★★フル代表2003年シーズン★★ (タイトル画像クリックでトップページへジャンプします)
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■日本代表2003 For Germany■
東アジア選手権2003(第3戦) 2003/12/10  横浜国際総合競技場
日本代表 0(前半)0
0(後半)0
韓国代表
得点:なし

GK:楢崎正剛(6.0)
嫌な距離からのシュートを数本打たれた前半、ポジショニングを含め安定感のある守備を見せてくれた。 後半アンのシュートを防ぐ等反応の良さも披露、しかし左右に動かされた事で対応しきれなくなった様だ。 韓国FW陣のミスがなければ何失点していたか?

DF:宮本恒靖(6.5)
身体的不利を読みの鋭さと反応の速さでカバーした。3バック時は中澤の助けがあり楽だったようだが、 4バックになって相手の攻撃を摘む事で精一杯。DFラインで駆け引きする、 あるいはラインを押し上げる等と言うことは出来なくなった。 しかし全体的に良く踏ん張りきった印象。

DF:坪井慶介(5.5)
余程フィード力に自信がないのか?ほとんど宮本に任せきりで自らは山田へのショートパスばかりだった。 そしてボランチへのパスを読まれカットされたりと、DFの仕事は相手を潰せば終わり、、 という訳ではない!と怒鳴りたくなった。カバーリングや対人処理など守備面では向上が観られる。 しかし今のままでは下のカテゴリーから上がってくる選手にポジションを奪われる可能性がある。

DF:中澤佑二(6.5)
大久保退場で数的優位を作られ、DFラインに放り込まれた時に彼の高さが活きた。 戦術眼も備わって来たようで、DF3枚の中では彼が宮本と坪井に指示を送っているシーンも観られた。 プレー自体に問題はなく良くやっていたかと思うが前半で交替。 4バックにする為、(負傷開けで)コンディションの悪い彼を外したのか?

MF:福西崇史(6.5)
FWやトップ下がマークされた中では彼の攻め上がりからのパスが有効だった。 前戦へのフリーランや右サイドで起点となるプレーも披露し、状況を打開する上で必要な選手であることを認識させた。 小笠原にスペースを作ってあげたり、相手のスペースを潰したりと攻守にわたって質の高いプレーをしていた。 何故彼を前半だけで交替させたのかが理解出来ない、、ただ注意して欲しいのは、 毎度の事ながらリスキーな横パスクリアだ。

MF:遠藤保仁(6.0)
良いポジショニングでカバーするのだが、クリアボールが弱く相手に拾われ2次攻撃を受ける原因を作った。 もたつく相手への寄せは素晴らしいのだが、攻撃に繋げるパスが不正確。 OHがヒデや俊輔なら何とかしてくれる様なファジーなボールではまずい。後半1人ボランチになってからは 守備ばかりに奔走したが、良く守りきったなぁと感心させられるシーンもあった。 ジーコ采配の被害者は、監督責任に発展したかも知れない危機を救った。

MF:山田暢久(4.5)
高い位置まで上がれた前半、ボールを受けてからのプレーがあまりにも雑すぎた。 U−20世代のWBにも同じ事を書いたが、ボールを受ける前に、その後のプレーを考えていないのではないか? だから簡単に進路を絶たれる。今、その場所で何をすべきなのか?その判断がまるで出来ていない。 勝つための3バックなら石川を使うべきだったかも?SBになってから、、彼の守備は怖すぎ!

MF:三都主アレサンドロ(5.0)
高い位置でボールを受けて個人技で突破を試みたのは前半の立ち上がりのみ。 大久保退場の後は、全くと言っていいほど攻撃に顔を出すことは無かった。逆にSBに下がってから フルーランニングなどが出来るようになったが、やはりボールはキープ出来ない。 守備では無難なところを見せていただけに、、どうにも中途半端。

MF:小笠原満男(5.5)
ボランチまで下がって守備を行ってから前線に配球する素早さは買いだ。 しかし何故か高い位置ではボールをキープしてしまい、球離れが悪くなる。 良いプレーを見せたか?と思えば、なんだそれ!という粗雑なプレーを見せる。 後半若干消えかかった事を考えれば、交替は彼であるべきだったろう。

FW:大久保嘉人(3.0)
気持ちが空回り、、シミュレーションはジャッジミスかと思うが、1枚目のカードのもらい方に問題があった。 何も仕事をせずにピッチを去り、その後の試合展開を苦しめた元凶。 しばらく彼は五輪代表に専念することになるだろう、、(このまま得点を奪えないようならU−20世代の FWと交替かもしれないね)。

FW:久保竜彦(5.5)
中盤がボールを持った時の動き出しと、2列目以降の選手の為にスペースを空ける動きはについては 過去2戦同様のレベルを維持した。ポストプレーから反転し守備をかわすしなやかさと、突破する豪快さ。 しかし今日も又シュートがクロスバーに嫌われる、他のシュートも含め悪い出来ではなかったが、、。 また昔の彼に戻ってしまったのかな?ただ何かをやってくれる期待感はあるんだよねぇ。

MF:藤田俊哉(6.0)−後半0分、MF:福西に替わり出場−
ダイヤモンド型の中盤のバランスが悪いと判断し、自らボランチとOHの間にポジションを取った 戦術眼の高さは評価したい。攻守のリンケージと前線への飛び出しの2役をこなすことになったが、 多くの場合、彼の動きに反応してくれる選手がいなかった。 最低限の仕事はしてみせたが、このメンバーとはフィットしていない印象。 気心の知れた福西が残っていればちょっとは違ったかな?

FW:本山雅志(5.5)−後半0分、DF:中澤に替わり出場−
FW登録ながらMF、ダイヤモンド型の頂点に入った。まぁ久保とは縦のFW関係といっても良かったが、 コンビネーションプレーと呼べるようなものはほとんど観られなかった。 ドリブルで仕掛ける事が必ずしも悪いとは言わないが、もっとシンプルに人を使うプレーも必要かと感じた。 枠内に飛ばすシュートは上手いのだが、豪快さに欠け、、あれではGKの守備範囲となる。

FW:黒部光昭(−)−後半44分、MF(DF):山田に替わり出場−


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東アジア選手権2003(第2戦) 2003/12/07  埼玉スタジアム2002
日本代表 1(前半)0
0(後半)0
香港代表
得点:三都主(PK)

GK:楢崎正剛(6.0)
守備機会はほとんど無かったが1度だけ良いパンチングの判断が観られた。 しかし気になったのはフィードの精度、キーパーからのキックが攻撃の始まりだという意識をもっと 強く持つべきでは無かろうか?こういうワンサイドゲームの時には、 キーパーの集中力が欠如しやすい、、その点は良かったと思うが、、。

DF:宮本恒靖(6.0)
今日の彼はリベロと呼んでも良い感じに攻撃参加が出来た。しかしそれが機能していたか?と言うとそれ程でも、、 という評価になる。本職のスイーパーとしては素晴らしい読みで上手いカバーを見せていた。 課題は高さとボールサイドに引っ張られたときの1対1の守備能力だろう、このレベルのFWにも勝てないのは辛いね。

DF:坪井慶介(5.5)
後半は彼のスピードでカウンター攻撃を受けずに済んだ場面を何度か観た。 集中力を持続出来る相手には良い守備を見せられるのだが、それが欠如したときに、 意図不明なフィードやショートパスのミスが出現してしまうようだ。宮本に頼ってしまうのかな?

DF:茂庭照幸(5.0)
1対1での強さ(と言ってもこのレベルの相手では、、)は見せられたが、 周囲のリズムと合っていない印象を強く受けた。流れを変えてしまう様なフィードミスや、 ビルドアップのタイミングの悪さ、まだこのチームにフィットしていない。

MF:福西崇史(6.5)
相手がFWを狙って蹴ってきたロングフィードを彼が確実に潰していた事が、日本ペースを作るベースとなっていた。 ファーストアタックでボール奪取出来なくとも、相手のバランスも崩す為、誰かがマイボールと出来る。 攻撃参加のタイミングも遠藤とのバランスの中では良く機能した。しかし中に入れるボールの質は改善すべき。

MF:遠藤保仁(6.5)
バランスの取れた攻守のリンケージ役として、特に前半は機能していた。 小笠原が下がり気味であった為に彼が代ってスルーパスを通す場面も観られ、彼の特徴が出せていたと思う。 サイドを変えるパスの精度(タイミングと効果性)も良く、合格点の出来ではあった。 ただ茂庭とのコンビネーションが、あまり良くない印象。

MF:山田暢久(5.0)
後半の序盤だけ数回、相手DFを崩す突破を見せた。しかしほとんどが行ける場面でもボールを戻してしまったり、 判断の遅れから相手に詰められたり、、と良い印象は持てなかった。 プレーの消極性は精神的な面が大きく、特に小笠原との関係は最悪(サポートすべきところでしない)に近かった。 中の選手を信用出来ないのかな?

MF:三都主アレサンドロ(6.0)
PKを奪ったフリーランは見事にはまった、そしてタッチライン際を突破するスピード(クロスボールを含めて) も彼らしくて良かった。ところが中に絞ってのドリブル突破は、この相手のレベルにおいても通用しない事 を欧州スカウト陣に露呈してしまった。そして後半はキッカーだけか?という印象しか残らず、 得点を決めた(PKだが)仕事しか評価出来ない。ボランチ遠藤あっての三都主、見た目は派手で目立つのだが、、、。

MF:小笠原満男(6.5)
本人が語るように久保との呼吸はピッタリあっているようで、動きに合わせた的確なパスを供出していた。 マークがキツイ中でも簡単にボールを奪われないフィジカルの強さは守備面でも良く機能していた。 しかしこのレベルの相手だからこそ出来るプレー、という印象は否めない。 しっかり彼仕様のチームになっているように見えるが、福西と遠藤がいない(つまりバランスを上手く取ってくれる ボランチの存在)中でも同じレベルのプレーが出来るのかは疑問だ。

FW:大久保嘉人(4.5)
シュートを決められない焦りからか、全体のバランスを崩してまで中盤に下がってボールを受けたがった。 そしてドリブル突破を仕掛けて潰される、、。 「独りよがり」と断言してはかわいそうな気もするが、観ている側としては、いささか呆れる程の 自己顕示欲に思えた。それからオフサイドにかかるパターンが多すぎる、もう少し冷静にラインとの 駆け引きをしてもらいたいものだ。そろそろスタメンを剥奪しても良いように思うが、、、。

FW:久保竜彦(5.5)
スペースを作る動きもスペースに入り込む動きも抜群に優れており、その辺が小笠原(パスの出し手)との コンビネーションにあらわれていた。多少無理かな?と思えるようなボールにも反応、 そして足元でのポストプレーも無難にこなした。クロスバーにシュートを阻まれるシーンなどがあり、 今日は彼の日ではないと感じた。流れを読める監督ならFW2枚は交替だったと思うが、 他に使いたい選手がいた関係で交替を免れた。

MF:山田卓也(4.5)−後半22分、MF:遠藤に替わり出場−
最小得点差の中で攻撃的に!という指示がジーコ監督からあったのだろう。 彼が入ってからボランチラインがバランスを失い、何度もバイタルエリアに相手選手を侵入させる結果となった。 福西がバランスを取り修復できたが、本来守備で機能するタイプで有ることを今シーズンの得点の多さで 見失っている印象。初出場では周囲とのコンビネーションを期待するのはかわいそうだが、 29歳という年齢を考えれば、もう少し安定感があってもいい気がする。

MF:奥大介(5.5)−後半25分、MF:小笠原に替わり出場−
パサーでは無い彼がトップ下に入った時にどうなるのか?ドリブル突破と足元のスキル、 キープ力はあるのだがスルーパスを出せるタイプでは無い。 運動量でかき回し、相手の隙を狙って仕事をする彼にとって、このチームで生き残るには何が必要なのか? を考えるべきだ。本山と競合するタイプだけに、どこに自らのアピールポイントを設定するか? トルシエ監督の時と課題は同じだ。

MF:石川直宏(−)−後半33分、MF:山田暢に替わり出場−


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東アジア選手権2003(第3戦) 2003/12/04  東京・国立競技場
日本代表 1(前半)0
1(後半)0
中国代表
得点:久保2

GK:楢崎正剛(6.5)
セットプレーから難しい判断を迫られたシーンがあったが、セーフティファーストの鉄則通り安定した守備を見せた。 そして味方のミスからFWと1対1の場面を作られた時も、慌てずにFWの動きを見切ってDFのカバーリングを待った。 流れの中では全くと言っていいほど危険なシーンは作られなかった。

DF:宮本恒靖(6.0)
慣れたスイーパーポジション、ストッパーへの指示を含めてキャプテンとしての重責を果たせたかと思う。 しかし不用意なバックパスの悪癖は修正されておらず、相手攻撃陣と1対1でも脆さを見せた。 カバーリング能力は流石とうならせるものがあったが、4バックでは使いたくない選手であることを再認識出来た。 ただ格下相手で欧州組を使えない場合のオプションとしては合格点だろう。

DF:坪井慶介(6.0)
最近のJリーグで観られた守備の甘さ、この試合(相手)に限って言えば全く顔を出すことは無かった。 しかし高さのある相手に対し少々戸惑った風ではある。中国の攻撃陣がイマイチだった事もあって彼を評価する (攻撃的な部分が無かったからね)に値する試合では無かったと思う。

DF:中澤佑二(6.5)
三都主のカバーをしっかり意識の中に置いて遠藤とふたりで上手く受け渡しが出来た。 相手がロングボールを放り込んできたシーン、そしてセットプレーでの彼の高さは輝いた。 中国人の高いFWに全く仕事をさせなかった事は評価出来る。 そして宮本が誘い出された後のカバーも完璧だった。 後半は三都主との関係で攻撃参加も見せ、いま日本のDFの中ではピカイチの存在であることをアピールした。

MF:福西崇史(6.5)
特に守備面に置いて彼の存在は輝いた。前半はあえて攻撃参加せずバイタルエリアを消す事とサイド、 最終ラインのカバーリングに専念していた印象。 後半になると攻守のバランサーとしての役割を担い、流れの中でボールを左右のアウトサイダーに散らし、 そして自分がFWを追い越して、、という磐田でやっている得意のプレーを見せた。 横パスを奪われたシーンはマイナスポイントだが、ボランチとしての能力は稲本と甲乙付けがたいレベルだ。

MF:遠藤保仁(7.0)
攻守のリンケージ役としてチームを真ん中からコントロールしていた。 最終パスがアシストになった事で小笠原が目立ったが、その実、中盤で溜をつくり攻守において輝きを放った のは彼であった。最終ラインで宮本のカバーをしたかと思えば、相手のバイタルエリアまで侵入し FWにスルーパスを通す(コンビが合わない事もあったが)。 小野と比較してはいけない、、彼独特の才能を見せつけてくれた。 福西との関係も「小野、稲本」のようにぎくしゃくしていない。

MF:山田暢久(6.0)
トップ下にボールが収まらない事で攻撃参加するタイミングを掴めなかった前半。 しかし守備への帰陣においてはSBの経験と、所属チームでのコンビネーション(坪井との)が活きた。 WBがどこまで、どういう形で戻るか、、この辺は3バックの慣れからか、いつもよりはるかに滑らかであった。 後半の攻撃参加は見事であったが、もっと自分でクロスを入れたり、シュートを放ったりという積極性を持っても 良いのかな?と感じた。

MF:三都主アレサンドロ(6.0)
フリースペースに走り込むシーンが全く観られなかったのは残念だが、 これはチーム内での意識が「彼を使う」に無かった為と思われる。 良質のクロスを何本かFWに合わせていた事から、彼の場合はドリブルで仕掛けて相手を抜き去るプレーよりも (簡単に奪われてしまうので)、如何に良いタイミングで正確なクロスを挙げられるか?という点に 気を付けていった方がいいのではと感じた。とにかくあまりボールを持ちすぎないこと、これがWBでの彼の課題だ。

MF:小笠原満男(7.0)
久保の先制点をアシストした事、2点目を奪うきっかけとなった守備の強さなど攻守にわたり良いプレーを見せた。 フィジカルが強い事を守備面で示した反面、トップ下でボールをキープし両サイドアタッカーの上がりを 助ける等のいわゆる司令塔としてのプレーには課題を残した。 良いパスを持っており巧い!と感じさせてはくれるが、相手のプレスにポジションを下げられた事実に変わりはない。 結果(アシスト)を残した事で7.0を付けるが、 中国の緩い最終ラインでなかったら彼の仕事は全く通用しなかったであろう。

FW:大久保嘉人(5.5)
中盤まで下がってチェイシングしボールを奪うなど、彼らしいプレーを随所に披露したが、、 やはり得点は奪えなかった。非常にボール扱いが巧く観ていて楽しいサッカーをしてくれるが、 FWの仕事は得点をもって判断される。 クロスバーを叩く惜しいシュート、彼がMFの選手なら十分に合格点を付けられるのだが、 FWとしての仕事という観点から評価すると「イマイチ」という事になる。

FW:久保竜彦(7.5)
決して90分間すべて機能していたわけではない。ターゲットマンとしてボールをキープして欲しい場面で 簡単に奪われるなど課題があるのも事実。しかしそれはコンビを組んだのが大久保(ターゲットマンではない) である事が関係している。彼はいわばムービングターゲッター、ボールをキープして云々というタイプではない。 個人技でラインを無理矢理突破したり、ヘディングで競り勝ったりするタイプ。 それを周囲の選手が解ってあげられると、今日のように爆発的な能力(2得点)を発揮出来る訳だ。

FW:本山雅志(−)−FW:大久保嘉人に替わり出場−


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キリンチャレンジ杯2003  2003/11/19 大分スタジアム
日本代表 0(前半)0
0(後半)0
カメルーン代表
得点:なし

GK:楢崎正剛(6.5)
抜群の反応をみせカメルーンのセットプレーからの得点を抑えきった。 何度かゴール前での混戦で危ないシーンを作られたが、彼以外のGKならちょっと怖かったかもしれない。 クロスボール対応が安定している事も彼が正GKとして常にジーコ監督の信頼を得ている理由だろう。

DF:宮本恒靖(5.5)
序盤に三都主への短いパスをミスした事がフィードに関して消極的になった原因だろうか? 彼からの大きな展開が観られなかったのは非常に残念な事だし、これが無いなら彼をレギュラーCBとして 使う意味も半減する。押し込まれたときと、セットプレー時において彼の身体能力に問題が有ることを露呈。 余裕のあるとき以外では自慢の「読み」も機能してくれないようだ。 失点しなかったとはいえ、彼がどこかで活躍しただろうか?エトーと対戦したかった? 彼の談話だが、んーー確かに観たかった(苦笑)。

DF:坪井慶介(6.0)
(SBをカバーして欲しいところだったが)カメルーンの素早い突破を受けてクロスボール対応を行うのが 精一杯という感じの前半だった。宮本ほどには高さへの不安を感じなかったが、それでも中澤がいたルーマニア戦、 チュニジア戦と比較すると観ている側の心臓がキュッと締まるような怖さがあった。 スピードでかわされる事がないのは救い、後半は何度か良いカバーリングとアタッキングを見せピンチを未然に防いだ。

DF:山田暢久(4.5)
前後半を問わず彼のサイドを崩されて決定的なクロスを何本も入れられた。 周囲のサポートが無かったのは不幸だが、それでも踏ん張りきれるほどの守備力を身につけたいところだ。 攻撃力(突破)によって相手を封じるというのが理想ではあるが、 アーリークロスの高精度と天秤にかけても守備の拙さが上回る。 中に絞ってのポジショニングなどは大分SBらしい動きになってきたが、クラブで実践していない選手は怖い!

DF:三都主アレサンドロ(5.0)
中に絞って守備をするにしても、ただそこにいるだけというアリバイディフェンスに終始した (1本だけ素晴らしいクリアがあったが)。つまりスペースを消している様で機能していないのが実情なのだ。 また押し込まれるだけで攻撃参加が出来ないのなら、いっそのことCBタイプの選手をSBで使った方が安心 してみていられると感じた。三浦の方が守備力では上だろうし、突破のタイミングもいいのではないか? 三都主の左SB、最終テストは落第だ。後半に観られた若干の攻撃参加は大勢に影響を及ぼすレベルでは無かった。

MF:稲本潤一(6.0)
前後の守備に置いてはボール際にて非常に強い印象を受けた。身体負けしないことが彼の長所であり、 フィジカルで負けてボールを奪われる事が無いのは安心出来る。 またゴール前で身体を張った守備も披露し、押し込まれても焦らない精神力の強さも感じられた。 三都主の守備に不安を感じてか、何度かスペースを埋める動きをみせたのは好印象。 しかしその分攻撃的な魅力は消し去られた。あまり目立ってはいけないポジション故に、自分が!という気持ちを 抑える事が出来るようになったのは評価したい。

MF:小野伸二(6.0)
守備の軽さを読みでカバーしていたが、球際ではやはり身体能力に優る相手に対して不安定さを露呈した。 しかしバランサーとしての能力は疑いようもなくDFと攻撃陣、特に高原、柳沢へのスルーパスで、 その攻撃的センスを披露するとともに存在感をアピールした。 再三に渡り攻撃的位置でプレーをし、好パスを出し続けた結果がジーコ監督の攻撃的MF起用 (ボランチには違いなかったが2.5列目程度に上がった)に繋がったか? 遠藤という武器がある以上、彼のこんな起用法もオプションとしては当然あり得る。

MF:中田英寿(6.0)
身体を張った強い中盤でのボールキープ、しかしその影ではミスを自分でカバーするための プレーという見方も出来た。山田の守備力に不安を感じた為か、かなり低い位置まで戻り守備をしていたが、 藤田との距離感は掴めていたのだろうか?彼が目立つと藤田が消える、そしてその逆もある。 全体的にはミスも無く、そう悪いプレーは無かった。しかしシュートを打てる場面において、 オフサイドの危険を判断出来なかったか?あえてパスを選択してしまった。 いいゲーム、、確かに悪くはなかった。6.0を一応付けるが、、私個人的には不満の残る出来だった。

MF:藤田俊哉(6.5)
序盤は良いポジショニングで相手の嫌がるスペースに入り込みながらも、味方選手が彼を認知してくれなかった。 小野とのコンビと高原への繋ぎにおいては十分なパフォーマンスを見せたものの、(プレースタイルがヒデと近い為に) 俊輔のというよりは、むしろヒデの替わりで機能する選手だろうと思えた。 神出鬼没な彼の運動量、FWを追い越す動きなど彼個人としての力は十分にアピール出来た。 そして司令塔としての役割もこなせる事を実証した、中盤の攻撃的なタレントとしては小笠原(鹿島)を超えたと言える。

FW:柳沢敦(5.5)
DFラインの裏を取る技術(スピードとタイミング)と巧く身体を入れてキープする技術、 この2点については非常に高い次元のプレーを見せた。しかし相変わらずシュート迄繋がらないのは何故だろうか? 確かにカメルーン守備陣が身体能力を武器に抑えにかかってきたのは事実だが、 シュートを打てない状況ではなかったはずだ。PKではないのか?と思われたシーンもあったが、 そこを強引にシュートまで持って行けるストライカーに成長して欲しい。

FW:高原直泰(5.5)
一度中盤まで下がってボールを受けるポストプレーにおいては良いものを見せた。 しかし彼の回りでサポートするべきヒデとのコンビネーションが合わない、藤田とは「あうん」の呼吸を見せる シーンも観られたが局所的でチームとして確立されたものでは無い印象だった。 前半あったゴール前での「どフリー」のシュートシーン、ピッチ状態が悪かったとか、 確実に狙った為とかいう言い訳は聴きたくない。 ゴールに向かってドリブル突破する強引さは買いだが、彼がエースストライカーという位置づけでいいのだろうか?

FW:大久保嘉人(5.5)−後半24分、FW柳沢に替わり出場−
ガムシャラに動き回る姿勢はいいのだが、もう少し効果的に中盤からのボールを引き出したいところ。 ゲームに慣れてきた35分過ぎにはポストでいいプレーを見せたが、、、ゴール前であんなに頑張れるのに 何故シュートに繋がらないか?が不思議。そこそこいい位置にいるが、オフサイドにかかる、、フリーになれない。 この辺りを課題として把握すべきだろう。もう少し頭を使うべきかも?

MF:遠藤保仁(−)−後半34分、MF藤田に替わり出場−


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アフリカ・東欧遠征国際親善試合(2) 2003/10/11 ルーマニア・ブカレスト
日本代表 0(前半)1
1(後半)0
ルーマニア代表
得点:柳沢

GK:川口能活(5.5)
失点場面は果たしてセーブ出来なかっただろうか?確かに光の関係と味方DF(坪井)の身体が影になって観にくかったとは思う。 しかし脇の下を抜かれるシュートというのは、結構GKとしては恥ずかしいものである。 コーチングなどはしっかり出来ていたようだが、自身のプレーイングパフォーマンスは不安定で、 コンディションは上がっていない印象を受けた。飛び出すタイミングなど持ち味は出せていたが、 相手キッカーの精度が高かったらと思うとゾッとする。

DF:中澤佑二(6.5)
高さでも足元でも相手攻撃陣を凌駕。守備面における問題としては彼がセンタースペースを捨てたときに、 誰がどうやって彼に匹敵する守備を実現させるか?と言ったところ。 怖がってテリトリーから出ないという事もない勇気のある選手だと感じた。 セットプレーからヘディングで合わせたシュートは完璧にヒットし、攻撃面でも存在感を十分に示した。 膠着した試合ではセットプレーによる得点も期待すべきである事から、個人的には(今後は)彼を軸にした CBのコンビネーション構築を望むものである。

DF:坪井慶介(6.0)
スピードで振り切られる事はないが、世界レベルの選手と対した時に一瞬の甘さを見せた。 マークについて併走した時点で相手を外に押し込めるような身体の近い方をマスターする必要がある。 またボールサイドを気にする余り、自身が守るべきスペースを空けてしまった。 それ故に守備力に問題のある山田が絞る事になったのだが、同じクラブに所属しているとは思えない連携の悪さだと感じた。 後半にもクリアミスを1本犯したが、総じてみればムトゥをよく抑えたかな?という印象。

DF:山田暢久(5.0)
前半は彼のサイドを押し込まれた事によって中田や中村が守備に追いやられてしまった。 「低い守備力」という課題がある為に中盤の選手が戻ってカバーリングしなければ危険、というチームの 共通意識が生まれているのだろう。後半になっても基本的には、彼の動きに変化は無かったが、 中盤の構成力で日本が上回った為に救われた。 攻撃的に繋ぎのパスなどを出すシーンもみられたが、私の持っているSBのイメージ(ジーコも恐らくおなじだろう)は ライン際迄えぐりマイナスのクロスを供給する形。加地へのアドバンテージとは成り得なかった出来。

DF:三都主アレサンドロ(5.0)
中に絞っての守備がルーズすぎる、最後まで責任を持ってマークする必要がある。 あれではカバーするCBも、どういう対応をすべきか?つまりボールを奪いに行くのかコースを消すのか?悩むだろう。 中澤とのコンビは初めてだからかもしれないが、非常に危なっかしさを感じた。 攻撃面ではチャレンジが少なすぎるし、中途半端である。中央や逆サイドの選手からパスを受けるにしても、 ポジションが低すぎて奪われた時のカウンターが怖い。彼の場合は三浦と違って目の前のDFをかわす切り返しを持たない為、 守備する側が楽なのだ。

MF:稲本潤一(5.5)
相手とのフィジカルコンタクトで負けないだけの身体能力は中盤で非常に機能する。 インターセプトの数も多く攻守のリンケージ役としてチームに貢献していた、、様に見えただろう。 しかし私の彼への評価は、それほど高くない。彼がボールを失う事で相手の攻撃が始まったり、 DFラインで不用意なミスを犯したりと一流国相手に本気の試合を行った場合は「かなりやばい」存在になるのでは? と感じさせられた。彼には判断スピードを上げて、セーフティな守備を心がけて欲しい。

MF:小野伸二(6.0)
ボランチとして直接ボールを奪いに行くシーンは観られなかったが、ルーズボールを落ち着かせる役割を担った。 低い位置から前戦にピンポイントのフィードを通すなど、レジスタ的な仕事を上手くこなし攻撃の起点となった。 ただ稲本とのラインの深度という問題は解決されておらず、2列目をフォローすべきが逆にカバーされていた。 相手に押し込まれた時間帯はそれが顕著にあらわれる、守備に徹するなら、もっとアグレッシブな動きが必要だろう。 ただこれまで脚光を浴びてきた彼が、よく俊輔とヒデの陰に隠れる黒子役をやっているなぁと精神的な成長に好印象を持った。

MF:中村俊輔(6.0)
前半は完全に守備の人になっていた。意識的にそうしていた事もあるのだろうが、流れ的にもそうならざるを得ない状況にあった。 彼自身へのマークもきつく、ヒデとのホットライン、ボランチからのボールの引き出し、 そしてFWへの展開と何一つ及第点をつけられるものはなかった。 しかし相手の実力を把握しきった後半は、まるで別人のようなキレキレの俊輔を見せた。 基本的には守備なのだが、攻撃を作る場面では必ず彼がヒデとのコンビで何らかの仕事をしていた。 またゴール前へ飛び込むシーンも何度か観られ、特にループシュート(GKの動きが見えたのだろうね)は惜しかった。 80分を過ぎて運動量の多さからか疲労によるミスが目立つようになった。

MF:中田英寿(7.5)
攻守に渡って抜群の存在感を示した。このチームはやはり彼のリーダーシップにより成立している事を実感させられた試合。 DFラインまで戻っての堅い守備、中盤でのボール奪取、前戦でのチェックと落ちない運動量でフィールドに君臨し続けた。 そしていつもどんな時でも前を走るFWを観ており、何度もスルーパスを通しつづけた。 柳沢のゴールシーンでもアシストしたのは彼、印象評価でも数字としても結果を残してくれた。 最近に無く素晴らしいパフォーマンスを見せた。しかし逆の発想をすれば、彼がピッチにいないときには、 どうなるのか?という心配も今後しなければならない、、。

FW:柳沢敦(7.5)
ゴール前に入ったりサイドに流れたりと質の高い動きで相手DF陣をかく乱した。 DFラインが浅かった事もありオフサイドを気にしながらのプレーだったが、ポジショニングの妙はやはり結果 となってあらわれた。俊輔やヒデとの関係で幾度と無くチャンスを作っていたが、得点シーンはヒデのキラーパスに 彼が反応した形だった。決定力云々の批判を押し込めるに値する2試合連続ゴール!欧州移籍が彼の何を変えたのか? を論じるのは時期尚早。しかし少なくとも数字(ゴールという結果)を残さなければ生き残れない世界にいる事の良い面が出た。

FW:高原直泰(5.0)
コンディションがあまり良くなかったのだろうか?前線でボールをキープしてから更にゴールに向かって走り込む というシーンが1度も観られなかった。柳沢とのコンビも久しぶりでフィットしていない印象が強く、 中盤からのパスにも対応しきれなかった。彼の特徴である反転しての推進力、これによりゴール前でFKを得るという 攻撃パターンも作れず、せっかく良いキッカーを左右揃えている意味が無いな、、と感じさせられた。 全体的にキレが感じられず、シュートを全く打てなかった事にも、それは反映されていた。

FW:大久保嘉人(-)−高原に代わり後半32分投入−


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アフリカ・東欧遠征国際親善試合(1) 2003/10/09 チュニジア・チュニス
日本代表 1(前半)0
0(後半)0
チュニジア代表
得点:柳沢

GK:楢崎正剛(5.5)
最近の彼は盤石とは言えない、特にセットプレー時の対応に問題があるようだ。 今日は急造のDFラインという事で流れの中でも危なっかしい場面の連続だったが、セットプレー時の飛び出しの判断や、 キャッチングの不安定感など気になった。所属チームでも抱えている課題をそのまま代表に引きずってきている様だ。 川口を使う事も考えなくてはいけない状況か?(第2GKの曽ヶ端も本調子では無いようなので、土肥は正直対象外だろう)。

DF:中澤佑二(7.5)
制空権をことごとく制した上に、カバーリングポジションやアタッキングのタイミングなど、 完璧な守備と言って良い出来だった。序盤は緊張していた茂庭や加地を上手くサポートし、後半になっても「危ない!」と 思ったら彼がクリアしてくれたという感じ。心技体3つが揃う選手はなかなかいないし、そういう時期も少ないと思うが、 今彼はまさにそんな状態だ。彼がいなかったら結果は変わっていたかもしれないと思えるほどにCBとして見事な プレーを見せてくれた。特筆すべきは「自分のマークを捨ててまで最もリスキーな場所をカバーする力」だ、 彼は間違いなく今日のMVPだ。

DF:茂庭照幸(6.0)
不用意なパスミスは初代表の緊張からだと思われるが、中澤に救われたり逆にカバーしたりで徐々にリズムを掴んでいった。 1対1に強いことはDFとしての魅力だが、中澤のようなストッパータイプとの併用(似たタイプ)は基本的に避けるべきだろう。 苦手としているフィードが柳沢の得点に繋がったのは結果的に吉。今後は坪井とのポジション争いになるだろうが、 初めてにしては、まぁ及第点を上げてもいいのかな?、、、ギリギリの出来(笑)。

DF:加地亮(5.5)
日韓W杯におけるチュニジアの印象は右の攻撃力だった。しかし今回のチームは左も強く、対峙した彼は押されっぱなしであった。 所属チームでSBを担当しているとはいえ、本来はサイドハーフの選手なだけに、守備面ではかなり怖いものを見せられた。 何度CBの中澤に救われた事だろう。後半プレスが弱くなってから攻撃的に良い所を見せたし、GKと1対1の場面も作ったが、 クロス精度があまり高くない。ゴールライン際まで走る積極性は山田暢と違った「味」を出していたが、 市川(清水)を凌駕するだけの武器は見あたらない。

DF:三浦淳宏(5.0)
守備の為に彼は左SBとして召集されたのか?バランスを取っていた事、ボランチの小野がカバーしてくれる気配が無かった事など、 攻撃参加できない原因はあったが彼の特徴がまるで出ていなかった。 正直、ヴェルディでもそれ程良い状態では無かっただけに、こんなものだろうという印象なのだが、 んーー他にもっと良い選手がJにはいるだろう!まぁ恐らく我慢して守備重視で!という指示があったのだとは思うが、、、、 だったらCBをここで使いなさいって!

MF:稲本潤一(5.5)
前半はやたらとパスミスが多く、相手に攻撃の起点を作られてしまった。 またボランチラインの設定が低く、バイタルエリアをがら空きにしてしまう問題も有った。 後半になってから相手が疲労したのか、中盤でのプレスが効かなくなってきた。 そこでやっと主導権を握れる様になった訳だが、それでも2列目から飛び出すベンアシュールを見切れなかった (これは小野の役割だったか?)。ベンアシュール交代後に良いプレーを連発したが、それでは遅い!

MF:小野伸二(5.5)
プレッシングで押し込まれるのは仕方無いにしろ、いくら何でもDFラインに吸収される様なシーンは観たくなかった。 攻撃へのリンケージは悪く無いのだが、守備力はありませんよ!と看板を背負っているみたいだった。 今後、W杯予選の厳しい戦いの中で使えるかといったら私はNO!と評価する。 彼は前向きで勝負してこそ力を発揮するボランチ、後半の様なスペースのある試合では効果的に動けるだろうが。 今後、相手との力関係で起用法が変わってくる(遠藤との使い分け)のではないか?

MF:中村俊輔(6.0)
雨で濡れたピッチコンディションに最も苦労したのはテクニシャンである彼だった。 守備での貢献もあったが、パスミスなどもあって危険な場面を作ってしまった。 動きの質やポジショニングについては流石!と思わせる部分があり、サイドに流れてボールを受けて DFをかわすフェイントや、セカンドボールへのアプローチなど巧さをみせた。 しかしスルーパスの精度がちょっとずつズレていて、いつもなら通るようなシーンでカットされてしまった。 ただやはり彼がいる中盤は何かを期待させてくれた。

MF:中田英寿(6.0)
運動量、判断力と申し分無いレベルにあったが、プレー精度という面において彼らしくないミスがあった。 どうしても前半は守備に追いやられる時間が続いたわけだが、もう少し彼自身がトップを追い越してパスの 受け手となるシーンがあっても良かったのではないか? 後半になって、相手の疲労からかパス精度も良くなり、前線での活動量も増えた。 彼に期待したいのは劣勢の時にチームを活性化させる「リーダーシップ」だ。 「フィールド上の監督」として後半、チームを立て直した力は評価したい。

FW:柳沢敦(6.5)
茂庭からの1本のフィードで飛び出し、最初のシュートチャンスで得点を決めた。 ただ何度もオフサイドに掛かっていた事もあって、中盤の選手が彼にボールを出しにくい環境を作ってしまっていた のも事実。裏を狙っていたといえば聞こえは良いが、ほとんどの場合はオフサイドポジションに取り残されていた。 とは言ってもFWの仕事は得点を奪う事、それ以上の仕事はない。そういう面では標準点以上の評価をしてもいいだろう。

FW:鈴木隆行(5.0)
評価に苦しむ、柳沢を突破させるための動きをしている様でもあったが、自分が活きるプレーも見せなければ評価に繋がらない。 前で踏ん張れるだけの身体能力はあるが、得点の臭いをまるで感じさせないFWというのは如何なものか? 以前問題視された試合勘の問題では無いだろうから、これは根本的なFWとしての能力の問題だ。 次は最後のチャンスと思って欲しい、いや次があるのだろうか?(高原次第、、、)

MF:藤田俊哉(-)−後半33分柳沢に代わり投入−
FW:大久保嘉人(-)−後半45分鈴木に代わり投入−


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キリンチャレンジ杯2003  2003/09/10 新潟スタジアム
日本代表 0(前半)1
0(後半)0
セネガル代表
得点:なし

GK:曽ヶ端準(6.5)
セットプレーから失点したものの、彼自身のパフォーマンスはかなり高かったと思う。 スリッピーなピッチコンディションの中でも、落ち着いて最良の判断をしていた。 2度ほどスーパープレーで失点を防いだ彼のプレーが無ければ、この試合は散々な論評をされる得点差となったろう。 ハイボールの安定性は楢崎よりも上なので、相手によっては彼の起用も増えるだろう。 同じレベルのGKが2人いるのは代表にとって心強い。

DF:宮本恒靖(6.0)
個人の身体能力では勝てないので組織で守備を行う必要がある。という彼の言葉は基本的には間違ってはいないし、 それでしか日本は守りきれないだろうとも思う。しかし忘れてならないのは1対1で負けないことだ。 その強い気持ちが根底に無い形での「組織」というのは、疲労や集中力の欠如によって「弱点」に変わってしまう 可能性が高い。彼個人のカバーリング能力は見事なレベルであったが、集中力が切れた場面が2.3回観られ、 全てがピンチに繋がった。失点となったゴールラインを割ったクリア、あれは高さがないからと、 ちょっとした危機管理能力(集中力と判断力)の低下がもたらしたものだ。

DF:坪井慶介(5.5)
流れの中でのスピードには対応できたが、セットプレーでの集中力と身体の付け方に問題があった。 Jリーグでもラインを突破してくるような速くて上手いFWはいるが、力ずくでボールに アタックしてくる強くて高い選手はいない。恐らくディオップに決められたヘディングシュートは「何故あれが?」 という感じだったのではなかろうか?スピードに加えて強さ、高さが彼には要求されるだろう。 今後は中澤(横浜)の挑戦を受けることになる。俊輔のCK場面も、中澤(福西でも)がいれば、直接狙わずに キッチリ合わせてきただろう。身長はもう伸びないからなぁ、ジャンプ力だな!

DF:山田暢久(5.5)
もうひとりのカマラの突破を抑えた守備力、特にスピードは見事だったが、攻撃的に特筆すべきプレーもなかった (クロスは1回だけだったか?)。三都主サイドとのバランスを要求されたか?ほとんど突破するシーンが観られず、 ボランチとの連携も取れていなかった。 逆サイドが攻撃されればボランチは左をサポートする、当然彼は中に絞らなければならない。 しかし所属クラブでは、攻撃的に中にはいることはあっても、受け身で中に絞る事はほとんど無い。 センターでボールを受けた時に、何故CBにボールを戻してしまうのだろうか?彼のフィードは正確だと思うのだが?

DF:三都主アレサンドロ(5.5)
何度か攻撃に参加するが、アンリ・カマラの突破を誰がカバーしてくれるのか決まっていない状況で 無理をすべきではなかった。宮本なのか遠藤なのか?誰もいなければ自分が対応すべきだったはず。 それと自分の周囲に見方が何人、敵がどのくらいの距離で何人いるか?を実際のプレー前に把握しておく必要がある。 不要なCKを与えた場面がSBとしてはどうか?と気になった。 後半は得点を取る為のミッション、ずっと高い位置をキープしドリブルでの仕掛けなど彼らしい面を見せてくれた。 しかし守備堅めに入った相手を崩すとなると、なかなか難しい。

MF:遠藤保仁(5.5)
余裕を持ってボールを持てない状況は、俊輔やヒデに正確なパスを供給出来ないという事でもあった。 スペースを埋める能力とライン裏に飛び出す動きは見事だったので、今後はこのような速くて強い相手と繰り返し試合 することで経験を積むべきだろう。ただ許されない種類の凡ミスが観られたのが残念だった。 初めて経験したタイプの(中盤の)速さと強さだったのではないか?

MF:稲本潤一(5.5)
セネガルの中盤は速い、考えている間に相手の足が側に来ているという感じだった。 彼自身のプレスも良く効いてはいたが、FWや2列目の選手に繋げるパスに精度が無かった。 後半は時間の経過とともにセネガルに中盤を支配され、から動きさせられるシーンが目立った。 そして試合終了間際の2度のゴールチャンス、W杯の時には決まっていただろうシュートが枠に飛ばない。 負け試合の典型というやつだろうか?

MF:中村俊輔(6.0)
セネガル中盤のプレスが厳しい中でも良くギリギリのスルーパスを通していたと思う。 柳沢へのミドル、大久保へのクイックパス、黒部へのスペースに走らせるパス、全ては彼の計算しつくされた 絶妙のタイミングで出されたものだった。 これを言ってはおしまいだが、3アシストを記録出来た試合だったかと思う(FWに決定力があれば)。 守備に関してはフィジカルで負けるシーンも観られたが、それ以上にトップまで上がりGKやDFと競り合うなど、 積極性が見えた。球出しに手間取った様に見えたシーンはFWがオフサイドポジションにいて出しどころが無かった為、 決して判断の遅れではない。ただ、消えている時間が長かったかな?限りなく6.5に近い6.0評価だ。

MF:中田英寿(5.5)
センターラインでディアオ(ボランチ)の寄せが厳しく、どうしても左右に流れてボールに絡むしかなかった。 しかし攻守にめまぐるしく動く彼の献身的なプレーがチームに勇気を与えていた。 とは言ってもプレーで特筆すべきものは観られず、やはりコンディションは悪いんだろうなと感じられた。 スタミナ切れか後半25分以降はほとんどプレーに関与出来なくなった。 35分の俊輔からのロビングパスに反応した、小野からのこぼれ球に突っ込んだ程度か?パスミス、トラップミス がやたらと多いのも気になった、、。    

FW:大久保嘉人(5.5)
相手のDFラインは決してコントロールされていなかったが、個人能力で相手DFに勝てなかった。 ラインを突破するタイミングが一定なので、簡単にオフサイドに引っかかる。 ボールを追いかける直向きな姿を褒められても「中学生」でもあるまいし嬉しくないだろう。 俊輔からのキラーパスに反応しきれない場面があったが、あれに対して動けないようだとレギュラーにはなれない。 確かに彼のスピードは素晴らしいが、セネガルのDFはもっと速かった(笑)。 ボールを受けてから判断するのではなく、受ける前にプレーをイメージ出来るように成って欲しい!

FW:柳沢敦(4.5)
前半から積極的なシュート姿勢が感じられ、おやっと思わされた。しかし大久保と動きが重なったり、 どフリーの場面で打てなかったりと、「やっぱり柳沢!」と評価が落ち着いた。 俊輔からのスルーパスについてもミスは無かったが、あそこで速いのが世界のDFなのだ。 Jでは問題なかったトラップが通用しない、サンプドリアでの1年で、彼がどれだけ成長出来るか? それはゴール前での強さ、球際の強さとゴールに向けての気持ちの強さという部分なのだが。

MF:本山雅志(6.0)〜大久保に替わり 後半19分投入〜
懐かしい言葉だが前線でのウェーブ。いわゆるライン際での動き直しという事だが、1.5列目という意識が 有るためか上手くオフサイドを逃れてフリーになった。左サイドからのアタックも効果的で中に強くて 高いFWが入っていれば、、可能性を感じるクロスもあった。 小野からのミドルのスルーパスに反応しシュートまで持って行ったあたりは流石だった。ジョーカーとしては使える!

MF:小野伸二(−)〜遠藤に替わり 後半28分投入〜
FW:黒部光昭(−)〜柳沢に替わり 後半30分投入〜


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キリンチャレンジ杯2003  2003/08/20 東京・国立競技場
日本代表 2(前半)0
1(後半)0
ナイジェリア代表
得点:高原2、遠藤

GK:曽ヶ端準(5.5)
最初の競り合いで相手FWの高さを見誤った。好判断で失点を免れた場面もあったが、 楢崎と比較するとまだ安定感に欠ける印象を持った。 こういう身体能力の高い相手との対戦は初めてだったろうが、これから第2GKとして経験を積んで欲しいと考える。 セットプレー時のコーチングについても課題を残した。

DF:宮本恒靖(6.0)
慎重な立ち上がりを見せるもカバーリングが遅れてピンチを招いた。自らの読みでリカバリー出来たが、 押し込まれたときには為す術が無いという印象も受けた。 コンフェデ杯でのミスを学習したのかは解らないが、「パスは長く安全に」をモットーにプレーしていたように見えた。 後半になって得意のロングフィードを見せ始めたが、相手のDFラインが浅くなっている時に、 如何にビルドアップで形勢を変えられるか?この辺も考えて欲しい。

DF:坪井慶介(6.0)
身体能力の高い相手に1対1での守備はやはり不安を感じた。スピードには自信を持っているのだろうが、 3メートルを抜ききる瞬時の速さでは世界との差を痛感させられただろう。 しかし試合が進むに連れて相手の身体能力を頭にインプットして判断を速くする事で対応出来るようになった。 試合の中で修正できる事は、また一歩彼がレギュラーDFに近づいた証だろう。

DF:山田暢久(5.5)
逆サイドの三都主が積極的に上がっていた事もあって、彼は出来るだけ中に絞ってボランチと一緒に守備に専念していたようだ。 本職がWBなだけにどのタイミングなら飛び出して良いのか?その後にどんなプレーを味方選手との兼ね合いですべきなのか? などがまだ解っていない印象。ボールを持ったはいいが、判断に迷い詰められるというのはコンフェデ杯と変わっていない。 アーリークロスでは無く、ゴールライン際やゴール前までの突破も魅せて欲しい。

DF:三都主アレサンドロ(6.0)
ボランチの遠藤がバランスを取ってくれた事もあり、思い切った攻撃参加が出来た。 高原の1点目をアシストしたスクウェアのクロスは彼らしい柔らかく気持ちのこもったパスだった。 自らゴールライン際までドリブルで仕掛けシュートを放つシーンもあり、攻撃的なSBの本領を発揮した。 ただしタッチライン際を突破された際の守備はもう少し勉強して欲しいところだ。

MF:稲本潤一(6.5)
オフェンシブハーフの2人がプレスを掛けてくれたため、パスコースを限定しインターセプトが出来た。 ただ奪ってからのフィードが必ずヒデになってしまう為、縦への突っつきだけとなり攻撃が単調になってしまった。 後半は意識してか遠藤との役割を逆転させたり長いボールを蹴ったりしていた。 そんな中で生まれたのが3点目の飛び出した遠藤へのラストパスだった。序盤の動きだけなら7.0をあげてもいい出来だったが、、。

MF:遠藤保仁(7.5)
バイタルエリアと三都主の裏スペースを常に意識しながらも、ヒデや俊輔の位置を確認し素早く球出しを行った。 周囲の選手がよく見えており、例えばFWの柳沢を1本のパスで走らせる場面などもみられた。 守備的な仕事に徹しながら正確なビルドアップをFWやアウトサイドの選手に通すという今までには観られなかった ボランチらしいボランチだ。落ち着いてキーパーを外した得点は、神様からの贈り物、MVP級の仕事ぶりだった。

MF:中村俊輔(6.5)
ボランチライン、いや最終ラインまで下がって守備を良くやっていた。 序盤こそFWとのコンビネーションが合わなかったが、試合の中で徐々に合わせていったようだ。 高原の2点目をアシストした左足のクロスはピンポイント、その他にも何点入っていただろうか? と思えるようなパス、格の違いを見せつけた。しかし想定以外の所から足が出てくる事も理由だろう、 普段では考えられないようなイージーミスも何度か観られた。

MF:中田英寿(6.0)
ボールサイドでのプレーが多く、攻撃に絡む回数も多かった。しかしキープ、ドリブル突破とも相手のフィジカルが 予想以上に強かったのだろうか?小さな展開でボールを奪われるシーンも目立った。 後半に入ってから、やっと彼らしいワイドな展開が観られ始めたが、両サイドバックの選手とのコンビネーションは 取れずじまいだった。普通の選手なら6.5を付ける出来だが、彼本来のパフォーマンスからすれば、減点せざるを得ない気もする。

FW:柳沢敦(6.0)
動き出しの速さはナイジェリアDF陣のフィジカルを凌駕していたが、まだ得点を奪うまでのプロセスが完成されていない。 いい形でボールを受けても、身体の使い方がまずくシュートに持って行けないシーンが観られた。 ただトップリベロのような動きで、相手DFをつり出して高原や2列目の選手にスペースを与えチャンスメークしていた。 決して悪い出来ではなかったが、ゴールが欲しい!相手GKの「神の手」がなければ、、(笑)。

FW:高原直泰(7.0)
1点目は相手DFが眠っていたような状態だったのでまさにラッキーだったが、 2点目のヘディングシュートはポジショニングも含めて見事だった。ただDFラインからのビルドアップには 身体的に不利な面もあり、全く勝てなかった。セカンドボールからの分厚い攻撃が観られなかったのは、この辺りに起因するだろう。 普通にターゲットとなってボールを落としても、相手のプレスが速いだけに、見方に入らないのだ。 欲を言えば自分でキープして反転する等のプレーをみたい。

FW:大久保嘉人(5.0)−高原に替わり−
酷なことを言うようだが、もう「がむしゃらさ」を褒められる時期ではない。 もっとゴール前ではクレバーに冷静にプレーする必要がある。 どフリーの状態でGKを視野に入れられない焦りは、まだまだ経験が足りないのかな?と感じさせられた。

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コンフェデレーションズ杯(第3戦) 2003/06/23 フランス・サンテティエンヌ
日本代表 0(前半)0
0(後半)1
コロンビア代表
得点:なし

GK:楢崎正剛(5.5)
坪井のミスで生まれたフリーのシュートに対しては好セーブを見せチームを救った。 しかし同じような許されざるミスをDFが何度も繰り返しては、いくら彼でも防ぎようもなかった。

DF:宮本恒靖(3.5)
セットプレーでマークを外され、1対1の場面では相手FWに子供扱いされた。 彼は失点シーンで2重のミスを犯している。まずは場所をわきまえないヒールパス、そしてゴール前で反転を許した守備。 今日に始まったミスではないだけに、もうこれ以上、高い授業料を彼の為に代表が払うことは許されないだろう。

DF:坪井慶介(4.0)
信じられないレベルのミスを連発した。ボランチが全く機能していなかった事もあって相手FWは何の緩衝も無く接近してきた。 これが彼をパニック状態に陥れた原因だろう。ルーズボールの落下位置を見誤り相当に恥ずかしい失態を犯した。 今後の彼に求められるのは確実性だろう。

DF:山田暢久(5.5)
前の2試合に比べて積極的な攻撃参加が出来た。クロス精度もまずまず合格点を付けられるレベル、 彼が起点となった攻撃は唯一得点の臭いを感じるものだった。 しかしアーリーだけではなくライン際まで突破しマイナスのクロスを挙げる努力もして欲しい。 いくら精度が高くとも日本のFWでは相手DFに競り勝てないのだから。 今後は判断スピードを速くし、不用意なパスミスを無くす方向で努力してもらいたい。

DF:三都主アレサンドロ(5.5)
比較的守備での不安は感じられず攻撃での有効性が優っていた。 特に失点後は強い気持ちで相手DF陣に仕掛けていった。そしていつもの様な独りよがりではないチャンスメークも評価できる。 しかしSBは自分のスペースを消せば合格という単純なポジションではない。 今後、このポジションで生き残りたいなら、まずは守備での身体の使い方とカバーリングを会得すべきだろう。

MF:中田浩二(5.0)
何故ボールを持った選手へのアプローチをしないでズルズル下がってしまったのか? 理解不能な守備をみせ、攻められっぱなしの原因を作った。 攻撃に参加しても形式的に出て行く程度で本気でゴールに向かう姿勢は感じられなかった。 攻守において中途半端な印象はぬぐえず、(鹿島の選手でなければ)代表落ちもあり得る!

MF:遠藤保仁(5.0)
第2ボランチタイプの彼が潰し役やカバーリング専門になる必要がある今回の組み合わせは、やはり機能しなかった。 ボールを奪うこと自体が少なかったが、たまにマイボールとなってもボールを受けに戻ってくれる選手がいなかった。 プレスをかけるべきところで逆に掛けられ中盤でのボール支配を相手に譲ってしまった。

MF:小笠原満男(5.0)
恐らくレギュラーFWと練習する機会が少なかったのではないか?コンビネーションがすこぶる悪く、 うまくいかなかった際のコミュニケーションも取れていなかった。ハーフタイムでピッチを去る際にヒデに声をかけられて 上の空だった(そういう表情だった)のを観たとき、一刻も早く交替させるべきと感じた。 パスミスや判断の遅れでボールを奪われるなど全く良いところ無し。ジーコ監督は彼に見切りを付けるのが遅かった。

MF:中田英寿(5.5)
疲労が蓄積されていたのだろうか?さすがに「ここぞ」という場面では「頑張り」を見せたが、 全体的に運動量が少なく身体にキレも感じなかった。前の2戦と比べて相手のプレスがきつく、 フリーにさせてもらえなかった事もあるが、守備に追いやられて攻撃に転ずる余裕がなかったのも事実。 シュートを打てる瞬間の判断も遅れ、相手に阻まれることになった。 あまり書きたくはないが俊輔の負傷がヒデのプレーにも影響したか?

FW:大久保嘉人(5.0)
中盤の構成力で勝てなかった為、彼が下がって数的優位を作ろうとしていた。 シュートまで持って行ったシーンもあったが、相手DFにコースを消されてボールを持たされてしまった。 結果、シュートを打っても可能性を感じないレベルのものとなった。 守備の強さに定評のあるコロンビアレベルのDFを前にすると、まだまだスピードもテクニックも不足している事が解る。 Jリーグでこの差を埋める事は可能なのか?

FW:高原直泰(4.5)
数本有ったシュートシーン、確かにゴールマウスを捉えることの難しいパス(クロス)ばかりではあった。 しかし運の悪さ以上に身体の問題で有ることも明白だった。 磐田からハンブルガーに休み無しで渡った事の弊害、(これをエクスキューズにしてはならないが)、 明らかに身体は悲鳴を上げているようだった。永井を入れるなら彼との交替が妥当だったと思う。 表情にまるで覇気(得点できる雰囲気)を感じなかったのだから、、、。

FW:永井雄一郎(4.0)−大久保に替わり−
彼には気の毒だが、私にはジーコ監督の采配が理解できない。よほど練習でキレていたのだろうか? 前線で運動量を武器にプレスをかけまくった大久保を下げたことで、明らかに相手DFはビルドアップが楽になった。 永井はいつものことだが、何をやりたいのか?全く伝わってこない。厳しい事を言うが、今の彼は代表レベルに無い。

−MF:松井(小笠原)、MF:奥(遠藤)は評価対象外−


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コンフェデレーションズ杯(第2戦) 2003/06/21 フランス・サンテティエンヌ
日本代表 0(前半)1
1(後半)1
フランス代表
得点:中村

GK:楢崎正剛(5.5)
負け試合の割には以上に守備機会が少なかった。失点シーンを抑えろというのは酷かなと思うが、 キャッチングでヤマダと重なってしまったりとコンビネーションに不安を見せた。

DF:宮本恒靖(5.0)
カバーリングの巧さを評価したいところだが、2失点とも彼の責任。 いつもの如く気持ちの入らないフィードミスで相手CKのピンチを招いた。ラインを上げることに固執した場面では、 簡単に突破を許した。お見合いのような消極的プレーも観られ、DFのちょっとした失敗が試合を壊してしまう典型だった。

DF:坪井慶介(6.0)
判断の遅さは改善されていないが、彼の的確な潰しがスピードと巧さを兼ね備えたFWに有効である事を示した。 この試合は彼に自信を与えることになっただろうし、今後に可能性を感じさせた。 フィード力を磨いて4バックのCBらしい選手に成長してもらいたい。

DF:山田暢久(5.5)
一瞬の迷いが相手に詰められる。フィードやパスにおけるイージーミスが目立ち、攻撃のリズムを壊してしまった。 クロス精度に自信があるのはわかるが、時にはライン際まで突破する姿勢が無ければアーリークロスは読まれてしまう。 気持ちの入った守備など観るべきところはあるが、それでも名良橋より「まし」というレベル。

DF:三都主アレサンドロ(5.0)
スピードで劣っていた訳ではないが、守備における走法が解っていない。 何度もリスキーな場面をチームメイトによってサポートされていた。仕掛けても簡単にボールを奪われる、 これでは攻守を相殺しても彼のSBは難しいと判断せざるを得ない。 服部の怪我で緊急非難的起用と思われるが、Jにはもっと適任者がいるはずだ。

MF:稲本潤一(5.0)
身体に全くキレが無いため、最初の一歩が遅れてしまう。手を使って相手を倒してしまうのは思いと裏腹に 動けない身体が原因しているのだろう。PA内でのファウルを(レフリーの判断について)気の毒と観るか、 伏線があったのだから致し方ないと観るかは微妙なところ。 相も変わらず中途半端なパスが目立ち、そろそろ見切りを付けるべきではないかと思うが、福西はいない(苦笑)。

MF:遠藤保仁(6.0)
守備に入った時の安定性はピカイチでボールを奪う技術にも進歩が見えた。 しかし俊輔とヒデのキープ力に頼りすぎている面もあり、シンプルなボールさばきとの兼ね合いが難しいところだ。 もう少し自らサイドに大きな展開を試みるなど司令塔的なプレーも欲しい。 ただFKの精度は俊輔しかいなかった代表のキッカーに可能性を与えるレベル、、、素晴らしい!

MF:中村俊輔(7.0)
足に吸い付くようなボールテクニックが類い希なるキープ力を実現している。守備では「落ち着き」、 攻撃では「タメ」と「厚み」をチームにもたらした。 動きの質も申し分なく、リスキーな場面では身体を張って守備を行い、チャンスではゴール前に侵入し決定的 なシーンに絡んだ。FKでの一発は言うに及ばず、今まで弱点とされた部分が改善されている。 3回程あった流れの中でのゴールチャンスを決められていたらと思うが要求しすぎか?

MF:中田英寿(6.5)
優れたボディバランスに裏打ちされたドリブル突破は、さほどきつくない相手のプレスに対し非常に効果的だった。 判断の速さと身体の反応が徐々に結合しつつあり、ミスも減少している。ただ1点ビハインドの場面で放った ボレーシュートは決めて欲しかった。終盤繋ぎすぎではないか?もっとシンプルにゴールを目指すべきでは? と感じたが、ポゼッションサッカーでは王道なのかもしれない。

FW:大久保嘉人(5.0)
経験の浅いフランスDF陣に良いようにあしらわれてしまった。ボール際での頑張りは感じられたが、 PA内での動きやボールの受け方にゴールの臭いは感じられなかった。 前半こそ運動量豊かに走り回ったが、スタミナ切れか?試合が進むに連れて存在感を無くしていった。 「気負い」というか気持ちが空回りしている印象がある。

FW:高原直泰(5.5)
身体の重さは解消されていない様だが、ゴールに向かう姿勢は感じられた。 俊輔のFKは彼の強引な突破が生んだものである。若干自信喪失気味なのかもしれないが、 ゴールを予感を感じさせるシュートを打てたのは収穫。 1点でも奪えば、それがきっかけとなる可能性が高いだけに、どんな得点でもいいから決めて欲しいところだ。

−MF:中田浩二(稲本)、MF:小笠原満男(中村)は評価対象外−


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コンフェデレーションズ杯(第1戦) 2003/06/18 フランス・パリ サンドニ
日本代表 1(前半)0
2(後半)0
ニュージーランド代表
得点:中村2、中田英

GK:楢崎正剛(7.0)
素晴らしい反応でチームを救った。失点したら「流れ」が変わっていたかもしれない展開、 精神的につらい試合だったかと思う。彼が踏ん張った事で攻撃陣にも良いリズムを与える事が出来た。

DF:宮本恒靖(6.0)
ストッパー的な坪井をカバーする役割、流れの中では完璧に近い守備をみせた。 しかし身体能力(身長)で劣る彼はセットプレー時の守備で不安を隠せない。 身体を預けて相手をフリーにさせないところまでは出来るが、やはり観ていて危なっかしい。

DF:坪井慶介(6.0)
積極的にボランチラインまで上がり相手を潰していた。ほとんど圧迫感の無いFWだっただけに 落ち着いてプレー出来たが、それでもいくつかのシーンで「判断スピード」の遅れが見受けられた。 今は身体能力(身体スピード)で補っているものの、上手くて速いFWと相対したときにどうなるか?心配だ。

DF:山田暢久(5.5)
ポジショニングがルーズで相手に数的優位を作られるシーンがあった。 攻撃参加後でも無いのにボランチにカバーされて(俊輔がボランチまで下がる)いる様ではSBとしては問題だろう。 クロス精度は高いだけに攻守のメリハリが課題。

DF:三都主アレサンドロ(6.0)
守備での不安は隠せないものの、前に出た時は確実に攻撃のアクセントとなる。 ボールを持ちすぎて奪われる欠点を無くせば、(ボランチとの兼ね合いで)SBとして生き残れる可能性は十分にある。 フランス戦で今後の方向性を見いだせるだろう。

MF:稲本潤一(5.5)
第一ボランチは自分なのだという意識が強かったのか?DFラインに入るなど、かなり守備的なポジションを取っていた。 遠藤とのバランスを取っていたといえば聞こえは良いが、少なすぎるボールタッチ数、強すぎるパスなど、 彼らしくないプレーが目立った。まだ負傷からコンディションが戻っていないのだろうか?

MF:遠藤保仁(6.5)
広範囲に動き回り攻守のリンケージを取っていた。相手からボールを奪う技術(特にスライディング)に 課題を残すものの、シンプルで素早いボールさばきはヒデや俊輔の力を上手く引き出していた。 彼は今大会(日本代表)最大の発見となるかもしれない。福西とともに欧州カルテッドに割って入る存在と成りうるか?

MF:中村俊輔(7.5)
若干下がり目でプレーしつつも、ここぞという時にPA内に侵入しシュートを放つというセカンドストライカー的 な仕事もこなした。守備への切り替えが非常に素早く、ボランチを助ける動き等、 チームにとって何が必要なのか?を考えた(場所と時間に合った)質の高いプレーを見せた。 中盤にスペースがあったとはいえ、大事な試合で2得点という結果を残したのは素晴らしい。

MF:中田英寿(6.5)
持ち前の運動量で相手を「かく乱」し、優れたボディバランスからピンポイントパスを繰り出した。 そして得点機を逃さないシュート力、これは国際経験と(シュート)練習のタマモノだろう。 全てのプレーが良かったわけでは無いが、何よりも結果が大切である事をキャプテンとして示した試合だった。

FW:大久保嘉人(5.5)
フリーランを含めて運動量はまずまずだったが、動きだしのタイミングが若干ずれていた(オフサイドが多かった のはその為だろう)。ピッチコンディションも彼のプレースタイルに合わず苦労していた様だ。 ゴールへ意識が高い事は評価できる、しかしFWは得点で評価されるものだ。

FW:高原直泰(5.0)
4.5回あったゴールチャンスをことごとく外しまくった。フィードを確実に足元に収めたポストプレーは良かったが、 判断力とパス精度が悪すぎた。疲労がピークに達しているのかは不明だが、かなり身体が「重い」印象を受けた。 「Not his day」!

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キリンカップ2003(第2戦) 2003/06/11  埼玉スタジアム2002
日本代表 0(前半)0
0(後半)0
パラグアイ代表
得点:なし

GK:楢崎正剛(5.0)
判断が遅くポジショニングも良くない。危険なキャッチミスも観られ、非常に不安定な印象を受けた。 最近の彼はパッとしないプレーが多い、しかし代わりがいない(招集しない)現実は厳しい。 失点していれば4.0の出来だった。

DF:宮本恒靖(6.0)
前線へのフィードは正確なのだが、ショートパスで不用意なミスを犯してしまう。 ほとんどの時間で気持ちを入れ守備する事が出来たが、「抜ける」事があるのだ。 時間と場所を考えないファウル(危険なFKを与えた)は頂けない。 相手が1トップだっただけに楽なプレーが続いたが、プレッシャーの強い相手と戦ってどうか?

DF:坪井慶介(6.0)
初出場の割には落ち着いたプレーを見せた。相手攻撃陣にスピードも巧さも無かった為、 彼の守備力を評価する展開とはならなかった。しかしボランチラインまで上がって相手を潰す動きなどもあり、 マイナスとなる要素は無かった。後はフィード力を付けることだ。

DF:山田暢久(5.0)
やはり遠慮があったのか、最後まで彼のドリブル突破は観られなかった。 名良橋の替わり(ライバル)であることをもっと意識して欲しいところだ。 逆サイドの三都主とのバランスを考えてか?後半は更に守備的となった。守備の良さで彼が代表に招集されている 訳では無いと思うのだが?監督の指示でこのようなプレーに徹したのであれば6.0以上の出来だった(笑)。

DF:三都主アレサンドロ(5.5)
前半、守備を意識しすぎたのか?全く相手選手が攻めてこなかったのに攻撃の意識が感じられなかった。 後半に入ってから監督の指示で上がるようになったのだろう。 確かに良いアクセントにはなっていたが、最終パスの精度が良かったり悪かったり。 精度とはコースだけでは無く(中の選手との)タイミングも含めての話。後半だけなら6.5、前半は5.0といった所か?

MF:遠藤保仁(6.0)
ポジショニングが良く、プレスも攻撃に繋げるパス出しも素晴らしかった。 三都主のカバーリングについても問題無かったが、あまり効果的な攻撃は作れなかった。 福西との関係は良かったものの、後半の中田浩とは?の付くコンビネーションだった。 中盤を利用されるようになったのも2人の関係からだろう。

MF:福西崇史(6.5)
気持ちが入っていたのだろう、スライディングタックルに気迫が感じられた。 バイタルエリアで自由を与えなかった守備、素早いプレスからボールを奪って前線に繋げるパスと良い出来だった。 得意の前線フォロー、そして中盤を落ち着かせる「タメ」、何故に前半だけの出場となったか理解できない。 怪我がまだ完全ではないのか?

MF:中田英寿(6.5)
運動量ほどにボールタッチ数は多くなかったが、前線に飛び出す動きなども観られ、 ポジショニングとしては悪くなかった(というよりかなり良かった)。 後半からは下がり気味でボールに絡んだり、リスキーな場面で守備に入ったりとチームプレーに徹した感がある。

MF:中村俊輔(7.0)
フィールドをワイドに使う視野の広さが今までの代表には無かったスペクタクル・サッカーを実現させた。 シュートの意識も高かったが、若干ボールを落ちすぎかな?というシーンもあった。 しかしながら「タメイキ」の出る様な正確なラストパスの連続、やはり中盤に彼は欠かせない。 確かに相手のプレスは緩かったが、それでも見事すぎるプレーぶり。

FW:高原直泰(5.5)
序盤こそ、しっかりポスト役をこなしたが、引いて守ってくる相手に対し主導権を取るようなプレーは無かった。 運動量は申し分無いレベルにあったものの、ここぞと言うときのトラップミスには目を覆ってしまった。 ポジショニングの問題としてサイドに流れすぎ、パワープレーに入りたい時間帯で彼がゴール前にいないのは どういう事か?球際の執着心は大久保を見習って欲しい!

FW:大久保嘉人(7.0)
何よりもゴールに向かう姿勢を評価したい。ドリブルで果敢に仕掛ける負けん気の強さと、スタミナ切れの中 でも踏ん張り続けた精神力の強さは見事。そして相手DFをゴールラインまで押し込んでCKを取ったシーン も観られ、やっと(守備でも攻撃でも)勝負の出来るFWがA代表にあらわれたという印象を持った。 惜しくもオフサイドで得点とはならなかったが、(無得点FWでは異例の)誰もこの高評点を付けるに異論は無いだろう。

MF:中田浩二(5.5)−福西に替わり−
三都主の攻撃力を活かす為の投入だったと思われる。カバーリングはそれなりに出来ていたが、 何しろパスミスが目立った。プレスが遅れてしまう場面もあり、相手に時間帯を作られる原因となった。 悪い出来とまでは行かないが、福西との差は開く一方で、遠藤にも抜かれてしまった印象だ。

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キリンカップ2003(第1戦) 2003/06/08  大阪・長居スタジアム
日本代表 0(前半)3
1(後半)1
アルゼンチン代表
得点:秋田

GK:楢崎正剛(5.0)
シュートを打たれる前の飛び出しは良かったが、打たれてしまったボールを止めるだけの反応力は無い。 リスタートではDFラインへの指示が出来なかった。壁の作り方、DFとのコンビネーションと課題が多く出た試合。

DF:秋田豊(5.0)
正面からの選手に対しては守備意識が高いのだが、横から入ってくる選手に対応できない。 ボールを持っている選手しか見えていないようで、視野の狭さが守備の不安定さに繋がっている。 ヘディングでの得点で相殺できるものでは無い。

DF:森岡隆三(4.5)
危険な選手へのアプローチが遅い。PA内で侵入コースを防ぎながら待っているのでは主導権を取られる。 シュートレンジがJリーグとは全く違う事を頭に入れるべきだった。 相手GKやDFからの一発フィードで裏を取られるシーンも目立った。 そして最も問題にすべきは集中力を欠いた場面での失点、学習していない、、、。

DF:名良橋晃(5.0)
自分の裏スペースを取られたくないという消極さが攻撃に出られなかった理由だろう。 中に絞ってCBをカバーする動きなども見られたが、今日の動きなら坪井をSBに使った方がましだ。

DF:服部年宏(5.0)
インターセプトの能力は素晴らしいが、ボールを奪ってからの展開力に欠ける。 前に出る動きも見られたが、まるでボランチの選手の様に真ん中に入っていく。 守備面でもスピード豊かな選手に対応できない、やはりSBでの起用には問題がある。

MF:稲本潤一(5.0)
ボールを受けて前線までドリブル突破した攻撃力は素晴らしい。 しかし相手にバイタルエリアを自由に使われたルーズな守備は頂けない。 プレススピードが遅い為、どうしても背走させられるし、競り合いでも負ける。 カード覚悟で厳しい守備をしなければならない場面もある事を認識すべきだ。

MF:中田浩二(4.0)
役割がよくわからないプレーの連続。ボランチとして相手の攻撃をしっかり受け止めるでもなく、 左サイドに流れたヒデをフォローするでもなく。前半だけで交替したのは、フォーメーション変更 よりも彼の出来の悪さからだろう。

MF:小笠原満男(4.5)
ボランチで使ったのはジーコ監督の采配ミス。彼がしっかり自分のスペースを埋めて、 きっちりとプレスをかけていれば失点とならなかったシーンがあった。 守備が上手いという評価はOHの割にはという事であり、ボランチで機能する訳ではない。 1対1の守備力に優れても攻守のバランスが悪ければ、このポジションは勤まらない。

MF:中田英寿(6.0)
運動量が多く、攻撃時のポジショニングは素晴らしかった。ただトップ下に一人で入った前半は、 相手のマークが集中し決定的なシーンを演出する事はなかった。 フォローが来ず、ボールを持ちすぎた結果、2点目に繋がるミスも犯した。 彼一人が頑張っても、どうしようもないという典型的な試合内容だった。

FW:中山雅史(4.0)
フィードを待って受けようとする為、相手DFにインターセプトされた。 そしてPA内での第一選択はシュートだと思うが、彼は意識しつつも体が付いてこないという印象だった。 ヒデがボールをキープした時、何故PA外に逃げる動きをしたのか? 彼にこれ以上の代表キャップを与える必要性を私は感じない。

FW:鈴木隆行(5.0)
ハイボールの競り合いは50:50の出来。得点を生んだCKは彼の頑張りから得たものだ。 ただ最後までシュートを打てない展開で、FWとしての魅力を感じなかったのも事実。 フィジカルコンディションは上がってきたが、元々がFWには向いていない選手だ。

MF:三都主アレサンドロ(4.5)−中田浩二に替わり−
仕掛けるのは悪くないのだが、ゴールラインを考えずにドリブル突破する事に何の意味があるのか? シュートを打つか、クロスを入れるか?そのプロセスの中でドリブルはあるのだ。 韓国戦同様、パスミスが多く、彼の所で攻撃が遮断されてしまうシーンが目立った。 松井を使った方が機能したのではないか?

MF:福西崇史(5.5)−小笠原満男に替わり−
守備面を強く意識してゲームに入ったようだ。アイマールのスタミナが切れたことが直接の原因と思われるが、 彼が入ってからボランチラインが安定したのも事実。まだフィジカルが戻っていない様で運動量が少なかったが、 稲本とのバランスは彼が一番合うようだ。

FW:大久保嘉人(6.0)−中山雅史に替わり−
ポジショニングが素晴らしい、シュートの打てる位置にいるだけで相手DFにはプレッシャーとなるのだ。 中盤に下がってのポストプレーにも身体のキレを感じた。 中盤からいいスルーパスが入れば、FWとしての仕事が出来るだろう。 次回パラグアイ戦では俊輔のパスに反応する彼を観てみたい。

FW:永井雄一郎(4.5)−鈴木隆行に替わり−
ボールに絡めないのは中盤の問題ではなく、彼のポジショニングでは出せないという事だろう。 トップで身体を張ってシュートに持って行くという強引さがないのだ。 サイドに流れてドリブルで中に入ってもシュートのタイミングが取れない。 サイズほどにフィジカルが強くないのもFWとしては弱点だ。

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国際親善試合 2003/05/31  東京・国立競技場
日本代表 0(前半)1
0(後半)0
韓国代表
得点:なし

GK:楢崎正剛(5.5)
強風と濡れたボールという悪条件の中、頑張ってはいたと思う。しかしながらボールが上手く手中に入らない、 ファンブルと言ってはかわいそうだが、中途半端にボールを落とすのは頂けない。

DF:秋田豊(5.5)
前半のようなロープレッシャーの中では安定したプレーを見せる。 しかし波状攻撃を受けたときに周りを落ち着かせる事が出来ないのはDFリーダーとして如何なものか? 前線との共通理解とフィード力があれば、リズムを替えられるのだが? ラインをズルズル下げてしまった守備方法にも問題がある。

DF:森岡隆三(5.5)
フェイントで仕掛けられても対応できるだけの落ち着きはあった。しかしスピードで突破されるとお手上げとなる、 PA内で後ろから倒した場面はホームアドバンテージでなければPKだった。 GKをカバーするスイーパーとしての能力は高いのだが、、、。

DF:名良橋晃(5.0)
ソル・ギヒョンのマークは出来ていたが、主導権を取って突破してもお決まりの「へなちょこクロス」。 失点シーンは、彼がいい気になって上がった裏をカウンターで狙われた。 同じミスを繰り返す彼をいつまで使い続けるのか?

DF:服部年宏(5.5)
チャ・ドゥリに全く仕事をさせなかった守備力は評価できる。振り回されたCBのカバーも良く頑張っていたが、 攻撃へのアプローチが全く観られなかった。ラインに張り付いているだけでは、勝利に繋がらない。

MF:稲本潤一(5.0)
スタミナがあった前半は高い位置でプレスをかけることが出来た。 しかしながらボールのサバキは最悪でサイドチェンジも10メートル以下のパスもミスばかりだった。 足が止まってDFラインとの間にスペースを作ってしまった後半、 所属クラブで短時間しかプレーしていないマイナス面がモロに出てしまった形。

MF:中田浩二(5.0)
前半はバランスを取っていたというべきか、消極的というべきか難しいところ。 潰さずにディレイで凌ぐ守備は1対1では有効なのだが、人数を掛けられると簡単に抜けられてしまう。 ガッツリ行かなくてはならない場面があったはずだ。

MF:小笠原満男(5.5)
シュートを打つべき場面で味方を探してしまう、サイドに流せる場面で無理をする。 キープした方がいい時とシンプルに、はたいた方がいい時の判断が出来ていない。 FWのスペースに入ったりとポジションの取り方は悪くないのだが、彼に求められる仕事は得点を演出する事だ。 FWに動き直しがなければ、ミドルシュートを放ってDFを前に引き出す等の頭脳プレーも必要なのだが、、、。

MF:三都主アレサンドロ(4.5)
彼の所でボールが落ち着かない。ドリブル突破するスペースも与えられず、パスを出してもあまりに不正確だった。 タイミングもコースも最悪で、彼にはFWを活かすだけのスキルが無いと感じた。 トラップミスも多く、後半になるとがくっと運動量が落ちた。前半の負傷が原因か?それならベンチワークのミスになるが、、。

FW:中山雅史(4.5)
スペースを作る動きに長けてもストライカーとしては全く怖くない。サイドに流れて起点となるなら話は別だが、 どんどんゴールマウスから離れていくだけというのでは洒落にならない。 そろそろ彼に引導を渡してあげる必要があるのではないか?

FW:鈴木隆行(4.5)
ターゲットなのか、スペースに飛び込むのか?プレーがハッキリしない。 役割は複数持っていいが、FWが2人で同じ事をやっては得点には結びつかないだろう。 そもそも1年間、ほとんどクラブチームで仕事をしていない彼を招集する事に問題がある。

MF:遠藤保仁(5.5)−稲本に替わり−
DFラインとのスペースを埋める使命を持って投入されたのだと思う。 守備オンリーでプレーする彼の自己犠牲で落ち着きを取り戻せたか?と思ったが、SBの上がりをカバーするタイミングが遅れた。

FW:大久保嘉人(5.0)−鈴木に替わり−
DFラインとの駆け引きを行い前に出ようとする気持ちは伝わってきた。 現在のA代表FW陣にはいないタイプの選手で、中盤にいいパサーがいれば機能していたと思う。 しかしU−22世代では強いとされるフィジカルも韓国DFの前では全く通用しなかった。

−FW:永井雄一郎(中山)は評価対象外−


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国際親善試合 2003/04/16  ソウルW杯スタジアム
日本代表 0(前半)0
1(後半)0
韓国代表
得点:永井

GK:楢崎正剛(6.0)
失点ゼロに抑えたというよりは、相手が外しまくったというのが正しいだろう。 とは言え、堅実な守備で危なっかしさを感じさせなかった事は評価できる。 当たり前のことを当たり前に出来るのが代表GKであり、たまたまスーパーセーブを連発する事が 評価基準では無い。ただ当たり前のプレー故に加点評価も出来ない。

DF:秋田豊(5.5)
5人交替というマッチルールが韓国攻撃陣のリズムを崩した。イ・ドングに最後までプレーされたら 厄介な事になっていたかもしれない。相手の拙攻に救われた感がぬぐえない彼のDF、セットプレー時には ひょんな事(レフリーの指示を受けて)でマークを外された。あれは国際試合では許されない事、ベテランらしくない甘さだ。

DF:森岡隆三(5.5)
イ・チョンスにボールキープから反転されてシュートを打たれた場面を含め、間合いの詰め方に問題があった。 清水でも同じミスを繰り返しているが、後ろにカバーする選手がいるかいないかでプレーを変えなければならない。 それが出来ていないから不安定な印象を与えてしまうのだ。 アン・ジョンファンをPA内で倒したのもアウェイを考えればPKを取られてもおかしくなかった。

DF:名良橋晃(6.5)
フリーランを含めて効果的な攻め上がりを見せた。特に中山へ通したクロスボールは秀逸だった。 守備面でも裏を取られる事はなく、CBやボランチのカバーリングさえこなしていた。 後半開始直後に決定的なクロスボールを挙げられたが、あれを全て防げとは酷な話だろう。 彼の守備能力範囲内でよく頑張ったという印象だ。

DF:服部年宏(6.5)
攻撃参加から何度か決定的なクロスボールを供給した。守備面でもサイドからの突破を許す場面は無く バランスの良さを感じさせた。対峙したイ・チョンスが中に入るタイプの選手でCBの様なプレーも要求された。 シュートを打たれた場面のまずい守備が無ければ7点を付けられる出来だった。

MF:福西崇史(6.5)
インターセプトからドリブル突破を2回見せた攻撃力は素晴らしかった。 ただ(磐田での藤田、名波のように)彼をサポートする選手がいなかったのが残念。 彼の突破でFKを2回得られたはずだが、アウェイであり、ファウルを取らないレフリーの基準を考えれば致し方ない。 (結果的に)突破の後でカウンターを喰らったのはマイナス評価だろう。

MF:中田浩二(5.5)
(特に前半)DFラインとの間にスペースが出来てしまい相手に使われるという課題は解消されていなかった。 攻撃的な福西とのコンビでは1対1での守備力を要求されるのだが、後半はまずまずの出来。 ただイージーなパスミスが多く、彼のセールスポイントであるロングフィードにも正確性を欠いた。

MF:小笠原満男(6.0)
前半は見事なループシュート(もっと可能性の高いプレーがあったとは思うが)や、抜群のボディバランスで ボール奪取するなど攻守に冴えを見せた。しかし後半はボールに触りたかったのか自らのポジションにスペースを作り、 中盤を支配され攻撃を受ける原因となった。プラス面とマイナス面が極端に出てしまうプレースタイルは 改善の余地があり、相殺すると6.0が妥当。

MF:三都主アレサンドロ(5.5)
前半は攻撃的MF、後半はFWとしての出場。しかし緊急避難以外で彼にFWポジションを与えるのは無謀だと感じた。 すり抜ける動きやポストとなる動きがまるで出来ていないのだ。 彼は前を向いてスペースがある時にのみ有効な選手、これはW杯トルコ戦で解っていた事。 トルシエの選手起用を批判したジーコらしからぬ采配だった(所属チームでのポジションを無視している)。 それにしても今日の三都主は特徴を出し切れなかった。

FW:中山雅史(5.5)
後半、名良橋からのパスをフリーで受けたにもかかわらずシュートをふかしてしまった。 どフリーのシュートが意外に難しい事は理解しているが、やはり簡単なシュートを外してはFWとして情けないものがある。 彼は年長者で日本サッカー界の功労者である為、マスコミから非難を浴びることは無いだろう。 しかしマイナスイメージをファン(もしかしたらチームメイトにも)に植え付けたのは間違い無い。 勝ったからチャラという訳にはいかない。

FW:山下芳輝(5.5)
動き自体は決して悪くなく、ポストプレーも無難にこなしていた。中山とのコンビネーションに若干ズレがあったのは事実。 しかし2人の意図は合っていたので、もう少し時間を与えて欲しかった。三都主のFWを見せられるよりは、、、、。

MF:奥大介(6.5)
攻守に良く絡んでいた事は評価できる。しかし最後のパスが正確でない為、シュートに結びつかなかったのが気になる。 この辺で良いかというアバウトなパス(つまり永井の得点を生んだパス)は問題無いのだが、 もっと丁寧にだせないものか?司令塔タイプの選手では無いだけに彼にパスセンスを期待する方が間違っている のかもしれないが。後半、左サイドの中盤で主導権を取れたのは彼の豊富な運動量のおかげだ。

FW:永井雄一郎(6.5)
プレー時間からすると評価対象外なのだが、得点を決めた事を評価しない訳にもいかない。 自分から仕掛けようという気持ちが強かった事がゴールに結びついたのだと思う。 ほとんど周囲とのコンビネーションはあっていなかったが、FWは得点を奪うことが(唯一ではないが)最高の存在意義である。

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キリンチャレンジ杯2003 2003/03/28  東京・国立競技場
日本代表 1(前半)2
1(後半)0
ウルグアイ代表
得点:中村(PK)、稲本

GK:川口能活(4.0)
2点目を奪われた原因は彼のイージーミス。リスタートのボールはキャッチ出来ないレベルのものでは無かった為、 判断に間違いは無かった。しかしまさかボールをこぼしてしまうとは、、。 公式戦から遠ざかっている選手を使う事の怖さを実感した。クラブでの状況が変わらない内は今後招集すべきではない。

DF:秋田豊(5.0)
相手攻撃陣の不甲斐なさもあって目立ったミスは無かった。しかしビルドアップから前線にロングフィードを 通せないキック精度の低さが気になった。相手を潰すだけがDFの仕事では無いと私は思う。 そして名良橋の裏スペースをつかれた後半、もっとカバーの動きが必要だったのでは? ボランチとの間が開きすぎてミドルシュートを打たれた場面、、守備の不安定さは克服されていない。

DF:森岡隆三(5.0)
身体の小さな相手に空中戦で競り負けて得点を献上したあたりに4バックでのCBに慣れていない彼の現状を感じた。 相手がカウンター狙いの非常に淡泊な攻撃に徹していた事もあって危険なシーンはあまり観られなかったが、 ラインが下がりすぎてボランチとの間があいてしまった。 結果オーライだが、彼に高い評価を与える事は出来ない。

DF:名良橋晃(4.5)
1点目を奪われたシーンでは何故にいとも簡単にクロスを挙げさせてしまったのだろうか? 稲本との関係もワンテンポずれていたが、もっとタイトな寄せをしていれば、、と悔やまれる。 後半も彼の裏スペースに走られるという鹿島で良く観られるシーンが何回も画面に映し出された。 このまま彼を右SBで使い続けていいものだろうか?

DF:服部年宏(5.5)
堅実な守備を見せていた。後半は三都主の裏スペースをしっかりとカバーした上に中田浩二のフォローも行っていた。 セカンドボールを拾う姿が印象的である。しかしながらSBとしては、ラインを突破する速さが欲しい。 クロスやロングフィードなどの正確性をあげていかないとジーコ監督が目指す攻撃サッカーから脱落する。

MF:稲本潤一(6.5)
1点目を奪われたシーンでは直前の小野のファウルに気を取られてリスタートの対応が緩慢となった。 サイドに展開されたボールに対しての寄せが速ければと指摘せざるをえない。 しかし同点ゴールを奪った後半は好守のポジショニングが修正されて動きの質も良くなった。 試合勘が戻ってきたという事か?彼に求められるのは後半の仕事である。

MF:小野伸二(6.0)
好守のコンダクターとしてシンプルにパスを供給していた。無理に前線に絡もうとせず黒子役に徹する事が彼の ポジションでは必要となる。ただヒデへのパスが多い事が気になった、もっとフィールドを大きく使う サイドチェンジのパスなども意識して欲しい。

MF:中田英寿(6.5)
後半フリーロールになってから輝きを見せ始めた。守備も攻撃も高い次元でこなしていたが、 ここぞという時にボールを奪われたり、パス精度が悪かったりとミスも多かった。 声の指示でリーダーシップを取る欠かせない存在ではある。しかし一方でチームを思うがままに動かしたい王様タイプ の彼には「黄金の中盤」など迷惑な存在なのかもしれない。

MF:中村俊輔(6.0)
事前にコンディション不良と伝えられていた割には攻守に良い動きを見せた。 しかしボランチとのコンボネーションが出来ていない印象も受けた。 そして最大の問題点はヒデとのリズムが合っていないこと。それぞれに両天秤の動きは出来ていたようだが、 2人はもっと近くでプレーすべきだ。徐々に課題はは解消されていくだろうが、その為にも後20分は彼のプレーを観たかった。

FW:鈴木隆行(5.0)
身体の強さは認めるがポストプレーの成功率が低すぎる。これでは中盤の選手が安心してボールを預ける事が 出来ないだろう。はじめからファウル狙いでレフリーの判断を待たずにプレーを止めてしまう事が何回かあった、 日本人FWの悪い癖である。FWとしてはPKを奪ったシーンが唯一の仕事だった。

FW:高原直泰(5.0)
仕事ぶりが中途半端に思えた。DFラインをすり抜ける動きをしたいのか、ポストに入りたいのか、 攻撃の意図が感じられなかった。もっと自分のスタイル(攻撃意図)を中盤の選手に理解してもらう(要求する) 必要があるのではないか?決定的なシーンでシュートを外した事よりも、彼が走らされているだけの存在に見えた方が、 より深刻な問題だ。

MF:三都主アレサンドロ(5.0)−中村俊輔に代り−
左サイドのライン際にはり付いていた為に、彼の存在意義もチームとしての攻撃意図も非常に解りやすかった。 しかしながらスペースを消されて縦への突破が出来ない状況となってからは無理に仕掛けてボールを奪われたりと、、 独りよがりのプレーが目立った。それ程にクロス精度も高くなく、司令塔的な動きも出来ない彼は相手DF陣にとって は組みしやすいタイプ。やはりスタメンは難しい!!

MF:中田浩二(5.5)−小野伸二に代り−
三都主との連携がまるで出来ていなかった。速いプレスでボールを奪うなど動きそのものは良かったが、 如何せんその後にパスミスが多かった。元々パス精度に関しては定評のある選手なだけに、 もっと落ち着いてひとつひとつのプレーを大切にして欲しい。ダイナミックとも言えるが、大雑把でもある。

FW:黒部光昭(5.0)−鈴木隆行に代り−
出来ればスタメンで使って欲しかった。出場時間に関してはAマッチ初出場という事もあって致し方なかっただろう。 局所的にヘッドの強さやポストプレーの確実さをみせたが、FWとして仕事をする為には正確なラストパスが必要。 俊輔や伸二なら彼を活かせるパスを出せたのではないか?

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