★★ユース代表2007年シーズン★★ (タイトル画像クリックでトップページへジャンプします)
【U-17日本代表】
-U-17W杯2007韓国-
■フランス代表戦(8/25)
■ナイジェリア代表戦(8/22)
■ハイチ代表戦(8/19)

【U-20日本代表】
-U-20W杯2007カナダ-
■チェコ代表戦(7/11)
■ナイジェリア代表戦(7/7)
■コスタリカ代表戦(7/4)
■スコットランド代表戦(7/1)
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■U-17代表2007 Korea.Rep■
FIFA U-17ワールドカップ韓国(3) 2007/08/25 韓国・高陽
日本代表 1(前半)0
0(後半)2
フランス代表
得点1:柿谷(前半45)ハーフライン付近でパスを受けた柿谷、相手をターンでかわし、そのままロングシュート。

GK:1廣永遼太郎(4.5)
ミドルシュートをこれだけ打たれたら、ひとつくらいはセービング しきれないものが出てくる。確率論で言えば、その通りなのだが、 彼が弾ききれなかったシュートのこぼれ球を繋がれ、同点とされた。 そして気持ちの整理が出来ないままに、クロスに飛び出したが触れず 逆転を許した。DFラインとの連携を含め、多くの課題を突きつけられた 3戦目だったと思う。

CB:2金井貢史(5.0)
(相手攻撃陣との)身体能力の差を考慮すれば、良く闘ったという評価が 妥当かも知れない。しかし、それまで良く付いていた相手1トップに、 マークを外された瞬間、逆転弾を喰らった。同点とされ、気持ちに穴が あいた時間帯の事だった故に、悔やまれる。世界と闘う場合は、ちょっと した集中力の欠如が重大な結果として現れる。 この経験を次に活かして欲しいが、(彼の場合)身体的成長が止まれば、 CBとしてのキャリアは積めないかもしれない。

CB→FW:3鈴木大輔(5.5)
フィジカルに強く、将来性を感じさせるCBだ。カバーリングも、 マーキングも標準以上にこなし、年齢(世代)の割には、闘う気持ちを持っている。 キャプテンシーも有るようで、次代を担う存在となって欲しい選手だ。 課題はビルドアップ、組み立てにある。1点リードの場面で、放り込み 作戦を行う必要など無かった。プレッシャーを感じ、クリアしていたつもり だろうが、もっとDFライン+ボランチでパスを回しても良かったはずだ。

SB:5高橋峻希(5.0)
彼を最終ラインの一人として観た場合、フィジカルが決定的に弱い。 他人のポジションをカバーする運動量はあるが、自分のエリアをしっかり やってからにして欲しい。つまり守備に、ねばり強さを感じないのだ。 このチームのSBはストッパーに近い存在なのか?それならセンターバック タイプの選手を使った方が良いだろう。縦に突破出来ない彼をみるにつけ、 監督の掲げる理想が「絵に描いた餅」であることを思い知る(苦笑)。

SB:7吉田豊(4.5)
この試合でも(過去2試合同様)攻撃の良さが出ておらず、守備の弱さ だけが目立った。所属チームで攻撃的なポジションをやっているという情報が 無ければ、何故、彼をサイドバックで使ったか?、監督批判したくなる。 おそらく攻撃面で貢献出来ると踏んだのだろうが・・。それにしても、 簡単にクロスを挙げられてしまうのは、如何なものか? 逆転されたシーンに、彼のクロスに対するリスクマネージメントの低さが、 あらわれている。

DH:6岡本知剛(5.5)
過去2戦の評価を改める必要があるかもしれない。彼は決してフィジカル的に 弱い訳ではなく、1対1の勝負をさせれば、そこそこ闘える事が解った。 左右へのボール捌きや、期を見て前線に加わる攻撃参加など、ボランチとしての 潜在能力は極めて高い。1ボランチではどうか?疑問だが、コンビを組む 選手次第では、十分にプロの世界でやっていける選手と感じた。 ただこの試合、ミドルシュートを打たせすぎの印象があった。

DH→OH:10山田直輝(5.0)
ボールを受ければ何かやってくれそうな予感はする。しかしこの試合では、 ビルドアップに参加する機会が少なく、彼の特徴を発揮する場面に恵まれな かった。DFラインはフランスの攻撃を怖がってクリアしてばかり。もっと つなげたはずだが、彼はボールを要求出来なかった。中盤で主導権を取られ、 支配率でも圧倒された。彼にボールを預ければ奪われない、という信頼を チームメイトから得ていない証拠か?

SH→OH:15大塚翔平(5.0)
守備に追いやられる時間が長かった為、スタミナ切れを起こした。 前でボールに絡もうとするも、狙ってのフィードではないため(あれはクリア!)、 キープするどころか、無駄走りをさせられた。初めはサイドに開いていたが、 結局は中に戻された。ベンチワークのミスというか、相手と自チームの力関係を 正しく認識出来なかった指揮官の犠牲になった形か?しかし明らかに「個」の 力不足はあったと思う。

SH:17端戸仁(5.0)
FW起用されても、必ず左に流れてしまう彼を最初から「左SH」で起用した 事は間違っていないと思う。しかし、彼に守備力を期待するような布陣は、 議論の余地がある。彼なりに守備を頑張っていたが、結局は、彼サイドを狙われ 続けて失点を喰らった。幸運にも、1-0で折り返した後半。彼をFWに戻し、 前線に起点を作るか?彼に替えて守れるSHを入れるか必要だったのでは? 彼に相手を押込むだけの縦への推進力があるなら、話は別なのだが・・。

OH→SH:11水沼宏太(5.5)
豊富な運動量を武器に、泥臭くも、ねばり強くプレーしていた。 しかしGKと1対1になったシーンでのミスは頂けない。あの場面は、落ち着いて シュートまで持っていきたかった。彼は、柿谷の様な「天才肌」ではない。 そこそこのスキルと、ハードワークが信条。そういう意味で、彼は多くの日本人 プレーヤーの代表的存在だ。そんな彼が、この大会での経験を、次のステージ (U-20)で、どう活かすか?楽しみだ。

FW:8柿谷曜一朗(6.5)
視野の広い選手はいくらでもいるが、その能力を有効に実践できる選手は 少ない。彼が放ったロングシュートは、まさにそれを地でいくプレーだった。 PA内で落ち着いてボールキープし、走り込んだ岡本にパスを出したシーン も素晴らしかった。ただ1トップ起用が妥当であったか?は議論の余地がある。 中盤に下がってしまいトップレス状態となった。また華麗なプレーを見せたがる 故、ボールを失うシーンもあった。

OH→FW:14河野広貴(採点対象外)−後半17分、大塚翔平に替わり出場−
SH:16齋藤学(採点対象外)−後半30分、水沼宏太に替わり出場−
DH:19田中裕人(採点対象外)−後半37分、柿谷曜一朗に替わり出場−

【ベンチ入り】
GK:18原裕太郎、21吉田智志、DF:4甲斐公博、20奥井諒、MF:9八反田康平、12益山司

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FIFA U-17ワールドカップ韓国(2) 2007/08/22 韓国・光陽
日本代表 0(前半)2
0(後半)1
ナイジェリア代表
得点:なし

GK:1廣永遼太郎(5.0)
ゴールキーパーというポジションは経験を積んで一人前になる。 その過程において、様々なミスを犯しながら・・。彼の欠点は、 判断と実際の活動範囲にズレが有ることだろう。つまり、自分では 取れると判断したハイボールに触れず、かぶってしまったりする。 最悪、それがシュートに結びついてしまったり・・。今日の彼は、 いろんな意味で「経験」を積むことが出来た。

CB:2金井貢史(5.0)
安易に飛び込むとカワサレル。しかしどうしようもない状態で、 ファウル覚悟で止めに行く。それでも止められない・・。削っても、 起きあがる執着心に圧倒される形だった。2失点目は、彼が飛び込んで ギリギリの守備している。相手はものともせず攻撃を続けた(苦笑)。 個人のスキルレベルとフィジカルが違い過ぎる。 後半は頑張ったが、走らされて最後はマーク出来なくなっていた。

CB:4甲斐公博(5.0)
第1戦でベンチを温めた彼が、この一戦で金井とコンビを組んだのは、 コンビネーションに一日の長があった為だろうか? 強烈な「個人技」には、慣れ親しんだ「組織」「連携」という事だったか? 前半の2点は、遅効で崩されての失点では無いだけに悔しいと思うが、 ワンチャンスを確実に活かせるか?そうじゃないのか?ここが世界との差。 下がりすぎずにボランチと連携すれば、これほどシュートの「雨あられ」は 無かったと思う。

SB:5高橋峻希(5.0)
最終ラインの一人として守備に徹するなら、クロスボールの目測を誤り、 かぶってしまう様な軽いプレーをしてはならない。また、マイボールで、 安心してしまうのか?あり得ないようなミスパスを犯した。 2失点目は彼の不用意な縦パスを奪われた所から始まっている。しかも彼は この時、前に行きかけた為、裏をとられている。間に合わずファウルで止め、 危険な場所でFKを与えるのも拙い。

SB:7吉田豊(5.0)
ドリブルで持ち出しては、必ずと言っていいほど、ハーフラインで パスコースを探していた。パスを出しても、自分が裏に走り込むのなら OKだが、すぐに戻る準備をしているようでは、どうにもならない。 守備を頑張っていたのは認めるが、中途半端にボールを前に蹴るより、 ハッキリとタッチを割るクリアをした方が良い。そうすればセカンドボール を拾われて速攻という事もない。3失点目の突破を許したが、疲労か 諦めが原因か?

DH:6岡本知剛(5.0)
解っているが止められない。そんな心境だったか? バイタルエリアで仕事をさせまいと、彼はスペースを埋め、コースを 切ろうとしていた。しかし(誤解を恐れずに書くと)実際は、ただそこに 存在するだけの「アリバイディフェンス」になっていた。 先制されたシーンは、まさにそんな感じだった。90分全ての時間で 歯が立たなかった訳ではなく、ちょっとした集中力の差だったのかも?

DH:13米本拓司(5.0)
早い時間に失点したくない(ゲームを壊したくない)監督の思いが、 彼のスタメン起用に繋がったのだろう。しかし世界基準のパススピードに、 付いていけないシーンが目立った。彼を含め、人は揃っていても、 全くプレッシャーを掛けられない(苦笑)。それどころか、逆にプレスを 掛けられて中盤を支配された。時間とともに徐々に相手のスキルに対応 しはじめたが、時既に遅し?彼にとっては、今後に繋がる試合だったと思う。

DH:10山田直輝(5.5)
ボランチポジションで、あまりプレッシャーを受けずにゲームコントロール 出来れば・・・という考えだったか?時間帯によっては、目論見通り、 彼がフリーになる事もあった。しかしトップに味方はいない。サイドの選手 はマークされている。これではパスの出しどころが無かった。 それでも彼のスキルは、通用した方だと思う。前に2人のFWがいて、 ハーフがポジションチェンジするような中でなら、彼の戦術眼は活きたと思う。

OH→SH:11水沼宏太(5.5)
1トップ故にサイドに張らずFWに近いエリアで、という意識が感じられた。 しかしそれが彼の縦への推進力を奪う結果となり、更にはプレッシャーに 負けてボランチラインまで下げられる要因となった。 ボールを受けようと開くものの、相手にリサーチされており、コースを 切られていた。0-5と大敗したプレ大会の教訓は活かされなかったようだ。 それでも大きなサイドチェンジで活路を見出そうと頑張った。 このチームに絶対的なFWがいれば・・彼の様なチャンスメーカーは必ず活きる。

OH:16齋藤学(5.5)
サイドからドリブルでカットインし、そのままシュートを放つ。 彼の持ち味が出たシーンもあったが、ほとんどの時間は、思うようにプレー させてもらえなかった。ナイジェリアは攻守の切り替えが遅い為、 付け入る隙はあったと思う。しかし、少ないチャンスをものにする決定力は、 この世代でも欠けていた。自陣深く迄戻り守備したり、身体を張って 頑張っていたとは思う。

FW→SH:17端戸仁(5.0)
1トップ起用でありながら、彼は下がったり開いたりと動きすぎた。 中盤でボールを持っても彼がいなければ、トップレスの状態。当然、出し手は コースを探しているうちにドツボにハマル。しかし、このような状況は第1戦を 見れば誰にだって想像が付いたはず。ボールをワイドに振って、彼が中に入り シュートを放つ。こんな可能性を感じるプレーも観られた。 自分たちのサッカーを最初からしていれば・・・彼は(監督の)戦術の犠牲に なったと言えなくもない。

OH:8柿谷曜一朗(5.5)−後半10分、米本拓司に替わり出場−
コンディションが戻っていない中、ナイジェリアの強いDF陣に勝負を 挑むのは無謀だったかも?個人技だけで抜こうとしても、長い足が伸びてくる。 コンビネーションで裏を取ろうにも、パスをカットされた。 2点をリードし、安全策を採ってきた相手を崩すことは出来なかった。 どちらにリズムが移るか解らない状態でなら、何らかの活路を見いだ せたかも知れない。それでも彼のスキルの高さは垣間見られた。

FW:15大塚翔平(採点対象外)−後半21分、齋藤学に替わり出場−
FW:14河野広貴(採点対象外)−後半25分、水沼宏太に替わり出場−

【ベンチ入り】
GK:18原裕太郎、21吉田智志、DF:3鈴木大輔、20奥井諒、MF:9八反田康平、12益山司、19田中裕人

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FIFA U-17ワールドカップ韓国(1) 2007/08/19 韓国・光陽
日本代表 1(前半)0
2(後半)1
ハイチ代表
得点1:岡本(前半42)素早いリスタートからボールを受けた岡本が、そのままミドルシュート。
得点2:河野(後半35)右サイド水沼が深く抉ってからクロス、相手DFがクリアミスしたところを河野が押込む。
得点3:柿谷(後半39)河野がDF裏にスルーパス、GKを落ち着いて外した柿谷が左足でゴールマウスに流し込む。

GK:1廣永遼太郎(7.0)
勝利の立役者と言っても過言ではないだろう。 出会い頭の1失点はともかく、2.3本あった危険なシュートを、 ことごとくはじき返した。DFラインを高めに!というコーチングは 出来ていなかったが、その分を反応の素晴らしさでカバーした。 次戦はCBとのコンビを密にし、プレ大会(5失点)の汚名を返上したい。

CB:2金井貢史(6.0)
身長が高い訳ではないが(175p)、ヘディング勝負では、ほとんど 勝利していた。飛ぶタイミングが良いのと、バネがある為だろう。 スピードも持ち合わせており、ストッパーとして欠点がみつからない。 ただ本当に強いFWを相手にしたわけではない為、次戦以降、評価が 下がる可能性もある。

CB:3鈴木大輔(6.0)
カバーリング能力に長けているが、どうしてもラインを下げてしまう 傾向がある。金井が潰しに掛かったら、ささっとラインを上げないと 裏を取られる結果となる。ピッチ全体を見渡せる視野の広さを持ち、 それを活かすフィード能力が高い。甲斐からポジションを奪っただけ の力はあると思う。

SB:5高橋峻希(5.5)
1ボランチステムも関係しているのか?彼は縦へ走ることなく、 守備ラインに吸収される時間が長かった。ハーフの水沼を追い越して・・ というプレーが出来れば、水沼に掛かる負担も軽減出来る。 いまは、攻撃面で助けてあげるどころか、守備で助けてもらっている状況。 不注意なパスミスもあり、アジア選手権から成長しているとは感じなかった。

SB:7吉田豊(5.5)
本来の彼はトップ下を得意とする選手らしい。何故に左SBで使ったのか? 監督のみぞ知る・・だが、少なくとも守備が上手では無い印象を受けた。 SBは相手の縦を切り、クロスを挙げさせない守備をせねばならない。 身体の入れ方など、経験値が不足している。ドリブルが上手く、逆サイドよりは 攻撃参加も出来ていた。

DH:6岡本知剛(6.0)
隙を突いてのセットプレー。シュートコースを見定め、振り切った弾道は、 ゴールマウスに吸い込まれていった。集中力を切らさず、逆に相手が切れて いたのを見過ごさなかった。しかし守備面では、寄せの甘さ(遅くて、 緩い)を露呈した。フィジカルに優れる選手相手では、ビックリする様な ところから足が出てくる。彼は、1ボランチに耐えうる選手ではなく、 山田が下がり、2ボランチとなってから、バランスが取れるようになった。

SH:11水沼宏太(6.5)
運動量豊富に好守両面でチームを牽引した。特に素晴らしいのは、 前への推進力を持っている事。他の世代でみられるハーフは、 DFに付かれると、すぐに切り返してしまうが、彼は自信を持って縦への 突破を繰り返していた。そしてそれが幾度と無くチャンスを作り、 逆転弾の起点となって実を結んだ。

SH→DH:10山田直輝(5.5)
ボールに絡む頻度は高いが、パスの出しどころにこまり奪われる事が 多かった。八反田やFWとの連携も上手く取れず、攻撃面では「らしさ」 を発揮出来なかった。中盤を空けすぎた事に気が付き、ボランチの サポートに入ったあたりは良い戦術眼(ベンチの指示?)を持っている。 彼には2.5列目でゲームをコントロールする役割があっている。

OH:9八反田康平(5.0)
過緊張の状態だったか?プレーが硬いというか、ミスパスが多かった。 初戦である事プラス、エース柿谷の代わりにトップ下を任された責任感が、 悪い方に出てしまったようだ。攻撃では、2トップとの関わりが希薄。 守備では頑張っていたが、それで評価されるポジションでは無い。 監督は次戦も考慮し、我慢して使っていたのだろうが・・・。

FW→SH:17端戸仁(5.0)
ほとんどの場合、左サイドに流れてボールに関わった。 後半、山田がボランチに下がってからは完全なサイドハーフになったが、 その方が向いていると感じた。どうみても中央で頑張るタイプでは無い。 従ってスタメンFWは、斎藤か河野の方がいいのでは?と思う。 彼には、チャンスメイクに力を注げるポジションを与えるべきだろう。 しかし、やたらと多いパスミスには閉口した。

FW:15大塚翔平(5.0)
気になったのは、ゴール前にポジションを取っていないこと。 中盤の選手がトップにボールを預けたくとも、これでは出来ない。 ハイチの様なリトリートして、しっかりスペースを消してくる相手 の場合、FWはスペースを作る動きが必要。しかし彼が開いたり、 下がったりだけでは、味方のパスコースが無くなってしまう。 潰されてもいいから頑張る姿勢を見せて欲しかった。

FW:14河野広貴(6.5)−後半20分、八反田康平に替わり出場−
スーパーサブとしての起用は、アジア選手権と同じ。 チームに流れる嫌な雰囲気を元気印いっぱいで、かき消してくれた。 水沼のクロス処理を誤った相手DFを見逃さず、シュートを押込んだ。 ゴール前での落ち着きと、ゴール前にいる事の素晴らしさ。 ごっつぁんゴールは偶然出来るものでは無い。柿谷のゴールを演出した パスも見事だった。

FW:8柿谷曜一朗(採点対象外)−後半33分、大塚翔平に替わり出場−
DH:13米本拓司(採点対象外)−後半43分、端戸仁に替わり出場−

【ベンチ入り】
GK:18原裕太郎、21吉田智志、DF:4甲斐公博、20奥井諒、MF:12益山司、16齋藤学、19田中裕人

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■U-20代表2007 Canada■
FIFA U-20ワールドカップカナダ(Round of 16) 2007/07/11 ビクトリア
日本代表 1(前半)0
1(後半)2
0(延長)0
3(PK)4
チェコ代表
得点1:槙野(前半22)柏木の左CKにフリーの槙野がヘッドで合わせる。
得点2:森島(後半2)河原のヒールパスに飛び込んだ田中が倒されPK奪取。森島が落ち着いて決める。

GK:1林彰洋(5.0)
2失点(ともにPK)は彼の責任範疇では無い。 しかしこの試合での彼は、明らかに平常心を失っていたように感じた。 セットプレーで放り込まれたボールに触れず、かぶってしまった。 要するにハイボールの対処が不安定だったわけだ。 課題のキック精度も悪く、相手へボールをプレゼントする事もしばしば。 押込まれている時間帯、急いで相手陣内に蹴りこむ必要など無かったはず だが?戦術眼という意味でも、疑問が残った。

CB:4福元洋平(5.0)
わたしは彼を買いかぶり過ぎていたようだ。早い時期にJリーグ での出場機会を得、このチームでは常に先を行く存在だった。 しかしこの試合のみならず、大会全般にわたり精神的な脆さを感じずには いられなかった。主将として皆を引っ張る立場の彼が(青木がPKを献上した時)、 一番冷静さを失っていたようにみえた。 それが2失点目のPK献上にも繋がった様に思えてならない。 強さとスピードを持った選手に付ききれなかった。 そして何より、2点奪ってからの消極的なライン設定。これはどうしたものか?

CB:5槙野智章(6.0)
ストッパーとして獅子奮迅の活躍を見せた。 ロングボール主体で来た相手の攻撃を、ヘディングではね返し続けた。 ポジショニングがいいのだろう、フィジカルで優る相手に自由を与えなかった。 先制点となるCKからのヘディングシュートも見事だった。 高さで勝てなくとも、フリーになれば決められるという典型をみた。 Jリーグではなかなか出場機会に恵まれない彼、しかし世界大会で十分に 闘えた事を自信に変えて頑張って欲しい。 彼にはキャプテンシーがある、ムードを明るくする力も持っている。

SB:2内田篤人(5.0)
彼の魅力はスピードある突破と、精度の高いクロスだと思っていたが・・。 クロスはアーリーばかりで、相手のゴールライン際まで切り込んでという プレーが全く観られなかった。高さのある相手に対し単純に放り込む 事が何を意味するか?ボールを奪われカウンターを喰らう、その時彼は戻り きれていない・・(苦笑)。また守備の軽さもチームの足を引っ張り続けた。 もっとしつこく、諦めずに(簡単に見切らず)対処すべきだった。 CBと一緒にポジションを下げてしまったのが残念だ。

SB:3安田理大(5.0)
彼の攻撃性は時に、裏で起点を作られるマイナスポイントに働く。 この試合は、その典型であり、彼の裏スペースを狙われていた感がある。 だったら守備で頑張ればいいのでは?となるが、彼に世界で闘う守備力は 無い。ジーコジャパン時の三都主の様なもので、いわゆる「諸刃の剣」と なってしまうのだ。ナイジェリア戦で太田が上手く守っていた事を 考えれば、彼のスタメンは(この試合に限って言えば)間違った起用と 言えるのかも知れない。つまり福元への負担が大きすぎたという事!

DH:15青山隼(6.0)
1ボランチながら、素晴らしいポジショニングで相手の攻撃を摘み、 上手く味方に繋いでいた。豊富な運動量で、中盤の底を支えるばかりでなく、 時にサイドのカバー、時にこぼれ球の対応と忙しく動いた。 しかし2点差となり、味方DFラインが下がってしまった事で、彼の ポジションも中途半端にならざるを得なかった。システム的な問題だが、 ここで声を出し修正出来るか?が彼の課題だろう。 彼も槙野同様に所属クラブでは出場機会に恵まれていない。 しかし潜在能力は、(比較的人材豊富と言われる中でも)ボランチとして 素晴らしいものを持っている。

OH:10柏木陽介(7.0)
彼だけが別次元の視野でプレーしていたように感じた。 プレッシャーの掛かるポジションで、前後左右、遠くの選手まで 確認出来ていた。しかもそれだけでなく、そこにピッタリと収まる パスを出せる技術を持っているのだから素晴らしい。 攻撃だけではない守備での貢献も光った。奪われたボールは責任を 持って自分で追いかける。90分間(この試合では更に30分)、ゲームから 消えない運動量と持久力を持っている。 そしてファンタジスタ系でありながら、泥臭いプレーも厭わない。 彼が未来の(フル代表)10番に最も近い位置にいる選手なのかも知れない。

SH:8田中亜土夢(6.5)
彼の良さは玉際で諦めない事だ。これは攻守に渡って言えることであり、 彼のような選手がチームにいると周囲は救われる。 右サイドに張るばかりでなく、ここぞと言うときにPA内に侵入する。 そして良い仕事をやってのける。この試合に関しては、PK奪取までの 一連の動きがそれだ。ノッポなDFは、俊敏な動きに弱い。 彼は、それを証明してくれた。持久力に課題があるのだろうか? 必ず後半、藤田と交替させられるが、杓子定規のような吉田采配に疑問を 感じた。

SH:7梅崎司(5.5)
試合に出続けていた疲労があったのだろうか?全体的にキレの悪さを感じた。 局所で素晴らしいプレー(例えば相手DFを振り切り、クロスを挙げる など)はあったが、身体が重い印象を受けた。また右サイドにも顔を出して いたが、運動量豊富というよりは、左で勝負出来ない為、行かざるを得 なかった感じだ。彼も柏木同様、視野の広い選手だと思う。しかし、 彼には、それを効果的に表現するスキルが不足している。 良いときと、そうでないとき(今日の試合)の差が激しいのも課題だと思う。

FW:9河原和寿(5.5)
彼を中盤の選手と考えれば、もっと採点は高くなるだろう。 どうしてもFW登録故、観ている側は「得点」という結果を求めてしまう。 この試合でも良い動きだしで、シュートか?という場面はあった。 しかし得点の臭いは感じられなかった。田中のPKを誘うプレーは よかったが、相手に恐いと感じさせるプレーヤーでは無い。 今後彼がプロサッカー選手として生き残る為には、中盤への転向も 考えるべきではないか?

FW:12森島康仁(5.5)
一時は2点差となるPKを落ち着いて決めた。しかし流れの中で 彼が存在感を示す事は無かった。日本の守備陣が(あわせる必要もない) チェコとのボールの蹴り合いをしてしまった為だ。 一生懸命彼は競り勝とうとしていたが、単純に放り込まれたボールに 高さで勝つのは難しかった。 河原、田中が退いてからは、孤立度を増すばかりとなった。 彼だけの問題ではないが、世界の壁を感じたか?

FW:14青木孝太(5.0)−後半25分、河原和寿に替わり出場
ベンチから試合を見ていた選手は、その流れ(レフェリーの考えている バランス感覚)を感じ取って入るべきだ。 日本にPKが与えられているのだから、PA内でのちょっとした接触が 致命傷となることを認識すべきだった。相手の時間帯で、狙い通りに 得点を奪われた。それを引きずってしまったか?FWとしての役割も、 なにか中途半端なものになってしまった印象だ。

SH:16藤田征也(5.0)−後半33分、田中亜土夢に替わり出場
彼の武器は何か?解らない。確かに札幌で試合出場を果たしてはいるが、 チームの立ち上げ時から中心的存在だった山本(清水)に優るものは? 試合に入っても、何をしたいのか?こちらに伝わってこなかった。 「毒にも薬にもならない・・」という表現は、失礼かも知れないが、 まさにそんな印象。延長ロスタイムでの退場劇は、ゲームに影響するもの ではなかったが、、、。

DH:20香川真司(採点対象外)−延後5分、梅崎司に替わり出場

【ベンチ入り】
GK:18武田洋平、21桐畑和繁、DF:13柳川雅樹、MF:6森重真人、17太田宏介、19平繁龍一、FW:11ハーフナー・マイク

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FIFA U-20ワールドカップカナダ予選グループF(3) 2007/07/07 ビクトリア
日本代表 0(前半)0
0(後半)0
ナイジェリア代表
得点:なし

GK:18武田洋平(6.5)
安定感のあるセービングで完封に貢献した。 ポジショニングも反応も、レギュラーGK林に見劣りすることは無かった。 なかなか出番に恵まれないポジションだが、このままのコンディションを 維持して欲しい。相手のシュートミスに救われた感はあるが、 彼のトータルバランスは素晴らしかった。

CB:4福元洋平(6.0)
個人能力に優れた相手と対戦したが、コスタリカ戦よりは闘えた印象。 裏を簡単に取られないよう、事前の準備(相手は速くて上手い事を頭に たたき込む)が出来ていた。それでもタイマン勝負で、「緩いな」と、 感じさせられるシーンは幾度かあった。 フィジカル的な疲労もあるだろうが、彼は「頭」が疲れているのでは?と心配だ。 「頭脳の疲労」は、判断を鈍らせる。

CB:13柳川雅樹(6.5)
心身ともにフレッシュな状態で試合に臨めていたと思う。 身長は183pと標準的なCBだが、相手のロングフィードを、ことごとく (ヘッドで)はね返していた。対人処理も、まずまず及第点を付けられる出来 だった。シュートを打たれた際に、最後の壁となり、身を挺してブロック するシーンが数多く観られた。遅れて入ってしまうからそうなる、という見方も あるが、私は好感を持った。

SB:2内田篤人(5.0)
後半になって幾分、改善されたが、前半のポジショニングの悪さは目を 覆いたくなるほどだった。スピードに自信を持っているのが、災いした印象。 彼と同じか、それ以上の走力を持つ相手に突破を許すことが多かった。 また、ファーストアタックで防げたと安心し、緩慢な対応でシュートを打 たれることもあった。1.2本、良質のアーリークロスを入れ、 チャンスを作ったが、守備の拙さを相殺する事は出来ない。

SB:17太田宏介(6.0)
所属クラブではDF登録でセンターバックもこなす彼。今大会ではMF 登録になっている。高校時代にWBの経験がある為、もっと攻撃的な仕事が 出来るものと期待したが、(相手との力関係もあって)厳しかった。 おそらく守備重視と監督から指示されていたのだろう。 彼サイドで起点を作られる事はなく、相手を潰しまくった守備での貢献を 評価したい。中に絞ってセンターバック2人のカバーリングを行ったあたりも、 (安田にはない)彼の魅力だ。

DH:6森重真人(6.0)
相手の速いパス回しと、玉際の強さに苦労した様だ。 それでもアンカーとして、概ね合格点を付けて良い出来だったのでは?と思う。 運動量とフィジカルの強さは、レギュラーを張る青山に、劣っていない事を 証明した。ポジショニングで迷うシーンが度々観られたが、(ナイジェリアの 様な強い相手に)1ボランチなりに、上手くコースを消していたと思う。 終盤、疲労からか判断が鈍り、縦パスのミスを繰り返した。サイドへの大きな 展開を試みる必要があったのではないか?

OH:20香川真司(6.0)
ボランチをベースに両サイドバック要員か?と思われていた彼。 この試合では、司令塔ポジションで攻撃のデザインを行った。しかし、 ほとんどマイボールとならない展開で、守備に追いやられる時間が長かった。 とは言え、低い位置からドリブルで前線にボールを持ち出す能力、 両サイドにボールを捌く能力には非凡なものを感じた。 ゴール前でフリーとなり、胸トラップシュートで相手ゴールネットを揺らした。 惜しくも「ハンド判定」(個人的にはハンドでは無いと思う)に泣いたが、 いいプレーだった。

SH:16藤田征也(5.0)
過去2試合、途中出場していただけに(初出場の選手より)期待したが、 クロス精度の低さに愕然とした。コーナーキックを得るプレーを見せるも、 自身がキッカーを務め、(精度が悪く)チャンスを潰してしまった。 開始数分で相手DF裏を取ったシーンくらいが、評価出来る材料。 サイドアタッカーとして機能せず、SB内田との(攻守の)連携も良くなかった。

SH:7梅崎司(5.5)
局所的に素晴らしいプレーもあったが、攻撃面では、ほとんどの時間帯で 消えていた。疲労が溜まっていた、相手との力関係で守備に回らざるを得な かったなど理由はいくつも挙げられるだろう。 この試合における彼は、アイデアにスキルがついていけない印象。 ココロと身体が噛合わない、モドカシサを彼が一番感じていたのではないか?

FW:19平繁龍一(4.5)
ハーフナーとの距離感が悪く、セカンドボールを拾うことが出来なかった。 自ら起点となるタイプでは無いだけに、泥臭くボールを追いかける必要があった。 低い位置に下がってボールを受けても、結局はドリブルの後で奪われた。 そして速攻を喰らい、また下げられる(苦笑)。この大会はMF登録、 2トップ下で自由を与えられていれば違ったのかもしれない。 ユース時代の先輩、前田俊介(現在、大分にレンタル移籍中)が前回大会で 見せたような活躍を期待したのだが・・・。

FW:11ハーフナー・マイク(5.0)
彼にピタッとボールが入れば、キープしチャンスを広げることが出来た。 しかし、ちょっとしたズレが、彼のプレースタイルに悪く影響した。 もっとチーム全体が彼の高さとキープ力を活かす様な戦術を取るべきでは なかったか?と思う。序盤、左サイド梅崎から送られたクロス、 丁寧にシュートすれば・・というプレーがあった。ストライカーらしく 決めていれば(タラレバは厳禁と言われそうだが)、展開も変わっていただろう。

FW:14青木孝太(6.0)−後半19分、平繁龍一に替わり出場
相手に疲れが見え始めた時間・・、彼がピッチに入り日本に流れがきた。 ボールにプレッシャーを掛け続けた事で、相手のミスを誘発し、 奪取する事に成功。両サイドで起点となるプレーも見せ、一方的に攻められた 前半とは別のチームになった。圧巻は、左サイドでボールをキープしたか? と思った次の瞬間、トリッキーなプレーで相手DFを置き去りにした事。 何かやってくれそうな期待感を抱かせる選手だ。

SH:3安田理大(採点対象外)−後半25分、梅崎司に替わり出場
OH:10柏木陽介(採点対象外)−後半33分、香川真司に替わり出場

【ベンチ入り】
GK:1林彰洋、21桐畑和繁、DF:5槙野智章、MF:8田中亜土夢、15青山隼、FW:9河原和寿、12森島康仁

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FIFA U-20ワールドカップカナダ予選グループF(2) 2007/07/04 ビクトリア
日本代表 0(前半)0
1(後半)0
コスタリカ代表
得点1:田中(後半22分)森島から左サイドにパスが出る。梅崎が低いクロスで中央に戻し、田中がボレーを決めた。

GK:1林彰洋(7.0)
中盤(前線も)でのファーストチェックが機能しなかった時間帯。 何度かDFライン裏に直接ボールを入れられたが、上手くポジションを修正し、 乗り切った。1点勝ち越してからは、これでもか!という程に相手の猛攻を 受けたが、ギリギリ彼が踏ん張った。相手のシュートミスに救われた感もあるが、 終了間際には、素晴らしい反応でチームを救った。そして「無失点勝利」 の立役者となった。

CB:4福元洋平(5.0)
カバーリング能力に優れる彼も、1対1の守備に課題を残した。相手攻撃陣の スピード、強さ、テクニックに付ききれず、何度も失点の危機を招いた。 フィードの出し手に「あの選手が穴」と思われたか?繰り返し、同様の攻撃 を受けた。表情からいつもの自信が消え、「またやられるのでは?」という 不安が見て取れた。相手のシュートミスに救われた印象が強い。 2列目に下がってから飛び込んでくるFWを、オフサイドに掛けられず 苦労したようだ。

CB:5槙野智章(5.5)
身体能力の高い相手と接しても、臆することなく身体をぶつけ闘っていた。 ただストッパータイプの彼は、前に出てしまう事が多く、コンビを組む 福元との関係が縦になる(ギャップが出来る)時間帯が長かった。 それが相手に数的同数(あるいは有利)を与え、強い選手は2人で対応する という基本から外れてしまった。失点ゼロに抑えたDFに厳しい採点だと思うが、 (無失点でも)出来が良かった訳ではない。

SB:2内田篤人(4.5)
彼が攻撃参加した裏を何度も狙われた。高い位置をキープする姿勢は悪くない が、守備に戻れないなら話は別。彼のポジショニングの悪さがアンカーと CBに不必要なハードワークを課してしまった。 バックパスが弱く奪われそうになったり、不用意な横パスを奪われたり、 クロスに精度を欠き、カウンターを喰らったり・・幾度と無くチームを危機 に陥れた。私が監督なら速い時間帯に香川を投入していた。

SB:3安田理大(6.0)
試合開始とともにサイドの主導権争いをしていた。攻守において同サイド のハーフ、梅崎とコンビを組んだが、前半は守備に忙殺されていた。 足が速くねばり強い為、ギリギリのところで踏ん張ることが出来た。 後半になって相手の足がとまってから、ようやく彼らしい突破がみられる ようになった。梅崎を高い位置に押し上げる事に成功、Jで首位を走る チームでレギュラーを張っている実力は、ダテではないと感じた。

DH:15青山隼(6.0)
アンカーを務める彼にとって非常に組みしにくい相手だったと思う。 サイドで起点を作られカバーにいくと、DF裏に放り込まれる。 パスを回され、ボールを奪いに行くタイミングも掴めない。 相手には容易に飛び込めない懐の深さ、足技の確かさがあった。 とは言っても、彼は良い仕事をしていたと思う。運動量豊かにスペース を埋め、「繋げない」と判断した際はシンプルに長いボールを入れた。 確実性の低い、危険なプレーを選択することは無かった。

OH:10柏木陽介(5.5)
活動量が多く、ボランチやサイドを助ける守備面での貢献が光った。 しかし本来、輝くべき(攻撃を司る)仕事は、いまひとつだった印象。 堪え忍んでボールを運ぶまではいいが、攻撃のアイデアが不足していた。 また仕掛けるタイミングとパス選択も間違っていたと思う。 (パスが)通らないと解っているコースを狙って簡単にボールを奪われる。 そして速攻を喰らうシーンが何度かみられた。終盤になって幾分改善され たものの、功罪相殺すると、やはり、いまひとつという評価が妥当。

SH:8田中亜土夢(6.5)
逆サイドの梅崎が突破を掛けたら、ゴール前に詰める。この原則を忠実に 守った事が得点に繋がった。相手の懐が深く、ねばり強いDFも(スコットランド 戦の様には)機能しなかった。それでも守備の意識を高く持ち、諦めない 直向きさを神様は見捨てなかったようだ。相手の嫌がるエリアに侵入したり、 嫌なタイミングでシュートを打つ、いわゆる「嗅覚」を持っている。 また柏木や内田がプレーしやすいように配慮する(中に絞ってスペースを空ける) 「気配り」もある。彼のような攻守におけるハードワーカーがいてこそ、 代表がチームとして成立するのだと感じた。

SH:7梅崎司(6.5)
守備に忙殺され、全く攻撃を仕掛けられなかった前半。疲労で、相手の足が とまってから彼の突破力が活きた。安田が押し上げてくれたこともあり、 「らしさ」であるドリブルや、スペースに入り込む仕事が出来るようになった。 得点シーン以外でも、彼は左サイドから良質のクロスを挙げている。 ボールを持てれば、個人技で相手を抜くことが出来る。しかしアシストになった クロスは田中、森島、彼、再び田中へと、良い繋ぎが出来た結果であった。 個人技があってこその組織、組織があってこその個人なのだと痛感した。

FW:9河原和寿(5.5)
相手のレベルが高い事もあって、(第1戦の様に)思った通りのプレーは 披露出来なかった。ボールをキープし起点となる動きも、相手DFの上手いポジ ショニングとテクニックによって阻まれた。スペースを消され、森島との関係 も孤立し合う事が多かった。特徴である、前線からのプレッシングは機能せず、 守備での貢献度も低かった。となると彼の存在価値が一気に下がってしまう。 元来が点取り屋タイプでは無いだけに、1点が欲しい試合での起用(使い続 ける事)は難しい。

FW:12森島康仁(5.5)
ヘッドでの競り合いは互角以上に闘えた。フィジカルで見劣りすることは、 全くなかった。しかしゴールを背にしてのポストプレー、 ボールをキープしきれず奪われるシーンが目立った。身体能力の高い相手には、 「懐が深い」と言われる彼であっても、物足りなさを感じた。 得点に繋がった梅崎への繋ぎは見事だったが・・・。 よく走り、守備面での貢献は多少あったが、シュートは(得点の)可能性の 低いものばかりだった。勝ったものの、「世界の壁」を思い知らされたのでは?

FW:14青木孝太(採点対象外)−後半31分、河原和寿に替わり出場
SH:16藤田征也(採点対象外)−後半35分、田中亜土夢に替わり出場
DH:6森重真人(採点対象外)−後半45分、柏木陽介に替わり出場

【ベンチ入り】
GK:18武田洋平、21桐畑和繁、DF:13柳川雅樹、20香川真司、MF:17太田宏介、19平繁龍一、FW:11ハーフナー・マイク

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FIFA U-20ワールドカップカナダ予選グループF(1) 2007/07/01 ビクトリア
日本代表 1(前半)0
2(後半)1
スコットランド代表
得点1:森島(前半43分)相手DFのクリアミス、GKのキックを身体にあて、こぼれ球を無人のゴールに押込んだ。
得点2:梅崎(後半12分)中央でボールを持ち出した梅崎、連動した味方がコースを空け、すかさずミドルシュート。
得点3:青山(後半34分)安田のクロスのこぼれ球を味方が拾って繋ぎ、中央でフリーの青山がロングシュート。

GK:1林彰洋(6.0)
失点シーンでは最初のシュートを良く抑えたが、はじいたボールに 詰められた。DFが完全にマークを外してしまったのだから、致し方ない。 GKとしてはシュートを防ぎきれなかった事より、その後、 DFラインにどういう声(指示)を掛けたか?が重要。 全体的に被シュートが少なく、彼を脅かすシーンはあまり無かった。 ひとつ気になったのは、ゴールキックの精度。狙いすぎてか?簡単に タッチラインを割ってしまうフィードが多かった。

CB:4福元洋平(7.0)
非常に素晴らしいライン統率で、相手FWにオフサイド判定を与え続けた。 カバーリングにおけるポジショニングが抜群に良く、リスク管理が出来ている 印象。闘う場所では身体を張ることを厭わず、屈強な相手選手と 互角以上に渡り合った。ほとんど押込まれる事は無かったが、自分たちの ミスから嫌な時間を作ってしまった。そんな時にどう立て直すか?年長者で 主将の彼に求められる事と思う。失点時は唯一ラインが崩れてマークが外れた。

CB:5槙野智章(7.0)
下がって待つ守備ではなく、積極的に前(PA外)に出て攻撃を潰した。 相手が苦し紛れに放り込んできた長い単純なボールに、ほとんどの場面で (完全に勝ってはいないが)負けなかった。高さで不利な状況を感じさせる ことは無かった。そして闘争心むき出し(顔にも表れていた)のプレーは、 味方プレーヤー、サポーターに勇気を与えた。しかし高さだけでない(心肺能力 に優れた)次戦以降の相手と、どこまでやれるか?、、、

SB:2内田篤人(6.5)
攻守の切り替えが早く、抜群の運動量で右サイドを支配した。 タイミングの良い攻撃参加は、中盤での数的優位を作るのに成功した。 田中とのコンビは攻守両面において素晴らしく、フル代表のサイドバックも 「かくありたいもの・・」と感じさせられた。クロス精度に若干の不安が あるものの、修正出来る範囲内だろう。

SB:3安田理大(6.5)
常に高いポジショニングで、梅崎のプレーを攻守両面で支えた。 自らドリブル突破し、状況を打開する仕事もこなした。スピードがある為、 カウンターを喰らった時の戻りも速い!懸念されていた守備力に不安を感じ させる事はなく、むしろ中に絞ってのカバーリングなど素晴らしかった。 彼がこのポジションについたことで(アジア予選と比較して)左サイドが、 より活性化された印象だ。

DH:15青山隼(7.5)
アンカーとして中盤の底をしっかり守り、役割を果たした。 1ボランチだった為、左右のカバーリングまでは出来なかったが、中央を 突破しようとする相手を槙野とともに潰しまくった。また、両サイドバックの 上がりを助ける配球もみせ、更にはミドルシュートで得点を奪った。 およそボランチに求められる仕事は完璧にこなしていた印象。 今日の様なハードワークを続けられたら、次戦も期待できる。

OH:10柏木陽介(6.0)
攻撃専念のMFではなく、守備面での活動量も多かった。彼がしつこく パスコースを消していたため、味方DFは楽だったと思う。 ただ攻撃面では、いまひとつ彼の創造性を出し切れずに終わった感じだ。 森島をGKと1対1にしたスルーパスは見事だったが、反面、気の抜けた ような横パスのミスがあった。FWを追い越すプレーも、それほど効果的では なかった。せっかく抜け出したのにシュートを打てなかった場面も・・。

SH:8田中亜土夢(7.0)
キレのあるドリブル突破と、執拗な守備(あれほど足元でしぶとい守備を 久しぶりに観た)。スコットランドの選手には、対峙したことの無いタイプ だったかもしれない。一昨年、スコットランドプレミアリーグのMVPを獲得した マローニー(セルティック→アストンビラ)の様だった。神出鬼没、PA内に 侵入してのボールテクニックも素晴らしかった。何よりリズム感が良く、 観ているこちらを「ワクワクさせる」プレーを披露してくれた。

SH:7梅崎司(7.5)
グルノーブルで結果を残せなかった事が心配だったが、彼の特徴を十分に 発揮出来た。足に吸い付くようなドリブルと、キックフェイントを 織り交ぜた切り返し。相手DFを翻弄し続けるボールテクニックは見事だった。 サイドで起点となるばかりでなく、中に入ってのプレーもあり、(アジアユース 時より)幅が広がった印象を受けた。ゴールへの積極性が生んだ追加点は、 日本の試合運びを楽(有利)にした。今日の様なパフォーマンスを見せられれば、 再渡欧の可能性も出てくる。

FW:9河原和寿(6.0)
守備面での貢献が素晴らしく、ファーストDFとしての機能を十二分に果たした。 左右に流れ起点となったり、中央にうまく入り込んだり、森島とのコンビは 絶妙だった。しかし「NOT HIS DAY」、ゴール前での仕事は、不発に終わった。 フリーの場面で芝に足をとられたり、シュートが相手GKの真っ正面をついたり・・・。 プレーの質は悪くないだけに、次戦以降に期待したい。

FW:12森島康仁(7.0)
相手守備陣のミスに上手くつけ込み先制点を奪った。柏木が作ってくれた、どフリー のシュートチャンスを活かせなかったのはFWとしてマイナス点。 しかしポストプレー、サイドに流れ起点となるプレー、ゴール前に飛び込むプレー、 FWに求められる全てを及第点以上にこなしていた。また守備面での貢献も光り、 オシム監督が好きそうなタイプに思えた。 「フィジカル面が弱いと思われたくない・・」と語っていた彼、十分に闘えていた と思う。186pと長身なのに動ける、、今後、日本にとって貴重な存在となるかも?

FW:14青木孝太(採点対象外)−後半24分、河原和寿に替わり出場
SH:16藤田征也(採点対象外)−後半33分、田中亜土夢に替わり出場
DH:6森重真人(採点対象外)−後半47分、柏木陽介に替わり出場


【ベンチ入り】
GK:18武田洋平、21桐畑和繁、DF:13柳川雅樹、20香川真司、MF:17太田宏介、19平繁龍一、FW:11ハーフナー・マイク

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