奇妙に欠けた月の影。
闇に紛れて息を詰め、
そうっと出かけるモノ達がいる。
案内人は消火栓。
「はい、道はあちらですよ」
赤い制服で客を待つ。
途中で道連れに誘われる。
「おや?あなたも行かれるので?」
「では共に参りませんか」
暗がりから差し出される、
緑の手の平。
「さあさ、受付はこちら。
チケット代わりにジュースをどうぞ」
モギリも赤い蝶ネクタイ。
ここから先は何が起こるか、
ご自分の目でお確かめを。
月が奇妙に欠ける夜、
隙間の世界を覗く扉は、
あなたの隣で待っています。