オックスのレコードジャケット レコードジャケットは、そのグループの魅力を知る大きな手がかりです。とりわけオックスの場合、その華麗なコスチュームの変遷をストレートに伝えてくれます。 幸い多くのジャケット写真が、CDのカバーや、ライナーノーツの中にも取り入れられて、復活しています。ビクターのCD「オックス・コンプリート・コレクション」には、オックスのすべてのレコードジャケットがカラーで、掲載されています。
LP盤 EP盤全部について書きました。私のこのHPには写真はなくメンバーの名前だけをいれてますのでPhoto-Highway のジャケット写真を見て、顔を確かめて下さい。(enn8801さん作成のオックスの写真を集めたステキなアルバムです。 )→全画像一覧
LP
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■「オックス・ファースト・アルバム」
このジャケット写真は、そのままCD「オックス VINTAGE COLLECTION 」に使われている。 その意味では、現在出回っているオックスの写真では、一番有名かもしれない。 デザインもおしゃれで、オックスのイメージにぴったりのジャケ写真だ。
タイトルの OX FIRST ALBUM のレタリングはサイケで、フラワー。 赤のバックは、5人の黒い衣装をぐっと引き立てている。 ハイネックの黒のパンタロンスーツの上着は、衿元と袖口のカットと、ゴージャスな刺繍が5人全部違う、とても凝った一着だ。 ゴールドのラインが衿、袖、ボトムのサイドに入っていて、ミラーボールの下で、キラキラ光るとすごくステキだったと思う。それまでは、タイツなど細身のボトムが多かったが、これはすそが思い切り広い、当時パンタロンと呼ばれたもの。 足には赤いブーツを履いている。
この衣装を着て、ステージで歌う映像は、松竹のビデオ「落葉とくちづけ」の中で見ることができる。
もとのLPは、広げると5人の全身が現われるようになっていて、右端の赤松愛だけが台の上に立っている。
また、LPには、同じ衣装のサイン入りポスターも付いていた。
ジャケット左から、福井利男、岡田志郎、野口ヒデト、岩田裕二、赤松愛
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■「テルミー/オックス・オン・ステージ NO.1」(ライブ盤)
表、裏ともステージ写真をジャケットに使っている。 楽器を持ったオックスの写真は意外と少ないので、ステージの上のオックスの雰囲気が一番わかる写真ではないだろうか。
表は、ちょうど指さしポーズを決めた野口ヒデトを左端にとらえた一枚。 その横にギターを持つ岡田志郎、オルガンを弾く赤松愛、傍らにベースの福井利男。 ドラムの岩田裕二が入っていなくて残念である。 裏の写真にも注目! 野口ヒデトと赤松愛が、宙を跳んだ瞬間をシャッターがとらえている。 赤松愛は、ほとんど姿が消えていて(!)動きの早さを物語っている。 その二人に視線を向けて、うしろでギターを抱えた岡田志郎のポーズが最高にカッコいい。 右端には、リーダーの福井利男。
さて衣装は「ロミオとジュリエットのロミオ」風。 当時オリビア・ハッセーとレナード・ホワイティング主演の映画が大流行したが、まさにそのロミオのイメージで作っている。 ふわりとした大きな袖はブルー、身頃が黒のベルベット(?)で、縦にストライプの入った上着。 袖口にはひもが付いている。 衿もとには、白いレースがちらりとのぞく。 下には黒のタイツを合わせて、靴も黒で、すっきりと決めた足もと。(編み上げブーツではない)
前述のビデオ「落葉とくちづけ」には、この衣装で5人が「スワンの涙」を演奏するシーンも出てくる。
元のLPには、オックスがお揃いの黒いタートルネックのセーターを着た、ポスターが付いていた。 Pヴァインレコードから出た、アナログ復刻版にも、このポスターを白黒だが付けていた。
解散後に出された、オックスのベスト盤。ジャケット写真はファースト・アルバムと同じときに撮られたものだと思うが、色のせいか印象が違う。
EP(シングル)オックスの初期のシングルは、筒美京平が作曲を手がけていた。 作曲家・筒美京平の傑作集CDにも、大体オックスのレコードジャケットが載っている。
ビクターのCD「筒美京平 ウルトラ・ベスト・トラックス / 60'S RARE TRACKS」のカバーは、オックスの「僕は燃えてる」のジャケット写真がモノクロで使われている。
●ガール・フレンド / 花の指環
オックスのデビューシングル。 新人らしく一列に整列して屋外で撮った一枚。 大きなフリルカラーにストライプの衣装で、黒と白のコントラストが効いている。 そしてボトムはオックスを有名にした、白いタイツと白の編み上げブーツで決めている。 ウエストにはシルバーのベルト。
左から、岩田裕二、岡田志郎、野口ヒデト、赤松愛、福井利男。
●ダンシング・セブンティーン / 僕のハートをどうぞ
曲のタイトルに合わせて、踊るポーズの写真。 白いタイツは相変わらず、王子様路線のコスチューム。 ジャケットでは見えないが、足には編み上げブーツを履いていた。 衿に白いレースの付いた白いブラウス。 その上には、すそがスカラップになったブルーのベストを着ている。 ベストには小さくイニシャルが入っていた。
後列左から福井利男、岡田志郎、岩田裕二、前列左が野口ヒデト、右が赤松愛。
この衣装で「ガール・フレンド」を演奏するオックスの姿は、松竹映画「天使の誘惑」(黛ジュン主演)で見ることができる。ビデオ化が待たれます。
●スワンの涙 / オックス・クライ
中央を丸くカットしたジャケットは、当時流行りのサイケ調。 ブルーの色調と、ピンクのタイトルが衣装に映えて、個人的にはとても傑作だと思っている。
衣装は黒のベストスーツ。 その下にブルーのシースルーブラウスを着ている。衿と袖にはフリルがたっぷりで、ウエストにも共布の、ブルーのサッシュベルトを巻いている。 こういう風に透けて見えるシースルーは、トップファッションだったが、男の子で着てる人はほとんどいなかったのでは・・・もちろんベストを着てないと、スケスケです。他のGSには見られない、すごくユニセックス調のコスチュームだった。でも似合っていた。
哀愁を帯びた表情の5人は、後列左から、福井利男、岡田志郎、岩田裕二、前列左、野口ヒデト、右が赤松愛。
●僕は燃えてる / 夜明けのオックス
これも中世騎士をイメージした衣装で、剣を持ったら似合いそう。 白いハイネックの上から、ワインレッドのベルベットの上着を重ねて着ている。 胸元と袖にクロスした紐がポイントのデザイン。 ウエストにはベルトが付いている。 ボトムはこれも白いタイツ、靴は黒だった。
腕を組んでポーズをとった写真。後列左から、福井利男、岡田志郎、岩田裕二、前列左、赤松愛、右が野口ヒデト。(赤松愛は、この直後グループを脱退したため、これが最後のジャケット写真)
●ロザリオは永遠に/真夏のフラメンコ
この曲からメンバーが入れ替わり、ジャケット写真もおとなし目にイメージ・チェンジ。 黄色のシャツに白いパンツと、シンプルなコスチュームだ。 すっきりと清潔感のある感じに仕上がっている。
前列左から福井利男、野口ヒデト(胸に大きなロザリオをかけている)、岡田志郎、後列左、岩田裕二、そして右でポーズをとるのが、新加入の田浦幸。
●神にそむいて / 夜明けの光
そのタイトル通り、暗めのジャケット写真だ。 でもダークなバックに浮かび上がる5人の姿が印象的で、美しい一枚である。
白いスーツは、ジャケットのすそがちょっと広めでおしゃれ。 大きな衿と黒いボタンがアクセントになっている。 まだGS風ではあるが、ついに襟元にはネクタイを・・・。
タイトルを囲むようにして、左から野口ヒデト、岡田志郎、田浦幸、岩田裕二、福井利男。
この楽曲の作詞はなかにし礼。
●許してくれ / ジャスト・ア・リトル・ラブ
どこかの野原で、オレンジ色の夕陽をバックに佇むオックス。 空をあおぐポーズが、いかにも許しを乞うかのよう。 衣装は完全に、スーツ、ネクタイ姿に変わっている。 白いワイシャツにダーク・ブラウンのスリー・ピース。 70年代を迎えて、5人とも髪がどんどん長くなってくる。
中央にひとり、ひざまづく野口ヒデト。後列左から、田浦幸、岡田志郎、岩田裕二、福井利男。
●僕をあげます / 花の時間
洋館をバックに立つ5人は、全員バラバラのスーツ姿。 あまり曲のイメージとは関係ない写真であるが、それぞれの個性が際立っていて、当時のオックスを伝える、いい一枚だと思う。 みんなぐっと大人っぽくなってきて、特に福井利男は、ドラマの中の刑事役みたいな渋さがあってステキだ。
左から三つ揃いの似合う福井利男、グリーンのダブルの上着がおしゃれな岡田志郎、ブルーのストライプのスーツを、ばっちり着こなした野口ヒデト、グレーのスーツが一番大人を感じる岩田裕二、ダークブルーのスーツ姿が艶っぽい田浦幸。
この楽曲の作詞は阿久悠。
●もうどうにもならない / ふりむきもしないで
このジャケット写真だけ見れば、完全にムードコーラスグループ風である。
黒のタキシードに蝶ネクタイが似合いすぎる程似合って、とてもサマになる5人だ。 オックスのラスト・シングルとして、曲の内容と、そしてこのみんなの憂いを帯びた表情はすごく象徴的である。
左から田浦幸(すでに俳優・夏夕介の顔になっている)、アフロっぽい髪形が迫力の岩田裕二、岡田志郎、前面の野口ヒデト、そして福井利男。
by Miki
花素材