Pharaoh of Phyre ( Pharaohs of Phyre ) ファイアー・ファラオ
(モンスター)
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BCFに登場する不死系モンスターです。 日本語訳ではわからないですが、「ファイアー」はfireではなくphyreです。phyreとは「斑岩porphyry」のこと。硬くてまだら模様のある火成岩です。狭義にはエジプトで採れたものを言うようです。「火成岩」で次に来る火山での戦いを予告し、「エジプト」でダンジョンの雰囲気作りに貢献し、発音「ファイアー」で得意な攻撃方法を伝えています。素晴らしいネーミングと言えるでしょう。 |
update: 20001120 |
Phrygian Cap フリギア帽
(アイテム)
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SFC版BCFでは「フリジアのぼうし」と訳されていました。SS版では「フリギアン・キャップ」でした。日本語一般では、どうも「フリギア帽」が多いようなので、見出しもそうしてみました。どうでもいい話ですが、アヤメ科の花、フリージアはFreesiaです。誤解なきよう。 Phrygiaは小アジア、アナトリアの古代国家の名前です。日本語では普通「フリギア」と書きますが、英語、仏語の発音に近い「フリジア」を用いる場合もあります。そして、フリギア帽と呼ばれる帽子の種類があります。これは古代ローマで、解放奴隷が被っていた帽子です。古代ギリシア、ローマで奴隷といえば、基本的に戦争捕虜です。小アジアから連れてこられた奴隷たちが解放され、服装の自由が許されて、出身地の服装をしていたのかもしれません。その東方の見慣れぬ帽子を、ローマ人はフリギア帽と呼びました。当時は「東=フリギア」だったようで、この帽子が本当にフリギア由来かどうかはわかりません。ヨーロッパ人を南蛮人と呼ぶような、いい加減な呼称だったかもしれません。絵画などでは、ソフトクリームが融けて前方に傾いたような帽子が描かれています。 さて時代は移って、18世紀末。フランス大革命やアメリカ独立戦争の革命家たちは、同じ名称の帽子を被っていました。自由、独立を勝ち取ろうとする自分たちを古代の解放奴隷になぞらえたのでしょう。仏語ではボネフリジアンBonnet Phrygienといいます。英語ではリバティーキャップLiberty Capという呼び方もありました。これが我々の知っているフリギア帽です。ただし、本当に古代ローマのフリギア帽と同じ構造かどうかは知りません。 18世紀のフリギア帽は、円錐形の布袋を被るような形をしています。で、たいてい両耳のところに紐がたれています。色は様々ですが、過激派の好んだ赤いカラーリングが有名で、これを特にボネルージュBonnet Rougeと呼びます。 百聞は一見にしかずということで、絵画や映画を紹介できれば良かったのですが、あまりいい例が思いつきません。一番有名なのはドラクロワEugene Delacroixの『民衆を導く自由の女神(La Liberte guidant le peuple)』です。この女神がどうやらフリギア帽を被っているようですが、はっきりは見えませんね。卑近なところでは、スマーフSmurfsの帽子はフリギア帽と呼んでいいと思います。パパ・スマーフだけ帽子が赤いのは、きっと過激派だからでしょう。 Wizに話を戻すと、このアイテムはACが4も下がり、重さが3.5lbもあります。布袋にしては異常な数値ではないでしょうか。 古代や中世(10世紀ぐらいまで)の絵画でも、重装備の戦士、騎士が頭だけ布袋を被っているのには違和感を感じます。そしてこれは一般的には、フリギア帽の下に金属製のドーム型の兜か帽子を被っていたのだと解釈されています。逆に言えば、兜の上に布の飾りを被せてあるのです。この複合装具にはっきりした名前はありませんが、Phrygian Helmと呼ぶことが多いようです。他にはPhrygian Cap Helm、Phrygian Hat Helm、そして単にPhrygian CapないしPhrygian Hatと呼ぶ場合もあります。 ACはさておき、重さは兜を暗示していると思います。日本語名でもそれを考慮して、「フリギア兜」「フリギアの兜」もありでしょう。武具の歴史を語る文脈では「フリギア式兜」と呼ぶのでしょうが、アイテム名としてはしっくり来ない気がします。 |
update: 20001002 |
Rabid Rat ( Rabid Rats ) ラビッド・ラット
(モンスター)
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KODなどに登場する動物モンスターです。 普段英語でプレイしてる人は気付かないのですが、このモンスターの日本語名には歴史があります。「キューピット」「シンドバット」など日本語ではしばしば起こる音便ですが、FC版では「ラビットラット」とrabidの「 d 」の音が清音になっています。その上、イラストがウサギrabbitの絵になっています。この間違いに気付いたのでしょう、PS版では名前を「ラビドラット」と正しました。しかし、絵は依然ウサギのまま。そしてあろうことか、日本語の不確定名をそれまでの「ラット」から「ウサギ」に変えてしまったのです。いったい何を考えているのやら。 rabidには「凶暴な」という意味もありますが、毒を乗せてくるので、原義の「狂犬病の、恐水病の」という意味で考えていいと思います。 |
update: 20001120 |
Raven ( Ravens ) レイヴン
(モンスター)
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HOMに登場する動物系モンスターです。 ravenとはワタリガラスのことです。SFC版では日本語名を「レイバン」としていました。ここまで英語読みにこだわるのはやり過ぎだと思います。「レイヴン」、「ヴ」が出なくても「レイブン」で良いでしょう。「レイバン」だとサングラスのレイバンRay-Banかと思ってしまいます。PS版では直っているだろうと思ったら、「レイバン」のままでした。 |
update: 20001120 |
Rhine Stone ライン・ストーン
(アイテム)
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ただの石。 ラインストーンとはガラス製の模造宝石のことです。諸説ありますが、もともとはライン川で採れる水晶Rheinkieselをファセット加工(多面体にカット)したものを言ったようです。それが産地を限定しなくなり、クリスタルガラス製のものを言うようになりました。フォイルバック(反射を増すために裏に金属薄膜を融着)はあってもなくても良いようです。一般にラインストーンと言うと無色でダイヤモンドに似たものですが、有名なスワロフスキーSwarovski社の製品には色付きのものも多いです。アクセサリー材料のほか、小粒のものがネイルアートに使われます。 アメリカ人にとってrhinestoneとは、ラスベガスのショーやカントリー・ウェスタンのギンギラの衣装に使うもの、という認識があり、「紛い物のきらびやかさ」、「泥臭さ」を思わせる単語のようです。グレン・キャンベルGlen Campbell(1936- )のヒット曲『ラインストーン・カウボーイ(Rhinestone Cowboy)』(1975)が非常に有名なほか、シルベスター・スタローンSylvester Stallone(1946- )主演の『クラブ・ラインストーン/今夜は最高(Rhinestone)』(1984)という映画もあります。 能力と同様、名前も弱そうな感じですが、なぜ武器の名前になったかはわかりません。 以前、「調べてもわからなかったもの」に掲載していましたが、Iholi様の情報により、文章を訂正し、「小ネタ集」に移させていただきました。 |
update: 20011001 |
Ropav Dica ( Ropav Dicas ) ロパヴ・ディカ
(モンスター)
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HOMに登場。 最近気付いたのですが、acid vapor(酸性の蒸気)の逆読みですね。不確定名は「奇妙な靄Strange Mist」です。この調子でシーゲッズShiegetzuも解読できるかと一瞬期待したのですが、甘かったです。 |
update: 20050723 |