4月2日(日)


快晴の日曜日に白馬の小日向山(おびなたやま/1911m)へ行ってきました。

ここでは過去に2回紹介していますが、知らない人の方が多いでしょうね。



白馬村の八方尾根と栂池高原の間にある山ですが、登山道はないので冬しか登れない山です。白馬鑓温泉から猿倉へ戻る途中、「おびなたのコル」という場所がありますが、その東側にある山ですね。そこからの展望は白馬鑓や杓子岳を目の前に望む、それはそれは素晴らしいロケーションです。

ただ、冬とはいえ、林道の除雪終点地点から標高差1050m登る上に、下部の林道歩きも長くてなかなか骨の折れる山で、あまり一般的ではないですね。
 (先日の黒姫山の林道区間が2km、ここの猿倉〜二股は4kmの林道区間)

歩きはじめは標高840m。

今年は雪が多いとはいえ、さすがに4月ともなるとこの標高ではだいぶ雪が減ってきています。

←、ここは作業のために除雪が入ったようで、さらに歩きにくい

とはいえ、少し登ると積雪も豊富となり、小一時間歩くと好展望な場所に出ます。



最近は八方尾根からのバックカントリーの人たちがスキーやボードで滑走してくるガラガラ沢や押出沢といった無木立の真っ白い沢が広大に展開します。

知り合いのガイドの「豊橋の木戸さん」はここまでスノーシューでノンビリ歩いて、山を眺めるというツアーを毎年実施されているようですね。

今回の同行者(モデル)、最近の私の個人的山登りのパートナーであり、山岳写真協会の友人も初めて見たここの景色には感激して、来てよかった!と、ここですでに喜んでくれました。



1時間少々の林道歩きのあとはいよいよ山の斜面に取り付きますが、最初はかなりの急斜面でけっこう大変です。今日も↑の友人は足を滑らせて少し滑落し「振りだしに戻る」をやってしまいました(笑)

でも、その一部区間をクリアすればあとは気持ちの良いブナ林が続きます。
夏には人の立ち入らない山だけあって、熊の生態は濃厚で、そこらじゅうのブナの幹には熊の爪痕があり、熊棚もそこかしこに見られます。

そんなブナ林の中の登りの背後には木々の樹間からは白馬鑓ヶ岳や不帰ノ嶮などが見え、けっこう辛い登りを慰めてくれます。
登り始めて3時間。
標高差700m登って、やっと目指す山頂が見え、傾斜も緩み、木々もまばらとなり、展望が開けてきました。
我々の楽しみは
ここからです♪

唐松岳と不帰ノ嶮

さらには白馬鑓ヶ岳が目の前に迫って、なかなか前に進めません。



ちなみに、私、過去2回の小日向山は、いずれもこのあたり標高1700m付近で景色に満足したのと疲れたのなどで頂上までは行かずに、この辺から滑り下りてしまいました(笑)

今日もここまででだいぶ疲れてはいましたが、「今回は山頂を目指すぞ!」ということで、山頂までのあと30分ほど頑張りました。



そして、その景色は想像以上のものでした。
こんな小さな写真ではお伝えできなくてすみません。



周りを白馬三山、八方尾根、小蓮華〜白馬乗鞍などの名峰にグルリと囲まれるそのロケーションはかなりの感動モンでしたね。



ここで撮影会が始まったことを言うに及びません。
この素晴らしい日和の山頂に我々2人だけという、これまた贅沢なロケーションです。

そりゃ、両隣に八方と栂池というリフトやゴンドラで標高差1000mを稼げる山がある中で、わざわざ滑るために1000mも登る人はそうはいないでしょうね。


山頂からは「中山沢」という山スキーヤーに人気のルートは取らず、夏の登山道方面である「小日向のコル」から猿倉へと下りました。



こちらは急だった登りのルートとは一変、緩やかな氷河地形の中を滑るルートでこれまた素晴らしいロケーションだったのであります。



 ※ 動画もあります
     http://www.youtube.com/watch?v=NE2B9kxeMok
      http://www.youtube.com/watch?v=t3CBQDBZsec


猿倉までは一気に滑走

そして猿倉〜登山口までの4kmもスキーなのでサッと下山。

やはりスキーは早いですね〜

この素晴らしき小日向山。

先日の黒姫山同様健脚者限定ではありますが、来年以降のガイドで取り入れられれば喜んでもらえること受けあいですが、本当に健脚じゃないと無理だろうなあ。

ちなみに、今日で休憩(撮影)を含め、往復6時間。
スキーでなく、スノーシューなどの歩きでとなると往復8時間以上はかかるでしょうね。

スキーの技術で言えば、さほどむつかしい斜面などはないと思いますが。

志あるかたがいらっしゃればどうぞリクエストしてみてください。