題名:
ほんとうに変わること
2020/01/17
七時を過ぎ、
森がうす明るく、
図書館は、朝の僧院のようです。
三年生たちがあすを控え、
静かに自分の場所に座っています。
ほんとうに、
何かが確かに、深く、変わっていくためには、
このような、
ひとりひとりの静けさと
ひとりひとりを結ぶ見えない光のようなものが必要なのだ。
最後のセンター試験。
1990年に第一回がありました。
1979年から1989年は、共通一次、といいました。
1990年は平成2年ですから、
平成は、センター試験の時代だったのですね。
1995年は、
1月14日、15日にセンター試験があり、
その二日後、
17日に阪神淡路大震災が起きました。
あれから25年。
時代が変わり、
制度が変わり、
目新しいものが流行する。
しかし、ほんとうに変わること、に流行は関係しない。
確かなものが、深く、私に根づく。
ひとりひとりの静けさの中で
何かが変わっていく。
午後五時を迎える頃、
森はうす暗く、
図書館の一階や二階に分かれて座っていた三年生たちも、
家路につくことでしょう。
健闘を祈ります。
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