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某非堕落人間さんとの交流
古本屋文吉
いつもの顔ぶれといつもの様に学校を出る。祠の脇の 細道を抜け、ユメニティに面した道に着くと歩みが止ま る。ここで大抵、今日の話納めとでも言うように会話は 続く。いよいよ時間が来ると、電車組、自転車組ともひ らひらと手を振り、互いの無事を祈りながら散っていく のだ。さて、今回のお話は、散り散りになった後、自転 車組の某かぶらさんと一緒に帰ったことから始まる。 某かぶらさんと二人してふらふらと踏切に向かってい た私は、ふと頭に浮かんだ疑問付を形にした。 文「かぶらさん、かぶらさん」 か「はい、何でしょう?」 文「彼氏、彼女って言い方、何かおかしくない?」 か「え……っ(驚)」 かぶらさんが言葉に詰まるのも無理はない。無理はな い、が一度聞き出したらなかなか引っ込まないのが私の 疑問付である。 文「だってさぁ、『彼の女』やで?自分の好きな人やの に『僕 の彼女です』って言うねんで。彼氏に至っては 『彼の氏…。』 何やねん。思えば『付き合う』って言 うのもおかしいよなー。 誰が誰に付き合うねん、みた いなね」 か「言われてみればそうですね。お互いに好きな訳です から…。 彼女も英語で言うと『his女』ですしね」 文「(笑)いいな、それ。うーむ、何かいい言い方ないか なぁ。 彼氏、彼女って言うの嫌やしなー…。あ、『好 きな人です』 とかは? 『大切な人』とか」 か「『大切な人』ですかー。うーん…」 等と二人でうんうん言いながら、夕方で人通りの多い (車通りも多い)道を帰っていく。大体、「彼氏、彼女な どという言葉、誰が使い始めたんだ? 素直に好きな人でいいんだよ。そんなこと言いだすか ら勉強で忙しい(…。)生野高校の生徒を悩ますことにな るんだ。と、考えれば考えるほどどうでもよくなってく る問題から逃げる逃げるため、どこの誰ともわからない 人に責任転換を始めていると、いつの間にやらお別れポ イントのTSUTAYA前まで来ていた。 文「ここまでか…。じゃあ、これは宿題で!!」 か「宿題…。分かりました。考えてきます」 こうして私は点滅している信号を渡って帰るかぶらさ んを見送り、私も帰途についたのだ。 ――数日後、案の定宿題のことなどすっかり忘れてい た私に、かぶらさんが駆け寄ってきた。 か「文吉さん! 思いつきました。『なかよしさん』は どうで しょう?」 文「『なかよしさん』…!」 私の体に電撃が走った。なんて、なんて素晴らしい響き なんだ。幼少の頃に読んだ絵本の中によく出てきた「さ ん」付け言葉。人を誰の物とも決めつけず、率直に二人 の関係をかもし出すその意味合い。そしてそれを口にす るかぶらさん。 まさに完璧だ。これはもう二〇〇三年の流行語大賞、 イヤ広辞苑に載せるべき言葉だ。何? 幼稚? うるさ い。世の中なんてのは子供らの夢からできてるんだ ー!!! すみません、暴走しすぎました。とりあえず私が言い たかったこと。 「かぶらさんは天才である」 |