題名:
【本の森】23年目の朝に
2018/01/17 15:21
阪神淡路大震災23年目の朝は、雨でした。
追悼のつどいを映すテレビから目を離し、
黙祷しました。
1995年(平成7年)1月17日午前5時46分。
あの年、
春になり、いつものようにプロ野球が開幕し、
若きイチローもその中にいたオリックスの選手たちが、
「がんばろうKOBE」
と書いたワッペンをつけて球場に現れたのを見たとき、
胸がいっぱいになったのをおぼえています。
その年、オリックスはリーグ優勝しました。
https://www.buffaloes.co.jp/pc/special/kobe/concept.html
大きなできごとの最中、直後、
わたしたちは、何が起きているのか、
それを見ることはほとんどできない。
少し経って、
ようやく何かが見えるような気がしたとしても、
ほんとうは何を見ているのか。
文学のまなざしは、
わたしたちの奥底で起きていることを見つめ、
あるときはその現実を容赦なく描きとり、
あるときはそれを超えていく希望を伝えます。
「がんばろうKOBE」
という短いことばは、
あのとき、確かに詩のように響きました。
阪神淡路大震災にふれた数多くの作品から、
図書館で手に入るものを紹介します。
出版社の紹介文をつけておきます。
1月17日を機に、読んでみてはどうでしょう。
●村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』(2000年)【913/M60/8】
「1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。
そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、
かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる…。
大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。
でも、おそらく、あの震災のずっと前から、
ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた―。
深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。」
●東野圭吾『幻夜』(2004年)【913/H50/6】
「俺の魂を殺した女。彼女は一体何者なのか。
阪神淡路大震災の混乱の中、偶然出会った男と女。
自らの野望を達成させるためなら手段を選ばない美しく冷徹な女と、
彼女に心を奪われ、次つぎと悪事に手を染めていく男。
やがて女の恐るべき真実の姿が浮かび上がる。」
●湊かなえ『絶唱』(2015年)【913/M89/15】
「阪神淡路大震災で大切な人を亡くした女性たち。
彼女らは〈島〉へ向かった。真実を知るため。別れを告げるため。
人生を取り戻すため。〈希望〉は謎。
悲しみしかないと、思っていた。
でも。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。
忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために――。
〈死〉に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。
そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。
そこで生まれたそれぞれの〈希望〉のかたちとは?
喪失から、物語は生まれる――。」
◆図書館にある震災関連本の一部
大震災のなかで◆内橋克人/岩波書店
改訂保存版 東日本大震災津波詳細地図◆原口強,岩松暉/古今書院
日本の地震災害◆伊藤和明/岩波書店
東京震災記復刻版◆田山花袋/博文館新社
神戸発阪神大震災以後◆酒井道雄/岩波書店
阪神・淡路大震災誌◆朝日新聞大阪本社阪神淡路大震災誌編集委員/朝日新聞社出版局
阪神・淡路大震災10年◆柳田邦男/岩波書店
阪神大震災◆朝日新聞社/朝日新聞社出版局
阪神大震災を詠む◆朝日新聞歌壇俳壇/朝日新聞社出版局
震災と情報◆徳田雄洋/岩波書店
震災の思想◆藤原書店編集部/藤原書店
震災列島◆石黒耀/講談社
震災日録◆森まゆみ/岩波書店
震災診療日誌◆河野博臣/岩波書店
3・11備忘録アップルハウスの震災記◆たかはたけいこ/繊研新聞社
東海・東南海・南海巨大連動地震◆高嶋哲夫
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