題名: 図書館試験中の開館予定/実存?

●9/22土曜日は閉じています。

●試験中は3時まで。

●9/28金曜日は、会議のため1時20分までです。


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一年生のある教室で

資料に出てきた「実存」ということばをめぐって声が飛んでいました。



「なんなん? 実存って?」



そのテキストは、こんなん。



「かつてと違って

『努力して貧しさを克服する』といった

社会の中での地位上昇によっては解決できない

『実存』の問題を、

どう解決するか。」



努力では解決できない実存の問題?



文章はこう続きます。



「地下鉄サリン事件が起きた九五年ごろには

既に上昇の輝かしさが遠のき、

一言でいえば『こんなはずじゃなかった』という感覚が

少なくとも『エリート』の中に充満していた。」



「オウムは、

社会的な地位達成で埋め合わせられない実存的な不全感を、

宗教によって埋め合わせ、

まじめな若者を引きつけた。

単なる生きづらさを

『ハルマゲドン(世界最終戦争)』に象徴される

「世界変革」で解消しようとした短絡にこそ特徴があります。

(宮台真司(みやだいしんじ))」



実存の問題とは、

ひらたくいうと、

「かけがえのないこの私の問題」。



「社会的な地位」は、

勉強や努力によって得られるけれども、

その地位は、

いつでもほかの誰かに取って代わられる。



今ここにある私という現象。

宇宙開闢以来初めてこの世に現象し、

空前絶後の、

この生を生きている私という固有の存在。



社会とって〈役に立つ/立たない〉

ではかられる「人材」としての私ではない私。



その私を虚構の世界と直結させたのが、

オウムだという話。



世に漂う不全感を

ある標的の破壊によって一気に吹き払おうとするのは、

私たちの時代の病です。



「ここではないどこかに」

「一気に」



そういう思いには落とし穴が。



「ここに立つ」

「少しずつ」



あたりまえの日常を捉え返した視界にこそ、

光は見えてくるようです。



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