第8部:リユニオン・エイジア

 ここでは、2006年から翌年までのワールド・ツアー中に「過去の自分達のバンドの有名曲を演ろう」という企画が持ち上がり、実現した4曲を掲載する。どれもカヴァーなので他の部門に分けるべきかとも考えたが、一括してここに掲載することにする。
 なお、現段階では何種類もあるオフィシャル・ブートレッグ(写真)をもとにしている。ウェブ通販で多数リリースされているので、日程や場所、演奏の出来具合などによって好みで選ぶといいだろう。オフィシャル・ライヴ・アルバム『ファンタジア〜ライヴ・イン・トーキョー・2007』も存在し、そちらの方が数段音質がいいのでそちらを基本的にお薦めしたい。。



エイジア/ラウンドアバウト
  Asia/Roundabout

 スティーヴ・ハウにちなんだイエスの代表曲。ウェットンは高音域を無理して出さず、全体的に音階を下げて歌っている。ハウはさすがのギター・プレイ。本家と較べると全体的に小さくまとまって、ややチープな印象もあるが、ウェットンの野太いベースはクリス・スクワイアにも負けていない。パーマーの原曲より荒々しいプレイや、さすが元イエスで「それっぽい」音作りを得意としたダウンズにも着目。しかしさすがにコーラス・ワークはイエスには劣ってしまうか?


エイジア/庶民のファンファーレ
  Asia/Fanfare For The Common Man

 カール・パーマーにちなんだエマーソン、レイク&パーマーの傑作曲。基本はオリジナルの通りシンセ・メインの進行だが、アレンジされてギター・ソロと交互にシンセ・ソロが入っていたりと新鮮な部分も。パーマーのドラムは言うまでもなく本物。原曲がトリオ演奏だったのに対して、こちらはクァルテットで演奏されているのもポイント。特に原曲にはないギター・フレーズに注目。インストゥルメンタル。


エイジア/クリムゾン・キングの宮殿
  Asia/The Court Of The Crimson King

 ジョン・ウェットンが在籍したキング・クリムゾン初期の名曲。スティーヴ・ハケットとのライヴで演奏されたことはあったが、エイジア・アレンジでも荘厳な雰囲気は(シンセの大仰な音のお陰もあって)充分に出ている。フルートの代わりにシンセが鳴っていたり、パーマーのドラミングがマイケル・ジャイルズのように正確なものではなく豪放だったりと、着目点は多い。中間部のインスト部分は日によって挟まれていたり、省かれていたりする。リプリーズ部分はなし。ややコーラス・ワークに乱れあり。なぜクリムゾン在籍時代でないこの曲を歌うのか、ウェットンに言わせると「自分はイアン・マクドナルドとこの曲を演奏したこともあるし、クリムゾンは今では演奏しない。一種のトリビュートであり、ロバート・フリップ達の才能を再評価してほしい」とのこと。


エイジア/ラジオ・スターの悲劇
  Asia/Video Killed The Radio Star

 ジェフ・ダウンズにちなんだバグルスの代表曲。今までシンセ・インストで演奏されたことはあったが、このツアーではバンド演奏で、ウェットンがきちんと歌っている。ライヴでは、拡声器を使って歌っていたそうだ。ダウンズの一人舞台ではなく、「アワ・アワ」の部分をギターで弾くなど、バンド・アレンジが活きている。ギター・ソロもあり、意外にもハウが活躍している一曲。パーマーのドラムはテクノを意識しながらも豪快に鳴り響く。この4人が演奏すると、こんな曲までエイジアの曲っぽくきこえてしまうから不思議だ。