題名:
[本の森-北野高校図書館-_00013] くまぐす☆
件名: [本の森-北野高校図書館-:00013] くまぐす☆
日時: 2017年5月17日 16:14
試験中ですが、
ちょっと。
南方熊楠(みなかた・くまぐす)って知ってますか。
「和歌山県が生んだ博物学の巨星」。
粘菌の研究で有名です。
1867年生まれ。
夏目漱石と同い年、明治大正昭和を駆け抜けた、
まさに「地球的」な人物です。
明日(5/18)で熊楠生誕150年。
先日、「天声人語」が紹介していました。
筆者は、
白浜の南方熊楠記念館を訪ねたそうです。
http://www.minakatakumagusu-kinenkan.jp/
「幼いころから知識欲が旺盛で、記憶力は抜群。
授業には退屈するが、図書館や博物館なら何日通っても飽きない。
東大予備門(いまの東大教養学部)を中退し、
英米、キューバなど海外で14年を過ごす。
英科学誌ネイチャーに多くの論文が掲載された。」
奇人変人伝説が残っている一方、
和歌山を訪れた昭和天皇に進講したことも。
「粘菌研究者でもあった天皇の要望だった。
予定時間を過ぎても天皇は質問を続け、
粗末なキャラメル箱に入った標本を喜んで受け取った。」
熊楠は1941年に亡くなりますが、
天皇は、
戦後和歌山を再び訪れ、
歌を詠んだそうです。
雨にけふる神島(かしま)を見て紀伊の国の生みし南方熊楠を思ふ
天声人語は、
「大賢は愚なるがごとし。
知的探究心もさることながら、
人を魅了する磁力もけた違いだったのだろう。」
と結んでいます。
グローバル人材という言葉が流通していますが、
熊楠の、明治人の、
〈分厚さ〉
をちょっと思い起こしたい記念日です。
(図書館にある熊楠関係の本の一部)
坪内祐三『慶応三年生まれ七人の旋毛曲り』
『南方熊楠全集』
『南方熊楠英文論考 ネイチャー誌篇』
北野にはないけど、
とりあえず知るならこれ。
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