★★フル代表2006年シーズン★★ (タイトル画像クリックでトップページへジャンプします) |
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アジアカップ2007最終予選(6) 2006.11.15 北海道・札幌ドーム | ||||
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日本代表 | 3 |
2(前半)1 1(後半)0 | 1 | サウジアラビア代表 |
得点1:闘莉王(前半20)右CKから、巻のヘディングシュートのこぼれ球に反応し押込んだ。 得点2:我那覇(前半29)攻撃参加した今野からのセンタリングにヘディングで合わせた。 得点3:我那覇(後半5)今野が左サイドスペースにフィード、走り込んだ駒野がクロス、ファーで我那覇が押込む。 |
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アジアカップ2007最終予選(5) 2006.10.11 インド・バンガロール | ||||
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日本代表 | 3 |
2(前半)0 1(後半)0 | 0 | インド代表 |
得点1:播戸(前半23)三都主の左サイドからのクロスに、ゴール前で合わせた。 得点2:播戸(前半44)三都主の右サイドからのクロスにニアに走り込みヘッドで合わせた。 得点3:中村(後半37)中盤でボールをトラップ、ミドルシュートが見事に決まる。 |
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GK:23川口能活(6.0) 彼を脅かすシュートは無かった。プレーそのものは加減評価の対象にならない。 前半終了間際のセットプレー、誰もマークに付かずフリーで打たれたが、 この点は彼にも責任があったと思う。マークの確認はGKの役割、 更に彼はキャプテンとしてピッチに立っていた。最も「経験」を積んでいるの だから、危ない時間帯に「声」を掛けなければならない。 SW→ST:30阿部勇樹(6.0) 前半、流れの中で落ち着いてDFラインを統率していた。 カバーリングは申し分なく、彼に求められる、もうひとつの要素(ビルドアップ) も悪くなかった。しかし前半ロスタイム、セットプレー時の守備で集中を欠き あわや失点か?というシーンを作られた。さらに後半、前線でボールが収まらず 攻め込まれ、ファウルで止める場面も。フィールドプレーヤーでは彼がリーダー シップを取り、選手それぞれの精神的なプレッシャーを解き放つべきだ。 無失点だからといって加点評価には繋がらない。 ST:69水本裕貴(6.0) 守備面は全く問題ないレベル。縦のスペースに走り込み、ボールを受けるなど、 状況に応じたプレーも何度か観られた。停電の影響(1機付かない状況でプレー続行) とは思えないが、相手に上から押しつぶされ負傷退場。前半のみの出場となった。 彼を判断するに相応しい試合とは思えないが、今後も呼ばれ続けて欲しい 優秀なストッパーだと思う。 ST:26今野泰幸(6.0) ディフェンスポジションに居ても、彼の「ここぞと言うときの判断力」は流石。 素早い寄せ、競り合いに勝つ高さ、良いポジショニングで付け入る隙を与えなかった。 相手攻撃陣との力関係を考慮すれば当たり前なのかもしれない。しかし下手な ストッパーより、守備力抜群の彼を(ボランチではなく)、この位置で使うのは 「有り」なのかも?サイドスペースに走り込み、相手DFを中央から剥がす頭脳的、 かつ献身的なプレーも何度か観られた。 WB→SB:31駒野友一(5.0) 対峙する相手との力関係(ケアすべき相手がいない)もあり、初めから高い位置 を取れた。しかし何となくそこにいる印象。繋ぎに入る事が多く、ボールタッチは そこそこあったが、最終的な仕事(クロスを挙げる)は、ほとんど観られなかった。 稀に相手陣内深くに入っても、今度は精度を欠くクロス。オシム監督も「攻撃的な 駒野」、「守備的な隼磨」とは考えていないだろう。彼はストッパーとしての能力を 試されようとしていたのだから、、。後半になると、彼の姿を見なくなった(苦笑)。 WB:14三都主アレサンドロ(6.5) 劣悪なピッチコンディションを考慮して、シンプルなプレーに徹していたか? ボールを持ちすぎること無く、周り(選手と状況)を良くみていたと思う。 播戸の得点をアシストした2本のクロスなどは、その典型だった。 特に右サイドから右足で入れたボール、これは今までの彼には無かったものだ。 流れの中でスペースに走る姿も多く観られ、そこから数多くの決定機を演出した。 守備面で不安はあるが(ミスが多い)、2アシストと数字を残している。 DH→SW:55鈴木啓太(6.5) いつもなら守備重視(アンカー)の彼だが、この試合では積極的にサイドに流れ たり、トップ下に絡んだり。攻撃における繋ぎ役となった。 マケレレというよりは(風貌からポルトガルの)マニシェの様な雰囲気を感じた。 上がるタイミングも熟知しており、このチームに完全にフィットしている印象。 勿論、守備を怠ることはなく、厳しいマークを行った。後半は水本のかわりにDF ラインに入りユーティリティさを試された。単純なパスミスをする場面もあったが、 概ね合格点を付けていい出来だったと思う。 DH:53中村憲剛(6.5) 自由なポジションから長短、精度の高いパスを繰り出していた。ボランチとしての ボール奪取、捌き役と、司令塔としてのラストパス供給、、二役をこなしていた印象。 彼は他の選手が気づいても(技術的に)出来ない様なプレーを見せる。 同じ中村姓だから、どうしても俊輔とイメージがダブる。 組ませてみたら、どういう化学変化を起こすだろう?(笑) 後半、悪いリズムの中でもボールを失わないテクニックはチーム随一。 そして自らのミドルシュートで状況を打開し(追加点)、今後に期待感を抱かせた。 OH:60山岸智(5.5) 無理矢理システムに当てはめれば3-5-2のトップ下であり、いわゆる司令塔ポジション。 ただ彼の場合は自分のアイデアで攻撃を組み立てるのではなく、むしろボールの受け手 として、あるいはFWのサポート役として機能していた。左サイドが主戦場、しかし 神出鬼没に走り回りFWを追い越す動きも見られた。後半は惜しいシュートもあり、 こういうタイプの攻撃的MFも悪くないかな?と感じた。 しかし何かが足りない、それは最後の仕事、、その精度だろうか? そしてリズムの変化、、悪い流れを断ち切る戦術眼が無い。スタミナ切れで運動量が 激減した事もマイナス材料だ。 FW:74播戸竜二(6.5) 得点という獲物を狙うハンターのようなFW。いままでの代表にいなかったタイプの 泥臭い得点を決める選手だ。1点目は三都主のクロスに(巻との関係で言えば)ファー で合わせ、2点目はニアでヘッドで合わせた。初スタメンで結果を残した彼、 しかしサッカーは常に相手あってのスポーツ。2得点以上に外しまくったシュートを 彼はどう考えるのか?そして首脳陣(特にオシム監督)は、どう評価するのか? 強いDFと対戦して、どういう仕事をするか?ホームでのサウジ戦が楽しみだ。 FW:36巻誠一郎(4.5) 拮抗する相手との試合なら彼の守備貢献を評価して良いと思う。 しかし今日の様な試合で、前線からプレッシャーを掛け続けました!と言っても、 言い訳にしか聞こえないだろう。それは本人が一番解っている事であり、 彼の所でボールが落ち着かず、今後(Jリーグでの試合を含め)が心配になる 出来の悪さだった。一度、代表から外してみるのも必要かも知れない。 このままのパフォーマンスで召集(しかもスタメン)され続けたら、 長い目でみてマイナスにしかならない気がする。 DH:35長谷部誠(5.0)−後半00分、水本裕貴に替わり出場− 最初の2プレーは彼らしいドリブル突破、そしてシュートと可能性を感じさせた。 ただコンビを組んだ中村も彼も第2ボランチタイプ。リズムが良いときは問題に ならないが、狂い始めると「自分が何とかしなければ」と余計に悪くしてしまう。 中央突破やスルーパスも必要だが、中盤でボールを落ち着かせる役割も担って欲しい。 もっと溜を作り、自分たちのペースで試合を進める戦術眼が必要だ。 FW:65我那覇和樹(採点対象外)−後半22分、に巻誠一郎替わり出場− FW:37佐藤寿人(採点対象外)−後半26分、播戸竜二に替わり出場− 【ベンチ入り】 GK:43山岸範宏、DF:73山口智、MF:51羽生直剛、57佐藤勇人、58田中隼磨 (ページの先頭へ) |
キリンチャレンジカップ2006 2006.10.04 横浜・日産スタジアム | ||||
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日本代表 | 0 |
0(前半)0 0(後半)1 | 1 | ガーナ代表 |
得点:なし |
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GK:1川口能活(6.5) 急造DFラインとの連携はイマイチだったと思う。彼が想定していない場面で バックパスが来たり、ブロックしてくれるはずのボールが抜けてきたり、、。 経験豊かな彼は、そんな状況の中でも安定した力を発揮した。 ボールに対する反応の早さ、セービングについてはモンクの付けようも無い。 DF:6阿部勇樹(5.5) ギリギリのカバーリング(スライディングでのクリア)でファウルを取られる 場面があった。マンマークだった事もあり、ライン設定は難しかったと思うが、 あまりに引きすぎたの印象。また彼がリベロと呼ばれるに相応しい プレーを見せたか?と言えば答えは「NO」だ。数的に余っているのに 攻撃参加しなかったり、ビルドアップの精度が低かったり。 そして私が最も拙いと感じたのは失点シーンでのポジショニング。 経験不足か集中力が途切れていたか?ただ突っ立って(クロスを)挙げられる を観ていた。 DF:4水本裕貴(6.0) 対人処理の強さは、このレベル相手にも通用した。高さ、強さ、速さで競り負ける 事も無く、初招集初出場の割には落ち着いてプレー出来ていた。 しかし失点に繋がったクロスを挙げられた場面、集中力をいささか欠いていた 印象だ。2.3回ボールを持って突破を計ったし、(周囲との連携は良くなかったが) 今後に期待を抱かせるに十分の90分間だった。 DF:20今野泰幸(6.0) ストッパー、それもマンマークでの、、という指示は彼のプレースタイルに 合っていなかったと思う。背中にへばりついて(短い距離で)守備をするのに 慣れていない。そして相手次第で動かされるリアクションサッカーでは、 彼の良さ(豊富な運動量)は活きてこなかった。どう動くべきか? 戸惑っていたようにも感じた。対人処理は、そつなくこなしたが、繋ぎのパス で幾度かミスがあった。不慣れなポジションにストレスが溜まった結果か? 今回は彼の可能性を探ったオシムのチャレンジと位置づけるしかないか、、(惑)。 MF:5駒野友一(5.0) 彼はサイドバックだったのかもしれない(苦笑)。DFラインに吸収されて 守備している時間帯が長かった。中に絞ってカバーしたりと、マークすべき相手 を意識しすぎた印象もある。ところが大事な場面(失点シーン)でマークを外 されてしまう失態。相手に押込まれることで、ほとんど攻撃参加は出来なかった。 1度だけ攻め上がってのシュートがあり、ハイライト編集すれば悪くない 出来に映るかも?オシムが何故、田中隼磨を使わないのか理解に苦しむ。 MF:8三都主アレサンドロ(5.0) 危険なリズムで仕掛けてくる、、旨の相手監督評価は「買いかぶり」では? オシム監督が彼の守備力に満足している事も理解出来ない。 パッと観、派手なプレー(ドリブル突破や速いクロスボール)がある為、 誤魔化されてしまう。それほどチームにとって有益な仕事をしていたわけでも、 相手に脅威を与えたわけでも無い印象だ。 スキルを過信して相手を抜きに掛りカウンターを喰らうなど、ジーコの時と さほど変わらない(苦笑)。これをチャレンジと呼べば聞こえは良いが、、。 MF:13鈴木啓太(5.5) 彼の役割は、いわゆる「アンカー」であり、「水を運ぶ人」でもあった。 守備的には上手くブロック出来たシーンと、抜かれたシーンが半々くらいか? 繋ぎ役としては、もう少し長い、サイドを変えるようなパスが必要ではなかったか と思う。1ボランチを遠藤が下がって、阿部が上がって、WBが中に絞って 助けてくれた。相手の守備的MF(エシエン、アッピア)が異常に攻撃的なので、 彼はどちらかを、もっとしっかり観る必要があったと思う。 MF:7遠藤保仁(6.5) (W杯本戦では出場機会に恵まれなかったが)、コンフェデ杯などで世界を 経験している余裕が彼には観られた。他の選手が相手の間合いや足の長さに戸惑って いる中、彼だけは普段通りの(Jリーグで見せている高い)パフォーマンスを 披露してくれた。ボランチラインでボールを捌いたり、トップ下で スルーパスを出したりと良い出来だった。佐藤とのワンツーで飛び出したプレーも (オフサイドではあったが)良かった。 FW:16山岸智(5.5) オシム監督曰く3トップの一角という表現だったが、実際には左のシャドーか WBの様なプレーぶりだった。佐藤のクロスに中央で合わせるといったコンビネ ーションは観られた(ゴールポストに嫌われた)が、ほとんどの時間は 守備で走らされた。運動量豊かに走り回るのと、走らせられるのでは違うと 思うのだが?オシム監督に、この辺りを聴いてみたい(苦笑)。 初招集初出場がスタメンだった彼、身体能力の高さなど、、 可能性を見出す事は出来たが、、。 FW:11佐藤寿人(5.5) 右のシャドーに入り、攻撃的MFの様なプレーぶりだった。正確に言えば今日の彼は FWではなかったと思う。相手の攻撃に下げられDFラインまで戻り守備をし、 前線まで駆け上がるというのは難しい。如何に運動量のある彼でも出来る事と出来ない 事はあるわけだ。シュートを全く打てなかった事、オフサイドに何度も掛かった事など で、合格点は付けられないが、私は彼に同情している。FW登録でなかったら6.0を 付けていい出来だったと思う。 FW:18巻誠一郎(5.0) 惜しいシュートがあった、、では決して評価されないのがFWというポジション。 守備面での負担が大きいから、、というのは「オシムの申し子」と言われる 彼にとってエクスキューズにはなり得ない。代表FWの柱としてスタメン起用 されている内に結果(得点)を残したいものだ。 彼の不確定要素が待望論を生んだ過去を、私たちファンも忘れなければならない。 MF:22羽生直剛(5.0)−後半18分、佐藤寿人に替わり出場− 巻とのコンビネーションを期待されて(勿論、守備面での運動量も)の投入だったか? しかし、どこでプレーしていたのだろうか?と思うほど、存在感が薄かった。 それは中村、二川といったタイプの似ている選手が入ってくる事によって、 より顕著になった。千葉の選手であることが有利に働く内に挽回する必要がある。 FW:21播戸竜二(採点対象外)−後半23分、山岸智に替わり出場− FW:9我那覇和樹(採点対象外)−後半27分、巻誠一郎に替わり出場− MF:14中村憲剛(採点対象外)−後半30分、遠藤保仁に替わり出場− MF:17長谷部誠(採点対象外)−後半34分、鈴木啓太に替わり出場− MF:10二川孝広(採点対象外)−後半41分、三都主アレサンドロに替わり出場− 【ベンチ入り】 GK:12山岸範宏、23西川周作、DF:2山口智、3青山直晃、MF:19佐藤勇人、15田中隼磨 (ページの先頭へ) |
アジアカップ2007最終予選(4) 2006.09.06 イエメン・サヌア | ||||
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日本代表 | 1 |
0(前半)0 1(後半)0 | 0 | イエメン代表 |
得点1:我那覇(後半ロスタイム)巻がヘッドで落としたボールを押込む |
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GK:23川口能活(6.0) 枠内シュートはあっただろうか?そんな中でGKを採点するのは難しい。 チーム内に入っていれば、彼の(この試合における別の)役割が達成出来て いたか?など、評価材料も出てくるが、、。攻撃の起点となるはキック、 スローイングなどは「可もなく不可もなく」。彼がほとんど画面に出て こなかったのは、押込まれることが無かったという事でいいのかな(苦笑)? SW:45田中マルクス闘莉王(5.5) 今日の彼は本当の意味でリベロだった。マスコミはリベロ(ポジションを固定 せず自由に動く選手)と、スウィーパーを混同して書くことが多い。 基本的には守備ラインに入っていたが、攻撃に入るタイミングがあえば、 どんどん攻め上がっていった。パワープレーのターゲットマンとしての位置 づけも解った。しかし無駄な動きが多く、後半早い時期にスタミナが切れた。 「効果的な運動量」という観点から採点すれば「イマヒトツ」だった。 ST:20坪井慶介(5.5) 人に対する寄せが(サウジ戦と比較すれば)速く、ボールウォッチャーになる 悪癖も見せなかった。最も守備に重点を置く選手ではあるが、加地を追い越して ゴール前に詰める動きなど、新しい連動性を見せた。しかしながら(いくらDFとは 言え)もう少しシュート練習をした方がいいのでは?と感じた。 決して悪い出来では無かったが、後半(疲労からか)ラインを上げられなかった 事を考慮すると、合格点は出せない。 ST:30阿部勇樹(5.0) 千葉でのプレーとは全く違った窮屈な印象を受けた。何か動きを制限されて いたような、、、もしかすると闘莉王のスペースケアに気を奪われすぎたか? どこでも出来るプレーヤーは重宝されるが、彼より守備的に優れた日本人 ストッパーは片手で数え切れない程いる(と思う)。クラブチームより代表 の方がベンチ入り出来る選手数が多い。オシム監督は、そのことに気が付いて いない(あくまで笑い話)か、ディフェンダーの能力把握が遅れているか? どちかだろう。阿部は中盤の底でこそ最も活きる選手だ。 WB:21加地亮(4.0) 引かれて守備を固められた状況ではスペースがなく、走り込めなかったか? いつもボールを足元で受けて、ドリブルを仕掛けては簡単に奪われる。 あるいはクロスを挙げようとして潰される。その繰り返しだった。 サイドバックでは無いのだから、中に絞ってシュートを狙う事も出来たはず。 ボールを受けたら縦に突破、そしてセンタリング、、それしか引き出しを持って いないのか?と情けなくなった。 WB:14三都主アレサンドロ(4.0) センターの選手が溜を作れないから、高い位置をキープ出来なかったのか? 味方選手が(ボールを)奪われないという「信頼」を持てないから走り込め なかったのか?確かにスペースを消されていたが、足元への要求ばかりでは WBとして不合格だ。しかも常に低い位置から攻撃がスタートするのだから、 相手にとっては何の脅威にもならない。 DH:55鈴木啓太(6.0) テクニックを必要としないコンディション(肉弾戦)では、彼の様なタイプが 活きるのかも知れない。とにかく走る、相手に自由を与えないクラッシャー。 セカンドボールも比較的ひろう事が出来た。その後の展開に課題を抱えている のは目を瞑ろう(苦笑)。縦横無尽に走る彼の献身的プレーなくして、 この日の勝利は無かったと思う。彼のようなタイプ、オシム監督には評価され るかもしれない。わたしもチームにひとりは欲しい選手なのかな?と思うように なっている。 OH:4遠藤保仁(5.5) 劣悪なピッチコンディション、気象条件を考えれば、良く最後までプレーした (しかもミスはサウジ戦より少なかったと思う)と評価すべき。 中盤でゲームを作れる唯一の存在であったが、思うようにボールを扱えなかった。 代表としての彼を数10試合見ているが、この試合ほど「ご苦労様」と讃えたく なった事はない。しかし、それ(感情論)と採点は違う。 何故、三都主と加地はサイドで活躍出来なかったか?それは、彼の攻撃的MF としての限界に起因していると思う。 OH:51羽生直剛(5.0) 彼にはもっと決定的なチャンスを作って欲しかった。代表初スタメンとは言っても、 巻と何年一緒にプレーしているのか?を考えれば、「連動」に不安は無かったはず。 神出鬼没にポジションを変えて、時にFWを追い越してボールに絡むも、 効果的とは思えなかった。バイタルエリアで一度ボールに触り、巻に渡して自分は ゴール前に走り込むといったプレーが観たかった。オシムだから呼ばれたと言われたく ないのは解るが、このチャンスを活かしてこその、、ではないか? FW:38田中達也(5.0) ドリブラーの彼にとって劣悪なピッチは「自分らしさ」を消してしまう要因 となったか?サイドに開いて、良質のクロスボールを巻に送ったりと、良いプレー も見られたが、FWらしさ(得点の臭い)は全く感じることが出来なかった。 相手のホームでラフプレーを見過ごされた事も、(身体的に弱い)彼にとっては 痛かった。日本の綺麗なコートでしか通用しないプレーがある、、、。 ここで学習した事といえば、そんなものだろうか? FW:36巻誠一郎(5.5) 彼が放った惜しいシュートの中、1本でも決まっていたら、、、。 しかし後悔(反省)しても、次に繋がる(ゴール)か?は解らない(苦笑)。 このまま外し続ければ、ジーコジャパンにおける「巻待望論」が、 「過ぎたる期待」だった事にファンは気づくだろう。 いまいるFWに期待出来ないから、「ゴールしてくれるかもしれない」、 まだ試されていないニューカマーを待つ。もう彼は挑戦者ではなく、 (年齢的に言っても)追われる立場にいる事を自覚すべきだ。 我那覇のゴールをアシストしたヘッドを最大限に評価しても合格点には満たない。 FW:37佐藤寿人(5.5)−後半00分、田中達也に替わり出場− 後半彼が投入されて数分間、物凄く得点の入る予感がした。 彼が決めるという事ではないが、(特に左)サイドで起点となるプレーで 輝いた。何本決定的なパスをFWに供出しただろうか? 勿論彼はFW登録故、最終的には得点力で評価される。しかし、そこに至るまでの プロセスを見るなら、合格点を与えていいプレーぶりだった。 パワープレーでFW3人(+闘莉王)となっても、チャンスメイクでいい仕事をした。 FW:65我那覇和樹(採点対象外)−後半28分、羽生直剛に替わり出場− プレー時間が短いため、採点はしない。しかし本当に欲しい場面での得点ゲット、 これで彼もオシムジャパンに欠かせぬ一員となった。スタメンを獲得するためには 並大抵の努力では無理(オシムにとって巻は特別?)。Jに戻ってからの 1ヵ月で、どういうプレーをするか?全てはそれに掛かっている。 FW:72梅崎司(採点対象外)−後半48分、巻誠一郎に替わり出場− 【ベンチ入り】 GK:43山岸範宏、DF:31駒野友一、MF:50中村直志、52二川孝広、58田中隼磨、35長谷部誠 (ページの先頭へ) |
アジアカップ2007最終予選(3) 2006.09.03 サウジアラビア・ジッダ | ||||
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日本代表 | 0 |
0(前半)0 0(後半)1 | 1 | サウジアラビア代表 |
得点なし | ||||
GK:23川口能活(4.5) 失点は彼に責任なし。ただキャプテンとして、経験者として、もう少し 試合への入り方をイレブンに要求してもいいのではないか? 前半、特に15分は、高校生でも犯さないようなパスミスばかり。 ヒデも宮本もいなければ、彼が声を出すべき。ベンチの大熊コーチでは ないはずだ。しかも後半始まり、自ら失点レベルの(集中力を欠いた) パスミスを犯していては話にならない。 CB→ST:20坪井慶介(4.5) ストッパーとして人に対するマーキングが甘いのは、今に始まった事では無い。 最後までキッチリ自分で、という意識が低いのだろうか? ただ彼のDFとしの能力で最も疑問符を付けたいのは、ビルドアップ力。 自信がないのだろうな、、キックする時に不安な印象を受ける。 闘莉王を挙げてのパワープレー時に何故ボールを出さない?? 仙台カップで見たフランスU-18代表DFより、確実に力は下だ(苦笑)。 CB→SW:45田中マルクス闘莉王(5.0) 彼の足に当たったシュートのこぼれ球が相手に渡り、、結果的に失点した。 確かに見た目は「不運な失点」だったが、それで片付けてはならない。 彼自身が「不運」と考えているようでは、ディフェンダーとしてのリスク マネージメント不足を指摘せずにはいられない。あの時間帯、ボランチの 鈴木啓太との関係はどうなっていたか?を突き詰めると、「不運」だけで 終わって良いはずがない。相手への寄せが遅れたと反省すべきシーンと思う。 SB→WB:21加地亮(5.0) 前半は中の選手との兼ね合いもあったか?全く攻撃に絡めていなかった。 攻撃的にというメッセージが(WBに上がると言うことで)伝えられた後半、 ようやく彼サイドが活性化し始めた。 しかし流れるようなオートマティズムも、可能性の欠片も無いクロスボール で台無しにしてしまった。クロスを挙げれば仕事は終わり、というのでは、 あまりに稚拙すぎる。状況に合わせ、中に絞って仕掛けるなど工夫が必要だ。 SB→WB:31駒野友一(5.0) 彼のサイドは比較的前半から機能していたと思う。足元でボールを受けた時 は仕掛け、スペースで受けたときは突破を計った。しかし残念ながらクロス 精度に問題有り。大きな相手DFが待ち受けている所に、単純なセンタリング ではノーチャンスだ。もう少し頭を使って、キックフェイントを使ったり、、 溜を作り他の選手を使ったりする必要がある。 味方FWがゴール前でじっと待っているタイプではない事を認識すべきだ。 DH→ST:30阿部勇樹(5.0) 守備的MFもストッパーも無難にこなすユーティリティ。しかし全てにおいて 60点のプレーでは、代表選手に相応しくない。他の選手を差し置いて出場する ストロングポイントが何なのか?私には解らない。本来はピッチを縦横無尽に 走り回り、相手のスペースを巧く付いて(パスなりシュートなり)仕事をする タイプ。しかしコンディション(暑くて動けない)の悪い中、ミスばかりが目立った。 もっと広い視野でボールを捌けないものか?彼をディフェンスで使うメリット はそれくらいだと思うが? DH:55鈴木啓太(5.0) 後半から1ボランチ気味になり、中盤のスペースを埋めきれなかった。 潰し屋としての守備力、バランサーとしてのポジショニング、ボールの 捌き役としての展開力。いずれをとっても守備的MFとしてフル代表レベルに 到達していない印象を受けた。彼の能力内で頑張っていたと思うが、彼を使う 側(オシム監督の目)にこそ問題がありそうだ。今の阿部とコンビを組ませるなら、 遠藤か長谷部といった前に絡める選手が必要だ。 1ボランチは明らかな采配ミス、彼の守備力では耐えられない。 SH→DH:4遠藤保仁(5.0) 中盤の深い位置からスルーパスを通していた。自ら前線に飛び出して、 というプレーも観られた。しかし攻撃的な中盤を本職としない彼を、あえて この位置で使う意図がイマイチ解らない。これは彼の問題では無いが、 適任者を召集しているにもかかわらず、、だから、指揮官の問題か? 周囲が緊張している場面、ゲームが膠着した場面で彼の経験が活きるはず。 守勢に回った時、優勢な時、いずれの場面でも「変化を与えられる仕事」が 出来ないと、彼を起用する意味が無い。 SH:14三都主アレサンドロ(4.0) 非常に存在感が薄かった。彼のプレーを観るのはプレースキックの時くらいか? 前半のバタバタ感、、代表経験の長い彼がチームを落ち着かす必要があった。 しかし何をしたいのか?自分でも解らない様なプレーぶり(呆)。 使われてナンボの選手にアイデアを要求する(攻撃的MF)のは無理ではないか? 彼はジーコジャパンで一度、このポジションで落第している。 後半は左の守備的MFの気分だったか?FWとの間にスペースを空けすぎた。 また可能性の感じられない無理なシュート(無駄打ち)が目立った。 この試合、若返りのための「敗北」とするなら、彼に引導を渡す時期がきている。 FW:38田中達也(5.0) サイドに流れてボールを引き出そうとするも、攻撃的MFのアイデア不足。 後半になると3-5-2にシステムが変わり、遠藤と三都主はOHというより、DHの 様な位置を取った。これで彼が(守備面で)見るべきスペースが広くなり、 攻撃的にも孤立する様になった。決めていれば、、というシュートはあったが、 責められるようなプレーぶりでも無かった。小野(浦和)がいてくれたら、と、 感じたのは私だけか? FW:36巻誠一郎(5.0) 前線で動き回って守備を助けた事は評価出来るが、それに力を費やして 肝心のFWとしてのプレーが疎かになった。下がってポストプレーをしてから、 もう一度、ゴール前に詰めるといった「連動」がまるで無かった。 孤立してしまう場面も特に後半多く見られた。彼(FW)だけの問題とは 思えないが、柳沢や高原といった旧タイプの選手と違う事を証明したかった。 この試合だけで評価すべきではないが、「やはり彼も規格内FWか、、、」と(笑)。 FW:37佐藤寿人(採点対象外)−後半22分、田中達也に替わり出場− FW:65我那覇和樹(採点対象外)−後半30分、巻誠一郎に替わり出場− OH:51羽生直剛(採点対象外)−後半37分、鈴木啓太に替わり出場− 【ベンチ入り】 GK:43山岸範宏、MF:50中村直志、56山瀬功治、58田中隼磨、59小林大悟、35長谷部誠 (ページの先頭へ) |
アジアカップ2007最終予選(2) 2006.08.16 新潟スタジアム | ||||
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日本代表 | 2 |
0(前半)0 2(後半)0 | 0 | イエメン代表 |
得点1:阿部(後半25)三都主のCKにヘディングで合わせる。 得点2:佐藤寿(後半45+)三都主のFK、自ら放ったシュートのこぼれ球を再び押込んだ。 |
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GK:23川口能活(6.0) まともにシュートを打たれたかな?ゴールキーパーとしてはアピールする に欠ける試合内容だった。彼にとって代表キャップ100試合目の記念すべき 日。高校生でもやれた試合内容では満足行かないだろう。ただ加点も減点も 無いため、6.0の合格点となる。 CB→ST:20坪井慶介(5.5) 相手の攻撃レベルを考えれば守備面でピンチが無かったのは当たり前。 こういう試合でDFに求められるのは、いかに効果的なビルドアップが 出来たか?にあると思う。攻撃の起点となるパス出し(あるいはパス回し)、 元々苦手としている為か?以前の代表では宮本に任せきりだった為か、 プロ選手の技術に達していないのでは?と思えた。 CB→ST:45田中マルクス闘莉王(6.0) 彼が攻撃参加した場合は阿部か鈴木が最終ラインをカバーした。 選手間で約束事があれば問題ないと思うが、何でもかんでも出て良いと いうものではあるまい。この試合における彼の上がりは、それほど 効果的なものでは無かった。彼が上がるメリットは相手が (人数的に)マークしきれない事にある。しかし密集地帯にただ切り込んで いくだけでは、クウェスチョンマークを付けざるを得ない。 強烈なミドルシュートも「惜しい」という形容詞が付いては、、(苦笑)。 SB→WB:21加地亮(6.0) 地味ながらタイミングの良い突破でチャンスを作った。ただ相手との 力関係を思えば、もっと多くの(リスクを冒して)攻撃参加が必要だったの では?と思う。新しく入った選手が多い中、中堅選手としての自覚も生まれ ているだろう。そう簡単にオシムのやり方が身に付くはずもないが、彼は まだジーコジャパン時と、ほとんど変わらないプレーをしていた。 決して悪い出来では無いが、田中隼磨の方が守備する側に立てば、 嫌な(付きにくい)選手だと思う。 SB:31駒野友一(5.5) 前半のみで交替となったが、それほど悪いプレー内容では無かった。 バランスを考慮し左サイドに三都主を入れる為、戦略的に削られたのだと 考える(どうやら左足負傷が真相のようだ)。アーリークロスの精度が高く、 何度かシュートに至る起点となった。せっかく巻がFWでいるのだから、 簡単に挙げてやるのも時には良いかも知れない。 ただ縦へ勝負仕切れなかったのは残念。しかしながら、これはボランチや サイドハーフとのコンビネーション(更に言えば中の選手の素質)の問題だ。 DH→ST:30阿部勇樹(6.5) 前半は上手くサイドに流れたり、2列目を追い越す動きを見せたりと、 (彼なりに)攻撃的な面を披露した。しかしリベロの役割を担った後半は 守備的にならざるを得なかった。だが、全く脅威を感じなかった相手に対し、 もっとボールを速く捌けたはずだ。ゆったりとパスを回すだけでなく、 サイドバックを効果的に使うスクエアのパスを意識して欲しかった。 闘莉王のカバーが有ったため、彼自身はバランスを保ったが、アジアレベル を超える相手に有効か?は判断不可能。CKにヘディングで合わせ、先制点 を奪った事(ニアスペースに入り込んだ)は評価する。 DH:55鈴木啓太(6.0) CBの2人が浦和という事で彼のスタメンが決まったか?コンビを組んだ 阿部も、どちらかと言えば守備的な選手。それ故に中盤でのゲームメイクが チグハグだった。リズムの変化を伴わない短い横パスが多かった様に思う。 うまく相手を外してミドルシュートを放った場面、枠内に入れても、GKの 守備範囲内では意味がない(ポルトガルのマニシェの様な、、無理かな?)。 運動量豊かな潰し屋だが、それだけでは生き残れない。長谷部か、遠藤を この位置で使った方が良かったと思うが、これは監督の考え方次第だ。 SH→DH:4遠藤保仁(5.5) 攻撃的なポジションはジーコジャパンでもG大阪でも経験している。決して 「不慣れな」という形容詞を付けて評価されるものではない。彼にボールが 入ったときに何かが起きるという期待感はああった。また前線に飛び出し ボールを受けて、、というプレーも観られた。アイデア不足とは言い切れない、 シュートまで行く1つ、2つ前には彼が絡んでいたのだから。しかし決めるべき FWが全くゴールの臭いをさせていなかった(苦笑)。 後半DHに戻った形だが、引いて守る相手に対し、プレースタイルを(守備的に) 変える必要性があったか?疑問だ。 SH→WB:14三都主アレサンドロ(5.5) セットプレーのキッカーとして記録上は2アシストなのかな? ただ何回もあったFKのチャンスで、何の意図も感じないシュートを繰り返した。 流れの中でリズムを変える仕事も出来ず、後半は左サイドに主戦場を移した。 そうなるといつものアレックスに戻る(苦笑)。球離れが遅く、突っかけては ボールを奪われる、、。駒野が足に違和感を覚えていなかったら、交替は 彼だったのでは?と思えた。アシストを最大限に評価しても、5.5がやっとだ。 FW:38田中達也(5.5) 密集地帯でも得意のドリブルで、俊敏性を活かしたプレースタイルを見せた。 しかし良いパス出しや、惜しいシュートはあっても、ゴールをこじ開けるには至らず。 良い動きしているけれど、FWとしては怖くないね、、。という評価が妥当か? こぼれ球をシュートするもGKの正面を付く、ポストに当たったりとついていない 面もあった。前回の試合と違うのは、周りに浦和の選手が少なかった事。 彼の動きは認知されていないし、彼自身(特に千葉の選手との連携で)、解って いない部分が数多く見られた。 FW:36巻誠一郎(5.0) ヘディングは100%近い確率で勝っていたが、シュートの精度は最悪。 落ち着いてトラップして良い場面で焦ってふかしてみたり、首を振りすぎて 明後日の方向に飛ばしてみたり(苦笑)。オシムサッカーの具現者としての 意識が空回りした印象だ。ポストに当たったシュートなど惜しいものもあったが、 最後までプレーさせる価値があったかどうか?は疑問。これは信頼の証か、 それとも、このままだと呼ばないよというメッセージ入りか? いずれにしろ中東遠征の召集で結果が解る。 OH:51羽生直剛(6.0)−後半00分、駒野友一に替わり出場− 「走るサッカー」の申し子の様に言われる彼。確かに豊富な運動量で相手をサイドに 連れだしスペースを空ける動きはあった。自らドリブルで突破し、PA内に 侵入、CKのチャンスも得た。しかしながら他のトップ下と何が違うのだろうか? 直接的なアシスト力が不足している、アイデア不足なのでは?と感じた。 この試合のようなプレーでオシムが俊輔や伸二<羽生と考えるのだとすれば、 問題有りか?と思う。しかし「オシムだから呼ばれた」訳ではない。 彼は2004年のアジア杯本大会1次登録メンバーに入っていた。目に見えた アシストは無いが、6.0を付けていい出来と思う。 DH:57佐藤勇人(採点対象外)−後半26分、遠藤保仁に替わり出場− FW:37佐藤寿人(採点対象外)−後半44分、田中達也に替わり出場− 【ベンチ入り】 GK:43山岸範宏、MF:50中村直志、56山瀬功治、58田中隼磨、35長谷部誠、FW:65我那覇和樹 (ページの先頭へ) |
キリンチャレンジカップ2006 2006.08.09 東京・国立競技場 | ||||
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日本代表 | 2 |
2(前半)0 0(後半)0 | 0 | トリニダード・トバゴ代表 |
得点1:三都主(前半17)我那覇がPA前で受けたファウル、直接FKを決めた。 得点2:三都主(前半22)駒野が相手DF裏に浮き球のパス、すり抜けた三都主がGKをかわしゴール。 |
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GK:1川口能活(6.0) キャプテンマークを巻いての登場。まぁ年齢から言っても経験から言っても 適任だと思う。ただ彼自身、若手に遠慮している部分が若干あるのかな? もっと大きな声で「怒鳴りつけて」良い場面もあったんじゃないかな?と(笑)。 プレー面では、雨の影響を考えパンチングを第一選択にし、安全第一を 心がけた。キャッチしなければならないところでのミスも無かった。 CB:2坪井慶介(5.5) 自陣内でのイージーミスが2.3回見られたが、重篤なモノではなかった。 W杯経験者の彼は、もっとリーダーシップを持つべきと思うが、 強烈な個性を放つ闘莉王と組むには、彼のようなタイプがいいのかも? 後半10数分でスタミナ切れ、足を痛めた(けいれんを起こした?)ようだった。 戦術外で交替する事自体、マイナスポイントかと思う。 CB:4田中マルクス闘莉王(7.0) 下がって守備するのではなく、ボールを持っている相手に自由を与えない積極的な プレッシングが好印象。ヘディングの高さは申し分なく、スピードについて行けない 部分は読みでカバーした。自ら攻め上がる事で、チームバランスを崩すといった 場面も見られず(鈴木がカバーしていた)、連携面に問題は無かった。 精度の高いフィードを何本か相手DF裏に通し、攻撃の起点ともなった。 三都主や達也は同じ浦和なので、動き出すタイミングが解るのかな? SB:7田中隼磨(6.0) 前後左右に素晴らしい運動量を見せた。彼が使われた時には、必ずクロスまで 行ったが、中とのタイミングは合っていなかった。周囲は浦和の選手ばかり、 しかも選手自身が考えながらプレーするといったオシム流は、彼にとって厳しい ものだったと推察出来る。しかし彼個人の能力評価としては (チームにフィットしたか?別として)合格点を付けられる出来だった。 つまり今後に繋がるプレーぶりだったということ。 サイドに流れたFWのサポートが出来るSBは、そうそういないだろう。 SB:5駒野友一(6.0) 本来は右サイドの彼だが、隼磨と三都主の関係から左サイドバックに入ったと 想像する。三都主が多くの時間、左にいる変則4−4−2で、彼が突破するスペース は限られていた。そんな中でも、ここぞという場面では縦へ勝負した。 三都主の得点をアシストした浮き球のパスにはセンスを感じた。 他にも繋ぎのパスやラストパスで好機を演出した。状況に応じて複数の役割を 演じられる頭の良い選手だ。 DH:15鈴木啓太(6.0) コンディション不良が伝えられた中で、今野の穴を埋めて余りある守備を 披露した。運動量豊かに相手を潰しに掛かる闘争心は、泥臭いが見ているこちら を気持ちよくさせた。しかし後半押込まれた場面で、状況にあったプレーが出来たか? というと疑問符。例えば縦にトライ出来ない場合、すぐ後ろに下げたり、 横にはたいたりせず、スクエアのサイドチェンジを使うとか、、、。 闘莉王が出た後のポジションをカバーするアンカー役としては合格点を付けられる。 しかし自ら上がるオプションや局面を打開するキックが無いと、 今のセントラルMFは務まらない。 DH:13長谷部誠(6.0) ボランチでコンビを組んだ鈴木も、後ろに控えるCBも、攻撃陣3人も浦和関係者。 代表でプレーしているというよりは浦和で、いつもの様にという、、(笑)。 ダイレクトパスに気持ちが行きすぎて、ドリブルで溜を作った方が良いと思える 場面でも簡単にはたいてしまった。シンプルなプレーを否定はしない、 しかし確実にパスを繋ぐ必要もある。とは言え、右の田中隼磨とは、そこそこ 良い関係を築けたと思う。更なる視野の広さが必要だ。逆サイドにも出せるくらいの 余裕とスキルが欲しい。 OH:3三都主アレサンドロ(7.5) ボランチの様な左サイドハーフの様なポジションを取った。2点目を奪った飛び出しに 代表されるように、フリーロールの動きも目立った。SBでは彼の守備面の弱さが 出てしまうが、今日のポジションだと軽減される。むしろSBの経験が活きた守備 シーンも見られた。シンプルなプレーという意識付けが、「ボールを持ちすぎて 自爆する」という欠点を見直す、キッカケを与えたか?まだ1試合で評価を下すのは 早計と思うが、ジーコジャパンの彼よりはイキイキしていた。 OH:14山瀬功治(6.0) 彼のスタメン起用に驚いた。所属クラブで復帰したばかり、完全なレギュラー確保 とまで行かない彼が、、。しかしこの試合に限って言えば、田中達也と絶妙の関係 を築き、まずまずのプレーを披露した。隼磨を上手く使うアイデアも、負傷前 のレベルに近づきつつある。限定召集の為、以降呼ばれるかは微妙だが、 松井(ルマン)とのダブル司令塔を見たくなった。気になったのはスタミナが 戻っていないこと。これは所属クラブで(コンディションを)あげていくしかない。 FW:10田中達也(6.0) 得点チャンスはあったが、決めきれなかった。しかしチャンスに絡む頻度といい、 運動量と言い、オシムジャパンのキーマンは彼だと感じた。余ったから背番号 10(エースナンバー)を付けられた訳ではないだろう。恐らくオシム監督にとっては、 日本人らしい俊敏性を持ったプレーヤーの象徴なのだと思う。 似たタイプに坂田、今回召集されていない大久保(C大阪)、玉田(名古屋)などが いる。彼等に追い付かれない為には、、浦和で頑張る事だ。 FW:9我那覇和樹(5.5) たった3日間のトレーニングキャンプでは、他の選手がどういう特性を持っているか? 解らなかったと思う。つまり右の隼磨から出るクロスはこういう形、左の駒野は こういう形、、など。またセンターラインが全て浦和の選手だった事も、彼には マイナスに働いた印象。普段から合わせている選手の中に入っても、すぐに自分の 特徴は出せない。彼に関しては、今後ゆっくりと能力を見極めていく必要がある。 今日の彼は、、気の毒だった。 OH:8小林大悟(5.5)−後半11分、山瀬功治に替わり出場− 疲労が出始め、足の止まった味方選手達の中に投入された。 リズムを変えようとミドルシュートを放ったり、キラーパスを狙ったが結果は 付いてこなかった。あまり途中から入るタイプの選手では無いだけに、 何故スタメンから外されたのか?理解しがたい面もあった(浦和ラインの為か?)。 所属クラブで見せるドリブルも封印?まだ彼は、このチームで自分を 出し切れていない印象だ。 CB:16栗原勇蔵(採点対象外)−後半16分、坪井慶介に替わり出場− 坪井の負傷が無くとも、(与えられる時間は少ないだろうが)交替出場は あったと思う。身体能力の高さを局所的に見せたものの、相手攻撃陣が期待通り とはいかず、見せ場は無かった。おそらく次は呼ばれ無いだろうが、所属クラブで レギュラーを張り続ける事が代表に定着する近道となる。 横浜には中澤、松田といった代表経験者。那須も河合もいる。 FW:11佐藤寿人(採点対象外)−後半21分、我那覇和樹に替わり出場− ライン裏に走ったり、ミドルシュートのこぼれ球に反応したりと、相変わらず ゴールの臭いをプンプンさせていた。また田中達也に良質のセンタリングを 供出した。しかしピッチコンディションや味方の疲労などが重なり、満足行く結果 (ゴールゲット)は導き出せなかった。さらにラスト10分はタイプの似た3選手 が前線に入る事になり、多少混乱した。ただ彼を活かせる演出家が揃えば、、 今後に期待したい。 DH:18中村直志(採点対象外)−後半29分、長谷部誠に替わり出場− OH:17坂田大輔(採点対象外)−後半41分、三都主アレサンドロに替わり出場− 【ベンチ入り】 GK:12山岸範宏、DF:19青山直晃、MF:6今野泰幸(怪我のためベンチ入りせず) (ページの先頭へ) |
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FIFAワールドカップ2006グループF3 2006.06.22 ドイツ・ドルトムント | ||||
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日本代表 | 1 |
1(前半)1 0(後半)3 | 4 | ブラジル代表 |
得点1:玉田(前半34分)三都主のスルーパスをDF裏で抜け出し左足シュート |
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GK:23川口能活(6.5) 彼の素晴らしい反応が無ければ、早い時間に先制されていただろう。 シュートの雨あられ。綺麗なミドルシュートが多く、守備陣がコースを切って いれば、、と悔やまれる。しかしながらGKが出来る最低限以上のプレーを 見せてくれた。身長が低い(179センチ)事もあって、海外再挑戦は難しいと思う。 Jリーグで試合に出続け、2010年を目指して欲しい。 CB:19坪井慶介(5.0) 思ったより身体を張っていた印象。ただ自信を持っているスピードがブラジル 相手に(しかも身体にキレのないロナウド!)通用しない事が解った。 稀に良い読みでボールを奪っても、フィード精度が最悪、、。 所詮は国内レベルで「良い選手」という事だろうか? Jリーグの外国人にも付けない彼が、W杯、それもブラジル相手というのは 無理があった。所属クラブに戻って、この経験を活かして欲しいとは思うが、、。 CB:22中澤佑二(5.0) ライン統率するにしても、中盤でプレスが掛かっていない状態では引かざるを 得なかったか?バイタルエリアを自由に使われ、大量失点の原因を作った。 随所に流石、、とうならせるプレーはあったが、 留学先のブラジルに恩返しすることはできなかった。 彼は人を動かすタイプではない。4バックならマリノスで一緒の松田と のコンビが観たかった。ボールウォッチャーとなり、ロナウドを蘇生させた。 SB:21加地亮(5.0) 右足は完治していないのだろう。攻守両面において精彩を欠いた。 タイミング良くサイドを突破するまでは合格点。しかし、どうしてそうなの!と、 叫ばずにはいられぬ程、クロス精度が低かった。 もっと中の選手が欲しい場所に、欲しい種類のボールを供出しなければならない。 彼は調子の波が大きい選手。次の監督に呼ばれるかは?疑問だ。 SB:14三都主アレサンドロ(5.5) 仕掛けるなら中途半端にボールを奪われない事。つまりシュートで終わる様な プレーが必要だった。玉田のゴールを演出する素晴らしいパスがあった反面、 判断が遅く相手DFに寄せられて何も出来ず、というのがほとんどだった。 外国人メディアからは称賛された彼、しかしメディアは彼の成功例しか観ない。 ウィング(3トップ左)なら許されても、彼のポジションはサイドバッグだよ! DH:17稲本潤一(4.5) 前半はアンカー役として、そこそこ機能していた。 しかしボールを奪ってからのパスミスが多い。安心してしまうのか? 正確なパスを出す技術が元々無いのか?これではDF陣が準備する時間がなく、 余計に始末が悪い。得意とされるミドルシュートも「とりあえず打っておこう」 というレベルで、枠外に大きく外れた。この手のミドルは相手に何の脅威も与えない。 後半はバイタルエリアのケアが出来ず、完全に翻弄された。 DH:7中田英寿(5.5) 本当によく走った、、お疲れ様と言いたい。 無駄走りとまでは言わないが、目立つ割には効果的な活動量ではなかった。 チャレンジのパスでミスするのは良いとしても、繋ぎのパスは、もっと大事に! それにしても、守備の軽いこと、、。スライディングしたらカワサレルという 気持ちがあったか?ディレイで遅らせることも、パスコースを切ることも 出来なかった。チームとして以上に個人としての力量差を痛感したのでは? 雪辱の気持ちと裏腹?、これが彼の代表ラストマッチとなるかもしれない。 OH:10中村俊輔(4.0) コンディションが良くない彼を何故スタメンで使い続けたのか? 私が観る限り、(彼の出場した試合中)最悪のパフォーマンスだったと思う。 守備に忙殺される時間が長く、ボールを受けても出しどころがない(後ろに下げる)。 パスコースが無いなら何故、ドリブルで仕掛けようとしないのか?疑問だった。 また、パスした後に足を止めてしまう。どうして自分で走らないのか? 理解出来ない彼ではないはず。走らないのではなく、肉体的に走れなかったのだろう。 小笠原ではなく彼を替えるべきだった。 OH:8小笠原満男(5.5) 下がり気味の位置でボールを奪取。(オフサイドにはなったが)いいチャレンジ のパスを前線に供出した。運動量も悪くなく、攻守にわたり無難なプレーを みせていたと思う。判断が遅く相手守備陣に寄せられる事はあったが、 それは毎度の話。今日の試合に限った事ではない。いつもより球離れは早く、 視野も広かったと思う。合格点とはいかないが、他の中盤選手よりは奮闘 していたと観る。 FW:20玉田圭司(6.0) いつも通り下がりすぎの印象はあった。しかし三都主のパスを上手くトラップし、 ゴールゲットした結果を(FWとして)評価したい。サイドに流れ 起点となるのはいいが、ゴール前での動き直しが無い。中盤が良いタイミングで ボールを奪っても、彼にボールは出せない(あるいは出しても通らない)。 あのブラジルから得点を奪った。(口には出さないが)1点で満足しちゃったのかな? FW:11巻誠一郎(5.0) 画面を通じても、「がむしゃらさ」は伝わってきた。 ボールを持っているDFにプレッシャーを掛けようと、一生懸命走った。 ライン裏を取ろうという意識も感じられた。しかし、周囲との連携は全く取れて いなかった。サブ組での練習が続き、主力組中盤と合わせる時間も無かったのだろう。 この試合に関して彼は、FWとして期待されたプレーが出来なかった。 しかし、半分は主力とサブを完全に分けて練習させるジーコ監督の問題と思う。 DH:6中田浩二(5.0)−後半11分、小笠原満男に替わり出場− 1点ビハインドの状況で彼を出場させたジーコ監督の意図が全くもって理解できない。 中田英を前に上げて稲本も攻撃的に!という事だったか? 1.2度良いパスカットはあったものの、その数倍は抜かれていた。 アンカーとして期待するなら福西だし、中盤を活性化するなら小野だったろう。 W杯に愛弟子を出場させてあげたい親心が監督にあったとしたら、 勝てるはずもない。ファミリーを重視するジーコジャパンの象徴的交替? FW:9高原直泰(評価対象外)−後半15分、巻誠一郎に替わり出場− FW:16大黒将志(評価対象外)−後半21分、高原直泰に替わり出場− 【ベンチ入り】 1楢崎正剛、12土肥洋一、2茂庭照幸、3駒野友一、4遠藤保仁、13柳沢敦、15福西崇史、18小野伸二 (ページの先頭へ) |
FIFAワールドカップ2006グループF3 2006.06.18 ドイツ・ニュルンベルク | ||||
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日本代表 | 0 |
0(前半)0 0(後半)0 | 0 | クロアチア代表 |
得点:なし | ||||
GK:23川口能活(8.0) 日本に勝点1を引き寄せた最大の功労者。公式のマンオブザマッチは中田英 だが、この試合、間違いなくナンバーワンの活躍を見せた。 文字通り神が宿っているのではないか?と思うほどの反応でPKをセーブ。 クロアチアDFと日本FW陣の力関係からして、ここで失点していれば、 ほぼ負けが決まったであろう。それだけに価値の高いプレーだった。 イレギュラーバウンドしたボールを後ろにそらした場面、心臓が止まるかと思った。 CB:5宮本恒靖(4.5) ポジショニングが良くないのと、身体の入れ方が悪い(遅い)。 多少遅れても取り戻せるだけの身体能力(スピードと強さ、高さ)があれば、 まだ観ていられるのだろう。しかし能力不足を補うはずの読み(多くはスタート 時の位置取り)がズレていては話にならない。 PKを与えたファウルにしろ、普通レベルのDFならヘディングクリアで 終わっている。主将としての(精神的な)功績は認めるが、世界で闘うのは難しいか? 警告累積でブラジル戦は出場停止。だが、日本にとってはプラス要因 となるかもしれない(苦笑)。 CB:22中澤佑二(7.0) 暑さ対策か苦し紛れか?後半やたらと多くなった相手DFラインからの単純な 放りこみ。ほぼ制空権を手中にし、彼が自陣ゴール前に立ちはだかった。 中盤からこぼれてきたボールにもスピード豊かに対応した。 やばい!と思ったときに彼がいてクリアしてくれる。非常に頼もしい存在と感じた。 試合を重ねるごとに良くなってきている。次戦は彼がリーダーシップを取って ラインを統率するだろう。ドイツクラブからの誘いが来たら、今度こそ 迷わず受けるべきだ。それが2010年にも繋がる。 SB:21加地亮(6.5) 怪我上がりとは思えぬ積極的なプレーを披露した。 守備面では、しっかりと相手をマークし危険な突破を許さなかった。 また中に絞ってのカバーリングも無難にこなした。 攻撃面ではタイミングのいいフリーランから何度もチャンスを作った。 特筆すべきは高原とのワンツーでペナルティエリア内に侵入し、柳沢に合わせたパス。 得点にこそならなかったが、持っている力を存分に発揮した数少ない選手と言える。 昨年のコンフェデ杯といい、大舞台に強いタイプなのかな? SB:14三都主アレサンドロ(4.5) 攻守両面において不甲斐ないプレーの連続だった。まず相手2番をフリーに しすぎた為、幾度と無く怖いセンタリングを挙げられた。やはりあそこはもっと プレスに行くべきと思う。攻撃面においても信じられない様なパスミスで カウンターを喰らった。何度か縦へ突破したが、折り返しのクロスは 力無いものだった。リスタートキックを奪うのが限界。 (はまった時は脅威になる為)彼を評価する者もいるだろう。しかし彼の ポジションがサイドバッグであることを忘れてはならない。 DH:15福西崇史(5.0) 1ボランチ気味であった事を差し引いても、プレスが遅く相手を自由にしてしまった。 体調が悪いのか?足が動かず、ほとんどのプレーで後手を踏んだ。 アンカーとなるべき彼が、その役割(ねばり強い守備)を果たせず、 簡単にシュートを打たれては失点も時間の問題だった。 また、やってはいけない位置(自陣深く)での横パスのミスもあった。 前半のみで交替となったが、やっとジーコ監督が、まともな采配をしたと感じた。 どんなに素晴らしい選手でも国際経験の不足(本気の勝負をしていない)は、 埋めがたいのだろうか? DH:7中田英寿(6.5) ボランチであることを忘れて福西に多大な負担を掛けてしまった。 しかし得点を奪う必要があった事、OHがあまり機能していなかった事を 考慮すれば、彼のプレー(特にミドルシュート)は称賛されるべきだ。 枠内にシュートを打てば何かが起こる。この試合では何も起きなかったが、 チャレンジ(ある種のリスク)無くして、得られるもの(ゴール)は 無いだろう。消耗戦で攻守両面で存在感を示せたのはメンタルの強さ故か? この調子ならボルトン以外からのオファーも期待出来る。 OH:10中村俊輔(5.5) 全体的に運動量が少なく、「やはりコンディション不良だな」と感じた。 ただ悪いなりにも、チームの為に効果的なプレーを選択出来るのが 彼の素晴らしさ。最終ラインまで戻って三都主を救う守備を見せたかと思えば、 厳しいプレスの中、柳沢へ向けて巧いパスを出した。玉田へのダイレクトパスも リズムを変える上で有効だった(事実一発で相手DF裏を取れた)。 ボールに直接絡まない相手を引き連れるプレーも地味ながら良かった。 しかし、唯一の得点源とも言えるリスタートキックで精彩を欠いたのが痛かった。 OH:8小笠原満男(5.5) 暑い中でソコソコの運動量を保ち、攻守ともにチームを支えた。 しかし、攻撃においてリズムの変化(緩急)を与える迄には至らなかった。 ボランチから受けたボールをキープして左右に捌く。そしてゴール前に走り 込む、、彼はいつも同じパターンの動きを繰り返していた。 シュートを打てるシーンで躊躇したこともあった。 いきなりのスタメン抜擢では無い(過去に何度も経験している)だけに、 もっと良いコンビネーションを築けると思ったが、、、残念! FW:13柳沢敦(4.0) 加地からの気持ちのこもったラストパス、インサイドキックで合わせれば 「ごっつぁんゴール」間違いなしだった。 しかし何を思ったか右足アウトサイドでシュート。カッコつけようとしたのか? 自分の前にボールが来ると信じていなかったのか?どちらかだろう。 咄嗟の判断が出来ず身体が反応したら右足の、、という事だったか(苦笑)。 中盤が苦しみ抜いて出したパスを決めきれない。身体を張って前を向く事も ままならない。サイドに流れてボールを触るだけの存在? 悪い意味でアンビリーバブルなストライカーだ。 FW:9高原直泰(4.5) DFラインからのビルドアップや中盤からの縦パスに対し、もう少し身体を 張って欲しかった。ボールがきっちり彼の所で収まれば、中盤も連動し全体を 押し上げる事が可能だった。プレスのキツイ中で大変だったろうが、 ドイツでプレーしている(フィジカルの強さ)片鱗を見せて欲しかった。 パスが回っても彼の所で奪われるケースが多すぎた。また試合を通じて効果的 な運動量(前線での位置取り)が不足していたと思う。 シュート1本、この数字が全てを物語っている。 DH:17稲本潤一(6.0)−後半00分、福西崇史に替り出場− 守備意識を高く持ちアンカーの役割を担った。途中出場からか? 上手く試合のリズムに乗れず、最初の1.2回のプレーで甘さが観られた。 しかし徐々に慣れていき、自分がすべき事を忠実にこなした。 相手の運動量が落ちたと言えばそれまでだが、危険なバイタルエリアに蓋をした。 ただミドルシュートの有効性を証明したくとも、枠内に飛ばさなければ意味がない。 世界のセントラルミッドフィルダーとの違いは、この辺りにあるのかな? FW:20玉田圭司(4.5)−後半16分、柳沢敦に替り出場− アジリティーと言っても彼の様なテクニカル系は通用しないのかも? 前への推進力に欠ける為、単独突破を計れない。両者とも苦しい時間帯に 投入された意味を彼は理解していたのだろうか?パスコースを作ってボールを 引き出す様なプレーが欲しかった(もっと走れ!)。 また、俊輔から受けたパス。あんな決定機でシュートに行かない(私にはパスに 見えた)メンタリティ。Jリーグから続くゴール欠乏症の影響だろうか? 今、彼はシュートを打つのが怖いのでは? FW:16大黒将志(評価対象外)−後半40分、高原直泰に替り出場− 【ベンチ入り】 1楢崎正剛、12土肥洋一、2茂庭照幸、3駒野友一、19坪井慶介、4遠藤保仁、6中田浩二、18小野伸二、11巻誠一郎 (ページの先頭へ) |
FIFAワールドカップ2006グループF1 2006.06.12 ドイツ・カイザースラウテル | ||||
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日本代表 | 1 |
1(前半)0 0(後半)3 | 3 | オーストラリア代表 |
得点1:中村(前半26)右サイドから左足でゴール前に放り込んだボールを誰も触れずゴールイン(ラッキー) | ||||
GK:23川口能活(7.0) 「マイアミの軌跡」を再現するかのようなスーパーセーブを連発。 彼がいなかったら何点取られていただろうか?と「ゾッ」とする。 しかし敗戦の遠因となる同点シーン、ロングスローに飛び出して結局触れず。 たった一度のミスがGKにとっては致命傷となる。気持ちが乗りすぎて ハイテンション、冷静さを失っていた様に(表情から)読み取れた。 勝負所を見誤ったのかな? SW→CB:5宮本恒靖(6.0) 後半35分までは素晴らしい読みとカバーリングで身体能力の低さを 感じさせない守備力を見せた。大きな相手でも身体の当て方と、タイミングで 対応出来ることを示した。疲労で(中盤から上の)足が止まり、プレスが かからない状況でラインを下げざるを得なかった。 これは致し方ないことと思う。彼の責任範疇を超えていた。 しかし最低勝点1でも良いという意識を選手全員に徹底出来なかった事は 主将として悔やまれるところだ。 2点目はプレスが遅れ、3点目はカバーが遅れた。 ST:19坪井慶介(5.0) 高さで勝てないのは予想出来たが、足元、スピードでもビドゥカに負けていた。 彼からスピードを取ったら何が残るというのか? 初の国際舞台で緊張し、高い気温が影響して判断スピードが落ちたのだろうか? そして両足をつってしまう。彼の交替でカードを1枚使ったジーコ監督は、 その後の選手交代に消極的となった。これがジャブのように効き、終盤10分弱での 3失点に繋がった。 ST→CB:22中澤佑二(6.0) 単純なロングフィードは彼のボンバーヘッドがはね返した。ポジショニングも良く、 実に頼もしい存在と映った。ただ攻撃参加は怖いので(ボールを奪われカウンターを 喰らったときの守備が手薄)、自重して欲しい。サイドの選手がDFラインに 吸収されて、坪井も上がらないとなれば、どうしても自分がとなるのだろう。 上がるならシュートで終わるくらいの覚悟が必要だ。この試合で三都主との コンビネーションを期待するのは罪深きこと(苦笑)。 ゴール前で同点に繋がるファウルを犯したが、あれはレフェリーが俊輔の得点を 意識しバランスを取りたかった為の判定では? WB:3駒野友一(5.0) 守備重視で試合に入った事は間違いではない。彼が引いて(あるいは中に絞って) 事なきを得たシーンも数多く観られた。しかしそればかり続けていては押込まれるだけ で、プラスにはならない。何度かフリーランを試み、数回クロスを中に入れたが、 高いDFにはニアに速いボールか、グラウンダーが効果的。もっと工夫が必要だった。 あるいは、カットインしてのシュートも!3失点目の守備シーンは、身体の入れ方が 逆だ!! WB:14三都主アレサンドロ(4.0) 足の具合いが悪かったのだろうか?攻撃参加してもミスパスで戻されるだけ。 キューウェル、ブレシアーノがさほど良くなかった事で救われたが、 彼の裏を付かれたら、手の打ちようもなかった。 それでもフリーでクロスを上げられる緩慢な守備は健在(苦笑)で、 CBに多大なる負担を掛けた。攻守に渡って足を引っ張り続けた彼、 言葉(ポルトガル語)が通じるだけで何のメリットもない。 仕掛けのタイミングは良くないし、他の選手とのコンビネーションも最悪。 DH:15福西崇史(6.0) 優れたバランス感覚で最終ラインとの関係を何とか最後まで良好に保とうと 努力していた。事実上の1ボランチは負担が大きいし、ポジショニングも難しい。 予想に反して中央突破の多い相手に救われた感はあるが、よく我慢したと 評価したい。守備的には最後に力尽きた印象(彼の足がもつれるのを初めて観た)。 攻撃の後、戻りきれずにバイタルエリアを空けてしまった。そして全くセカンド ボールに反応出来なかった疲労困憊の彼は、ケーヒルに付けなかった。 未然に稲本というカードは切れなかったか? DH:7中田英寿(5.0) いつもは俊輔が受ける種類のマーキングにあい、90分間で何もさせてもらえなかった。 プレミアでプレーする豪州の選手達には、彼のウィークポイントが手に取る ように解っていたのか?それともヒディング監督のデータ分析・策略に屈した形か? いずれにしても運動量が目に見えて少なく、攻守ともに精彩を欠いた。 1.2度、ロングパスで状況打開を計ったが、彼のプレーヤーとしての限界を 観た気がする。彼は他人事の様に言うのだろうか?「走れなければ、、」と(苦笑)。 OH:10中村俊輔(6.0) 先制点は(初召集から)8年越しの思いを神様が叶えてくれたラッキーなものだった。 相手のマークがきつくて、しかも(言葉は悪いが)ちょっと汚い。フィジカル 云々ではない厳しさがあった(ボールではなく彼の足ばかりを目がけてきた)。 自らプレスし、守備陣と挟みこんでボールを奪いとったが、パスを出せない。 出してもFWとの呼吸が合わない。終盤は観ていて可哀想なくらい憔悴しミスも増えた。 小野の投入(ここは稲本タイプが必要)なら俊輔と代えるべきだったと思う。 時間も10分は遅れたと観る。監督よ、過ぎたる信頼は単なる責任放棄と紙一重だ。 FW:13柳沢敦(4.5) 精力的に相手DFをチェイスし、ボールの出所を抑えようとした。 しかしそればかりに一生懸命で、中盤からボールを引き出す動きが出来ていなかった。 また高原とのコンビネーションにズレがあり、チャンスをモノに出来なかった。 更にまずいのは、打てる場面でシュートを打たず、角度のないところで無理矢理 放ったこと。攻撃面は全てがチグハグ、後半倒された時間に玉田か大黒と替えて あげるべきだった。シュートで攻撃が終わらないと中盤は戻れない! FW:9高原直泰(4.5) 序盤は全くポストプレーが出来ず、簡単にボールを奪われた。 徐々に(相手DFの疲労とともに)競り勝つシーンも観られたが、柳沢などへの パス精度が著しく悪かった。前半、相手をかわしてシュートを放った事だけが FWらしいプレー。親善マッチ(ドイツ戦)で、持っているツキを使い果たして しまったのか?同点に追い付かれて結果(得点)が欲しい彼は、守備をやめて 狙いにいった様にみえた。(勝点1でも良しとする)他のメンバーと意識の ギャップがあったか? ST:2茂庭照幸(5.5)−後半11分、坪井慶介に替わり出場− 坪井の負傷で急遽出番が回ってきた。この男の強運(落選から一転、結局W杯 のピッチにたってしまった)には驚く。しかしプレーではさして驚かされる事は なかった。早めに潰せばファウルであっても、、というのが甘い。 ハーフラインからフリーで放り込まれるのだから、危険極まりない状況を作ったと みるべきだろう。坪井よりは闘えるかもしれないが、、、。 DH:18小野伸二(評価対象外)−後半34分、柳沢敦に替り出場− FW:16大黒将志(評価対象外)−後半46分、茂庭照幸に替わり出場− 【ベンチ入り】 1楢崎正剛、12土肥洋一、6中田浩二、21加地亮、4遠藤保仁、8小笠原満男、17稲本潤一、11巻誠一郎、20玉田圭司 (ページの先頭へ) |
国際親善マッチ 2006.06.04 ドイツ・デゥッセルドルフ | ||||
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日本代表 | 1 |
1(前半)0 0(後半)0 | 0 | マルタ代表 |
得点1:玉田(前半2分)三都主からのクロスボールに左足で合わせる。 | ||||
GK:23川口能活(7.0) セットプレーから危険なシュートを何本か受けた。 彼の高い反応力が無ければ、ゴールネットを揺らされていた可能性も高い。 DF陣がセットプレーの守備を修正出来ずにいるなら、私たちファンは、 彼のスーパーセーブを期待するより他無いのだろうか? SW→CB:5宮本恒靖(5.0) ドイツ戦で課題となった部分(セットプレー時の守備)が修正できていない。 流れの中でチャンスを与えなかったのは当たり前。ラインを高く保てたのも 相手との力関係を考えれば加点材料にならない。敢てファウルを犯し、FKを 浴びる練習をした訳ではあるまい。身体の入れ方(寄せ方)が下手なので ファウルを取られてしまうのかも? ST:19坪井慶介(5.5) 攻めてこない相手に3バックは効率が悪い。ミスは特に見あたらないが、 加点材料も無い。4バックに変えるため彼は前半のみの出場となった。 流れの中でピンチらしい場面は作られなかった。しかし それならビルドアップの精度を高めるとか、自ら攻撃参加するなど、 求められるプレーレベルが変わってくるはず。 ST→CB:22中澤佑二(6.0) 彼だけの問題ではないが、セットプレーで相手に付ききれない(フリーで シュートを打たれる)のは拙い。脅威となる程、ヘディングの上手い選手 がおらず救われた。彼の場合は(この試合で)怪我さえ無ければ、という立場。 相手と接触し左足を痛めたときには、本当ヒヤッとした。 三都主との連携は有効だったし、宮本をカバーする守備も上手かった。 WB→SB:3駒野友一(5.5) 縦への突破や仕掛けのドリブルなど、まずまず存在感を示すことは出来た。 しかしゴール前を固める相手DFに、単純なクロスボールは通用しない。 受け手側とのコンビネーションもイマイチ。 加地の出場が危ぶまれるオーストラリア戦、彼はどういう質のクロスを 入れるべきか(味方と)話し合い、実現する必要がある。 WB→SB:14三都主アレサンドロ(6.0) 縦に攻撃するスペースが無い場合、強引に個人技で抜くか? 早めにクロスを入れるか?の選択になる。 悪いときの彼はボールを持ちすぎて墓穴を掘るパターンだが、 この試合では球離れも比較的早かった。必ずしもパス(クロス)精度が 高かった訳では無いが、得点の臭いがするプレーも多かった。 玉田の得点をアシストしたことで気をよくしたか? DH:15福西崇史(5.5) セットプレーでヘディングシュートを浮かしてしまう辺り、緊張感が いささか欠けていた様に見えた。特に厳しいボディコンタクトを要求される シーンもなく、彼の潜在能力を引き出すレベルの相手ではなかった。 しかし寄せの甘さから失点の危機を作った(クロスバーに救われた)。 攻撃面では中田英だけに任せず、もっと積極的なプレーを見せて欲しかった。 ボランチ2人の役割が固定しすぎている。 DH:7中田英寿(6.0) 縦横無尽に走り回って中盤を支配している様にみえた。 しかしそれがチームにとって効果的な運動量であったかの判断は人それぞれ。 私の評価は平均点(6.0)か、少し上といったところ。 彼は「走れなければサッカーにならない」旨の発言を試合後にしたが、 自分に対しての言葉だったか?それとも(特に後半)縦パスに受け手が 追いつけなかった事を指していたか? 内容の良かったドイツ戦後で、彼自身のモチベーションも低かった様に見えた。 OH:10中村俊輔(6.0) スルーパスやキック精度の高さなど、局所的に光るプレーを見せた。 しかし混み混みの相手ゴール前で、局面を一発で打開する様なサプライズは なかった(ドリブルを仕掛けファウルは奪ったが、、)。 後半、次々に投入されるOHとの連携に戸惑っていたように見えた。 バランスを取る為にポジションを変えて、時にボランチをカバーする事もあった。 コンディションがイマヒトツの中でも最低限の役割は果たしていたと思う。 FW:20玉田圭司(6.5) 虎の子の1点を奪ったからだけの評価ではない。スペースのない中でも ドリブルで状況打開を計ったり、大黒へ素晴らしいラストパスを通して見せたりと、 存在感をアピール出来た。彼の選出を疑問視する声もあるが、 大きなDFには彼のプレースタイル(横の揺さぶり)が効果的と思う。 本大会ではスーパーサブとして機能するかも? FW:16大黒将志(5.0) ドイツ戦に引き続き決めるべきシュートを得点に結びつけられなかった。 ゴール前におけるFWとしての嗅覚が落ちているのだろうか? 今日1試合だけの評価なら「NOT HIS DAY」でもいいが、どうにも海外移籍が 彼にとってマイナスに働いているような気がしてならない。 「どさくさ紛れで得点しちゃう」、、これがない彼に魅力は感じない。 OH:18小野伸二(5.0)−後半00分、坪井慶介に替り出場− ジーコ監督の評価(ボランチで前向きにプレーした方がいい)と裏腹に 攻撃的なMFでの出場となった。4-4-2に変更した場合でも、中田英寿がボランチ 候補の筆頭なのだろう。入ってすぐは判断が遅く詰められてしまうシーンが 幾度も観られた。サイドに開くようになってリズムを掴み始めた。 しかしトラップしても間に合う場面でダイレクトボレーを放つなど、 焦っているのかな?結果が欲しいのかな?という印象を受けた。 SB:6中田浩二(評価対象外)−後半14分、三都主アレサンドロに替り出場− カウンターしか狙ってこない相手にSBとして彼を投入しても意味がない。 縦に突破し起点となる動きや、スペースに走り込むプレーを得意としていない為だ。 自陣スペースを埋める役割は、この試合に限って言えば必要なかった。 試合に出しておこうという配慮だけ?よって採点するに十分な出場時間であったが、 評価対象から外した。 OH:8小笠原満男(評価対象外)−後半16分、玉田圭司に替り出場− 彼はどういう意図で投入されたのだろうか? 相手DF陣がスペースを埋めている状況でパサータイプを入れても状況は変わらない。 ただ本人は、ここでアピールしてやろうという気持ちが強かったようだ。 悪い意味で「俺が俺が、、」というプレーが目立った。 そして、やたらとパスミスが多かった(苦笑)。 FW:11巻誠一郎(評価対象外)−後半24分、大黒将志に替り出場− DH:17稲本潤一(評価対象外)−後半24分、福西崇史に替り出場− 【ベンチ入り】 1楢崎正剛、2茂庭照幸、12土肥洋一、4遠藤保仁、9高原直泰、13柳沢敦、21加地亮 (ページの先頭へ) |
国際親善マッチ 2006.05.30 ドイツ・レバークーゼン | ||||
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日本代表 | 2 |
0(前半)0 2(後半)2 | 2 | ドイツ代表 |
得点1:高原(後半12分)中村のフェイントから柳沢へ、スルーパスに反応した高原がGKとの1対1を制す。 得点2:高原(後半20分)右サイドで中田、中村がキープ。駒野のパスを受けた高原が個人技でDFをかわした。 |
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GK:23川口能活(6.0) セットプレーから2失点したが、いずれも彼がセービング出来るチャンスは 無かった。コーチングを彼がやっていたのだとすれば問題だが、身体能力の差 は簡単に埋めきれるものではない。出来る範囲内でベターな仕事をこなした という評価で良いと思う。この試合に限って言えば、彼の守備範囲の広さは (飛び出すプレースタイル)有効だった。 SW:5宮本恒靖(5.0) 前半は押込まれる展開ながらも最後のところで良く踏ん張ったと思う。 しかしドイツの決定力不足に救われた感もある。 「流れの中で無失点」は評価出来るが、パワープレー(セットプレー)で 相手に振り切られてしまう弱さは如何ともし難い。 セットプレーでの2失点、はね返す強さ(高さ)が無いのだから、簡単にFKを与えない 守備(ファウルをしない)が必要となる。フィジカル的に競り勝てないから ファウルを取られる! ST:19坪井慶介(5.0) 速いFWに対しては有効かも知れない彼のスピード。しかしドイツのような フィジカルの強さを前面に押し出して来るチームに、彼のプレースタイルは 不向きと感じた。ヘディングで勝てないし、ポジショニングミス(判断の遅れ) で相手攻撃陣をフリーにしたり(苦笑)。 インターセプトしたは良いが、繋ぎのパスでミスするなど落ち着きに欠ける印象も。 頑張っているのは認めるが、田中誠のような安定感は無い。 ST:22中澤佑二(5.5) アレックス裏のスペースに速い22番を入れられてから苦労が絶えなかった。 ただでさえザルの守備をカバーしなければならないのに、、。 単純に放り込まれるボールに競り負ける事なく対応出来た点は、本番に向けて 好材料。しかしセットプレーの守備でマークを外してしまう、あるいは危険な 選手に付ききれないのは課題。自分がみるべき選手を捨ててまで、というのは 難しい注文だが、彼レベルのDFなら挑戦して欲しい。 WB:21加地亮(5.5) 彼がSBなら守備オンリーになっても致し方ないレベルの相手だったと思う。 しかしWBであれば相手との力関係で自ら上がってシュバインシュタイガーを 下げさせるくらいのプレーも必要ではなかったか? 攻撃におけるリズムを掴みかけた直後の負傷退場は悔しかったろうが、 決してレギュラー安泰ではない事を感じ取って欲しい。 WB:14三都主アレサンドロ(5.0) 守備意識が高くSBの様なプレーを心がけていたようだが、要所で攻め上がる 姿勢は買い。しかし結果(得点)に繋がるような効果的なものでは無かった。 また粘ることなく簡単に危険なクロスを挙げられたり、マーキングがルーズに なる守備の甘さは、(今更どうにもならないだろうが)目を覆いたくなった。 安全第一の3バックにおけるWBなら中田浩か小野を使うべきだ。 DH:15福西崇史(7.0) バラックのコンディション不良を割り引いても競り負けないフィジカルコンタクト の強さは心強い。中田が前に出すぎなければ(つまり1ボランチでなければ)、 前半あれだけシュバインシュタイガーをフリーにする事もなかったろう。 それでも危険なところをカバーしたりと、気の利いたプレーを披露し続けた。 W杯終了後、ドイツのクラブから誘いが来てもおかしくない良い出来だった。 DH:7中田英寿(6.5) 彼のプレーは評価が分れると思う。ボランチラインから素晴らしいパスを FWに供給し、自らもゴール前に詰めた攻撃面でのプラス要素。 自由に動き回った故、(特に前半)バイタルエリアを自由に使われる結果を 招いた守備面でのマイナス要素。 彼が王様(フリーロールで周りがカバー)である事を誰もが認めているなら 別だが、「活動量に見あった結果を得られたか?」の判断は非常に難しいところだ。 TV画面からはチーム内事情が解らないので、とりあえず見た目の派手さで6.5とした。 OH:10中村俊輔(6.0) 低い位置からカウンター狙いという点では彼の思い描いた通りの展開となった。 強国相手に勝点を奪うシミュレーション、それ故のポジショニングなら、 これも有りかも?と感じた。しかしお世辞にもフィジカルが強いとは言えない彼、 自陣でボールキープ出来ないと決定的なピンチを招いてしまう。 先制点の起点となったフェイントは華麗に見えたが、リスクの高いプレーだった。 また中田が上がりすぎるから下がったのか?プレスがきつく下げられたのか?も微妙。 もっとゴール前での仕事が観たい!! FW:13柳沢敦(6.0) 中村からの優しいスルーパス。決めて下さいと言われている様なものなのに 決めきれない、、、全く持って彼らしいシュートだった(苦笑)。 しかし高原の1点目を演出したラストパスは良い意味で彼らしかった。 アシストの巧いセカンドストライカーと割り切って彼を観れば、 「動き出し」「身体の入れ方」など(試合勘を含め)悪くない出来だった。 これからは彼をOMF(攻撃的MF)と見なそうか? FW:9高原直泰(7.5) 前半は下がりすぎの印象を受けたが、チーム戦術として守備徹底だったのかな? カウンター狙いがはまり、GKとの1対1を落ち着いて制し、先制点を奪った。 中村のキープ力と柳沢のパスセンスを信頼しての飛び出しだったか? 2点目は完全な個人技。疲れの見えるバラックと、交替出場でリズムを掴んで いなかったノボトニーを手玉にとっての得点。ゴールハンターとしての 嗅覚を取り戻したか?ここで使い切ってしまったか(笑)、、前者であることを 祈る!!しかし余計なファウルで失点の原因を作った事は反省材料。 WB:3駒野友一(6.0)−前半39分、加地亮に替り出場− 加地の負傷で急遽ピッチに入った彼、リズムを掴めないままに ヤンセンと対峙し危険なクロスを挙げられた。 後半になって日本が先制、前がかりになる相手を尻目にSB裏を狙いポジション を高めに保った。中村などから良いサイドチェンジのパスをもらい仕掛ける 事が出来た。今度は彼がシュバインシュタイガー、ヤンセンを押込む番、 2点目に絡めたのは自信になったろう。 FW:16大黒将志(評価対象外)−後半33分、高原直泰に替り出場− FW:20玉田圭司(評価対象外)−後半36分、柳沢敦に替り出場− 【ベンチ入り】 1楢崎正剛、12土肥洋一、4遠藤保仁、6中田浩二、8小笠原満男、11巻誠一郎、17稲本潤一、18小野伸二 (ページの先頭へ) |
キリンカップサッカー2006(2) 2006.05.13 埼玉スタジアム2002 | ||||
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日本代表 | 0 |
0(前半)0 0(後半)0 | 0 | スコットランド代表 |
得点:なし | ||||
GK:23川口能活(6.0) 今日に限って言えば(スコアレスドロー狙いの相手)、全く危なげなかった。 しかしそれは当たり前の事であって、ある種の時間になったとき2バックの 2人を上げるコーチングがあっても良かったのでは?と思う。 GKはスイーパーも出来なければならず、価値の低い無失点試合よりも 勝点を奪う(つまりグループ突破に何が必要か?を考え)必要があった。 CB:5宮本恒靖(5.5) 彼が守備におけるファーストアタッカーになった場合、1対1の弱さが諸に 出てしまう。3バックなら幾らか軽減されるリスク(つまり彼が1対1になる) も4バックでは避けられない。ドローでいい相手が攻撃的なサッカーをしてくれる はずもなく、無失点で終えたところで全く評価に値しない。それほど難しくない 1対1の守備でファウルを取られてしまう(=FK献上)のは頂けない。 CB:22中澤佑二(6.5) ヘディングだけでなくサイド流れた相手攻撃陣にスピードでもフィジカルでも 負けず、無難に1対1のマークを行った。クロスを数回入れられても彼が中にいれば 安心感がある。課題となるのは彼はサイドに引き出された上で挙げられるクロス、 宮本と絞っている加地(または三都主)の守備では心許ない。後半立ち上がり 負傷退場したが、大事に至らず本当に良かった。 SB:21加地亮(5.5) 完全に引いて守る相手をこじ開けようと何度も縦への突破を試みた。 中の選手との兼ね合いで、前半30分過ぎから何度も起点となるクロスを挙げた。 ただその精度が高いか(相手DFの高さを考えて有効だったか)?は別問題。 遠目から放ったシュート(ポスト直撃)は素晴らしかったが、、。 スペースの無い状況で一人で仕掛けられるようになれば、もっと彼を評価出来る と思う。田中隼磨にあって彼に無いのはこの部分なのだ。 SB:14三都主アレサンドロ(5.0) 立ち上がりの時間は彼サイドを突かれピンチの連続、何とか踏ん張り切れたが、 守備の弱さは不安要素として残る。ボールを奪い返せとは言わないが、せめて 時間を稼ぎ精度の高いクロスを挙げられない様に心がけて欲しい。 スコアレスドローでいい相手は攻めてこなくなったが、彼は効果的な攻撃参加を 披露出来なかった。相変わらず球離れが遅く判断も悪い。ボールを呼び込む 積極的なフリーランも無い(溜息)。 DH:15福西崇史(5.5) 4バックにおけるサイドのカバーリングが遅い。もっと早くポジショニングを取り、 もっとタイトに守備をする必要がある。CBに高さが無い日本、出来るだけ精度 の高いクロスを挙げられない様な守備方法を取るべきだ。ボールの捌きは問題ない レベル、中央突破に対する守備はアンカーらしく無難にこなした。 悪くはない出来、、これで満足して良い選手の域は脱していると思うので、 敢て合格点(6.0)を付けなかった。 DH:18小野伸二(6.0) 彼がいわゆるレジスタの役割を担い、ほとんどの攻撃が彼を経由して始まっていた。 シーンに合わせたパス(例えばワンタッチ)を使い分けたが、自分の思い描いた 所には入れられなかった様だ。高いDFの壁を越えられない、あるいは引いて守る 相手の間を通せない。前半終了間際、シュートまでの流れは素晴らしかったが、 ゴールを決められなければ「やっぱり小野は巧いねぇ」だけで終わってしまう。 一時の絶不調からは抜けたようだが、あと1ヶ月でどこまでコンディションを 上げられるか? SH:4遠藤保仁(5.5) ファーストシュートをPA外から放ち攻撃的MFとしての意気込みを見せたが、 徐々にスペースの有るところを探し結果的にボランチラインまで下げられてしまった。 小野とポジションを何度か変えた様にも見えたが、(一部報道に有るような) 松井との競争という意味では物足りなかった。サイドに流れるFWのスペースに はいり込むプレーは良かったが、(パスの)出し手との連携はにわか仕込み。 人を使うのは上手いが使われるのは、いまひとつの印象。 SH:8小笠原満男(5.5) 良いポジショニングでボールを引き出しても、その後のイメージを持っていない。 ほとんどの場面で相手のフィジカルに負け、ボールを奪われていた。 特に前半は身体的違い(高くて強い)に対応しきれていない印象を強く受けた。 雨でスリッピーなピッチを考慮したパスが必要、この辺が中村俊輔との大きな差 となって出てしまうのだろう。立て続けに2本良いシュートを放つも、 決められないところに主役になれない(つまり控え止まり)悲哀を感じる。 FW:28玉田圭司(5.0) 彼にボールは入るがキープしきれず(トラップミスと呼べるものも有り)、奪われた ところからカウンターを喰らった。両サイドに流れたり中盤に下がったりと活動量は 多いのだが、それが全く効果的では無かった。久保とのコンビも消化不良、お互いが 何をしたのか?意思疎通レベルでの問題があった。「平常心」を悪い意味で理解 しているのでは?と思える、「闘争心」「向上心」の感じられないプレーぶりだった。 彼がドイツの地で得点を奪うシーンをどうしても思い描けない私がいる。 FW:9久保竜彦(5.0) DFライン裏を意識し飛び出しを狙うも中盤からボールが供出されない。 ポストに入っても味方にボールを落とせない(タイミングと位置が悪い)。確かに キープするのに難しいものも多かったが、試合勘の問題があるのかな?と感じた。 可能性を感じさせるヘッドも有ったが、ベストコンディションからは程遠かった。 現状では「彼を軸に」と考えるジーコの期待に応えられるとは思えない。 CB:20坪井慶介(6.0)-後半5分、中澤佑二に替わり出場- 攻撃の選手を入れ替えて形式的には得点を奪いに来たスコットランド。しかしその実、 ほぼ全員でDF前を固めて奪ったボールを1.2名の攻撃陣に託すだけという サッカー。そんな中で彼が中澤の替りに入ったとしても、評価材料が乏し過ぎる。 可もなく不可もなく、彼でなければというプレーもなかった(笑)。ただ気に なったのはロビングボールの競り合いでファウルを取られること!身長が足りない 事の証明ではないか?? FW:36巻誠一郎(5.0)-後半17分、久保竜彦に替り出場- ゴール前でのクロスオーバーの動きなど目立たないが良いプレーはあった。 しかし彼が置かれた立場を思えばゴールゲット以外の仕事で評価される事は無い。 ゴール前で大男たちに囲まれ、しかも不正確なアーリークロスだけでは、 いくら彼のヘッドが強くとも得点には結びつかないだろう。俊輔のボールを 受けさせたかったが、、、。 FW:37佐藤寿人(評価対象外)-後半28分、遠藤保仁に替り出場- 【ベンチ入り】 1楢崎正剛、12土肥洋一、2田中誠、24茂庭照幸、31駒野友一、19本山雅志、30阿部勇樹、35長谷部誠 (ページの先頭へ) |
キリンカップサッカー2006(1) 2006.05.09 大阪・長居スタジアム | ||||
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日本代表 | 1 |
0(前半)1 1(後半)1 | 2 | ブルガリア代表 |
得点1:巻(後半31)三都主のシュートを足で触りコースを変えた。 | ||||
GK:23川口能活(5.0) 危険なシーンは得点を奪われた2回だけだったが、いずれも反応出来ず。 開始1分と終了ロスタイムに、それぞれ1点奪われ勝点をゲット出来なかった。 ロスタイムのFKによる失点シーンは、まず壁(加地)への指示が拙かった。 DFとの連携が悪くボールの弾道も意外だった。そして誰も触れないとは想像 しなかった。しかしこれは不運な事故ではなく、危機管理力(想像力)と集中力の 欠如がもたらしたものと猛省すべきだ。 SW→CB:5宮本恒靖(5.0) 彼を代表スタメンで使う場合、求めるのはカバーリングとラインコントロール、 そしてビルドアップ能力であろう。 何気なく出した縦パスを奪われ速攻を喰うシーンが幾度か観られた。 またセットプレーでの失点は必ずしも彼の責任とは言えないが、 キャプテンマークを巻くリーダーとして危機を未然に察知するコーチングを 見せて欲しかった。最初と最後にやられるのは、技術や戦術論以前の問題と思う。 ST:2田中誠(6.0) 彼サイドを得意とするM・ペトロフに対し、(親善試合にしては)厳しいチェック を行った。ペトロフが中に絞ったり、逆サイドに流れたりしたのは S・ペトロフ不在も関係しているだろうが、彼の守備が効いていたからだと思う。 4バック移行時に必ず外されるが、今季磐田で慣れている分、 宮本よりも彼を残した方がいいのでは?と感じた。 ST→CB:22中澤佑二(5.5) 緊張感に欠ける試合の入り方だった。 精度の高いサイドチェンジパス、彼はM・ペトロフのプレースタイルを知らない のかな?と(苦笑)。怠慢と言っても良い緩い守備で簡単にシュートまで持って 行かれ、先制点を献上した。 始まりと終わり以外は大した攻めを受けなかったので評価は難しいが、 決して合格点をつけていい出来ではなかったと思う。 WB→SB:21加地亮(5.5) 相手のサイド攻撃をケアするために守備的なプレーを心がけたのか? 怪我をするリスクを出来るだけ減らす為に突破しなかったのか?判断に苦しむ。 逆サイドとのバランスを取ったと言えばそうかもしれないが、 攻撃参加も無理せずCK狙いに見えた。1点ビハインドの状態が続き、 可もなく不可もなくではチームの為にならないはず。WBはもっとアグレッシブな 自分からボールを要求するくらいの気持ちが欲しい。 WB:25村井慎二(6.0) いきなり彼の後ろを付かれ失点したが、その後攻撃の起点としてよく機能した。 前半終了直前に負傷退場する迄は彼が(日本代表で)最も輝いていた選手と思う。 WB裏はフォーメーション的に必ず弱点となるわけだから、それを補って 余りある攻撃力を示すことが出来れば合格点なのだ。色んな種類のクロスを 正確に挙げられる彼は(セットプレーも含め)貴重な存在なのだが、、、。 DH:15福西崇史(6.0) 中盤でバランスを取りながらも遠藤、阿部との関係を流動的にしてタイミング良い 攻め上がりを見せた。DF裏を一発で狙ったミドルパスや、ラインぎりぎりのところ に捌いたチェンジサイドのパスなど非常に良かった。彼がいたから村井は高い位置を キープできたのだと思う。ゴール前でシュートを打てたはずがパスを選択、 アピールしなくても自分は大丈夫という消極性か?より可能性の高いプレーをと 考えたか?早期交替は彼の能力はテスト段階を卒業している事の表れと思う。 DH:30阿部勇樹(5.5) タイミングの良い攻撃参加を見せFWが開いた後のエリアに入ってきた。 玉田からボールを受けてのミドルシュート(枠内に入っていた)などは、彼の キック力を証明するものと言って良い。 しかし相手中盤のキーマンを見切れずに失点に繋がる守備のミスを犯した。 彼がボランチであることを考慮すれば、どんなに良い攻撃参加よりも、まず守備貢献 がアピールポイントなのだと思う。「イマイチ」の評価が妥当かな? OH→DH:4遠藤保仁(5.5) 2列目からゴール前に飛び込む姿は好印象。しかし巻、玉田の動きだしを 意識しても、思うようなパスを供出するには至らなかった。 時間的、空間的に余裕の無いところで正確なプレーを要求されるポジションは、 昨日今日やれと言われて出来るものでもないだろう。 4バックに変更となってDHに戻ったが、今日の試合結果を受けて彼が23人枠 から落選するようであれば可哀想な気がする。 FW:28玉田圭司(6.0) (得点という)結果は欲しかったが、縦横無尽に走り回り身体のキレは戻っている のかな?と感じた。ただ肝心なところでシュートを決められない嗅覚不足に唖然、 ジーコ監督が目標を達成したいなら彼の(FW登録での)23人枠入りに私は 賛成出来ない。松井(ルマン)や本山(鹿島)と比較してチャンスメーカー的 な使われ方なら多少光明が見えてくるか?(苦笑)。それにしても終盤スタミナ切れ! FW:36巻誠一郎(6.5) ゴールに近いエリアに居続け、相手DFと激しいボディコンタクトを繰り返す。 ポストとしてだけでなくサイドからのクロスに身体を預けて競り勝てる強さは逞しい。 そして相手が深い位置でボールを回せば、すかさずチェックに入る。 まさに献身的な日本人FWらしい動きを見せた。 得点を奪うまでは、必ずしも満足行く内容ではなかったが、 それでも何かをやってくれる期待感(特に頭!)をこちらに抱かせた。 WB→SB:14三都主アレサンドロ(5.5)-前半44分、村井慎二に替り出場- システムが4バックになる前から3バック横(自分の裏スペース)を気にしていた。 何で戻っているの?そこからじゃ攻撃に絡めないよ!という場面でも、彼は しっかり中に絞って守備を行った。縦に突破して無理な体勢からクロスを挙げる、 というプレーは怪我のリスクがある。よってシュートを第一に選んで、、という 印象すらあった。巻の得点を演出できたのは彼にとってラッキーだった。 SH:18小野伸二(6.0)-後半16分、福西崇史に替り出場- 途中交替で彼が中盤の上がり目に入ってから、ボールと選手が見違える様に 動き始めた。シンプルに捌く場面、ボールをキープしサイドの上がりを待つ場面、 攻撃にバリエーションを加えた。自らドリブルでDFを引きつけ放ったミドル シュートは惜しかったし、玉田に出したベルベットパスも見事だった。 SH:8小笠原満男(5.5)-後半16分、田中誠に替り出場- トップ下でボールを引き出す動きを何度か見せるも、キープする前に奪われ カウンターを喰らった。Jリーグから中1日での試合は体調面で難しいと思うが、 それでも存在感を示すのが真の司令塔だ。プレスの掛からない下がり目の、しかも タッチライン付近からDF裏を狙うロビングパスを佐藤に出しただけでは、、。 23人枠入りは確実だが、今日の内容では俊輔とヒデがいる限りW杯スタメン出場 は極めて厳しい。 FW:37佐藤寿人(評価対象外)-後半32分、巻誠一郎に替り出場- DH:35長谷部誠(評価対象外)-後半36分、阿部勇樹に替り出場- 【ベンチ入り】 1楢崎正剛、12土肥洋一、20坪井慶介、24茂庭照幸、31駒野友一、19本山雅志、9久保竜彦 (ページの先頭へ) |
キリンチャレンジカップ2006 2006.03.30 大分・九州石油ドーム | ||||
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日本代表 | 1 |
0(前半)0 1(後半)0 | 0 | エクアドル代表 |
得点1:佐藤寿(後半40)左足←三都主のクロスボール(ニアサイドで合わせ流し込む) | ||||
GK:23川口能活(6.0) クロスバーに救われたシュート(彼は触っていたと思う)が1本あったくらいで、 プレー機会は著しく少なかった。このような試合でGKを採点すべきか? 悩むが、減点要素も特にないので平均(とりあえずの合格)点を付けておこう。 SW:5宮本恒靖(6.0) 焦って出したパスを相手に奪われるミスはあったが、概ね安定感のある守備統率 をみせた。相手FWの力量不足、強いわけでも速いわけでもない、高いだけ(苦笑)。 そんなチームが繋ぐ戦術を取ってきたのだから(しかも得点を奪う貪欲さも感じ られない-苦笑)全く怖くなかった。今日の無失点で守備の修正が出来たと考える べきではない。 ST:20坪井慶介(6.0) 無失点に抑えたのだから可もなく不可もなくと言っていいのか?迷うところ。 ライン裏を取られないよう気を配っていたらしいが、そんなチャレンジのパス などあったかな?と記憶を探る、、。彼が恐れを抱くようなFW陣ではなかった。 宮本任せのビルドアップからそろそろ卒業したいし、守備の数が余っているな ら攻撃に参加すべきだった。消極的すぎる、、レギュラーへのアピールが出来た とは思えない。 ST:22中澤佑二(6.0) パワープレーに徹する訳でもないエクアドル、 たまにFWに当ててくるボールは彼が全てはじき返した。 三都主裏のスペースを付かれたらどうする?というブラジル・シシーニョ (カフーかも?)対策はレベルの低い相手故、試される機会が無かった。 数回あったセットプレーでの得点チャンス、彼のヘッドにキッカーのボールは 合っていなかった。減点材料がない故の6.0評価。 WB:21加地亮(5.5) 後半は少し持ち直したが、前半全く攻撃を仕掛けられなかった。4-4-2を相手に する場合、2人を抜けないと突破出来ないが、その辺が原因だったか? 相手の足が止まってから縦に飛び出すプレーを見せ始めたが、今回は SBでなかったのだから、(WBとしては)やはり物足りない。 中の選手(特に小野)とのコンビネーションも良くなかった。 WB:14三都主アレサンドロ(6.5) 全く攻めてこない(つまり裏を獲られる不安が無い中で)相手であれば、 今日の様なアグレッシブなサッカーを披露出来る。これは分かり切っていたこと、 今更、彼の突破力、仕掛けを称賛しても意味がない。とは言っても、 佐藤寿人の要求通り(1回目のクロスは失敗したが)ニアへ速いクロスを 入れたキック精度は見事。所属クラブでの好調を維持しているようだ、、、ただ 本番ではあり得ないシチュエーション(相手が弱すぎる)であることを 忘れるべきではない。 DH:15福西崇史(6.0) 主に1ボランチ、アンカーの様な役回りを忠実にこなしていた。前後半で 1.2回ずつあったか?攻撃参加、、小野を攻撃的にという気持ちがTV画面 からも伝わってきた。2人の守備バランスは黒子に徹した彼の貢献で合格点を付 けられる。一方攻撃面では、調子の上がらない小野に代って彼がゴール前まで 上がってもよかったのでは?と思う。いつも下がってバランスを取るだけでは、 相手も守りやすいというものだ。 DH:18小野伸二(5.0) 誰もが指摘する事だろうが、イマジネーションと実際のプレーに誤差が生じて いた。視野は広く、フィールド全体が見えているのだが、自分の思ったところ にパスを出せない。相手の足が伸びてきて、、と、見えるシーンも、実はパス スピードの問題だったり、コースが悪かったりだった。ボールを持たない フリーランニングもこなしたが、気持ちと裏腹、悩みは増すばかりと言ったところか? 所属クラブで試合勘を取り戻さなければ、一部欧州組が戻ってくるキリン杯での スタメン出場は難しいだろう。 OH:8小笠原満男(6.0) FWを追い越してボールを受けるシーン(実際にはGKにボールが渡った)は1度 だけだったか?玉田がOHの様な位置でチャンスメークをしていた事もあって、 彼は更に下のポジションで配球する役回りが多かった。上手い囲い込みでボール を奪ったまでは良いが、その後の判断の遅さから再び奪われた(落ち着きがない)。 コートの半分しか使えないのも課題、つまりチェンジサイドで相手守備陣を惑わす パスが欲しかった。得点の起点(三都主にスルーパスを出した)となり決して 悪い出来ではなかったが、俊輔を凌駕するに至らず。 FW:28玉田圭司(5.5) 思っていたよりも身体にキレが戻っており、チャンスメークという面においては 合格点を付けていい出来だった。しかし彼はFWとして召集されている訳であり、 得点を奪えなければ評価されないポジションのはず。OMFである松井や本山と争う 選手であれば話は違ってくるが、FW佐藤寿人が結果を残したことで立場は危うく なった。いくらボールが欲しいと言っても中盤深い位置まで下がってくるようでは、 FWとしての仕事を全う出来ないだろう。 FW:9久保竜彦(5.0) 得点チャンスが無かった訳ではないが、それがことごとく逆足(利き足ではない 右足)に来てしまった。特に序盤の決定機を決めていれば、彼自身も乗っていけ たろうし、チームにも「やれるぞ!」という機運が高まった事と思う。 ジーコ監督の厚い信頼を受け、23人枠入りは間違いないと思われるが、 絶対的なエースとしてファンを納得させる迄にはいたっていない。 腰痛という爆弾も抱える彼に、「ドイツW杯、日本のエース」という重い負担を 強いるべきなのか?難しいところだ。 FW:37佐藤寿人(評価対象外)−後半32分、久保竜彦に替わり出場− プレー時間が短い為、数値評価はしない。しかし得点嗅覚は大黒(グルノーブル)に 優るとも劣らないレベルにある。特にクロスを受ける場面でニアサイドに入り込む スピードと(相手DFとの)駆け引きに長けている。 彼の得点でジーコ監督は多方面からの非難を免れるだろう。 FW:36巻誠一郎(評価対象外)−後半32分、玉田圭司に替わり出場− 【ベンチ入り】 1楢崎正剛、12土肥洋一、2田中誠、24茂庭照幸、25村井慎二、31駒野友一、 30阿部勇樹、35長谷部誠 (ページの先頭へ) |
W杯強化親善試合(欧州遠征) 2006.02.28 ドイツ・ドルトムント | ||||
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日本代表 | 2 |
1(前半)0 1(後半)2 | 2 | ボスニア・ヘルツェゴビナ代表 |
得点1:高原(前半45)ヘッド←中村の左CK 得点2:中田英(後半50)ヘッド←右サイドから中村のセンタリング |
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GK:23川口能活(4.0) (楢崎が負傷中で)事実上彼しかGKはいないのだから、 もっと安定感のあるプレーを心がけたいところ。ぬかるんだピッチ、 降り注ぐ雪、雨、、ボールが滑る事は十分に想定出来たはず。 PKを止める神懸かったプレーは必要ない、当たり前のセービングを 問題なくこなすことが正GKには必要だ。 CB:5宮本恒靖(4.5) 三都主のあまりに揺い守備(簡単にクロスを挙げられる)に業を煮やしたか? 積極的にサポートに入るも、相手のスキルが一枚上。子供扱いされて 何本も危険なセンタリングを挙げられた。出たからには潰さないと!! 中で守っても高さ不足でかぶってみたり、、彼を使うのは3バックの中央で、 という限定付で願いたい。 CB:22中澤佑二(4.0) 単純に放り込まれるボールに対して競り合う分には、彼の高さと 強さは有効だった(アジアでのプレーの様に絶対的ではないが)。 しかしサイドに引き出された後での駆けっこ(スピード勝負)では、 厳しいものがあった。 PKを与えたシーンも後ろから追ってしまった時点でアウト。 決して彼の足が遅いとは思わないが、単純なワンツーに騙されてしまった。 SB:21加地亮(4.5) 中に絞って必至の守備(特にヘディングで競り合うなど)を見せたが、 1対1で勝てるだけの守備力を持ち合わせていない。押込まれる展開に 持ち前の攻撃力で押し返すといった机上の論理は通用しなかった。 WBでなら何とか観ていられるが、SBでの彼は周囲の負担になるばかりだ。 SB:14三都主アレサンドロ(4.0) 3トップ気味にスペースに流れて起点を作る相手に、どう対処するのか? 彼の守備がザルである事は今に始まった事ではない。中田浩二を使うのも 手か?と思うが、指揮官の三都主に対する信頼は厚い。 W杯本戦で彼の裏スペースが致命的な弱点となる事をヒディング豪州監督や クロアチアの監督が見破れないはずが無い。 DH:15福西崇史(5.5) 前半は浅いDFラインとの連携を意識し上手くバランスを取った。 しかし後半に入り相手の時間が続いたとき、宮本らが下がり過ぎ (逆に中田などは前からプレスをかけた)バイタルエリアを見切れなくなった。 俊輔が下がり対応に追われるも、選手間で意思疎通が出来ない様だった。 身体の強い彼がボランチの第一候補だが、コンビを組む選手に指示を出せるか? も問題になってくる。 DH:7中田英寿(6.5) ぬかるんだピッチを考慮してか?中盤の底から繰り出すサイドチェンジの ロングボールは正確無比で効果的だった。 前半は第2ボランチとして攻守ともに悪くないプレーぶり。 しかし後半押込まれた際の対応はまずかった。闇雲にプレスを掛ければ いいというものでもあるまい。ポジションが前過ぎたのだと思う。 選手交代で攻撃的MFにあがり不具合は解消された。そしてそれが ロスタイムの同点弾につながった。 SH:8小笠原満男(5.0) PA付近からドリブルで相手をかわしシュートを放ったシーンだけが印象的。 ボールを受けてから次の展開を考えているかの様な判断の遅さは、 プレスを掛けられるに十分な時間的余裕を相手に与えた。 ゴール前で細かい事をするのに有効なピッチ状態では無かったと思うが? 彼はアピールの方法を間違えている様にすら感じた。 SH:10中村俊輔(6.5) 小雪舞い散る緩いピッチは、テクニシャンの彼に不利だった。 フィジカルコンディション(体調)があまり良くなかった為か? いつもほど彼にボールは集まらなかった。 しかし伝家の宝刀というべきか、高いキック精度は一瞬にして状況を変えた。 身体にキレがなくとも視野の広さと判断の速さ、イマジネーションを実現 させる高いスキルがあれば闘える!ただ見えすぎる(戦術眼に長けている) 事が守備での混乱に拍車を掛ける可能性有り。 FW:9久保竜彦(5.0) 今日の彼はオフサイドコレクター。自身がDFラインを抜け出すタイミングと ボールが出るタイミングが微妙に合っていなかった。動き自体は悪くないのだが、 中盤とのコンビネーションの問題か?完全なターゲットマンでは無いが、 もう少しボールの預けどころとして機能しないと厳しい。 FW:32高原直泰(6.0) 前半終了間際のヘディングによる先制点は見事だった。どういう形であれ、 FWが得点に絡む事は評価出来る。ただ流れの中で彼の存在がチームに有益で あったか?と問われると、答えに詰まる。久保との役割分担がハッキリしておらず、 センターで身体を張ってファウルを奪う貪欲なプレーも観たかった。 サイドに流れるプレーが巧いのは解っているから、、(笑) DH:18小野伸二(評価対象外)−後半25分、小笠原満男に替わり出場− DH:29稲本潤一(評価対象外)−後半25分、福西崇史に替わり出場− FW:13柳沢敦(評価対象外)−後半26分、久保竜彦に替わり出場− FW:16大黒将志(評価対象外)−後半38分、高原直泰に替わり出場− 【ベンチ入り】 41下田崇、42都築龍太、2田中誠、6中田浩二、20坪井慶介、24茂庭照幸、31駒野友一、4遠藤保仁、34松井大輔 (ページの先頭へ) |
アジアカップ2007最終予選(1) 2006.02.22 横浜・日産スタジアム | ||||
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日本代表 | 6 |
1(前半)0 5(後半)0 | 0 | インド代表 |
得点1:小野(前半32)相手DFのクリアミスを拾い足で押込む 得点2:巻(後半13)長谷部のシュートが腹部にあたり、そのままゴール(ラッキー!) 得点3:福西(後半23)ヘッド←右CK三都主 得点4:久保(後半34)佐藤とのワンツーで抜けだしループシュート 得点5:佐藤(後半38)加地のパスを呼び込んで左足で流し込む 得点6:久保(後半48)小笠原がPA内でキープしセンターにパス、福西スルー後、落ちついて左足シュート。 |
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GK:23川口能活(6.0) ゴールキーパーに必要な要素は「経験」と「存在感」だろう。 この試合で、それを示す事はなく、本来なら採点すべきではないのかも? と感じた。勿論彼のプレーには何の問題もないが、、。 CB:5宮本恒靖(6.0) 今日の試合なら高校生でも彼のポジションに入れる。と言っては言い過ぎ だろうか?守備面で何をしなければ、、ということもなく、 かといってバランスを崩してまで彼が攻撃参加する必要もなく(苦笑)。 CB:22中澤佑二(6.0) たまにやってくるロングボールも彼の高さを持ってすれば何の問題も無かった。 前半はビルドアップでのミスパスがあったが、後半持ち直した。 そして終盤は(宮本が交代し)DFリーダーとしての役割も担った。 ただテストになったか?は微妙。 SB:21加地亮(6.0) フリーランを含め上下運動は悪くなかったし、(中の選手とのコンビを高める 必要はあるが)クロス精度そのものも向上している。しかし課題はクサビの 入れ方と守備、気の抜けたリスキーなプレー(PA内でボールをバウンド等)が 度々観られた。 SB:14三都主アレサンドロ(6.0) 全く裏を取られる心配が無い中で、まずまずの攻撃参加を見せた。 ほとんどが小笠原との関係で築かれたものだが、欲を言えばクロスボールの 性質を変化させて欲しい。中に詰めるのが久保と他の選手では違うと思うのだが? DH:15福西崇史(6.0) 黒子役に徹する必要もない相手だったが、(攻撃的な)小野とのバランスを とり守備重視のプレースタイルを貫いた。縦に入れるボールが 不正確だったのがマイナスポイント。セットプレーで得点したのがプラスポイント。 DH:18小野伸二(6.0) レジスタとしてゲームをコントロールしたかったようだが?丁寧にキープする 場面とDF裏を狙いロングボールを入れる場面を区別していた。 (攻撃面における)第3の動きがラッキーな100得点目を生んだが、強国に対して 同じプレーが出来るか?が問題だ。DHとしては遅れて入る守備と、それがまた 緩すぎるのが気になる。 SH:35長谷部誠(6.5) 中央でドリブル突破を計ったかと思えば、サイドに流れボールをキープ。 なかなか精度の高いクロスボールを供出した。司令塔としてのパス選択も豊富で 正確。なにしろ自分の色(特徴)を出し切ろうという思いが画面から伝わってきた。 巻の得点は90%彼の、、と言って良いだろう。 SH:8小笠原満男(6.0) 敢て難しいプレーを?と思えるほど、可能性の低いパスを選択し続けた。 このレベルの相手なら問題無いが、もう少し緩急をつけるなりのメリハリが必要だ。 自分で得点出来るシーンでは確実に決めましょう! FW:9久保竜彦(6.5) 2得点決めた結果(数字)だけを評価し6.5を付ける。しかし前半から 幾度もあったゴールチャンスを外しまくり、周囲のお膳立てでようやくという印象。 90分フル出場した事を喜んでいる場合ではない、全く守備しなくとも良かったのだから 疲労も半分以下だったろう(苦笑)。 FW:36巻誠一郎(6.0) サイドからのクロスボールに合わせるタイミングが悪かった(一歩遅れた)。 ポストやら飛び出しなどFWらしいプレーを一通りこなしたが、久保とのコンビは イマヒトツの印象だった。ラッキーなゴールが無ければ落第点を付けたろう。 CB:24茂庭照幸(評価対象外)−後半27分、宮本恒靖に替わり出場− DH:4遠藤保仁(評価対象外)−後半27分、小野伸二に替わり出場− FW:37佐藤寿人(評価対象外)−後半31分、巻誠一郎に替わり出場− 【ベンチ入り】 41下田崇、2田中誠、25村井慎二、31駒野友一、19本山雅志、30阿部勇樹 (ページの先頭へ) |
キリンチャレンジカップ2006 2006.02.18 静岡スタジアム | ||||
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日本代表 | 2 |
0(前半)0 2(後半)0 | 0 | フィンランド代表 |
得点1:久保(後半3)足←加地のスローイングを受けた小笠原からのセンタリング 得点2:小笠原(後半12)自陣から相手ゴールキーパーの頭越しに超ロングシュート |
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GK:23川口能活(6.0) 評価するに値しない試合。彼でなければ、、というシーンは皆無だった。 コーチング等の出来不出来をTV観戦で評価する事は不可能、ただDFラインとの コンビネーションが著しく悪いとか(または良い)は無かったと思う。 可もなく不可もなくの6.0? SW:5宮本恒靖(6.0) フィンランド代表は仮想オーストラリアに成り得たか?ライン裏への 速い球出しも、高さを前面に押し出したパワープレーも受けなかった。 セットプレー以外でゴール前で危ないシーンを作られず、非常に組みしやすい 相手だったと言えよう。今回、大量失点すればDFリーダーとして ジーコ監督の信頼が揺らいだかもしれない。(彼も)ホッとしているか? ST:20坪井慶介(6.5) 日本の中盤が相手を自由にさせなかった事で、想定されたロングボールでの 競り合いというシーンは観られなかった。明らかに裏を取られそうな 場面で、彼の「読み」と「スピード」(特に後者)が優りカバーしてしまった事 は評価すべきかも?久しぶりのスタメンで緊張感があったろうし、 浦和での海外合宿の疲れもあっただろう。しかし全体的に観れば悪くない 出来と評価する。 ST:22中澤佑二(6.5) ラインが高く設定されていたこともあってか?村井の裏を(攻守両面で) 上手くケア出来た。そして課題だったビルドアップも、FWを走らせる 絶妙なパスで克服しつつある。深い位置からの組み立てでは、まだ不満 も残る(単純なパスミスがある)が、概ね合格点を付けて良いのでは?と思う。 守備面で彼を評価するレベルの相手ではなかった。 WB:21加地亮(6.5) 中央の選手が溜を作ってくれたこともあり、かなり高い位置から攻撃&守備を 始めることが出来た。相手DFの高さを考慮し、低いクロスを入れていたものと 推察するが、村井の精度と比較するとイマヒトツ物足りない。 ただ中に絞ってシュート!の選択肢も加わり、勝負する気持ちの強さが見える ようになった。格上(もしくは同レベル)の相手にも出来るか?それを試す機会 は5月のドイツ戦までない(苦笑)。 WB:25村井慎二(6.5) 常に高い位置をキープし左サイドの主導権を握った。 クロス精度も何度か供出する間に彼本来のレベルに達し、中に詰める選手が うまく合わせれば1点と言う素晴らしいパフォーマンスを見せた。 そして何より驚いたのは守備での粘り。プレッシングが速い為に裏を取られず、 中澤がフォローに入る時間も稼いだ。相手のレベルを考えれば 早計だが、この出来なら(三都主より)使えるのでは?と可能性を感じた。 DH:15福西崇史(6.0) 米国戦と比較すれば相手への寄せも格段に早く厳しくなり、攻撃の起点を 潰していた様に見えた。しかし強引に突破してくる選手がいたわけではなく、 サイドの対応に回らなければ、という状況でもなかった。 自信を取り戻すには格好の試合となったが、加点材料は見つからない。 それにしても横パスにおけるミスが気になる(気が抜けたプレー)、さて彼に (中田英、稲本の召集で)ボスニアヘルツェゴビナ戦での出場機会はあるか? 今日の試合だけで米国戦の(低い)評価を覆す事は出来ないだろう。 DH:18小野伸二(6.5) ほとんどの攻撃は彼を起点に始まっていた。FWへの長いスルーパスや両WBを 走らせるチェンジサイドパス、前方に視野が開ける下がり目ポジションが彼には 合っている様だ。活動量、ボールタッチ数が多く、ゲームを作っていたのは 紛れもなく彼と言って良いだろう。ただ相手(のレベル)が問題であり、 今日の出来をそのまま中田英寿や遠藤保仁へのアドバンテージと考えるのには 無理がある。国内組の強み(多く試合を経験出来る)をどこまで活かせるか? OH:8小笠原満男(7.0) ハーフウェイラインより前からの超ロングシュート。相手GKが前に出ていた 事で一応は狙っていたかもしれない、が、実際に入るとは(彼自身)思って いなかっただろう。 終わってみれば彼の2点目が非常に重要だった。それがラッキーとも言える得点 だった事に、この試合の印象が凝縮されている。久保の得点をアシストし、 得点も挙げたのだから数字上は大活躍。この試合のMVPを選ぶとすれば彼 になるだろう。しかし俊輔とヒデが加わったチームでもレギュラー!、とまでの アピール(存在感)になったか?は微妙。 FW:9久保竜彦(6.5) 得点を決めたシーンもさることながら、流れの中でパサーの目にとまる位置に 必ずいる事が素晴らしい。特に「らしさ」を感じたのは、小野のスルーパスに 抜け出して打ったシュート。右足だった事、GKの守備範囲内に飛んだことで 得点にはならなかったが、非常に美しい(かつ頼もしい)プレーだった。 2トップだった(必ずしも中に居続ける必要がない、動ける範囲が広い)事も 彼のスタイルにあっていたか?そして何よりも後半40分までプレー出来たことが 最も大きな収穫と言える。 FW:36巻誠一郎(6.0) クロス(DFからのフィードも含み)に対する身体の入れ方が良いので、 体格に優る相手に勝つことが出来る。また久保との関係を気にしつつ、割と近い 位置でフォローするセカンドストライカー的な仕事も器用にこなした。 184センチという身長から想像出来ないほどに裏を取るスピードや、前線から ボールを追う身軽さを持っている。(ジェフで培われた)運動量の 多さもまた魅力的だ。彼は鈴木(レッドスター)の競争相手として、もしかしたら 取って代わる存在としてジーコ監督の頭にインプットされたか(?)。 WB:14三都主アレサンドロ(評価対象外)−後半27分、村井慎二に替わり出場− FW:37佐藤寿人(評価対象外)−後半27分、巻誠一郎に替わり出場− WB:31駒野友一(評価対象外)−後半31分、加地亮に替わり出場− OH:19本山雅志(評価対象外)−後半40分、久保竜彦に替わり出場− 【ベンチ入り】 41下田崇、42都築龍太、2田中誠、24茂庭照幸、4遠藤保仁、30阿部勇樹、35長谷部誠 (ページの先頭へ) |
W杯強化親善試合(米国遠征) 2006.02.10 サンフランシスコ・SBCパーク | ||||
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日本代表 | 2 |
0(前半)2 2(後半)1 | 3 | USA代表 |
得点1:巻(後半15)ヘディング←加地の右サイド突破からのクロス 得点2:中澤(後半47)足←小笠原の右CK |
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GK:23川口能活(6.0) シュートの雨あられ、枠内に飛んできたモノも多く、彼のセービング無しでは先日 米国に大敗したノルウェーの二の舞を演ずることになったかもしれない。 CKなどのセットプレー時、誰がどの選手につくのか?コーチングするのは彼だと 思うが、コーチングが役に立たないほど米国選手とのフィジカルコンディション に差があった。後半米国が流してくれなかったら(ちょっと疲れ気味?)何点奪われて いただろうか?しかし3失点ともGKとしては防ぎようのないレベル、彼自身のプレーを 採点するなら、ギリギリ合格点でいいのではと思う。 SW→CB:5宮本恒靖(5.0) 持ち前の読みの鋭さ(?)もアーリークロス主体の攻撃にあっては発揮しようもない。 しかし2点目は完全に陣形を崩されての失点、彼のポジショニングにも問題が 有った(中途半端に前に出てカバーリング出来る位置取りではなかった)。 守備時に自陣深くまで押込まれるのは仕方ない、しかし攻撃に転じた時に きっちりライン統率を計らない故、中盤の選手はセカンドボールを取りに行けない。 それが前半、波状攻撃を受けた原因のひとつだろう。 彼の高さ不足を指摘するのは、同じ部分を何度も演奏する「壊れたレコード」の様で、 もう勘弁して欲しい。 ST:2田中誠(4.5) アメリカ代表はゴールライン際まで抉らずアーリークロスを入れてきた為、センターの 選手には高さと強さが必要だった。体格に劣る彼が中央で、しかも数的不利の状況を 作られては厳しい。仮想オーストラリアとしてのアメリカだけに、彼をストッパーで 使う危険性をジーコ監督が気づくキッカケとなれば、このテストマッチも 無駄ではなかったと言えるが、、(まぁ無理だろう-苦笑-)。セットプレーでマークを 外してしまう悪癖も修正されていない、、。 4バックにシステム変更する際に替えられるのは彼、坪井では大差無いと思うが、 茂庭を使えば若干(人に対して)強くなるのではないか? ST→CB:22中澤佑二(5.5) 終盤ロスタイムに入り、小笠原のCKに合わせ得点を奪った。 残りわずかな時間帯、セットプレーで強さを見せた事はチームにとっても 彼にとっても今後に繋がるだろう。しかしその反面、守備で意外な脆さを露呈した。 悪いピッチに足を取られたのは日本人選手だけではない、相手も同じ条件でプレー していたはず。スキルフルな選手に中央を突破され、宮本共々対応が遅れ2点目を 許した。3失点目はトウェルマンに引っ張られたファウル(正当なレフェリングなら) だから問題ないが、アウェイだとあれが認められる怖さも知ったはず。 またビルドアップが全く改善されておらず、簡単に相手ボールとしてしまった。 DFではアンタッチャブルな存在になりつつある彼も、 W杯本番に向け世界基準の守備能力とフィードの正確性が求められる。 WB→SB:21加地亮(5.5) 皮肉にもSBに下がってから縦への突破が機能し始めた。中盤にサイドハーフの選手が いたり、2トップのひとり(この試合では佐藤寿人)が流れてくる中でこそ、彼の 攻撃参加が武器になる。前半は前に行きたくとも行けず、後ろに下がって守備する 暇もなくアーリークロスを挙げられた。巻の得点をアシストしたクロスボールは見事 だった。しかしスライディングしてタッチを割らせなかったボールを、あっさり奪 われ決定機を作られるなど、稚拙な守備と相殺し5.5評価が妥当と思う。 WB→SB:14三都主アレサンドロ(4.5) シンプルに行くべき所で持ちすぎてボールを奪われる。溜を作って周囲のフォローを 待つべきところで意図の感じられないパスを出す。いつもの彼と同じ印象を今日も又 受けた。ドノバンはシドニー五輪の頃と比較にならぬほど成長していたが、 仮にも代表にDFとして選出されている選手が、単純なフェイクで簡単に抜かれて 良いはずがない。彼の存在がボランチと中澤(4バックでは宮本)の負担を大きくし ている。1試合に1度ビッグチャンスを作るが、3度は危険なシーンを作る(苦笑)。 DH:15福西崇史(4.5) ベンチから相手10番ドノバンへのマークを厳しく、という指示は出なかったの だろうか?攻撃の起点を潰しにいかなければ、中盤の主導権争いで後手を踏む。 それがただでさえ弱いDFラインへの負担として大きくのしかかる。加地サイドを ケアしようと思えば中央をドノバンにやられる、、彼にとっては悪循環だったろう。 これではクロアチアやオーストラリアの司令塔にも良いようにアシラワレルか? 中盤底でアンカーになれなければ、稲本とのレギュラー争いに勝てない。 ジーコが後半立ち上がりで(彼ではなく)遠藤を替えたのは、彼に守備での強さを 求めている為ではないか?(深読みしすぎ?) DH:4遠藤保仁(4.5) 守備に忙殺され(しかも付キレテイナイ)、2シャドーのフォローを行う (第3の動き)までには程遠い内容だった。アメリカの2軍を舐めてかかったのか? 彼のコンディションが悪すぎたのか?TV画面からは伝わってこなかった。 しかし攻守ともに中途半端な印象を残し前半で退いた。サブ組が結果を残し、 海外組も加わる中で、彼の存在価値が問われる次戦(VSフィンランド代表)に なりそうだ。もっと自分たちのペースでパスを繋ぐ必要がある、スキルが無いの ではない。やろうとする意志がなかったのだと思う。 OH→DH:18小野伸二(5.0) 2シャドーのポジションでは前線から強いプレッシングを掛けるべきだが、 単に下がって後追い守備をするだけ。これではDHの選手が単に前にいただけだ(笑)。 本来はOHの選手だと思うが、フェイエノールトでのレジスタ(と書けば聞こえは良い が)の役回りが時間とスペースの無い中での判断スピードを鈍らせてしまったか? 後半下がり目になってから、ようやく攻撃の起点となる「気の利いた」プレーを 披露した。しかし前半FW久保を孤立させてしまった事で彼のOHとしてのテスト 1試合目は不合格に終わった。 OH→SH:8小笠原満男(5.0) 最も今回の3-6-1フォーメーションに慣れている(経験者)はずの彼だが、小野との コンビネーションはおろかFW久保に良質のパスを出す事も、FWを追い越すシャドー の動きも見られなかった。中盤で唯一のフル出場だが、ジーコはどういう基準で 彼を最後までピッチに残したのだろうか?止まっているボールは正確に蹴られても、 流れの中では受け手の意図と大分かけ離れたパスを出していた。今年初戦で コンディションが整わなかったというエクスキューズでいいのか? FW:9久保竜彦(4.0) 彼自身のコンディションも良くなかったと思うが(なにせ前線でボールを追い かけない)、2列目以降の選手たちがボールをキープできず孤立してしまった。 腰が気になってチェックできないのか?1トップ故に動きすぎない方がいいと 判断したのか?は不明。しかしもう少し運動量が無いと、いくら身体能力の高い彼でも 大男たちに囲まれて仕事は出来ない。最初のシュートチャンスにタイミングが 合わず打てなかった事が悔やまれる。あれを決めていれば(タラレバは ナンセンスと知りつつ敢て書くが)完全復活に近づいていたかもしれない。 現状ではジーコの期待と裏腹に、平山待望論が周囲から噴出するだろう。 1トップでシュート0は、どんな言い訳も出来ない! FW:16巻誠一郎(6.5)−後半00分、遠藤保仁に替わり出場− アウトサイドからのクロスに身体ごと突っ込み上手く合わせ得点を奪った。 彼に求められるターゲットとなる高さを十分にアピールする事が出来たのでは? と思う。また長身の割に俊敏で、前線からのチェックも厳しく行う。疲れが見え始めた 相手選手にとっては嫌なFWだったろう。自分がジーコの考えるFW陣の中で 最後方の選択肢であることを良く理解しており、スタメン組とは違った モチベーションでプレーしていた。平山待望論を打ち消すのは、 (久保ではなく)彼かも知れない、、。 FW:27佐藤寿人(6.0)−後半00分、久保竜彦に替わり出場− 2トップでコンビを組む巻の動きを意識したプレーを心がけていたようだ。 アウトサイドからクロスが挙がるときにはシッカリとニアに入り、 ファーに詰める巻のオトリとなった。また自ら右サイドに開きボールを引き出し、 小野や長谷部、そしてSBに下がった加地の上がりを待つプレーもみせた。 得点こそ無かったが、前線から執拗なチェックを行い相手DFのパスミスを誘発する など、後半の流れの良さを作った立役者のひとりと評価したい。 出来ればフィンランド戦でもチャンスを上げたい。 DH:30阿部勇樹(6.0)−後半10分、福西崇史に替わり出場− 3点差を付けられてからの投入という事もあってか?本人も守備より攻撃! という気持ちが強かったかもしれない。どうしてそんなに前でプレーしているの? と思うほど積極的に前でボールに絡んでいた。相手選手のスタミナが切れた事、 3得点で満足した事が理由かもしれないが、前半のDHよりは早めのプレスが 出来ていた。小野のパスを折り返したプレーに「驚き」、押し上げて良質のシュートを 放ったプレーに「らしさ」を感じた。 DH:17長谷部誠(6.0)−後半10分、田中誠に替わり出場− 初代表、初試合とは思えないほどに落ち着いたプレーを見せた。 ボランチというよりも2.5列目の様な位置だったが、小野とのコンビネーション、 そして加地を上手くつかう戦術眼と、2006年に間に合うかも?と感じた。 ボールを受けてから自らドリブルで攻め上がる気持ちの強さ、穏やかな顔に似合わず 意外に負けず嫌いなのか?今夏の移籍も夢物語では無さそうだ。 SH:19本山雅志(評価対象外)−後半23分、小野伸二に替わり出場− 【ベンチ入り】 33下田崇、12都築龍太、20坪井慶介、25村井慎二、31駒野友一、24茂庭照幸 (ページの先頭へ) |
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