題名: 武器ではなく命の水を

2019/12/10 15:32

医師の中村哲さんが、

銃撃によって亡くなり、

ご遺体が帰国したことをが報じられています。



私たちは、どういうひとを亡くしたのか。



中村さんは、

アフガニスタンの荒地に水を引き、

緑の土地に変えたひととして知られています。



それは、どのような事業であったか。

もし知らないひとがいるなら、

次の番組を見るとよいでしょう。

見るべきです。



「武器ではなく命の水を 医師中村哲とアフガニスタン」(ETV特集2016年)

https://www.youtube.com/watch?v=Fu_iiTKIeos




そこにひとがいて、

生きなくてはならない。



医師は病気やけがを治す。

しかし、ほんとうに病気を治しているのは、

本人の生命の力。



中村さんが考えたのは、

そこにいるひとたちの内側から湧いてくる、

生命の力が必要だ、ということ。



水がない。

水を引こう。

水が土に命を与え、

土が緑を育む。

傷ついた大地を、

大地の持つ力で癒やそう。



中村さんが考えたのは、

その土地の石で、

その土地のひとびとの力で、

成し遂げられ、

継続していく水の道を作ること。



それは、

〈先進国〉の最先端の土木技術で

〈途上国〉の開発を援助しよう、

というようなことでは「ない」。



私たちもまた、

ここにいて、生きなくてはならない。

でも、

ここが、

生きがたい現実に満ちていることも知っています。



しかし、私たちにも、

内側から湧いてくる、

生命の力があるはずです。



「自分たちの社会に荒地があるなら、

そこに、

自分たちの手に負えるやりかたで

水を引きなさい。」



中村さんの声は、

そのように聞こえます。



中村さんのようなひとがいなくても、

自分たちの力で、

荒地を緑に変えよ/変えられる。



私たちは、

そういうことを教えてくれたひとを亡くしたのです。




(北野にある図書)

中村哲◆アフガニスタンの診療所から◆302/N13/1

中村哲◆人は愛するに足り、真心は信ずるに足る◆289/N26/1



(アフガニスタン関係)

山本敏晴◆アフガニスタンに住む彼女からあなたへ 329/Y3/2

山本 敏晴◆彼女の夢みたアフガニスタン◆302/Y16/1

モフセン・マフマルバフ◆アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ◆302/M13/1

虎山◆ニルファ◆アフガニスタンの少女、日本に生きる◆916/T15/1

石原陽一郎他◆アフガニスタンの未来をささえる◆ 302/I20/1

渡辺光一◆アフガニスタン戦乱の現代史◆ 226/W1/1





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