6922 フォノ・イコライザHaji's Audio HomePage
いつのまにか集まった昔のLP(アナログ・ディスク)が、実は結構いい音がするこ
とに気がついたので、フォノ・イコライザーを自作してみようということになり
ました。
真空管利用のフォノ・イコライザというと12AX7を使うのが定番ですが、6922を
使用してできないかな?と思いました。
ありがたいことに製作例がすでにありまして、「富嶽」とその仲間
達のページの「真空管プリアンプ〜最終版」を参考に製作してみました。
イコライザ回路は、手作りオーディオとSFとヨーロッパの博物館のページの例題の数字をそのまま使わせていただきました。
最終段は情熱の真空管
の「真空管式差動ラインプリアンプ」の回路を持ってきました。
あちこちの回路の寄せ集めではないか!と言われると、まさにそのとおりなので
すが、一応カソード接地な段は偶数個にして、奇数段目になる終段を差動式にし
たら歪を少なくできるのではないかという目論見があります。
トランスは東栄変成器のP35を使いました。端子側のラベルに「並四四球用」と書
いるので、歴史のあるトランスではないかと思います。6922のヒーターは直流点
火になるので、ヒーター用タップはAC8.0Vくらい欲しいのですが、残念ながらこ
のトランスは6.3Vです。簡単なリプルフィルターを通して何とかDC5.9Vを得まし
た。
本機製作の時ヒーター配線ということで、思わずより線にしてしまいましたが、
直流なのでその必要はなかったのではないかと思います。
シャーシはオクザワのO-20(300x150x60xt1.0)を使いました。部品を保持する面で
はこの板厚でも問題ないのですが、振動を拾うことを考えるとできれば板厚は
t1.2〜t1.5程度欲しいところです。
抵抗値を調整しているときに、半
田ごてで、不用意に触れてしまいフィルムコンデンサをオシャカにしてしまいま
した。シャシの中身の写真をよく見るとわかりますが、実は、差動回路のバラン
ス調整用のトリマ抵抗も触ってしまいました。トリマ抵抗の方は機能的には障害
がなく、セーフでした。気をつけなくちゃとは思っているのですが、いつの間に
かやってしまいました。ガードとして、不燃性の厚い布のようなものがあれば良
いのですが。
測定は中古品の低周波発振器(菊水ORC11)と電子電圧計(リーダーLMV-186B)で行
いました。(再校正された測定器ではないです)
ゲインは実測で39dBほど(設計段階での目標は40dB)出ました。
周波数特性は上のグラフのとおりで、イコライザー回路のコンデンサはJ級(誤差
5%)を使っていますので、まずまずです。
歪を測定する手段が手もとにあれば、初段と次段のグリッドバイアスの差をいじっ
て出てくる歪との関係を調べてみたいところです。
最終更新日 2010年7月24日