ジャズ喫茶とは           

当時をご存じの方には、今更言うまでもないことですが、ジャズ喫茶とは、お茶を飲みながら音楽を聴くお店のことです。
「音楽喫茶」とも言い、GSブームの頃は、全国にGSを聴けるお店がたくさんありました。
クラシックのレコードをかける音楽喫茶とは違い、生バンドが出演する形式で、現在のライブハウスに近いものです。 
ジャズ喫茶のステージでは、オリジナル曲より、洋楽を中心に演奏するGSも多く、ファンにとってはライブの興奮を味わえる、貴重な場所であった訳です。

またゴーゴーが踊れるフロアのあるお店もあり、ゴーゴーホールと呼ばれたりもしました。 こちらは、その後のディスコ、今のクラブと言った感じでしょうか

ジャズ喫茶の入場料は300円くらいですが、ティーンには結構な出費だった筈。
当時の物価はこんなものでした。(1968〜1969年)


当時の雑誌から、都内にあったジャズ喫茶を一部ご紹介します。



オックスは当時『銀座ACB』、『ラ・セーヌ』、『東京』によく出演していました。
1971年にオックスが解散ライブを行ったのは『池袋ACB』。
デビュー当時は『新宿ACB』や『池袋ドラム』にも出演していたそうです。


東京ジャズ喫茶 

(銀座)
■銀座ACB(アシベ)
ステージは回り舞台になっていて、出演者の顔がすべてのお客さんに見えるよう、工夫されている。日本で一番古い喫茶店。 客席数=250 

銀座ACB でのオックス (写真:『近代映画』1968年11月号より)

(渋谷)
■VAN
ゴーゴーが踊れるホールがあり、そのまわりに客席がおかれ、ホールの真ん中には柱が一本あるだけ。フロントには、若い人向きのアクセサリーや、スター・プロマイドが飾ってある。 客席数=100 

(池袋)
■ドラム
劇場スタイルになっていて、音響効果がいいのが、この店の自慢です。障害物がないので、客席から出演者が見やすいのと、客席とステージが近いので、ファンにとって楽しいお店。
客席数=立ち見をいれると500人は入れる。

(上野)
■ 東京(TOKYO)
デラックスな喫茶店のムードはアベックに最適。お店は地階で、一階が純喫茶『宮殿』、二階にはお寺があり、御徒町名物になっています。  客席数=600

(城南地区)
■ブルー・スポット
人気アマチュア・グループが出演、親しみのあるゴーゴー喫茶です。踊るフロアの面積は200平方メートル。 客席数=150

(新宿)
■新宿ACB(アシベ)
新宿ACB(アシベ)はあまりにも有名。 人気グループはほとんどこの店に出演しているといっていいでしょう。一階と二階の客席から中二階のステージの熱演を見るスタイルで、人気グループが出演のときは、若い子でいっぱい。根気よく待つつもりで行かないと入れません。客席数=350

■ラ・セーヌ
入ってみるとまったくの劇場。違うのは、アベック・シートの前にテーブルがあること。
出演者も、GSからムード歌謡コーラスグループまで多彩。 客席数=500

■ POP
飲んで踊れるゴーゴー喫茶。踊りたくない人には、スペシャル・ボックスで、踊りを見ながら飲めるようになっています。女性は半額のシステム。客席=300

■55天国NO.1
まさにゴーゴー天国。広いフロアで、多いに踊りに興ずることができるようになっています。客席=補助席を入れて60


参考資料:『平凡』付録  ※「池袋ACB」は、この記事には記載がありませんでした。