第39話 :「聖域を侵したことへの代償」

<update/2002/06/12>

 

 

あぁ、なんてこった。またホモ絡み。

 

 

先日、弊社新人君を連れて、禁断の街「新宿2丁目」に

行った後、感じた事である。

 

 

まぁ、我々の業界だけではないと思うが、仕事上で、

ハッタリなんてものは、個々の経験値でカマせるものだと、

俺は思っている。

 

営業に出た新人にハッタリカマせと言ったって無理に決まっている。

諸先輩方は、それぞれの経験の中で得た全ての情報をフル活用して、

TPOに応じ、ハッタリをカマしている。

 

で、

 

 

社会に出たての新入社員。

見聞を広めるという意味でも、その世界を見ておくというのは、

悪い事じゃぁない。

 

ただ、その経験を人に話すとき、

「タイミング」と「話し方」によっちゃ、疑われる事請け合いだが。

 

 

そんな中、新人君1名は、俺に連れられ新宿二丁目の街に

吸い込まれて行った。(つうか、俺が吸い込ませてるけどね。)

 

 

行った店は、たまに行くホモクラブ。(会員制)

ママの事も何年も前から知ってるし、問題も間違いも無い。

弊社の社員もかなりの人達がこの店には行った事があるし。

俺も客として信用されてるし、かなり馴染みっぽくはなっている。

 

 

以前にも「マーヴェラスな憂鬱」で書いたが、

この店は、基本的に「正常」な客が多い。

 

キャバクラや、クラブのホステスさん達が、自分の店がハネた後、

自分のお客さん達と来たりするので、意外と明るいのだ。

 

「私ホモバー行ってみたぁ〜い」とか言う興味本位の客、全然問題なし。

ノンケ(正常な人)相手に商売しているような、店。

 

 

その店で飲み始めたのだが、新人君が初めて触れる「ホモ」

 

どれだけショックだったかどうかは知らないが、

勝手知ったるこのお店。余裕ぶっこいちゃって飲んでた俺に、

ひとつの油断が生まれ、

 

いつの間にか忘れていた事実があった。

 

 

 

なんだかんだ言ったって、

 

この人たち、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホモ」

 

 

なんか、友達感覚になって、忘れてた。

 

 

その後、店のママから

「店ももう閉めるから、違う店で飲もうよ」

という誘いに、

友達感覚の俺に、断る理由も無し。

 

 

39歳の俺に「次行こう」と言われた新人君に、

 

断る言葉は無い。

あったとしても、何の意味も持たない。

 

そして、俺も初めて行く店に、

ママに導かれて入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DEEP   

DEEPer 

DEEPest

ディィィ〜〜〜プ

 

 

テンコ盛りすぎ。

 

 

俺は、思ったね。

「ここは、ノンケが来るとこじゃない」

 

だって、席についたその店のホモ達。

俺が

「俺たちノンケだから」

って行った瞬間、空気が変わったね。

 

 

 

つまり、こう言う事だ。

 

 

 

「お前ら、この店に何しに来てんだぁ?あぁ?

ここは、ホモが来る店なんだよ。

オメェらみてぇ〜な、ノンケが興味本位で、

来るとこじゃねぇ〜んだよ。

こらぁ。」

 

 

 

 

 

 

つまりここは、ホモの

「聖域」

 

 

知り合いのママがいなけりゃ、つまみ出されるか、

その店に来ているホモ達全員に、ボコボコにされてるね。

 

 

いい気になって、良く行くホモクラブの感覚でその店に

女性を連れてっちゃったら、間違いなく、胸倉掴まれて、

喧嘩売られてるね。

 

言っとくけど、ホモって女っぽいイメージがあるけど、

肉体的・体力的には、普通の男。

いざとなったら、結束力あるからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは、そのホモ達の、

「聖域」

侵しちゃったわけだ。

 

 

 

そこで俺は、ふと思った。

 

 

 

 

 

 

 

「もしかして、俺ら嵌められてない?」

って

 

 

 

 

例えば、ノンケが安心して馴染みの店に

一人で来ていて、酔って、

その「聖域」に連れて行かれたとしよう。

 

 

 

たった一人で、逃げられない状況にしておいて、

その「聖域」をノンケが「侵した罪」を、ホモ達が責める。

 

 

 

その

「代償」

として、自分の身体を差し出し、

 

 

 

 

 

 

 

落ちていった、ノンケの男達。

 

 

 

 

 

いると思うよ。

 

 

 

 

 

俺たちは無事に帰還したが、

 

新人君に、「安心しろ。俺がいるから。大丈夫だよ」

と、いって新宿2丁目経験をさせようと思ったのだが、

 

 

 

 

 

ごめん、新人君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、

久々に、

 

 

 

 

ビビッた。

 

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