一人一人の可能性無限大
1999/10/4


「昭和五十四年四月六日、満開の桜に、やわらかい陽射し、やさしい一日だった。『オギャー、オギャー』火のついたかのような泣き声とともに、一人の赤ん坊が生まれた。元気な夫婦の、平凡な出産。ただひとつ、その男の子に手と足がないということ以外は。」

 この書き出しから始まる早稲田大学生乙武洋匡(おとたけひろただ)著「五体不満足」(講談社)と言う本をもうお読みになりましたか?
 仏教で五体とは、体と両腕と両足をいいますが乙武さんは生まれつき両手と両足がない先天性四肢切断という原因のいまだわからない障害をもって生まれてきたのです。
 出産後の母親のショックを配慮して親子の対面は一ヶ月後にのびましたが、「対面の瞬間」動揺し卒倒してしまうかとおもわれた母の口をついてでた言葉は、「かわいい」の一言だったのです。手足が無いことの驚きよりやっとわが子に会うことができた喜びに包まれていたのです。
 ご両親は、「子供に本を読んであげないということは、子供の脳の前頭葉を切り取る手術をしているのと同じだ」との考えから暇さえあれば本を読み聞かせたのです。「障害は個性である」との考えをその態度で教示してくださったご両親とは、親子の絆・信頼関係という言葉では片づけられない何かを感じているのです。
 両親だけでなく担任の先生方や多くの周囲の人々の理解と協力によって成長した洋匡さんは、「どうして僕は障害者なんだろう。そこには、きっと何か意味があるのではないだろうか。役目をになって生まれてきたのにせっかく与えてもらった障害を活かしきれていない。いってみれば『宝の持ちぐされ』なのだ。自分にしかできないことは何だろうか?」この問いに対する答えを見つけ出し、実践していくことが、どう生きていくかという問いに対する答えになるはずだと思いいたり「生きる」ということがこんなに楽しいことだと感じられるようになり、「障害を持っていても、僕は毎日が楽しい」と力強く語り、自分に誇りを持って生きているのです。
 私たち一人一人も、それぞれ役目をになって生まれてきているのです。
 私たち、法華経信仰者はお題目を一心に唱え乙武さんのように自分だけにしか出来ないことを見つけ出し実践していきましょう!

余談ですが乙武さんは我が阪神タイガースの熱狂的ファンです!(笑)