第12話 :「錯覚という名の悪戯」

<update/2001/8/29>

 

「錯覚」をした時というのは、不思議な感覚になったり

時として、命をも落としかねない事態を引き起こすものでもある。

 

例えば、

 

高速道路で車を運転している際、

勾配角 5°の下り坂を延々と走った場合、

ドライバーは、そのうち傾斜になれ、下っているのに

 

「平坦な道を走っている」

 

という錯覚を起すのだそうである。

 

そして、その錯覚を起したまま、

勾配角 5°の下り坂が勾配角 3°の下り坂に

なったとしよう。

つまり下記の図のように、

img8.gif

単に傾斜が緩くなっただけで、

下り坂には変わりはないのである。

 

しかしである。

 

車を運転しているドライバーは、

そうは感じないのである。

 

平坦な道を走っているという

錯覚を起しているのだからドライバーは、

下記のような感覚になるのである。

img10.gif

そう

勾配角 5°から3°になった時点で

逆に今度は、

 

「上っている」

 

という錯覚を起すのである。

 

実際には

下っているのに。

 

「上っている」という錯覚を起したドライバーは

どうするか。

 

当然、

アクセルを踏み加速するのである。

 

時速100Km以上のスピードで

坂道を下っているのに、

加速しているのである。

 

 

 

もちろん

事故死へのカウントダウンも

加速する事になる。

 

 

東名高速道路の事故が頻発する、ある区間では

この錯覚が事故の多発する要因の一つとも

言われているのだそうだ。

 

 

 

で、

 

 

私は、飛行機に乗った時、

たまに感じる錯覚があるのである。

 

飛行機は、ちょっと怖いが、

乗るとちょっとウキウキしてしまう。

やはり上空から見下ろす景色は爽快である。

 

で、

離陸をした後、暫らくすると

シートベルトの着用ランプも消えて、

水平飛行に移るじゃないですか。

 

その水平飛行中に錯覚を起すのである。

 

エアポケットに入ったり、気流のせいで

飛行機がガタガタ揺れて怖い思いをした人は

数多くいると思うが、

 

私はの場合は、

 

 

上空何万フィートという上空で、

 

 

何百キロというスピードで飛んでいる、

 

 

旅客機の座席で、

 

 

たまに、錯覚を起すのである。

 

 

あれっ?

 

今、

 

この飛行機、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブレーキ踏まなかった?

 

 

この錯覚を共有できた人は、

今までに1人しかいない。

 

img16.gif

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