれから今の夕食時まで、ずっとジタンに膝枕をしていたせいだ。
「ちょっとビビ!甘ったれてんじゃないわよっ、ジタンは怪我人なんだから」
エーコの台詞に、ビビがびくりと身をすくめると、ジタンが首を振った。
「いいんだよ、オレのせいなんだから」
「なんでビビの足がしびれてるのが、ジタンのせいなの?」
納得しないエーコに、ジタンは笑って、ビビは真っ赤になってうつむいてしまって答えない。
ただフライヤは、やや白い目でジタンを見ていたから、何となく事情を察したのかも知れなかった。
ジタンはそのまま、食堂に向かって歩いていく。
本当は、どうしても歩けないほどしびれているわけじゃない。
でも、ジタンが『運んでやるから』と言い張って。
ビビは、それを断りきることが出来なくて。
嬉しそうにビビを抱きかかえているジタンと、ジタンの腕の中で照れながら帽子の中に隠れているビビと。
こんなことになっているのが、一体どちらのわがままのせいなのか、それは誰にも分からなかった。
「a/l」藤野啓太様より、イメージイラストをいただきました!!
こめんと
えー、100番キリゲッター、藤野啓太様のキリリク、「ジタン×ビビで、甘くて幸せな話」でございました。
達成はしたんじゃないですか?構成が甘くて、ジタビビがべたべたしてるから山月は幸せだったし、って馬鹿野郎。おまえここまで遅くなった挙句、こんなものプレゼントして恥ずかしいと思わんのか!!…すいません、すいません、最初ヒネリの効きまくったの書いてたら、無駄にどす暗い話になってしまいまして。自分の気分に素直に素直に書いてみたら、何だか軽くて単純な話になってしまいました。書いててえらい楽しかったです。わがままなのは山月でしたってオチですねえ。
恋人同士をしながら、恋って何かを勉強中、ってところですか。鈍いビビは、実践しながらじゃないと自分の気持ちに気付かんらしいし。ジタンがちょっと強引なくらいじゃないと、進展せんでしょう、この二人。こんな1場面があってもいいんじゃないかしら。
ビビの方がこなれて来たら、どんな雰囲気になるのか楽しみです。…バカップル一直線か?