第74話:男の一人旅「津軽海峡 男の冬景色」 前編

<update/2005/12/24>

 

 

ぶらり途中下車の旅なんて、有り得ないね。

旅は計画的に。

 

 函館編からもうかれこれ1年以上経っちまったが、久々に行ってきたで「男の一人旅」

第二弾として白羽の矢が立ったのが、「青森県津軽」

 

12月10日〜11日と、1泊2日で行ってきた訳だが、結論から言おう。

 

この旅、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大失敗です。

 

何でかって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

津軽の冬をなめるんじゃネェ。

って事だよ。

 

 

まぁ、あれから2週間も経っちまったが、こんな所行ってきたってな事でも

書いてみるかね。

 

 

12月10日(土)午前5時30分。

まだ暗闇の中、買い替えたばかりの携帯にダウンロードした

矢井田瞳の「アンダンテ」をイヤホンでフルボリュームにして聞きながら

テンション高めて、いざ出発。

 

途中、氣志團の「One Night Carnival」かなんかに変わって、

「行ってくるぜ、ピリオドの向こう側まで」ってな変なテンションで。

 

んでもって、電車に乗ったら、白み始めた窓の外の空を見ながら、

今度は、イヤホンの中から、ELTの「きみのて」

 

殆ど、「女に振られての朝帰り状態」でテンション下がりまくり。

 

 

そんな感じで、空港に着いたのだが、羽田空港は快晴。

いいねぇ〜、こんな感じでスカッと晴れた天気で旅に出発できるなんて、

この旅も楽しくなりそうだぜ。

 

 

しかし、そう思ったのも束の間、離陸後の機長からのアナウンス。

 

「青森空港の天候によっては、三沢空港へ着陸、または羽田空港へ引き返す。」との事。

 

結構青森は天気悪りぃのかぁ?とか思いながらも東北上空へ。

結局、青森空港に着陸するとのアナウンス。

 

 

揺れた揺れた。

もう着陸の時、翼が滑走路に接触するんじゃねぇかぁ〜ぐらいに左右に揺れたし

油断したら「機長!今、斜めに飛んでませんでした?」

ってなくらいに。

 

で、気が小さくビビリな俺としては、座席の肘掛握り締めてなんとか着陸。

 

はれて午前9時過ぎに、俺、青森に初上陸。

 

ここから、バスで青森市内に向かうのではなく、

津軽方面の「五所川原」行きバスに乗る。

 

目的地は、五所川原から津軽線「ストーブ列車」に乗って

「金木駅」ってな所まで行き、太宰治の生家「斜陽館」なる観光地を目指ため。

 

石川さゆりの歌「津軽海峡冬景色」でもあったよな、こんな歌詞。

 

「♪北へ向かう人の群れは誰も無口で♪」って。

 

その「五所川原行き」バスの中は、単体の乗客5名のみ。

観光客なんて、いやしねぇ。

 

サラリーマンの人と

地元のおっちゃんぽい人と、

よくわかんないおばちゃんと、

帰省した女子大生っぽい人と、

俺。

 

だだっ広いバスの座席にバラバラに、座っている。

 

 

当然、

誰も無口です。

 

バスの外は、こんな感じ。

 

 

温室育ちの、男健地蔵、

 

この時点で、

 

 

 

 

 

 

 

無理っス。

自分、無理っス。

絶対、無理っス。

 

 

と、かなり後悔しながらも、約1時間後に「五所川原駅」に到着。

 

ここでは、めちゃくちゃ吹雪いているのには変わりないのだが、

なんとなく明るくなってきた。

 

またここで、「ストーブ列車」が出るまで約1時間くらい待たなきゃいけないので

周辺をうろうろ。

 

 

 

 

 

 

 

1人だからって、淋しくなんか、ないっさ。

 

でも、このストーブ列車、

いっちゃーなんだが、暖かいのは、ストーブの廻りの席だけで

他は、めちゃくちゃ寒みぃ。

 

まぁ、古い車輌だし人も殆ど乗ってないのでしょうがないんでしょうがね

 

と、そうこうしているうちに、目的地「金木駅」に到着。

 

この駅に降りて初めて、

五所川原駅で吹雪いていたので、売店でビニール傘買った時に

売店のおばちゃんが言った一言の意味がわかったね。

 

「傘なんて、意味あんのがぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねぇ。

 

 

意味無かったッス。

 

風が無茶苦茶強くて、傘させねぇ〜わ、

雪は重力無視して、正面から叩きつけるわで、

 

その時点で、わたくし、頭にきて傘、捨てました。

 

津軽からの風が強すぎて、雪は、風に晒されて積もらねぇんだよ。

 

で、その太宰治の生家「斜陽館」というのは、

駅からたいした距離があるわけではないのだが、

歩きながら、2〜3回気を失いながら、なんとか到着。

 

で、「斜陽館」の斜向かいに在る「観光物産館」(だったかな?)見たいな所に

入り、先ずは昼飯!腹減ったで。

 

実は、ネットで一応は調べていた、「太宰らうめん」を食おうと思っており

ご飯を昆布で包んだ「なんとかおにぎり」とか言うセットを注文。

ラーメンのほうは、まぁそれなりに温まって美味かったのだが、

昆布で巻いたおにぎりがよー、

 

昆布が厚くて、噛み切れねぇ〜んだよ。

 

なもんで、昆布開いて中身のご飯だけ食って終了。

 

で、いよいよ太宰治の生家「斜陽館」へ。

 

別におらぁ、太宰治が好きだったわけじゃねぇ。

大体において、おらぁ、文学とかの類はからっきしダメで、

興味も勉強もしなかった。

 

じゃぁ、何故こんな所に言ったかと言うと、

「ストーブ列車に乗りたかった」から調べてたら、

たまたまその津軽線に、これがあったから。

 

なんつったって、恥を忍んでここで告白しよう。

 

子供の頃に読んで感想文とか書いた覚えがある

「走れメロス」

 

おらぁ、ここに来て初めて知ったよ。

 

太宰治が書いたって事。

 

 

実は、おらぁ、この「走れメロス」って、

 

「古代ローマ」か「古代エジプト」の

昔話だと思ってたんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

許せメロス

 

 

とか思いながら、そそくさと金木駅から青森へ向かおうと思ったのだが

この時点での金木駅。

 

 

温室育ちの、男健地蔵。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう限界です。

 

早々と、津軽の冬に戦意喪失。

 

 

1時間に1本の帰りの電車に乗り、さっきいた五所川原へ到着。

その時点では、まだ14時半過ぎ。

(五所川原駅は、津軽線とJR線が隣接している)

 

今度は俺は、JR線に乗って、

青森駅まで乗り継ぎながら行かなきゃならないので、

駅の時刻表を見てみて何時の電車に乗ればいいのか確認にした。

 

「えっとー、今14時半過ぎで、次の電車はっと・・・、

 

えぇ〜、あった、17時何分ね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぇ?

 

まて、まて、まて、まてぇ〜い!

 

 

17時ってよ、

あと、2時間以上もあるじゃん。

 

おいおい、待ち合わせ室で待っている、地元の皆様方?

随分、落ち着いてらっしゃいますが、良いんですか?

 

なんか、食ってるし。

 

 

まぁ、「豪に入れば豪に従え」ってな事で、

30分くらいは耐えて待ってたのだが、さすがに堪え切れなくなって、

駅員に聞いてみる。

(あくまでも、リアルにしてるだけで、俺にはそう聞こえただけですので)

 

 

「電車って、あれしかないんですか?」

 

「えー、今日は、風がづよぐておぐれでてぇ、

まぁだ何時につぐかわがんねんですよ」

「おぎゃくさん、どこまでいぐのぉ?」

 

「青森です。JR青森駅まで」

 

「あー、あー、電車がぎでもー、

途中の○×駅でのせづぞぐがぁ、あるが、わがんねぇし

おぎゃくさん、バスで行ったほうが、いんでねがぁ。」

「1じがんぐれぇで、づくがんねぇ」

 

 

 

 

 

あぁ?

 

おいおい、バスがあんのかよ。

それ、どっから乗るんだぁ?

 

「あっ、そご。えぎのぉまえ。

あそごのぉ、あがい、屋根のどご。

あおもりいぐならぁ、あっぢのほうが、いんでねがぁ。」

 

と促されて、「あぁーーー、無駄な時間過ごした」

とか思いながら、向かい側の素敵なバスステイションに入ってみた。

 

いねぇ〜。このバスステイション。

いいぃ〜〜感じです。

 

基本的に寒いんですがね。

 

でも、このバス。

いろんな方面に出ているのだが、青森行きを待っている間に

いろんなバスが発着しているのを見ていてひとつ気付いた。

 

「かなり、定時に発着している」って事に。

写真に向かって真後ろに、アナウンス室見たいのがあって

そこで、「○○時発どこそこ行き」とかアナウンスしてくれるのだ。

 

青森行きは30分ごとに出ている。

 

今、15時30分。

 

1時間前に気付いていれば、既に青森に着いている時間。

 

約1時間30分を無駄にして、17時過ぎに青森駅到着。

(しかし、その無駄な時間が男の一人旅の醍醐味なのさ)

 

 

 

そこから、歩いて宿泊先である「ホテルJALシティ青森」へ。

 

ホテルへと到着した、温室育ちの、男健地蔵は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕、もう、お外に出たくない!

 

後編へと続く。

 

 

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