春を。平和を。
20220307
春を。平和を。
梅満開。
香りが風に乗って広がります。
登校日もたくさんの本が借りられました。
ゆっくり読めているかな。
今年の貸出数は例年より2800冊(!)近く多かったのです。
自発的・習慣的に本を読む人が増えているのはうれしいことです。
借りられている本の種類を見ても、
さまざまな世界への関心が広がっているのを感じます。
登校日、
加藤陽子 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を借りた人がいました。
別の人は、
「ロシア」「ウクライナ」「プーチン」という語を含んだタイトルの本を借りていきました。
世界が揺れています。
梅の花にまとわりつく小鳥のさえずりを聞くとき、
耳の奥底で亡霊のように砲声が響きます。
平和を。
平和を。
https://youtu.be/sy7Xj8Xjd40
一年生のみなさんは(もしかしたら二年生も)、
教科書でティム・オブライエン「待ち伏せ」という小説を読んだでしょう。
1969年のある未明、
ベトナムの密林の中で「待ち伏せ」する米兵。
語り手は、
その過去の一瞬がもたらした幻影に今も苦悩する――。
この作品は『本当の戦争の話をしよう』という本の中の一篇です。
「禅僧ティク・ナット・ハン―怒りの炎を抱きしめる」という番組の動画があります。
https://youtu.be/7bCUL1wyVh0
ティク・ナット・ハンは、
ベトナム出身の禅僧。
ベトナムの戦争の時代を仏教者として生き、
〈怒りの炎〉を鎮めることを説き、実践しました。
米国のキング牧師とも相通じ、
ノーベル平和賞候補にも推薦されました。
長く祖国に戻れませんでしたが、
フランスに拠点を置き、
「マインドフルネス」の教えを世界に広めました。
番組の45分過ぎ、
かつてベトナムで戦ったアメリカ人の話が出てきます。
「待ち伏せ」を読んだ人には
より深く胸に刺さることでしょう。
そして同時に
怒りや憎しみを乗り越える道がはっきりと見えることでしょう。
ゆっくりとした時間に
ぜひご覧あれ。
ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』【933/O/】
ティク・ナット・ハン『怒り―心の炎の静め方』【188/T6/1】
ティク・ナット・ハン『ブッダの幸せv゚メ想 マインドフルネスを生きる―ティク・ナット・ハンが伝えるプラムヴィレッジの実践』【188/T6/2】