サラワク・コラム
〜サラワクで考えたこと・感じたこと・気づいたこと と 写真〜


【2010.06.04】「ウジャン(雨)がやって来る」


サラワク
かんかん照りの太陽によって吸い上げられた大地の水は雲となってその姿を次々と変えていく。やがてそれらがくっついて、黒い塊を生み出す。今まで広がっていた青空の一角が黒くなる。その黒の広がりとともに妙に生暖かい風が吹き始める。気が付くと空の半分近くを黒い雲が占めている。


風が止んだ。黒い固まりのある方向から白いもやのようなものが近づいてくる。背景の黒い雲とは対象的だ。よく見ると雨筋が見える。風によって斜めになったりくの字に折れ曲がったりしている。


Ujangがやってきた。とたん屋根に雨粒があたってうるさい。外での作業ができないしに話もできない。本を読もうにも暗くて読めない。こんなときはただひたすら外を眺めながらぼーと過ごすしかない。時たまその強弱を変えながら雨は降り続く。


またたくまにプールが出来上がる。子ともは元気に遊んでいる。親父は昼寝を続けている。森のシルエットが浮かび上がるほどの稲光。この日30分ばかりで雨は止んだ。

         
太陽によって大空に吸い上げられた水はこうして再び大地に戻った。


空には虹がかかっていた。



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