戦国の写真
          甲斐の虎 典廏寺(てんきゅうじ)


典廐寺本堂
 名 称      : 典廐寺(てんきゅうじ)

 所在地      : 長野県長野市篠ノ井

陣営地
     第四次川中島合戦で、武田゙典廐"信繁 が陣営
     地とした寺。

 【 由 緒
    永禄 4年(1561年)の 上杉・武田 の 川中島合戦
    「八幡原の戦い」 のときは 鶴巣寺 と号しており、
    信玄の弟である ゙典廐"信繁 が陣営地としました。
    ゙典廐"信繁 は奮戦の末、この付近で華々しく討死
    したので、遺骸を寺の境内に埋葬して、典廐塚 と
    呼んだそうです。
    合戦から 60年を経過した元和 8年(1622年)に
    松代藩主 真田信之 の手によって、武田゙典廐"の
    名を取って 典廐寺 に改めたと云われています。

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地図(Map)
典廐寺本堂
 雨に濡れる 典廐寺本堂 です。

 入口に甲越両軍の軍旗が掲げられているのが、雰囲気
 を醸し出しています。
典廐信繁公の墳墓 典廐信繁公の首きよめ井戸
典廐信繁公の墳墓 典廐信繁公の首きよめ井戸
 境内にある 典廐信繁公の墳墓 です。

 合戦後、しばらくの間は古い松の木の他には何も無く
 村人たちに 典廐塚 と呼ばれていましたが、松代藩主
 真田信之 の許しにより、鎌原家が長さ 6尺余の野石
 をもって碑を建立したそうです。
 歴史のにおいを感じさせる碑ですね。

 境内にある 典廐信繁公の首きよめ井戸 です。

 この井戸水で、信繁 は首を洗われたのでしょうか?
 網がかけられており、大切にされているのが分かります。
【 武田の副大将 信繁 】
 武田信繁(たけだのぶしげ) は、大永 5年(1525年)に 武田信虎 の第二子として生を受けました。
 その 4年前の大永元年(1521年)に兄の 信玄(晴信)が誕生していますが、父 信虎 は、兄の 信玄 より弟の 信繁
 を偏愛し、信玄 を廃嫡して 信繁 に家督を譲ろうとしていたと云われています。
 しかし、天文10年(1541年)に 信玄 は家臣と図って、父 信虎 を駿河国(静岡県)へ追放してしまいます。
 父親に対しては憐憫の情を抱きながらも、非常手段を取らざるを得なかった兄の心中をも察し、兄弟ではなく家臣と
 いう立場を守って、信玄 の補佐役として軍略、識見に類稀なる才能を発揮し、また諏訪攻めでは譜代の猛将に負け
 じと先陣を切るなどして、家臣はもとより領民からも 「武田の副大将」 として慕われていたと云うことです。

【 川中島に死す 】
 永禄 4年(1560年)、上杉謙信 との川中島合戦 「八幡原の戦い」 において、兵を二手に分けて別働隊の奇襲により
 予定戦場である 川中島八幡原 に上杉軍を追い落とし、あらかじめ配しておいた主力軍により、迎撃殲滅する 「啄木
 鳥(きつつき)の戦法」 を見破られた武田軍は上杉軍の猛攻に苦戦に陥り、信玄 のいる本陣も大混乱となります。
 信繁 は上杉軍の攻撃を死力を尽くして防いでいましたが、味方の劣勢を見ると本陣を守るべく、敵中深くに突入し、
 思うさまに斬りまわり、ついに壮絶な最期を遂げました。 享年 37歳でした。
 信玄 は、誰よりも信頼していた弟 信繁 の死をとても悲しんだと云われています。

典廐の由来
 さて、武田信繁 は一般的に 典廐(てんきゅう)と呼ばれていますが、これは 信繁 が元服して ゙左馬助"(さまのすけ)
 に任官したことから、左馬助 の唐名を 『典廐』 と称するところに由来しています。
 余談ながら、信繁 の子である 信豊 も 典廐 を称したため、父子を区別するために 信繁 のことを 『古典廐』 とも呼ん
 でいます。


〜 ken-you史跡巡り記 〜

   典廐寺 は、川中島古戦場(現在は 「八幡原史跡公園」)から歩いて 20分ほどのところにありますが、駐車場が
   無いので、「八幡原史跡公園」に車を停めて、胴合橋 や千曲川の流れを見ながら、歩いて行かれることをオスス
   メします。
   さて、武田信繁 というと骨肉相食む戦国時代において、実力がありながら兄である 信玄 に忠節を尽くす好人物
   として有名だと思います。(それほど、信玄 が非凡だったとも云えますね。)
   後世に云う 「啄木鳥の戦法」 の裏を掻かれ、大混乱に陥った武田軍を救うべく、兄であり武田家の棟梁である
   信玄 を救うべく、命を捨てた 信繁 に思いを馳せ、散策するのも良いものです。
   なお、写真には収めていませんが、境内入ってすぐにある 閻魔堂、宝物殿 等、一見の価値はあると思いますの
   で、武田ファンの方は足を運ばれることをオススメします。



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