第 2話 : 「愛犬パリ」

<update/2001/2/7>

 

私が26〜27歳位のある冬の日の朝、

私は目がさめると「あれっ?」と思い出す事がありました。

 

何を思い出したかと言いますと、

夜中に夢だったのかどうだったかは判りません。

ただ実際に感覚として

覚えている事があったのです。

 

 「そういえば、寝ている時に何か犬のような

四足の何かが布団の上を歩きまわってなぁ」と。

 

確かに感覚として覚えていたのです。

 

不思議な事に、怖いとか、どうとかは考えませんでした。

「なにか乗って歩いてる」としか。

 

それで会社に行き、会社の後輩にその事を話しましたところ、

「やばいんじゃないんですかぁ?」とか

「何か摂り憑かれてんじゃないんですかぁ?」とか

言われて、私も「ヤベェかなぁ?」とか言って

話も終わり、その日の仕事を終えました。

 

一人暮らしを東京でしていたのですが、

アパートに帰ると1本の電話がかかってきました。

群馬の実家の母からでした。

 

「今朝起きたら、パリ(愛犬の名)が

死んじゃってたのよぉ。

それで今日お墓をつくってきたの」と。

 

私はその瞬間に「はっ!」と

今朝のことを思い出し、母に話しました。

 

母は、「きっとあなたが一番可愛がってたから

逢いにいったんだろうね。」と言いました。

 

愛犬パリというのは、

私がまだ中学生だった頃から

飼っていた柴犬です。

かなりの長寿だったのですが、

ずっと可愛がり大学から東京に住んでいた私が、

実家に帰る度に可愛がっていたものです。

 

私は信じています。

「きっと、命が亡くなる前に逢いに来てくれたんだろうと。」

 

来た事も無い私の東京のアパートに。

 

だって体験した事が時間的にみてあまりにも、

つじつまが合ってしまったので。

 

でも今でも思い出すと悔やむ事があります。

それは、「なぜあの時起きなかったんだろう。」と。

「起きてれば姿を見てあげれたんじゃないか。」とか

「遊んであげれたんじゃないか。」とかね。

 

なんか「虫の知らせ」とか言いますけど、

そういう事ってあるんだなぁと思った出来事でした。

 

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