一代一主。甲斐犬は生涯ただ一人の主人にしか仕えないといわれています。
子供の頃ゴン太はソーセージでももらえば知らない人にでもしっぽを振ってついていってしまいました。お店の前に待たせておくと誘拐されちゃわないかと心配だったものです。でも2歳になるころから家族と隣のおじいちゃん以外からは何をもらっても食べなくなりました。好物のジャーキーを出されてもよだれを舐めながらプイッと横を向いています。奥さんが「ヨシ」というと手から奪い取って、くれた人から逃げるようにして離れて食べるのでちょっと格好悪いです。甲斐犬は、勇猛で怖いもの知らずです。ゴン太は体重が3倍近くもあるゴールデンレトリバーやシベリアンハスキーに向かっていきます。もっとも、簡単に負けちゃいますが(^^;)。自動車の怖さが分からないのが困ったものです。
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はっきりいって怖い顔をしてます。ゴン太は怒ると背中の剛毛を逆立てて牙をむき出します。知らない人は怖くて近づけたものじゃありません。番犬にはピッタリです。まちを散歩しているとき、子供から「あの人、オオカミ連れてる!」っていわれたことが何度もあります(オオカミ見たことあるのかっ!)。親が子供に「○○ちゃんの好きなワンワンいるよ」といっても、子供からは「あの犬は怖いからキラーイッ」なんて言われちゃいます(^_^;。
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でも性格は穏やかでとても人なつこいんですよ。顔もよく見ればカワイイんです。目はクリクリッとして表情豊かです。奥さんに叱られて罰として無視されているときなんか、泣きそうで目がウルウルになっています。ロープやボールを持ってきても遊んでもらえなかったときなんかにいじけスタイルで訴えるのも演技力あります。
天然記念物指定理由書に依れば、
「オオムネ黒色及茶褐色ノ毛、相半バニシテ虎斑ヲ呈ス」
「体高ハ一尺三寸(39.4cm)至一尺七寸(51.5cm)デアル」
カモシカでも走れないような岩場を身軽に走破するバネの効いた肢体、巨獣の攻撃をかわす牛若丸のような身のこなし、まくりに来た猪に対し空中転回して、後方に回り込む格闘技、それは皆この体型のなせる業である。大物猟で消耗しない犬、殺されない犬として評価されるのは、更にこの犬の智力、利口さが加味された結果である。:古典的「甲斐犬」の優秀性(甲斐犬愛護会東京支部 柳沢琢郎著)より引用・抜粋これは実感できます。空き地でダルメシアンと遊んで走り回ってたとき、ゴン太の方がずっと速いんです。ものすごい勢いでちょこまかと走り回るゴン太に対して、ダルメシアンは勢い余って土手から転げ落ちるわ、滑って転んじゃうわで気の毒でした。(ダルちゃんごめんなさいm(__)m 。怪我は治りましたか。また遊んでね。)
南アルプスの山々に残存した甲斐犬は、虎毛のみの同一毛色で黒虎、中虎、赤虎とその色具合で分けられています。現存する日本犬の中ではもっとも野性的な風貌で、動作は俊敏、余分な肉は削ぎ落とされて古典的な厳しさを備えています。(中略)甲斐の険しく起伏の多い山々を飛び歩く飛び歩く姿は、さっそうとして目をみはらせるものがあります。:「ニッポンの犬」(岩合光昭著、平凡社)より引用ゴン太はこの本にでてる耳を後ろに倒して疾走する写真とそっくりなんです。2800円という値段にちょっと躊躇しましたが、やっぱり買っちゃいました。疾駆する姿は速すぎてデジカメでは写らなくてお見せできません。「ニッポンの犬」の48〜49ページを見てください。
ドッグギャラリー :甲斐犬の解説がのっています
「甲斐犬について知りたい」 :山梨県立図書館レファレンスで甲斐犬関係の書籍を紹介しています。