サラワク・コラム
〜サラワクで考えたこと・感じたこと・気づいたこと と 写真〜


【 8 2010.02.14 】 「ホテルのクローゼットの中にあるもの」
ホテルのクローゼットの中にあるもの
マレーシアのサラワク州のクチンで泊まったのはホリディ・インというホテルだった。部屋のクローゼットを開けると、セーフティボックス、アイロン、スリッパなどとともに、あまり見慣れないものが目についた。緑色のじゅうたんのようなものと、細かな数字が書かれた(しかもその文字も緑色)紙がハンガーにかかっている。これはイスラム圏の国ならではのグッズである。イスラム教徒は生きている間に必ず行わなくてはならない義務が定められている。「断食」緑の矢印や「メッカ巡礼」などともに「1日5回の祈り」がある。祈りの時間は日の出日の入りの時間と関係があるため、日々その時間が変る。また同じマレーシアでも西と東では時間が異なる。その地域でいつお祈りをするのか、新聞などに毎日掲載される。このホテルではそのひ何時にお祈りをするのか、その「時間割」がクローゼットに提げられているのである。じゅうたんはお祈りでひざまずくときに用いられる。そして「緑色」はイスラム教を象徴する色である。イスラム圏の全てのホ テルでこうしたグッズがあるとは限らないが、「緑の矢印」はたいていのホテルの部屋のどこかにある。天井の一角とか、引き出しの中とか。緑の矢印は、メッカの方向を示しており、その方向に向かってお祈りをするのである。イスラム圏の国に行ったらぜひホテルでこの「緑の矢印」を探してみてください。



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