委員長から一言

 

53期執行委員会の開始にあたって

53期中央執行委員会 委員長 岩井 孝

  7月1日から、第53期中央執行委員会が発足しました。経験豊富なメンバーと原研の将来を担う若いメンバーが揃いました。今後1年間、組合の執行活動の先頭に立って、がんばる決意です。

現在の不況は、私たちの生活を脅かしています。世の中の賃金水準が落ち込み、私たちの賃金もベースアップがほとんどなく、一時金は削減されてきています。このままでは、生活は苦しくなるばかりです。小泉首相の言う「構造改革」は、よく中身を見ると、不良債権処理でさらに100万人規模の失業者を生み、消費税の増税を公言し、健保の本人負担増など、ますます不況と生活苦をひどくする内容です。こんなことをそのまま許しておくわけにはいきません。

 また、まるで特殊法人全体を悪者扱いして強行しようとしている「特殊法人の全面見直し」も、私たちにとって、とても厳しいものになりかねません。予算と人員の「効率的・重点的」運用ということで、本来、公的機関としてやるべきことが、ないがしろにされかねません。本当の「無駄」は省くべきですが、必要なことまで省いては、日本の将来が危うくなります。その点を広く訴えていきます。

 原子力は、エネルギー源としての大きな可能性を持っていると同時に、深刻で複雑な問題も抱えています。私たちの職場である原研の果たすべき最大の役割は、将来にわたって原子力を利用できるように、現状の課題を認識して正面から問題解決のための研究、技術開発に取り組むことです。その上で、基礎から応用までの広い範囲にわたる研究・技術開発が求められます。また、JCO事故の対応で社会的に高く評価された、分析・解析や放射線管理、環境安全など原研の多方面にわたる能力、特に安全に関する分野は公的機関として維持・発展すべき分野です。ところが、原研は「エネルギー源としての原子力」から「サイエンスとしての原子力」に重点を移すとしています。サイエンスとしての研究も社会的には必要です。しかし、現実の原子力、特に軽水炉を中心とする原子力の利用に関与の薄れてきた原研が、2000人以上の人員で税金から1000億円以上の予算を使うことが、これからも国民から認められるでしょうか。原研の役割を本来の方向に向けさせたいと考えます。

  労働組合は、組合員だけの利益を追求するものではありません。原研に働くすべての方の生活と権利を守るとともに、公的機関としての原研が国民の期待に応える組織であることを常に求めていきます。それを広く理解していただき、積極的に組合員を増やしていきたいと考えます。

  これから1年間、執行委員会として全力を尽くしますので、よろしくご協力をお願いします。
 
 


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