4月10日(火)

いよいよ、山小屋へ戻る時期がやってきました。
今週末からは色々と準備が本格化し、19日に小屋開けの予定です。


さて、わたくしごとではありますが、
今年の夏山シーズン前から9年ぶりに南岳小屋へ戻ることとなりました。

南岳小屋は、昨年の夏山シーズン前にわたしの後任であった日野君が、突然退職する事態となり、昨シーズンは宙ぶらりんの状態となってしまった南岳小屋の立て直しに、昨秋の小屋閉めの時に自ら志願いたしました。

かねてより、雲の上での生活に戻りたいという漠然とした想いはありましたし、岳沢小屋もスタッフが育ってきており、小屋の再建から8年が経過し、小屋の運営も軌道に乗ったという想いもありました。

とはいえ、岳沢小屋も外国人利用者の増加や、登山以外でのハイキングでの利用を増やしたいなど、まだまだ課題もあり、岳沢小屋を去ることへの未練もあるし、生活環境の良さ(寒くない、水が自由に使える、里に近い、など)も捨て難い部分ではあります。

しかし、南岳小屋の礎を築いた故 沖田昭三翁の意志を受け継ぐものが他にはいない今、自分が南岳小屋に戻るのが最善だろうという結論に至った次第です。

平成の世も間もなく終わりを迎え、槍ヶ岳山荘も2代目貞雄が逝去し、4代目大輔が跡を継ぐなど、変わらないようでいるようで少しづつ時代は変わっていっています。
私も25歳で山小屋に入ったのに、もう50歳(笑)、四半世紀も経てばそりゃいつまでも同じってわけにはいかないでしょう。


もちろん、このあとの小屋開けから6月上旬の梅雨入りの前の頃までは岳沢小屋にいますし、来年以降もしばらくは春は岳沢小屋にいることかと思います。

一泊、あるいは日帰りでも、気軽に出かけられる穂高の山小屋として多くの方にお出かけいただき、お声を掛けていただいておりましたが、南岳小屋となると、さすがに今までのように「気軽に・・・」という訳にもいかないと思います。


ですので、5月のうちに岳沢小屋へどうぞ、という話しでした(笑)

もちろん、夏にはぜひ南岳小屋からの絶景を眺めに、
また大キレット越えの挑戦に、標高3000mの雲上の南岳小屋へもお出かけください。


では、この秋〜冬〜春も約5ヶ月間のお付き合いありがとうございました。
ここではまた11月にお会いいたしましょう。

 ※来冬のガイドの相談は10月下旬くらいから始まるかな…