八熱地獄
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八熱(はちねつ)地獄

 (1)等活(とうかつ)地獄

 殺生の罪を犯した者が落ちる所で、互いに常に害心を懐き、出会えぱ、磨き立てた鉄の爪で互いに眼を掴み、肉を引き裂き、血流れて、肉尽きて骨だけが残る。或いは獄卒(罪人を苛責する鬼)に鉄棒で全身を打ち砕かれ、砂粒のようになり、或いは利刀で肉を切り刻まれて、バラバラにされる。しかし涼しい風が吹き来ると、蘇って本の形となり、またたちまちにして前のような苦を受け続けるのである。

 (2)黒縄(こくじょう)地獄

 等活地獄の下にあって、殺生・偸盗の者が落ちる所である。獄卒は罪人を捕らえては、熱鉄の地に打ち伏せ、熱鉄の縄で縦横に線を引き、その線に従って熱鉄の斧で切り裂き、或いは鋸で引き切り、或いは刀で腸を抉り出し、百千に段切して、其処彼処に撒き敵らす。又熱鉄の縄を張り巡らせた中へ逃げ込めば、悪風吹き荒れて、熱鉄の縄はその身にまとわりつき、肉を焼き、骨を焦がす。又山と山との間に綱を張り渡し、重荷を背負わせて渡らせる。その下にはくらくらと煮えくりかえった大釜があり、落ちると煮られて骨まで蕩けるのである。また蘇っては同じことを繰り返すのである。

 (3)衆合(しゅごう)地獄

 黒縄地獄の下にあって、殺生・偸盗・邪淫の者が落ちる所で、ここには相向かい合った鉄の山が沢山ある。牛頭馬頭等の獄卒たちが、色々の責め道具を持って、罪人を追い掛け廻す。山と山の間に逃げ込むと、両方の山が動いて迫り寄り合わさって、身体は押し潰されて血の海となる、また赤熱の嘴を持つ鷲につつかれて血だらけとなる。葉が刀になった林に入っては切り刻まれて血みどろとなる。

 (4)叫喚(きょうかん)地獄

 衆合地獄の下にあって、殺生・偸盗・邪淫・飲酒の罪の者が落ちる所である。獄卒の眼からは火炎が出で、赤色の衣を着て、手足は太く逞しく、風のように走る。その息遣いは荒々しく、口からは凄まじい悪罵の声を出して、罪人を射殺すこと矢の如し。罪人は恐れおののいて憐れみを乞うが、いよいよ怒りを増して、鉄棒で頭を打ち据え、熱鉄の地の上を走らせる。或いは猛火の鉄室に入れられ、燃え上がる熱火の上でひっくり返しては焙り焼かれ、熱湯の沸き返っている大釜に投げ入れられてはぐつぐつと煮殺される。死んでも死んでも蘇ってまた同じことを繰り返すのである。

 (5)大叫喚(だいきょうかん)地獄

 叫喚地獄の下にあり、殺生・偸盗・邪淫・飲酒・妄語の罪の者が落ちる。前の四つの地獄の一切の苦の十倍の苦を受ける。ここでの一日の苦は、人間界で640万年苦しむのに匹敵するという。熱鉄の針で口と舌とを一つに刺し貫かれて、泣き叫ぶこともできない。獄卒は熱鉄のやっとこで、罪人の舌を抜き、両眼をも同じように抜く。

 (6)焦熱(しょうねつ)地獄

 大叫喚地獄の下にある。この焦熱地獄の火は蛍ほどの火を閻浮提(人間世界)に置くだけでも、わずか一時の間に悉くを焚き尽くすほどの熾烈なものである。この熾烈な熱鉄の猛火が四方より燃え盛り、罪人の身体を一身百骸皆悉く焼き尽くす。そうすると再び身体は復活し、また同じように焼き滅ぼされるのである。これが際限なく繰り返される。

 (7)大焦熱(だいしょうねつ)地獄

 焦熱地獄の下にある。ここでは前の六つの地獄の一切の苦の十倍の苦を受ける。

 (8)無間(むげん)地獄 〔または阿鼻(あび)地獄ともいう〕

 大焦熱地獄の下にあり、休む暇の無い絶え間の無い極苦の地獄で、欲界の果ての底である。五逆罪(父を殺す・母を殺す・阿羅漢を殺す・仏の身体を損害して出血させる・教団の和合一致を破壊分裂させる)のほかに、大乗を誹謗した者が落ちるという。一切の地には極悪人が充ち満ちて、唯一人の友も無い。真っ暗闇の世界で月日の光を見ることもできない。八万四千の怪鳥の嘴からは火が吹き出し、雨のように降ってくる。屍糞泥の中に入ると、無数のヒクダという虫が、皮を穿ち、肉に入り、筋を断ち切り、骨に入り、髄を取って食べる。屍糞泥から出ると、利刀剣の刃で出来た道がある。足を下ろせば忽にして皮肉筋悉くが切れ爛れる。七重の鉄城があり、銅が沸いて罪人を焚き殺す。死んでもすぐに蘇り、また同じ苦を受け、瞬時として苦しみから逃れることができないのである。

 八寒(はちかん)地獄

 八種の氷攻めの地獄で、この中の最も重い地獄を大紅蓮(だいぐれん)地獄という。ここは氷の岩の中に押し込められた罪人の身体が、寒さのために血管が裂けて血が飛び出し、全身がざくろの実のように爆ぜ返り、ちょうど紅の蓮華の花びらのような有り様になる。

 過去世に積み重ねた無限の罪にもかかわらず、守護の神霊の加護のお蔭で、地獄に落ちずに済んでいる。一瞬一瞬地獄から救い上げていただいているのである。感謝あるのみ!

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