5月に鹿児島・硫黄島で知り合ったCさんご夫妻を訪ね軽井沢へ。

Day one ...
 硫黄島フェリーでの別れ際、そして先月7月にもお誘いのメールをいただいていた。以前から書いているように、場所を尋ねる旅には興味が薄れている。人や祭り。誰かに会うため旅するなんて最高だ。

 しかしなんという暑さ!長い間バイクに乗っているが、平地の市街地を日中走るのはもう無理ではないか?渋滞は特に最悪だ。
 エアコンと車の排気、そして自分のエンジンから出る熱にひざはやけど寸前。そのため、週末のショートツアーでも、とにかく標高の高いところを目指している。

「軽井沢」日本の避暑地の代名詞。願ってもない!

 前の週、出発前整備とリヤタイヤ、リヤブレーキパッド交換。結局リヤタイヤは走行13467km。驚異的な持ちだ。14000までは行けただろうが、今回の予想走行距離は行き帰り1600プラスアルファで2000を予想。さすがに無理なので事前交換。帰ったらフロントタイヤとオイル交換だ。

 さて、訪ねるのはCさんの別荘。はるか昔、大学の友人Kがやはり軽井沢に別荘を持っていて一度訪れたことがある。
 事前のメールで13日から16日はお客さん多数。17日以降で2泊くらいさせていただけたら良いと思っていた。
 具体的なアポは取っていなかったのでメールするとCさん、
「一人なら大丈夫なのですぐに来ませんか?」すぐって?800キロもあるのに(笑)郡上おどりにもよりたいのに。。。

 すぐに荷造りを開始したにもかかわらず完了は深夜1時。まったく!いつものパターンだ。目覚ましを3時にセットし横になるが眠れない。普段は寝たくなくてもうたた寝してしまうのに…。

 旅の最高の時間は、ある意味、出発前の数時間と出発後の1時間程度じゃないかと思う。準備しながらの高揚感、そして走り始めの「これからどんな出会いが待っているんだろう?」という期待感。それ以降はやはり最高の時間でありながら、視聴覚にすべてを奪われ感覚を維持できなくなる。
 今回ひとつの試みがあった。旅立ち前の高揚感を意識して継続させられないものか?眠れないのは…その試みが成功しているのだろうか?

 午前3時前、一睡もできぬまままだ鳴らない目覚ましのスイッチを切った。。。

 今回、自炊装備はせず、持ち出したのはコーヒー豆とミルのみ。着替えも三日分。積載を終え、深い闇の中へ走り始めた。

 高速のゲートをくぐったのはぎりぎりの3:55。Tシャツの上にロングスリーブTシャツの重ね着という夏の定番スタイル。空はまだ真っ暗で少し肌寒いがこれからの温度上昇を考えると、最も走りやすいコンディションだ。盆ということもありこの時間でもそこそこ交通量が多い。

 5:00前、東の空が白み始める。東へ移動しているので夜明けのスピード自体も早い。みるみる明るくなる空を見ながら感じる高揚感は最高潮だ。

 10時前、涼しい時間帯を順調に距離を伸ばしてきたが、だんだんと気温上昇。そして交通量も増加してきた。給油を休憩に寄った長良川SAでは、もう車は駐車スペースに入りきれず、
ガソリンスタンドは長蛇の列だ。掲示板にはこの先14キロ渋滞との表示。郡上おどりと一車線区間があるため予想されたことだが、この時点でもう意識しても気分は持続できず、渋滞区間に突入した。

 バイクは渋滞でもそこそこのスピードで走れる。しかし、すり抜け時120%の集中力を必要とするので著しく体力を消耗する。基本的に走行車線と追い越し車線の間を走る。これは一瞬の気のゆるみも許されない。車は少しあいた車間を狙って、ウインカーを出すか出さないかで車線変更してくる。
 路肩を走ればそれは少し軽減するが、今までに何度か路肩走行で捕まるバイクを見ている。気温と車のエアコンと自らのエンジンが出す熱気でもうクラクラ。高揚感の持続などとても不可能だ。そして走ること数十分。ついに去年5月以来の郡上八幡に到着した。

 とにかくテントサイトの確保だ。目指すは去年テントを張った中河原だが、今回は郡上おどりという一大イベント中。果たして自分の張れるスペースが残っているだろうか?最悪の場合は、特設の駐車場にされてるかもしれない。

 不安を抱きつつ到着したが、何とかスペースを確保。かなりの数のテントで混雑してはいるが、祭り会場まで歩いて数分。というかすぐそこに見えるというのはとても便利だ。急いでテントを設営し昼寝。徹夜おどりとナイトランに備える。渋滞を走行中考えた。暑い日中は走りたくない。おどりを堪能したら軽井沢へはナイトランだ。

 周りではドンチャン騒ぎだし、テント内は炎天下ビニールハウス状態。流れる汗とにぎわいを感じながら夢うつつ。少しでも体力回復を。。。

 夕方。寝たか寝てないかわからない状態で起き上がる。まだまだ暑い。テント設営時声をかけてくれたアメリカンのグループのそばに張っているのだが、どうも居心地が悪い。撤収は出発後と考えていたが明るいうちにバイクに乗せておいた方がよさそうだ。
 撤収を開始し、まず最初の荷物を運んだところで一人の男と立ち話になった。テントも張らずバイクのそばでビール片手にトマトをかじる男。先ほどのアメリカン軍団と違い、見るからに同じにおいを発している。
 やはり放浪経験者だった。それも2年半。さらに北海道の話になると鶴居で共通の知り合いの名が出た。同時期だ。バカ同士のフィーリングはバッチリ。アメリカン軍団に感じた違和感はまったくない。この時席をはずしていたが、やはり藤沢からバカ一人。荷物を運ぶたびに二人と話していると暗くなってしまった。恒例の忘れ物チェックがしづらい。
 最初の彼は三重からW650。藤沢の彼はZRX400。偶然にもKAWASAKI軍団となった。

 出発の準備は完了したが、これからが本番だ。3人でおどり会場へ向かう。会場はすでにすごい熱気だった。郡上おどりは7月から一ヶ月間にわたるお祭りで、特にお盆は徹夜おどりと呼ばれ、明け方までおどり明かすというもの。阿波踊りのように事前に練習したグループのパフォーマンスではなく、誰もが参加できる大規模な盆踊りと言えばわかりやすいだろう。ただ曲により微妙に振り付けが変わるので、しばらくそばで観察する必要がある。時間はまだ八時過ぎ。終了は朝四時、五時だそうだ。
 みな放浪経験者だ。それぞれ自分のタイミングでバラバラになったり、一緒になったり。気がねなく行動できる。そうこうしているうちに日付が変わろうとしていた。延々と続くおどりは十分堪能した。

 もう一日郡上にとどまるという二人の引止めに気持ちがぐらつきながらも出発を決意。
「良い旅を。気を付けて。」
「それはこっちのセリフですよ。」と突っ込まれる。
深夜一時。二人に別れを告げ再び闇の中へ。。。

577km

Day two ...
 郡上から郡上街道を高山へ。途中の飛騨美濃有料道路は深夜のためフリーパス。高山からR158を上高地へ。標高が高いため、途中で防寒のためにカッパ着用。松本から東御。あとはR18を道なりに行くだけだ。そしてあさ6:00。目的地軽井沢に到着した。

 まずはCさんの別荘の位置を確認。簡単な地図をもらっていたので、その通りにいくとあっさりたどり着いた。早朝のため一度近くのコンビニに戻り朝食を調達。きれいな公園で食べながらとりあえずの到着メールを打った。するとすぐに返事。
「起きていますので待っています。」
「朝ご飯中なので、食べたらうかがいます。」再会だ!

242km [ 819km ]

Day three ... 0km [ 819km ]

Day four ... 0km [ 819km ]

Day five ... 0km [ 819km ]

Day six ... 224km [ 1043km ]

Day seven ... 768km [ 1811km ]