ブラック・フォーマル

「ほれほれ、こっちゃ向け〜」
「ん」

「黄色いお花すげぇ似合うなぁ」
「♪」

「クマさんもいい塩梅〜、こっちさ手伸ばてけれ」

「視線、斜め上さ向け!」
「?」

「そうそう、顔そのままな…」

お〜い…ナギ〜?
「みかな、めんけぇ〜!」
「♪」

おいナギ!いい加減にせぇ!
「何やぁ、おもしぇく撮ってらのに…」
お前も新しい服着てんだから、
そろそろ撮られる側にまわれっての。

「ちぇ〜…」
40分も撮り続けてまだ不満か…?
ほれ支度支度。

デフォルトでは黒ネクタイのセットだったんだけど、
黒シャツに映えないんで赤ネクタイを手作りしました。
ウィッグも取り替えて、本日のアイは三白眼気味に…。
「面倒臭ぇ…」
ガラ悪いよ…カタギに見えないよ…。

撮影再開。
(ボクはひとやすみです)

さて、最初のツーショット…。


こ、これはどこから見ても…。

「…言いてぇことあんならはっきり言え」
…犯罪臭い。
「後で毒針」
みぞおちに膝蹴りは勘弁してください。
(自分で言えって行ったくせにぃ!)

いやしかし…ナギさん役者だよ。
いつもは天然さんなのに、今はホストかヤクザにしか見えない。
お膝のみかなが可愛いだけに対照的で凶悪。

「それ、褒めてんの?」
もう、ベタ褒めよ?
でも、犯罪臭いだけってのもちょっとなぁ…。
せめて過保護な兄と可愛い妹とかに見えないもんかね?

よし、ナギさんには小道具持ってもらおう。
いいとこのお嬢様と専属ボディガードだ。
しかし…アサルトライフルってのは
ちと過剰防衛か?(笑)

可愛らしいお嬢様と、
周囲に鋭く視線を走らせるボディガード。
感じ出てるかな。

ここからはナギさんのピンでね。
ボディガードの休息。

暑い日の撮影。スーツを緩める。

ネクタイを解けば、さすがに敏腕ガードの表情も緩む。

喉が渇いたね。ドリンクをどうぞ。

美形ガードだなぁ…。
「いまさら褒めても何も出ねぇからな」

ここから唐突にテイストチェーンジ!
シャツの中には赤のボンテージ!
題して「カタギじゃない姐さんバージョン」!!
「名前…ダッセ…」
うるしゃああああああい!


この画が撮りたくて、このボンテージを手縫いしました。
「あほ…」
役に引きずられて口悪くなってるな…。
あ、ちょっとあっち向いて背中見せて。
「?」

余談ですが、バックは金のリボンで編み上げてます。

さて次はボンテージにジャケット姿。
「下手に触ると風穴開くよ?」

スポーツドリンクよりアルコールが似合うな。

「あ」
何?

あ。

「3時だ!」

友人の砂月さん親子からもらったケーキでーす。
「みかなはミルクティ、おれはコーヒーね」
「♪」

準備万端。
「えへへへ〜、せ〜の」
「の?」

「いっただっきまぁ〜す!」
「す!」

(す。)
「きゃは」
すっかりいつもの表情に戻っちゃったね(笑)

 


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