第40話 :「サディスティックな夜」
<update/2002/06/23>
一部大人の表現が含まれております。
まぁこの世の中、人それぞれの欲求を満たす術なんつーものは、
そこかしこに転がっているもんだが、
それには、個々の趣味趣向ってな事が関わってくる。
「えぇ〜!?お前あんな子がタイプなの????」とか、
「お間、そんな事やってんのかぁ〜〜〜!?」とか、ね。
そいつにとっては、最高の事でも、他人には理解できない事。
でも、そりゃそれで良い訳で、他人にとやかく言われる事じゃない。
犯罪性の無い事だったら、自分の欲求を満たしたけりゃ、
大いに自分の趣味趣向を満喫する事は、悪い事じゃぁない。
例えば、変態な行為が好きなやつが、ノーマルな奴に対して、
自分の欲求を押し付けようとしたら、そりゃちとまずい。
でも、
変態野郎が、やはり変態行為が好きな相手と合意の上で
変態行為に耽ることは、お互いに欲求が満たされるわけで、
その世界は成立するわけである。
で、
非常に偏った性的欲求によってしか満足感を得られない方々が、
引き合うように創る世界がある。
完璧にお互いの欲求が満たされる世界。
誰にでも心の奥底には秘めているといわれる、そう、
SM
他人に身体的・精神的苦痛を与えることで満足を得る事、サディズム。
他人から苦痛を与えられ、屈辱感を感じることで性的満足を得る事、マゾヒズム。
そう、「サド」と「マゾ」
ここで、知ってても決して偉くも何とも無い「うんちく」を教えよう。
「サド・マゾ」という言葉は、フランスの文学者サド侯爵と、 オーストリアの小説家マゾッホにちなんでつけられたものだそうだ。 サド侯爵の作品の登場人物は、加虐心理(暴力などで相手を傷つける)の描写が、 マゾッホの小説には被虐的な心理描写が多い。 ただ、「サド・マゾ」だからといって変態性欲、あるいは性的倒錯というわけではない。 |
だそうだ。
人は誰でもSとMの両面を持っていると言われ、
どんな人でも、サド的要素、マゾ的要素を持っており、
その割合が人によって違うだけで、
その時々において、どちらかが強くでるのだけならしい。
一般にサド的な人は支配欲求が強く、
マゾ的な人は服従的欲求の強い受動的なタイプだとされているのだそうだ。
で、
今から、10年程前だったか、知り合いの男性と飲みに行った時に、
良い感じで酔った後、その人の知っている普通のキャバクラに行った。
シコタマ盛り上がった後、お店の女性2人と店がハネた後、
六本木に4人で飲みに行く事となった。
いわゆる「アフター」ってやつ。
まぁ、夜中の3時位まで普通に酔い、盛り上がり、
当然、店の客である俺たちが、
ここまで引っ張った彼女達をタクシーで送っていかなきゃいけない。
方向もあるが、俺がその中の1人の女性とタクシーに乗り、
相方の人が、もう一人の女性を送っていく事となった。
ここまでは、どーって事無い普通の流れ。
だった。
彼女を送っていかなきゃならない目的地までは、30分位の場所だ。
タクシーに乗って15分位経った時だった。
その出来事が起った。
二人とも酔ってはいる。
酔ってはいるが、
俺は今だかつて、ここまでされた事は無い行為を、
その女がいきなりやってきたのだ。
タクシーの後ろの席で、俺が進行方向右側のドアにもたれて座り、
その女は、左側のドアにもたれて座っていた。
そんな状態でたわいも無い話をしていたら、
いきなり、
その女が、
右足を、
ふくらはぎが俺の肩、
靴が俺の後頭部、
そう、
俺の頭に、靴を土足で乗せる、
という、かなり挑発的な
行為を取り、
こう言いやがった。
「ねぇ、あんた、やりたいんでしょ。
あたしとしたいんでしょう、えぇ?」
「したいって、言いなさいよ」
こいつ、何なんだ!
女王様?
しかも、靴のつま先で俺の後頭部を小突きながら言ってるよ。
途中からは、両足でカニバサミ状態。
俺は、あなたの奴隷?あなたの「しもべ」?
俺、マゾ?
あなた、サド?
俺、送ってるんですけど・・・。
しかしだ、やっちゃーいけねー事を、
ノーマルなこの俺に、
この女は、やっちまった。
勿論、人としてね。
仏の俺もこの瞬間に、さすがにブチ切れました。
悪いけど。
なので、こう言ってやった。あぁ、言ってやったさ。
「こらぁ、テメェ、
なにチョーシにのってんだ。
あぁ。
テメェ、人様の頭に土足で、
足乗っけるってー事が、
どう言う事かわかってんのか。
あぁ、こらぁ。
テメェの、腐れマ○コなんかに、
おらぁ、興味はねぇ〜んだよ。
この汚ねぇ足を、
とっとと下ろせ。あぁ」
ってね。
しかも、自分から足を振りほどくなんて事はしない。
あくまでも、その女の意思で下ろさせたかったからね。
下ろしたよ。
でもここは、タクシーという個室の中。
このまま、変な空気が流れるのも大人気ない。
なので俺は、女が足を下ろした瞬間に気を取り戻し、
「な〜んて言いたくなっちゃうからよ。」
とか言って、何事も無かったように収めようとした。
だが、事はそう進まなかった。
そう言って、
彼女をふと見ると、さっきまでの女王様ぶりからは、豹変。
あの時の君は、何処へ行ったの?
なぁ、君、今、完璧に、
快感に浸ってない?
なぁ?
目が潤んで、人に慣つく犬のように、
何故に俺の目を見つめる?
君、興奮してない?
俺は、その瞬間、思ったよ。
こいつ、「マゾ」?
いつもされている事を、俺に試し、
どういうリアクションを取るか見てみたら、
思いがけない反撃を食らったのだ。
そう、俺の取った言動がかなり
サディスティックに写ったのだ。
で、その彼女、
他人から苦痛を与えられ、
屈辱感を感じることで性的満足を得ちまったのである。
その日は、なんとか送っていったのだが、
翌日電話がかかってきた。
「昨日はありがとうございました。」
ま、一応キャバクラの営業トークね。
俺:
「昨日は悪かったね。大丈夫だった?」
彼女:
「いえ、大丈夫です。だって私、」
「真性のMなんです。」
ごめん、付き合い方わかりません。
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