6922 ライン・プリアンプ(ダサイ例)Haji's Audio HomePage




このアンプは、多少数値等をいじっていますが、ほとんど 情熱の真空管 の「真空管式差動ラインプリアンプ」そのままです。
このアンプには、パワーアンプ用のサービスコンセントを設けて、本アンプの電 源オン/オフで、パワーアンプも連動でオン/オフできるようにしました。
一応それで完結したのですが、パワーアンプの電源部に整流管を使っていること もあって、電源オフの時にスピーカーのコーンががボコっ前後にと動くのが気に なって、後付けで遅延回路を付け加えました。(パワーアンプの電源切断後、数 秒後にプリアンプの電源が切れるように)
遅延回路はてすとぺーじv0.0.7の回路を参考にさせていただきました。

以下2014年3月追記
この遅延回路は、一応トラブルもなく4年近く動作していました。
リレーのカチッという音は、私は結構気に入っていたのですが、常時待機電流が 流れているのと、機能の割りに回路が複雑になっている点は、引っかかっていま した。
しかし、先日「情熱の真空管」を覗いていたら、素晴らしい回路が紹介されてい たので、早速置き換えてみました。過渡電圧防止回路
CdS素子は、LCR-0203を選別しました。その際、LED OFFの場合の抵抗値が不安定 なものが多く、しばらく悩んだのですが、もしやと思い、Cds素子を暗がりに入 れて測定したところ、全ての素子が安定しました。
この回路に置き換えても、電源の投入/切断の時のふるまいが変わるだけ、と思っ ていましたが、アンプの音質が変わったような気がします。
気のせい?、いや、そうではないような...
ともあれ、リレー式に戻すことはないでしょう


回路図中、入力セレクタ、テープモニターSW部は省略しています。


遅延回路を一旦アンプ完成後に後付けで詰め込んだので、電源部が少し密集してしまいました。

シャーシはエスエス無線のA20(300x200x50xt1.0アルミ)です。アンプの重量は軽 く、形状を保持するには問題ないですが、振動を拾うことを考えるとt1.2〜t1.5 は欲しいところです。テープモニター用のスナップSWは店頭でなるべく柔らかい 動作のものを選んだのですが、アンプに組み込んで操作すると、けっこうスナッ プ動作音を拾って響きます。
程度問題ですが、シャーシの肉厚を上げるとか材質を鋼板に変えることで聴感で わかるレベルの音質変化がある可能性があると思います。




以下2019年12月追記
アンプなどのオーディオ機材を自作して自宅で使う場合、以前使っていたもの と置き換えて、結果が良くなった場合、ある意味閉じた環境なので、そのまま になりがちです。

あることがきっかけ で、このラインアンプの回路を見直していたら、負荷抵抗 RL=39Kが、パワーアンプの入力部のボリューム50kに対して大きすぎるのでは ないかということに気がつきました。

原版、ぺるけさんのラインアンプ旧版を見るとRL=20Kとなっており、なぜこん なにも極端にRLをいじったのか、覚えていませんが、B電源を供給するトラン スを原版10VAに対し5VAのものに小型化しており、推定ですが、ロードライン を引いて、これでも行ける、トランスも小型化できるし、と思ったのかも知れ ません。プリアンプ単体で考えて、次段のパワーアンプのことを考えていなかっ た、ということですね。ダサい例リレー回路に続いて、愚かなり!

早速改造を試すため、検討した結果、トランスを原版と同じ10VAに換装するの は現在のシャーシー配置上できないことから、
RL 39K→18K(2W)
Ip 2.7mA→4mA
RB 2.2K→5.1K(2W)
に変更、
定電流回路に手持ちの在庫2SK30Yの適当なもの(いまや貴重品?)を追加して 5.4mA→8mAとしました。

なお、定電流回路部の-C電源部の1.5Kは、もっと小さくした方が良いかも知れ ません。

単体で周波数特性を測定したところ、フラット帯域が可聴帯域外ですが低域側、 高域側とも少し改善しました。

さっそく試聴してみたところ、効果は想像よりも大でした。
感覚なので、 うまく伝わるかどうかわかりませんが、薄いもやが取れたような感じです。も ちろん、今回の処置をする前に、音にもやがかかっているとは思っていません でした。

また、別室で使っているオーディオセットがあり、これも同様のラインアンプ、 と自作5A6シングルアンプと、設計から完全に自分で作ったスピーカーユニッ トがあります。ユニットにFOSTEX FE126を使ったバックロードホーンです。こ のセットが、聴感でいうと中高域が少し引っ込んだ感じで、気になっていたの ですが、おそらく箱の設計が悪かったのだろうと決めつけていた ところがありま した。
この別室のセットのラインアンプに同様の処理をしたところ、帯域バランスが改善さ れました。スピーカーの箱のせいではなかったのですね。

結果をすぐに求める場合、原版のとおりに作るのが正解で、原版に対して私が いじっている部分は、おそらく全て改悪と思われますが、こういう遠大な遠回りを 体験すると、少しは自ら考えて結果を実感できるわけで、まぁ、こういうのも 勉強になります。


最終更新日 2019年12月21日