彗星、と言えばまずこの名が思い付くのではないでしょうか。
1985年から86年にかけて回帰し大変な騒ぎになりました。もう25年以上も前になるのですね。
前々回(1910年)の回帰時ほど明るくはなりませんでしたが、それはそれで、この彗星は記憶に残る彗星です。


1986年1月2日
山口県光市にて

1986年の正月はハレー彗星で明けました。
尾伸びている方向に特徴のある星の並びがありますが、みずがめ座のY字形です。
彗星は5等級です。


1986年1月12日 18h48mから各3分露出を3枚コンポジット
180mmF2.8開放、高橋P2自動ガイド、サクラカラーSR1600
山口県平生町にて

2月9日の近日点に向かい、夕方の西空みずがめ座に見えていたハレー彗星です。この年は1月2日から 彗星を見に出かけています。フィルムはなつかしのSR1600を使っています。


1986年3月17日 04h44mから2分、3分露出を7枚コンポジット
180mmF2.8開放、高橋P2自動ガイド、サクラカラーSR1600
山口県光市にて

近日点通過後の最初の観測は3月5日でした。月が残っていましたが、肉眼でも尾が伸びた姿が 確認出来、感激した記憶があります。
この写真を撮影した日は透明度が良く、素晴らしい姿を見せてくれていました。m1=2.8等、との記録があります。 当時は比較星も使っていない、えいやっ!光度ですが(^^ゞ
クリック拡大するとタイプTとタイプUの尾が分かれているのが判ります。


1986年4月6日 03h35mから3分露出を9枚コンポジット
180mmF2.8開放、高橋P2自動ガイド、サクラカラーSR1600
山口県光市にて

さそり座の尾の南に見えるハレー彗星です。写真では北西に淡い尾が写っていますが、肉眼では彗星自体は 見えるものの、尾は分りませんでした。地球に接近し、彗星を正面から見てしまったためです。


1986年4月24日 21h40mから2分、3分露出を2枚コンポジット
180mmF2.8開放、高橋P2自動ガイド、サクラカラーSR1600
山口県平生町にて

再び夕空、コップ座に見えて来たハレー彗星です。位置関係も良くなって尾も見え出しました。
実はこの撮影は皆既月食中の暗い空を利用してのものです。1時間ちょっとの皆既中、スケッチ、写真、と 駆けずり回った記憶があります。