研対部 あゆみ速報ダイジェスト番
日本原子力研究所と燃料サイクル機構が統合し、日本原子力研究開発機構になりました。研対部では、これまでの原子力研究所の研究環境に
ついて議論し、研究者が研究に集中できる活力のある研究開発機関として生まれ変わるには、どのような研究環境を構築するべきかをを話し合ってきました。ま
た、統合後に挙がってきた問題点
についても指摘をしてきました。我々の議論の一部は「あゆみ速報」にて、研対部の議論の内容をシリーズ記事「世界的な原子力総合研究所の研究環境を考え
る」にて紹介しています。以下、関連記事
とともに、その内容を紹介します。
要
求 |
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発行番号 |
日付 |
旧電子メールアドレスの利用延長について |
57-22 |
12/16 |
[予告] 世界的な原子力総合研究所の研究環境を
考える
日本原子力研究所と燃料サイクル機構が統合し、いままさに日本原子力研究開発機構になろうとしています。日本で唯一、世界でも有数の総合原子力研究機関
となるはずです。これまで原研は、基礎・基盤研究を中心にしており、グループ・個人ベースの研究も大きな比重を占めてきました。バイオから核融合まで幅広
い研究が活発に行われています。研究費が次第に厳しくなると予想される中、研究者は装置の維持・管理などの作業も自らこなす必要も出てくる可能性もありま
す。こうした中、さらに効率的に研究を行っていく必要に迫られるでしょう。
原研の現状でも、煩雑な手続き、不必要と思われる書類の作成、効率の悪い予算執行などで、研究が妨げられることがあります。統合後のシステムがまだ見え
てこない中ではありますが、現状のシステムを見直し、理想的な研究環境について議論することは意義があるでしょう。研究環境を改善した結果、研究成果がさ
らに上がれば研究所にとってもプラスになるはずです。
私たちは、統合を機に望ましい研究環境について考え、提言・要求を行いたいと思います。これまで、「不必要な書類作成の軽減」、「研究費の効率のよい使
い方」、「納品までのスピードアップ」、「旅費」、「サポート部門の強化」、「図書」、などの問題についての議論を行ってきました。議論の経過について
は、あゆみ速報や研究問題対策部ニュースで報告していきます。
世界的な原子力総合研究所の研究環境を考える
(2)
― 予算執行のスピード −
日本原子力研究開発機構は、プロジェクト的な研究を推進とともに、基礎・基盤研究を行うことを使命としています。研究者は、プロジェクトの完遂または、
多
くの研究成果を生み出すことが求められています。世界的な競争の中におかれ、より早く研究成果を出さなければなりません。
これまでは、契約伝票を起票後、納品まで1ヶ月以上の期間が必要でした。その間、最悪の場合研究がストップする場合があります。品物が安価な場合、ポケッ
トマネーで対応する例も聞きます。
新たにできる原研機構では、研究のスピードアップをはかるため、納品までの期間が短縮できるようなシステムを作り上げる必要があるでしょう。安価な部品
な
どについては、立て替え払いができる様にするべきでしょう。大学や他の研究機関では、普通に行われています。原研でも科研費などの外部予算では可能である
のに、研究所の通常予算ではできないというのは、理解できません。原研が必要以上に萎縮しているとしか言いようがありません。インターネットを使えば、発
注・納品まで非常に早く手続きを進ませることができます。公官庁向けの見積もりをするところもあるので、無理ではないはずです。金額のある程度大きい契約
でも、先行発注できる様にするなど、スピードアップすることを考えるべきでしょう。
原研の予算執行期間は、開始が遅く、終わりが早いです。特会事業や科研費などの予算執行開始はさらに遅く、開始されるのは、梅雨明けから初夏にかけてで
す。大学では、科研費2年目以降の継続の旅費は4月から出せるように運用しているところもあります。執行が確実な予算の一部については、先行して使える様
にするべきでしょう。
世界的な原子力総合研究所の研究環境を考える
(3)
― 不必要な書類作成の軽減 ―
研究者は常に書類を書いています。論文、会議録、年報、計画書、出張報告書、契約請求書、etc。かなりの時間が書類作成に使われています。効率よく研究
を進めるためには、無駄な書類作成をできるだけなくす必要があるでしょう。いいアイディアも、時間に追われていては出てこないかもしれません。さらに言う
と、時間の浪費は人件費の無駄遣いでしかありません。書類を作成する側だけでなく書類をチェックする側も、かなりの労力を使っているはずです。
書類作成が、誰のために、何のために必要であるかを明確にして、必要な情報を満足するような簡潔な形で書類にするシステムを構築するべきでしょう。
英国の宰相ウインストン・チャーチルが政府各部局の長に送ったメモには次のように書いてあったそうです。「われわれの職務を遂行するには大量の書類を読ま
ねばならぬ。その書類のほとんどすべてが長すぎる。時間が無駄だし、要点をみつけるのに手間がかかる。同僚諸兄とその部下の方々に、報告書をもっと短くす
るようにご配意ねがいたい。」(理科系の作文技術、木下是雄(1981)より)
*職員のみなさんの意見に次のようなものがありました。
- 書類の内容でなく、表現や誤字脱字、フォーマットに関し異常なまでのチェック・修正が行われる場合がある。「内部文章」にここまで精力を傾け
るのは、時
間の無駄であろう。
- 書類作成に対して、どれだけの人件費が無駄になっているかを検討するべきである。必要であれば、校閲係を置くなどするべきである。
- 報告書など本当に読まれているのであれば意味があるが、そうでなければ書く意味がない。
- 最近の原研の海外出張報告書は数枚で良いが、核燃料サイクル開発機構では、長い報告書を海外・国内出張共に求められていると聞く。本当に必要
なのか、長
さや量は適当であるかなど精査すべきである。
- 4半期報告書は過剰ではないか。年度毎の報告書でよいのではないか。
- 日勤報告、週報など日にちを書いてファイルするだけの報告書はやめてほしい。
世界的な原子力総合研究所の研究環境を考える
(4)
− 海外出張旅費 −
国際会議への参加は、研究者にとって単なる成果の発表ではなく、情報収集・議論を通じて、研究室では得られない新しい発想を引き出したり、視野を広げた
りするための重要な場です。海外出張に関しては予算不足が理由で、招待講演でさえ旅費が認められない場合が多く見受けられます。出張旅費を増額すべきで
しょう。
しかしながら、予算増額が容易に認められるとは考えられないので、できるだけ海外出張のコストを削減し、多くの研究者が国際会議へ参加できる機会を増や
すために、旅費の支給方法の改善をするべきです。以下に、研究者の中でよく言われる意見を上げておきます。
- 現状では、高額な旅券を購入しているので、格安チケットを使えるようにする。たとえば旅券取扱の指定業者を増やす、または自由競争にするなど
して、旅
券購入価格を下げる努力をする。さらに旅費を薄く広く行き渡らせるために、日当の傾斜配分の見直しや減額などを考えてはどうか。
- グローバルな時代に予算枠を国内・海外に分けるのは時代遅れである。旅費を研究費へ繰り込んではどうか。現状では3月末申し込み〆切の国際会
議に対応
できていないが、研究費に繰り込まれれば、研究グループ内のやりくりで対応できる。また、旅費の支出を抑えようとする意欲も生まれる。これは、先端研では
すでに実現しており、無理でない改革だと思われる。
- 国際会議での発表が認められても旅費が工面できない場合、多くの研究者が自費で海外出張している。それにもかかわらず、出勤簿の扱いは有給休
暇となっ
ている。出張旅費が出せないまでも、出勤扱いにするべきであろう。
世界的な原子力総合研究所の研究環境を考える
(5)
− 研究者の意見を受け入れるような体制の必要性 −
(「メールアドレスの変更」について)
日本原子力研究開発機構は研究する機関であり、機構には研究がスムーズに行われるような配慮をお願いしたい。以下、「メールアドレスの変更」について取り
上げますが、一事が万事このようであると、研究に差し障りが出ます。研究者の意見を受け入れるような体制を築いてほしいものです。
先日、事務連絡「JJ統合時のネットワーク環境について」(9月6日)という通知が回ってきました。それによると、現在使われているメールサーバーは各
研究室のものもpopsvrやhemsなどもすべて廃止し一元化する。ただし新しいメールアドレスへの移行期間として
10月1日から3ヶ月、旧メールアドレスが使えるというものです。
旧サーバーの廃止や一元化は仕方ないとして、問題は移行期間の短さです。国際会議や国内外の組織のメーリングリストはすぐに変更できないものも多いです
し、論文に掲載したアドレスには不特定多数の論文読者からメールが来る可能性があります。少なくとも1−2年は移行期間が必要です。郵便物の転送や電話の
変更通知でさえ1年は行います。このようなことは、研究者に聞いて頂ければすぐ分かるはずです。
「電子メールサービス利用規約」ができているので、以下にその内容の一部を紹介します。
- 個人メールアドレスは、「苗字.名前@jaea.go.jp」を原則とする。
- 基本送受信用サービスとしてSMTP、POP(APOP)、IMAP、WebMailが利用できる。
- メールの自動転送は原則禁止とする。
- グループ・プロジェクト等での利用を目的とするメールエイリアスアドレス/共有メールアドレス/メーリングリストは、申請の上使うことができ
る。
- メールボックスは100Mbyteに制限する。ただし、既定値を超える容量を必要とするときは、申請の上、最大300MByteまで増やすこ
とがで
きる。
- 1メール当たりの送受信容量は1メールあたり最大20Mbyteに制限する。
また、「規約」には明記されていませんが、所外からは、WebMailのみが利用できるようです。
上記「規約」についての個人的な見解を述べます。電子メールサービスに関しては、ほぼ妥当と思います。メールボックスの容量や送受信容量については、プロ
ジェクトの報告書作成などをメールでやりとりする人から異論が出るかもしれません。FTPサーバーの運用と合わせて検討して頂きたいと思います。また、
メールボックスの容量に関しては、もう少し多くてもよいと思います。容量はYahooBBに劣っています。メールの自動転送については、携帯電話に転送し
て常にメールを確認している人もいるので、セキュリティ上の問題がなければ、許可しても良いのではないでしょうか?WebMailに関しては、アタックの
対象になる可能性があるということですが、十分管理がなされるのであれば問題はないとおもいます。また、WebMailが使いやすければそれはそれで十分
役に立つのでしょうが、所外からAPOPが使えるとさらに便利であると思います。
世界的な原子力総合研究所の研究環境を考える
(6)
− 「メールアドレスの変更期間」について −
すでに10月も後半にさしかかっているのに「メールアドレスが取得できない」という人が結構いるようです。申請が殺到して処理が進んでいないためとおもわ
れます。「旧メールアドレスを3ヶ月で廃止する」という脅しがきいたのでしょうか。旧メールアドレスの廃止まで、あと2ヶ月ちょっとです。ネットワーク係
には、がんばっていただきたい。まさか、正月あけたら通信手段が全て絶たれてしまったという人は、出ないでしょうが…
本来なら、旧メールアドレスからの変更期間をもっと長くとっておくべきでしょう。
以前にも書きましたが、電子メールは重要な研究情報交換のツールとしてその地位を獲得しています。コミュニティの情報は、メーリングリストを通じて広報
されます。論文の投稿も、電子投稿が主で、メールを通じてやりとりが行われます。発表された論文にはメールアドレスが掲載されます。国際会議の場合、参加
申し込み、アブストラクトやプロシーディングスの投稿など全てにメールが使われます。会議の参加者に、メールアドレスを配布されることもあります。メール
アドレスを手がかりに、論文読者からコンタクトをとってくることもあります。質問・議論を通じ新しいアイディアが浮かぶかもしれませんし、共同研究が始ま
るかもしれません。国際会議で知り合った人とも、メールで情報交換することがあります。国際会議の開催通知はメーリングリストのメンバーに配布されるで
しょう。チェアマンや招待講演をメールで依頼されるかもしれません。
2つの研究所が投資して広めた情報網(研究者のメールアドレス)をたったの3ヶ月で捨ててしまうことは、研究者だけでなく、日本国家(研究所)の大きな
損失でしょう。
産総研、宇宙航空研究開発機構、首都大学東京、いずれも旧ドメインを残しています。どれも、我々と同じような研究機関で、継続して旧ドメインを使ってい
るのは、その重要性が特例として認められたからでしょう。世界的な原子力総合研究所として、そう認められる努力をするべきでしょう。
全ての関係者にメールアドレスの変更を周知させるには、時間がかかります。少なくとも1−2年は移行期間が必要です。郵便物の転送や電話の変更通知でさ
え1年は行います。旧メールアドレスからの変更期間を延長するべきでしょう。
(おまけ)
メールアドレスに関しては、「苗字.名前@jaea.go.jp」が原則として与えられるのですが、このようなバレバレのメールアドレスでは、ジャンク
メールの格好の餌食となる可能性があります。外線電話の投資勧誘もいい加減腹が立ちますが、いかがわしいメールが日に何十通も送られてくるのもうんざりし
ます。たとえば「苗字.名前@XX.jaea.go.jp」にすると、同姓同名対策にもなるし、一つの手だと思います。
ともかく、できるだけ早くユーザーによるネットワーク委員会を立ち上げ、移行期間、メールアドレスの決定方法など、研究者などの意見を吸い上げることが
できる体制を作っていただきたい。
世界的な原子力総合研究所の研究環境を考える
(7)
− サポート部門の強化 −
研究機関は、研究を行う研究者だけでなく、それをサポートする事務などによって支えられています。研究所が研究成果を求められているのであれば、事務は
できるだけ研究が進展するようにサポートするべきでしょう。書類などを研究者に押しつけたり、面倒なことを門前払いしたりなど、官僚的な態度は厳に慎まな
いといけないでしょう。さらに、自らよりよい研究環境を考え、自発的に改革を提案していく、そのような研究機関になってほしいと思います。
費用の問題もあるでしょうが、JJ統合は、研究のサポートについて再考する絶好の機会と思いまず。
事務業務を簡易化することは、当然行われないといけません。しかし、実際には研究現場の複雑な事務処理を臨時職員が一手にまかなっているのが現状です。
経験豊かな臨時職員は、貴重な戦力です。事務処理は、マクドナルドやセブンイレブンのような、マニュアルで決まった仕事をするだけではないはずです。臨時
職員は、人事、契約請求、放射線管理などの事務・諸手続きなどで業務をサポートしています。臨時職員の契約期間が3年で、その後やめさせられる形態となる
と、業務が滞って困る可能性があります。3年というと、臨時職の人がようやく仕事に慣れ、人間関係もできて、どこに何を頼めばよいかも分かってきた頃で
す。そのころに辞められ、新人に、また一から教えなおす必要が出てきます。旧サイクルの研究者も、「臨時職員が変わるたびに一から教え直すのは大変だ」と
いっていました。
研究機構は、研究者にも事務処理の詳細まで把握することを期待しているのでしょうか。研究者には、あまりにも負担が大きすぎるでしょう。
世界的な原子力総合研究所の研究環境を考える
(8)
− サポート部門の強化(2)−
建設などのプロジェクトを中心とせず、地道な研究を行っている研究者は多いはずです。そのような人が効率よく働け、より成果を上げるように、研究所の研
究環境を整えて頂きたいものです。
1.図書
研究者にとって、図書は知識の源となる場所です。しかし、予算額が減少しており、次々に雑誌の購入が取りやめられています。「世界的な原子力総合研究
所」としては、図書の予算を増額する努力を行ってほしい。また、旧原研では、和雑誌の予算区分で洋雑誌を購入できないようになっていました。予算が変なこ
とに使われないようにある程度の歯止めは必要ですが、必要以上に硬直させるのはいかがなものかと思います。
研究機関としては、研究論文の発信数と並んで、どの程度、研究成果が他の研究者に参照されているかを調べる必要が後で出てくると予想されます。
citation
indexは、論文がどの程度参考論文として扱われているかを調べるツールです。現在は、図書室でないとこのサービスが受けられないのですが、これをサイ
トライセンス化して、居室で使えるようにして頂くと非常に便利になると思います。
2.サポート部門
研究によっては、安価で迅速、高い技術レベルに裏打ちされたサービスが必要なところもあります。業者との契約で対応すると1ヶ月以上かかることがあります
ので、迅速なサービスは特に重要な要素です。エレクトロ、工作課、ガラス工作などの部門は、実験室レベルの研究には不可欠です。研究費が減額される中、事
務簡略化を進めこれらの部署を強化してほしいものです。
3.ネットワーク環境
一般家庭ではADSLが入り、いまや光通信が広まろうとしている今日、東海研ではいまだにイエローケーブルに多くのパソコンがぶら下がっています。いまで
は、家庭でネットワークにつながる方が遙かに快適です。ギガビットイーサーとまではいわないまでも、せめて100
Mbpsのネットワークに計画的に更新していってほしいと切に願います。
旧原研のメールアドレスの扱いについては以下のような意見が組合に寄せられています。
『以前から問題になっている、旧法人のメールアドレスの取扱について、旧法人のアドレスでは来年3月末まで受信可能であるが、それ以降は一切使えないとの
通知が回りました。
この件に関しては個人的にも旧メールアドレスを延長する必要性を訴えたのですが、こうした意見を全く無視して今回一方的に決定したことに対し非常に憤り
を覚えます。』
世界的な原子力総合研究所の研究環境を考える
(9)
− 契約システム GLOBIA/Public について −
職員一人一人がPCを持ち、ネットワークでつながる様になった。より効率的な事務処理を行うため、ネットワーク化によるペーパーレス、速い事務処理、効
率化などが一般企業だけでなく、我々のような研究業務にも求められているはずである。日本原子力研究開発機構では、物品購入契約手続きがようやくネット
ワーク経由でできるようになった。これ自体、原子力研究開発機構においては画期的なことである。しかし、このシステムには、大きな欠陥があるといわざるを
得ない。「使いづらいし、研究者にとっては負担が増えただけである」との声も聞かれる。
大きな欠陥とは、このシステムを使うためには「マイクロソフト社」の「ウインドウズ」がインストールされたパソコンと、それに「マイクロソフト社」の
「エクセル」を導入する必要があるということである。さらに、ブラウザーに「マイクロソフト社」の「インターネットエクスプローラー」を使わなければなら
ない。研究者の中には、マッキントッシュや、UNIX系のOSがインストールされたパソコンを使っている人がいる。研究に必要だからだ。ウインドウズにな
いソフトウエアがある、パフォーマンスが高い、セキュリティが高い、安定性が高い、使い勝手がよい、よく慣れているなどの理由が挙げられる。研究者にも強
制的にウインドウズパソコンを導入しろというのか?しかも、わざわざマイクロソフト社のエクセル付きで。 研究費が削減される中、このような出費を強制す
るのはいかがなものか。このようなことを押しつけるのであれば「違法コピーを防ぐためにも、原子力機構でウインドウズとオフィスのライセンス契約をするべ
きである」との声も多く上がっている。
またアクセス時間が限定されているが、研究所内からしかアクセスできないし、パスワードによる保護、印鑑による認証を通さないといけないといった処理が
あるので、これは意味がない。基本的には、就業時間内で作業を行うべきであろうが、やむを得ない理由で夜遅くなることがある。残業が認められていることか
ら、明らかであろう。原子力機構が、単年度予算制度を取っていること、予算の執行開始時期が遅い、契約書類の締めが早い、納入まで時間がかかるなどの問題
があり、深夜までかかってでもできるだけ起票を早く完成させたいといったことがあり得る。
「使いづらい」という点に対しては、早急に修正して、より使いやすいシステムを構築してほしい。伝票係を作って、その人に押しつけているグループもある
と聞く。万人に使えるシステム構築を目指すべきであろう。今後、事務および研究の効率化を考え、システムが更新されることを期待して、以下に改善すべき点
を上げておく。
- アクティブXで動かすことをやめ、Sunのjavaで動作するようにし、OSやブラウザーが変わっても動作するようにすべきであろう。
- このシステムを使用する場合、インターネットエックスプローラーにプラグイン、セキュリティの変更を加えないといけない。セキュリティ上、問
題はないの
か?このような変更を加えるのは、気分的にも良くない。また、コンピュータに詳しくない人には、手間ひまがかかる。特定の人が駆り出されて設定させられて
いる。
- 入力可能時間が制限されているので、これを廃止してほしい。
- レスポンスが遅く、作業に時間がかかる。サーバーのパフォーマンスが不足しているので、改善してほしい。
- 伝票を作成して電子情報とするが、それと並行してExcelファイルをプリントアウトし、紙情報として関係部署を回し印鑑を押すことになって
いる。これ
では、電子化した意味が全くない。電子承認システムを導入するべきであろう。また、出力がExcelファイルなので、書き換えが可能で、電子情報と矛盾を
生じる可能性もある。変更できないようにPDFファイルなどで出力できるようにするべきであろう。
- 職員の情報がデータベース化されていないので、電話番号、建屋番号、部屋番号、予算区分などを、起票するたび、いちいち同じ情報を繰り返し入
力しなけれ
ばならない。データベースを導入するだけで、入力する労力をかなり省くことができるようになる。
- システムで扱えるアカウントの数が少ない。使用中に他人が同じアカウントでログインすると、それまで時間をかけて作成してきたデータが破棄さ
れるとい
う。職員全員にアカウントを与えるべきであろう。
- 伝票の作成過程で、複数ページで入力する必要があるので、行ったり来たりで、手間がかかる。ページを統一すべきであろう。
- 入力データは、事務がその処理に使うだけでなく、データベース化して研究業務管理に使えるようにして欲しい。
- 仕様の欄が小さいので、複数の品目があるときに、いちいち別添を付けなければならない。もっと大きくしてほしい。
- 別添ファイルを添付資料として送れるようにしてほしい。
- 経理システムに疎い人には、入力事項がわかりづらいので、ページにHELP機能を付けてほしい。
- 職員だけでなく、嘱託者も起票できるようにして欲しい。嘱託者が職員に頼んで起票してもらっているところもある。
何故こういうものが出来上がったのか?システムを作るとき、研究する現場を無視してきたからでしょう。「起案する側」がシステムの仕様策定に関わらない
と、独りよがりで、いいものはできないと思います。今からでも遅くないので、使う側の人間も仕様変更に参加するように、ユーザー委員会を立ち上げて頂きた
い。
新法人のネットワーク環境について
あゆみ速報で掲載している「世界的原子力総合研究所の研究環境を考える(5)」で「メールアドレスの変更」について指摘をしましたが、そのことについ
て、研究所側からそれについての追加説明がありました。メールアドレスの移行期間の短さについては、ユーザー側からも反発を受けているそうです。所として
は、「できるだけ研究の妨げにならないように統合環境を構築する努力をする」と回答しましたが、実態は「原研サイドのみでは決定事項を覆すことはできない
ので、統合後に様子を見ながら検討することになる」とのことです。以下に、その概略を示します。
労組:我々が最も問題としているのは、メールの移行期間が短いことだ。郵便物でさえ1年間は転送してくれる。国際会議のアナウンスなどは数年ごとだし、変
更されたら重要な情報が得られなくなる。産総研、宇宙航空研究開発機構、首都大学東京、いずれも旧ドメインを残している。どれも、我々と同じ研究機関が継
続してメールアドレスを残しているのは、その重要性をちゃんと認識しているからだろう。
所:変更前のドメイン名を利用出来るのは、決められた移行猶予期間に限定(最長でも6ヶ月)とされているので、長期間の延長は出来ない。また、他の研究機
関については、特例として認められている場合であり、統合組織で認められるかは分からない。
労組:「電子メールサービス利用規約」が細かすぎで、時代に取り残される可能性はないか。また、ユーザーの意見を採り上げるシステムが必要なのではない
か。
所:メールボックスの容量などの規約は、コンピューター技術の向上に合わせ柔軟に対応していくつもりだ。また、ユーザーの意見を採り上げるシステムについ
ては、検討を行っている。
労組:メールの自動転送を使って、出張先などにおいて携帯電話で確認している人もいる。
所:情報漏洩の可能性があるので、自動転送はできない。
労組:全てを最も厳しい基準で行われると利便性が失われるので、セキュリティーに関しては部署によってランク付けをして、許可しても良いのではないか。
所:それは、セキュリティーに関する委員会の決定する事項であり、我々の部署は関与できない。
研究の継続性を考えると、メールの移行期間が短いことによる弊害は明らかで、日本の科学投資に対する損失ともいえます。また、他の研究機関が認められ
て、日本原子力研究開発機構が認められない理由も見あたりません。セキュリティーに関しても、全て等しく厳しくする必要はないでしょう。統合後にネット
ワーク管理組織ができてから、ユーザーが声を大にして、再度、要求を突きつける必要がありそうです。
研究問題対策部開かれる
研究機構が誕生してすでに2ヶ月経過しました。統合のごたごたは、いまだに続いていますが、少しずつ研究所のシステムも見えてきたようです。研究対策部
は、11月30日、研究環境の変更に伴う問題点を議論しました。
詳細については、後日別に議論しますが、この会合であがった話題を簡単に紹介します。
1.共用研究について
- 共用研究では、企業などが使用料を払い、機構内で非公開の研究をすることができるシステムであるが、これは「公開が原則の原子力政策」に反す
るのではな
いか。
- 「秘密の研究をしています」と機構が宣言しているようなものなので、「もしかしたら核兵器などの研究をしているのではないか?」など、国民に
あらぬ疑い
を抱かれる恐れもあるのではないか。非公開研究なので、そうした嫌疑も晴らせない。
- 非公開研究は、基本的にまずいのではないか。
2.事務書類について
- 書類が増えた。
- ペーパーレス(エコ)時代に反している。
- 印鑑や発信番号など、見た目にはこだわっているが、中身が無く、無意味に書類を回さなければならなくなった。
- 書類中心主義的で、より官僚的である。
- 効率が悪くなった。
3.契約システムについて
- 契約システム(富士通のGLOBIA)は使いにくい。Windowsで、しかもインターネットエクスプローラーV.6でしか使えない。
- 完成した書類を印刷物にするために、microsoft
excelファイルをアクティブX経由で吐き出すが、書類は修正する性質のものでないので、全く無意味なプロセスである。
- 契約の処理時間が短縮されればよいが、書類に印鑑を押して、電子文章と並行して回すで、スピードアップは望めないのではないか。
- もしかしたら、事務処理を研究者・技術者に押し付けただけなのか。
4.海外出張
- 海外出張における海外旅費の算出に関し、相見積もりによる旅行業者選定、Eチケットの導入、格安チケットの使用が可能になったことなど、旅費
を抑制する
システムが導入された。労組が主張してきたことが、ようやく認められた。
5.旧メールアドレスについて
- 旧メールアドレスは、少なくとも2年程度は保持できるようにして欲しい。
- 論文数では、旧原研のほうが、旧動燃と旧核燃を合わせたものより10倍も多い。論文を出さない事業所の人間には、研究におけるメールアドレス
の重要性が
わかっていないのではないか。
統合独立行政法人化され、原子力機構も他の政府関係研究機関の多くの例に漏れず、産学連携の推進が強く謳われています。機構のホームページには、すでに
締め切られましたが、「平成18年度上期の施設共用課題の募集」が掲載されています。募集には[成果公開の研究課題]と[成果非公開の研究課題]の2区分
があります。どちらにも利用料金が課せられますが、「非公開」の課題には、「公開」の課題よりも利用料金が高くなります。しかし、「非公開」の課題では、
課題審査が免除され、施設の部門による実験の実施可能性と安全性のみが審査されるとしています。私は、この「非公開の共用課題」には問題があります。
「非公開の研究課題」募集で感じる第1の違和感は、原子力の公開の原則はどこへ行ったのかということです。言うまでも無く、原子力についてわが国はもっ
ぱら平和利用のみを行うことを決めており、その担保として、「自主、民主、公開」の平和利用三原則を掲げているはずです。中でも公開の原則はその要でしょ
う。なのに、原子力基本法のもとにある機構が、公開を義務付けず、課題の審査も行わないテーマを、無限定に募集してよいのでしょうか。違法行為ではないで
しょうか。一体誰がこんな募集要項を決めたのでしょうか。これではこっそり軍事研究をされても分かりません。仮に利用者の一定期間の成果の占有を認めるに
しても、機構が原子力基本法の平和利用3原則の制約のもとにある機関であり、その制約のもとでしか施設の利用を供せないことを明記しなければならないと考
えます。
第2の違和感は、非公開課題の利用料金の設定です。募集要項と共に料金表が掲載されています。機構の施設には多大な公的な資金が投入されています。成果
が公開されれば、その多くは広く世の中に還元されたと見れますが、非公開で、その成果をごく一部の者しか享受できない施設の利用であれば、かかった費用、
今後かかる費用を全て料金に組み込むべきでしょう。料金表の金額は安すぎるのではないでしょうか。違いますか?
第3に誰がその研究を手助けするのでしょうか。成果が求められている研究所が、成果にならないことをやっても良いのでしょうか。また、そうした業務を行
なったとき、研究者は本当に評価されるのでしょうか?「ただ働き」で「ご苦労様」では研究者は浮かばれません。それとも、非公開課題協力X件とかの客観的
数字で評価されるのでしょうか。寂しいですね。
第4に機密保持に関して誰が責任を負うのでしょうか。どこかで機密漏えいがあったとき、ただ働きをさせられた一個人の研究者が、追及され、責任を負わさ
れてはたまりません。
「行政改革」や公的機関の縮小が進められ、また原子力の未来も昔のように明るい部分は薄くなっています。産学連携も良いかもしれませんが、わが国の原子
力の原点を忘れると、本当に先が無くなるように思います。
旧メールアドレスの扱いが決まったようです
我々の主張が認められたようです
情報システム管理室ががんばったようですが、結局、我々は蚊帳の外で、決定には関与できませんでした。
統合を期に旧メールアドレスが半年で廃止されようとしていました。私たちはそれに対し、メールアドレスの移行には1年以上かける必要があると主張してき
ましたが(*)、それが認められたようです。イントラネットに掲載された、3月23日付「旧法人メールアドレス宛受信メール転送サービスについて」による
と、4月1日から4月30日までのあいだにhttp://ms.jaea.go.jp/user/address.phpで手続きを行うと、旧メールアド
レス宛に来たメールを、jaeaのメールアドレスに転送してもらえるようになります。このサービスは来年度末まで続けられます。
しかし、状況は改善されるとは言っても、研究者との議論を避けて、機構側が一方的に物事を決定する姿勢は相変わらずです。我々が理事長宛に提出した、要
求書・質問状(**)にも、回答をいただいていません。機構は、研究者が研究しやすい環境を整えるために、文句を言われて渋々行うのではなく、研究者の意
見を聞く態度を持ってほしいものです。
(*)あゆみ速報4601号、4603号、4605号、4611号、4613号に記載
(**)あゆみ速報4613号に掲載
あゆみ速報はhttp://wing.zero.ad.jp/genkenrouso/よりダウンロードできます。
ついでに!!!!
グロービアも早急に何とかしてくださいね!
詳細は略しますが、あの有様は恥です。20年前ならともかく。現場の意見を聞き、事務の流れ方、合理化の検討のど十分行なった上、使いやすいものを作っ
てください。
真砂国際寮及び外来者寮の運用について
平成18 年2 月24
日付けで出された管理部厚生課からの「福利厚生関連の変更について」の、「2.真砂国際寮及び外来者寮の運用について」に、「真砂国際寮については、福利
厚生施設として厚生課が管理運用することになりました、外来者寮につていは職員等の利用に限定すて運用します。」とありました。
これまで、実験・研究会に参加するために外部から原研に来た人は、阿漕クラブまたは、外来者寮に宿泊してきました。この措置によって、こうし
た外来者が宿泊施設から締め出されることにならないか危惧されます。
理由があり、使用優先度を下げるならともかく、共同研究参加者を閉め出すのはいかがなものかと思います。原子力機構は、産官学連携を目標の一
つに掲げて、施設の開放を行おうとしているのに、これでは、資金のない外部利用者にとって負担を増やすことになります。J-PARC
が動き始めると、高エネルギー関係の研究者が泊まり込みで実験にくることが予測されます。どの程度の宿舎が必要となるか分かりませんが、KEK
とJAEA で協議して、共同研究者用宿舎を建設する必要があるのではないかと思います。
投稿 えっ!昼食料金が値上げされる!?
原子力科学研究所の機構職員食堂の制度の見直しが行われました。これによると、部外者は、原子力機構職員に比べ60円高い値段で昼食を食べられるように
なります。制度の見直しにより、KEKや東大の職員などが1階食堂を使えるようになったことは評価します。しかし、ここで問題にしたいのは、値上げされる
立場にある研究生や実習生についてです。彼らは、機構で職員と共に研究を行っています。特に連携大学院生に関しては、機構を拠点として、機構で学びつつ成
果を出し、大学院を修了するのです。彼らは3月まで、職員と同額で食事を食べることができました。それが突然部外者扱いとなり、昼食代が60円値上げされ
たのです。
金額の問題よりむしろ、こうした差別をする、機構の姿勢はいかがなものかと思います。産官学連携、原子力人材育成をうたっているにもかかわらず、学生に
こうした差別を行うのは、無神経といえるでしょう。たかが1食60円ですが、機構に対して、悪い感情を持つのは間違いないでしょう。なにせ、食い物の怨み
は恐ろしいですから。
投稿 貴重な昼休みを返せ
原子力科学研究所の食堂がチケット式から、非接触式のカード式になりました。カードは原子力機構のIDカードです。まさに最先端といいたいところです
が、どこのカードメーカのものを買ったのか、思わず聞きたくなるぐらいお粗末さです。以下に、問題点を記しておきます。
第1に、食堂のシステムが遅い。カードリーダーがカードを認知するまで、数秒かかります。ある人の測定によると約5秒/人だったそうです。結果として、
食堂に長い列ができてしまいました。(早速2台目を導入したようで、行列は若干緩和されましたが…)第2にに非接触とは言いながら、カードリーダーにぴっ
たりくっつけないと認識してくれません。第3に、IDカードの他にカードが混在すると認識しなくなるというお粗末さです。機構には他にも非接触型のカード
がありますが、これと混線するというのです。従って、カードを複数枚持つ人は、一枚抜き出して認証するか、カードホルダーをもう一つ首からぶら下げるな
ど、対応を取らなければなりません。そもそも、よく考えて、カードを統一するなり、電波の周波数を変えるなりすれば、このような事態は招かなかったはずで
す。第4にディスプレー表示が日本語のみなので、多くの外国人には意味が理解できないでしょう。とても国際的な研究所とは言えません。第5に、IDカード
自体がお粗末です。財布に入れておくと無線用の線が切れるので、カードケースに入れて、丁寧に扱ってほしいというのです。
近年、鉄道などでsuicaのような非接触型のプリペイドカードが使えるようになりました。反応ははるかに早いです。また、財布の中のような過酷(?)
な条件でも使えているはずです。
IT化で事務負担を減らすという目標はよしとしても、ユーザーを全く無視し、軽率にシステムを変更し、結果的に負担をユーザーに押しつけるという事態が
つづいています。"経理システムの富士通GLOVIA"についてもしかりです。機構はシステムを変更するとき良く検討して、職員にしわ寄せしないようにし
ていだきたいものです。
投稿 これは、おかしい、旧原研職員は旧サイクル
の住宅へ?
旧原研職員から聞いた話ですが、機構の住宅を借りようとしたら「長堀住宅は空いているのだけれど、修理費が無いから入れません。旧サイクルの住宅しか入
れ
ません」と言われたそうです。
長堀住宅は修理できなくて、旧サイクルの住宅が修理できる理由が分かりません。ここからは、推測ですが、旧サイクル職員には、逆に旧原研の住宅に強制的
に
入れさせて旧原研と旧サイクルの融合を図ろうとしているのではないかと思います。でも、それって強制してまでやることでしょうか?旧サイクル、旧原研職員
全員が住宅を平等に借りられるようにして自然に融合していけばいいと思うのですが・・・。
筑波大学が職員向けの保育所を設置
朝日新聞によると、筑波大が職員向けの保育所を設置をするそうである(6月8日付け。抜粋記事を)。少子化対策、女性の社会参加、次世代育成支援など意
義
は大きい。理化学研究所では、和光キャンパスに事業所内託児施設「りけんキッズわこう」の整備を行い、平成16 年4 月1
日より独立行政法人理化学研究所共済会(小中元秀会長)を主体として託児施設の運営を開始している。こういった制度はぜひ広がってほしいものである。
女性職員は原研労に入会して、議論しましょう。