23.変パケCDを楽しもう

〜中身とともに〜

 基本、僕は音さえ聴ければパッケージは気にしない。それより音楽表現そのものこそが「アーティスト」と言われるなら大切でしょう? っていう質なんだけれど、そんな僕でもマニアっつーかコレクター的な気質から、あややこれは欲しいぞー! と思ってしまうものが多々ある。まあアレだ、パッケージにこだわるのも表現のひとつなわけで。それだけで終わっちゃ意味ねーけど。
 どうしたって初回限定生産が多いけど、CDにはいろんな特殊ジャケットがある。LP時代にもストーンズのチャック・カヴァーとか、ヴェルヴェッツのバナナ・シールとかあったけど、CDはコンパクトなのでデザインも楽で、コストも安くなったというのがある。まあデザイン面で言えばコンパクトなのでデカいのはできないとかできても無駄にデカくなるってのがあるけど。
 なので、ここで粋(かどうかはわからんが)で変わったパッケージのCDをご紹介しようと思う。世の中には紙スリーヴに収納されてるだけで「わ! 変わったパッケージ〜!」と言ってしまう人もいるので、そんなんじゃねえぞこんなにいろいろあるんだぞ、というのが伝われば幸いと思いまして。別にコレクション自慢じゃねいので悪しからず。もっといろんなの持ってる人いるからねー。早稲田時代に観音開きのイタリア女性歌手の「鉄ジャケ」を見かけたけど、買っておけばよかったなー。いかにもイタリアン・ポップスっぽくて買わなかったのだけど。やっぱ「迷った時が買い時」だね。と言ってる時点で音楽関係なしにジャケばっか見てる感もありますが、そんなわけじゃないっすよ。このページは特別編であって、本来は音楽そのもの自体を真摯に受け止めてますよー。たぶん。
 でもね、弁解させていただければ、前述の通りジャケも「表現」だと思うんだ。無駄でもいいのよ、自己主張できれば。それに美学的なことで言えばジャケットも衣装みたいなもんですからねぇ。そら、アーティスト言われるなら変わった見栄えにしたいやん? ウチ変わってる言われるのが嬉しいですから〜、って誰だオマエ。エイベックスの人ですか?
 まあいい。
 とまれ、説明趣旨願望云々以前に、「変パケCD」は気になるし、あるとむふふと眺めたり触ったり意味なく閉じたり開いたりしたくなるのは間違いないスからね。変わったもの持ってる俺ってすげえ、と勘違いしちゃう人もおられるかもですが。すごいのは持ってる人じゃなくて作った人です。わかるよね。

 まずは軽いジャブで、ゆらゆら帝国のシングル『冷たいギフト/貫通』。

 これは見てのとおり、紙ジャケです。
 ただし、「8cmシングル・サイズの」紙ジャケです。ちょーコンパクト。さすが日本人。内袋というか不織布まで完備。しかも1曲ずつが2枚に振り分けて入っていて、だったら1枚に入れろ状態。
 まぁ結果的にその2曲がダブル・アルバムに振り分けられたリード・トラックになったという側面もあったのだけど、リリース当時は「さすがゆら帝、なに考えてんだかわかんない」と言われたものです。マニアはこぞって何枚も買ったりしていたね。絶対プレミアつくから、って。たしかにそこそこプレミアつきました。一時期は爆発的にだし解散後も業者が流したりだけど、じっさいにはそこそこ、ね。

 ここで冒頭文にあったメタル・ジャケットをどーんとご紹介。

 何をかいわんや、「元祖メタル・ジャケ」のPIL、その名も『メタル・ボックス』ですよ!
 これはリリース当時のLP盤でアルミ缶入りボックスだったのを、コンパクトにCDで再現したもの。もちろんCDでは1枚に収録できる時間なのに、あえての3枚仕様。あいだにうっすい布が挟んであって、底は衝撃吸収剤での上げ底。輸入盤のみなのでブックレットなどなく、折りたたまれたリーフレットがディスクの上に入ってます。
 ここから「鉄ジャケ」の歴史が始まったと言っても過言ではない。もっとも、これがCD復刻されるのは当分あとになってからで、そのあいだにいろんな人が似たメタル缶を出してしまってからだったのだけれども。

 たとえばプリンス王子。それもモノは『バットマン』サントラ盤。そう、あの「農〜協〜牛〜乳!」です。
 こちらは上げ底にディスクが入り、映画の写真を多用したフル・カラー・ブックレットまで丸型に作られ、キレーにできている。でも輸入盤しかないみたいね。中古で見かけるなりソッコーで購入しました。アルバムとしてもいいですしね。

 こちらは日本のレゲエ・グループ、FIRE BALLのベスト盤。2枚組なので、やっぱ『メタル・ボックス』のように布と上げ底、そこに『バットマン』のごとく丸型ブックレット、という前者ふたつを統合したような仕様。
 缶が金色なのも、ひょっとしたら銀色だったPILを意識してのことなのかしら? まぁレゲエとダブは非常に接点がつよいわけで、ないとは言えないな。

 こちらも同様の丸缶。松浦亜弥なんですけど。一時期Zetimaおおはやりだった頃、出ていたみたいですね。モーニング娘。関連ということで世間が沸騰していた頃なので、たぶん初回限定のこのパッケージは、ファンは持っていても別のありがたさで持っているんでしょう。
 でもそれも一時のことで、もうそんなブームはとうに去っているわけで。なのでジャンク品で購入したのですけど、CD以外中身カラッポ。たぶんマニアが中のブックレットだかなんだかを抜いて売りさばいたのだな。ハコ自体は棄ててもいいけど写真はね、というマニア心か。
 その残骸を拾ってしまう僕も人のことまったく言えませんけどね。てへ。

 で、皆さんこれを見たことありますか? ルー・リ−ドの『マジック・アンド・ロス』の「鉄ジャケ」です!
 これはすごいぞー。何より、すげー重い。だってほんとに分厚い「鉄」なんだもの。重厚。普通のプラケの20倍ぐらいの重さ。
 やはり輸入盤のみの仕様で、これも中古で見かけるなりソッコー手に入れたのだけど、前の持ち主も大事にしていたのかシールが貼られたヴィニールまで綺麗に剥いて被せた状態でした。入手したのはディスクユニオン。さすがマニア心をわかってらっしゃる。ジャンクあさりに最適な大手リサイクル・ショップとかだったら事務的にヴィニール棄ててるね。
 でも中はフツーのデジ・パックと同じで、ちょっとスカスカな作り。
 しかもアルバムがアルバムだしなぁ。のほほんとした雰囲気だしなぁ。
 いっそのこと、これを『メタル・マシーン・ミュージック』でやってみてほしかったものですよ。そうしたらさらにマニア度が上がるっしょ。持ってるだけで聴かなくてもいい安心感がつよまるし(← そういうこと言うな)。

 日本で有名なアルミ・ケースといえば、COMPLEXのセカンド・アルバム『ROMANTIC 1990』でしょうね。
「もっとカッチョイイことをするんで待っててください」というややVOWっぽい発言のあと、吉川晃司と布袋寅泰のユニットということで話題を呼びまくったCOMPLEXですが、このあたりで両者のどっちがつよいかケンカ合戦が勃発。吉川大勝利。はんぶんほんとの嘘ですけど。
 内容的にも、ちょいとロック色をつよめたというか、のちの布袋ソロとあまり変わらない音づくりになっちゃってるんですよねー。布袋作曲ばかりで吉川作曲がなくなっちゃって。でも吉川はこのあとアイドルから一気にロック兄貴に変身できたわけですが。
 で、たまにこれじゃないプラ・ケースの中古とかを見ると、「おお逆に珍し」とか思ってしまうのです。それは後述の氷室と同じであるのがまた奇なこと。

 そのCOMPLEXからの、布袋にいきましょう。

 これまた奇遇。COMPLEXの直後に出した『GUITARHYTHM II』です。
 そのまえに『Deja-vu』というマキシ・シングル(当時は珍しかった)も出していて、それと同じヴェルヴェット・ボックス仕様。『Deja-vu』も持ってはいますが、もはや希少価値が薄くなって絵的にも面白くないのでこちらだけの紹介。
 厚紙で作られたケースにヴェルヴェットの布張り、その中に極厚ブックレットとCD2枚、さらにはおまけつき。まー豪華。内容的にも「ロックの布袋は死んだ」とか言われるものの、「え? おれ結構セカンド好きだよ」と言われるターニング・ポイント的なものになりましたね。
 これも逆に通常盤が珍しくなっちまったわな。透明のプラ・ケースにブックレットとCD2枚を入れただけのものなんですが。
 そうそう、このままだとCDを出すのが面倒で、すぐに聴けるように抜いておいたらおいたで歌詞やプログラムはブックレットに載っているわけで、しょうがなくしまいこんだボックスを取り出したりしていたことを記憶しております。持ってる方、そんなことしませんでしたか?

 で、こちらは店舗限定で配布された、ベスト盤『GUITARHYTHM FOREVER』のVol.1と2を同時購入した人に配られた布袋ボックス。辞典のようなCD2枚を収納できるボックスに、付属のブックレットがついてます。ディスクユニオンで手に入れたのですが、いわゆる「ロックな布袋」もここまででしたね。
 引っ張り出してみたらピンズが入ってたけど、これの特典だっただろうか……?

 そこから布袋は、こういう「よくある初回特典」に落ち着くわけですよ。とくに面白みのあるわけでもない、フツーのカートン・ボックス仕様。しかも奇しくもhideが似たような、「ボックス同じだけど色が違うよヴァージョン」をやった直後に。
 僕は青を買ったわけですけど、やっぱピンクは残ってましたね〜。ヴェルヴェットと違って手触り微妙だし、数も多いし。布袋にピンクて。hideにピンクはナイスだったけど。

 しかし布袋はピンクが好きらしく(?)のちに出たリミックス盤『BATTLE ROYAL MIXES』は真っピンクの紙ジャケットでした。そもそも布袋にリミックスて、という人が多く、やはり評価はイマイチだったようなのですが、じっさいリミックスも面白いわけでは(中略)、直後に中古市場に(再中略)、そしていまはジャンク・コーナー(再三の中略、おわり)
 で、それを開くと、「飛び出す絵本」のようになって布袋のステージがひろがるという、まあまあ凝った仕掛けでもありました。きっと考えたんだからチャチいとか言うな(← 言ってるじゃん)。別に布袋が嫌いなわけじゃなくむしろ好きなほうですけん。

 絵本といえば、天野月子にもありました。

 ベスト盤つーかシングル・コレクション・アルバム『カタログ』なのですが、こちらはもっとシンプル。5周年記念作品なので、「5さい」の天野が樹にかくれんぼをしているという。天野やファンは「なんて画期的」と言っていたけど、前述したように布袋がすでにやっていたのだなぁ。

 さて、布袋のあとは氷室。自然ですね。

 これは初のベスト盤『masterpiece #12』。全曲を再録音したという、完璧主義者として通っている氷室らしい作品。じっさいにいいアレンジで、愛聴してましたわ。
 その初回がデジ・パック仕様でして、真ん中が窓のように開いて虫眼鏡仕様っつーか透明のプラッチックになってて、ぼやーんとする仕掛け。けれども初回なのに出荷枚数が桁違いだったので、中古でもこればっか見て普通のプラ・ケースの方が珍しいという布袋状態。さいきんレンタル落ちのプラケ盤を見て「おおお」とか唸ったものだ。あたりまえですけど、フッツ――でしたけどね。

 氷室はちょこちょこ初回特殊仕様をやってますけど、この『I・DE・A』なんか、そのきわみかもですな。9面開き紙ボックス仕様。もはやサンタナの『ロータスの秘宝』状態。「サンタナの ジャケット開いて たためない」(VOWより)とはよく言ったものです。持ってないけどね。

 そのBOOWYの後輩のBUCK-TICK。

 近年のBUCK-TICKも初回盤は必ずに等しいほど特殊盤がありますけど、その風習はこの『狂った太陽』から始まりましたね。だいたい。
 透明オビに巻かれた透明のプラスティック・ケースに、透明フィルム6枚セット。それを合わせてケースに乗せて収納すると1枚になるという。ちなみにフィルムも6枚ともヴィニール包装されてました。好きな人を前に出せってことなんだろうけど、やっぱりあっちゃん、というより「もとのかたちのまま収納する」癖が僕にはあるので、「敦司 → 寿 → 英彦 → ユータ → ヤガミ → バック」のままです。つーかそれってB-Tのイメージ的な力関係なわけで。それをそのままにする美学ですね。何だそら。
 何だったかの音楽雑誌で、こういう変なパッケージのCDを紹介する記事でもこいつは載っていましたね。

 初回盤の中身だけは右。この状態で中古に出ているのをよく見ましたね。通常盤ブックレットは左。リマスター盤はこれだったのさ。

 そのアルバム先行シングル『スピード』も、初回はフィルムつきでした。わりと珍しいけど2枚持ってます。これだからコレクターは……いやね、ファンだとどうしても、ね。ソフバもそういうコレクター状態なのがあります。

 ヴォーカルの櫻井敦司ソロも、変でした。

 どーん! とデカい箱ですけど、ただデカいだけ。中身はフツーにCDと歌詞で分かれてるだけ。意味がなーい! 邪魔ー! なので中身だけ出して箱はしまっています。

 さて、そこからの繋がりでSOFT BALLET。

 ソフバ活動停止に際してリリースされたリメイク・ベスト盤も、廃盤状態なのに初回ばっか見かけますね。やはりプラケを見て「おおお」と唸ったたぐいです。わりとしっかりしたカートン素材のデジ・パックで、ひろげて折るとちょうど四角になります。
 なのだけど、歌詞カードとかブックレットがその中に「入っている」だけなので、うまく収納できない。そのままだとあいだから落ちちゃうからどうしたってヴィニールが必要。そんなのってよくあるよね。それでやっぱ中身と歌詞だけ別のケースに収納しちゃうのよね。

 これは変なパッケージでもないけど、珍しいほうだからご紹介を。ミニ・アルバム『3(drai)』の初回盤。紙ボックスにCDが入ってて、いっしょにキー・ホルダーを収納したシートが入ってる。このキー・ホルダーだけをまるで別売りされた公式アイテムかのようにしてオークション出品する人もたまにいます。あと中古で買うとたいていそれだけないっていう。
 ところで、このアルバムの初回盤かどうかの見分け方って知ってますか? 裏面を見ればいいのです。

 裏ジャケには、なぁんと「EXIST」が「EXIT」とミス・プリントされている。再プレスからは直ったけど、初回は中身(左)も外箱(右)もともにミスプリ。こういう手ぬかりが逆にソフバらしいっていうか。

 ついでだから変なベストも。困りましたよねー、意味がないベスト盤で。はい、意味ないです。ファンの方だけ「あったよねー」ってわかってくれればいいです。アルファのミュージシャンこぞって出されてましたよね。

 で、写真を撮り忘れてしまったので拾った画像ですが、シングルもひとつ。『ENGAGING UNIVERSE』初回盤は、フィルム仕様のヴィニールにパックされていました。カラスの絵の。で、そこから中身を出すと下の遼一眼光ジャケですわ。短冊シングルも結構こういう遊びする人らがいたのよねー。限られたデザインに挑戦する感じで好きだったわ。

 さて、そのヴォーカル、遠藤遼一のソロ・プロジェクト、endsよりおひとつ。

 とうとう宇宙全開になったセカンド・ミニ・アルバム『spacy』初回盤は、緑色の硬くて薄いヴィニール・ケースに入った紙ジャケでした。しかし困ったことには、中身を出すには裏側まで回るように貼られた右端のオレンジのシールをどうにかしなきゃいけないという。みんなこれをビリッと破ってしまうみたいだけど、はい、元のまま収納したがる僕は、最初っからうまーく剥がして中身だけ出して、ジャケとか歌詞をカラー・コピーしてプラケに移し、元のように包装し直しました。
 今回の撮影のためひっさびさに開封したんだけど、やはり恐る恐る。若干シールが破けそうになったりして、あああもったいない、とか思ってしまいました。

 ソフバのクネクネ・キーボーディスト、森岡賢のファースト・ソロもちょっとだけ。

 まぁ特殊パッケージってほどじゃないけど、オビとブックレットの包みと底ジャケが薄出のフィルム状になっている。重ねるといい感じにぼやけるのです。それだけですけど。

 さて、そこから親交づたいでhideにいきます。すごいぞー。


 特殊ジャケで有名なファースト・ソロ『HIDE YOUR FACE』初回盤は、R.H.ギーガーのデザインによるエンボス仕様のデジ・パックに、文字の透明フィルムが重なっている。眼の部分だけ開いていて、下のhideと重なるのです。本当はこれが必要以上にデカいプラケに入ってたんだけど、僕が中古で買ったものはそれがなかったのです。くー。そうそう、これも「そのままだとブックレット落ちちゃう系」ですね。
 当時は馬鹿みたいなプレミアがついて、記憶では6,800円とかだったものだ。さらに記憶によるとその当時でも、僕は1,400円で買った。ラッキーだと思ったわさ。

 セカンド『PSYENCE』はファーストほどのレア感はないけど、デジ・パック(これもブックレット落っこちる系)が紙ボックスに収納されている。これが段ボールみたいな質感で、真ん中に金属パーツが貼ってある。ピンク、イエロー、グリーンの3色で別個リリース(内容は同じ)されたけど、やはりhideの髪の色をイメージさせるピンクが大人気で、あっという間に売り切れたのだとか。例によって僕は中古で買えたのですけどね。
 そうそう、前述したし写真でもわかるかもですが、シールがついたヴィニールはそのままに収納しています。ここまでくるとマニアですかね。

 サードにして最後のアルバムとなってしまった『Ja, Zoo』も、薄い穴空きデジ・パックに落っこちる系ブックレットが入り、透明のプラスティック・ケースに収納されている。シールをそのままにしたいので、ヴィニールははじっこだけ開封しています。

 hideの死後リリースされ、日本でいちばん売れたインダストリアル・ロックになってしまった別プロジェクト、zilchも若干の特殊仕様。透明ケースに入ってて、重なるとちゃんとしたジャケになるだけですけど。

 ここから女性コーナー。
 もとfla-foaの三上ちさこも、ソロで通販限定の豪華なアルバムを出していました。

 紙のボックスにCD(+DVD)やブックレット、卓上カレンダーなどが入っている。リメイク・アルバムだし通販限定ということで少ないプレスだったはずですが、そんなにもレアにはなっていない。例によって、繋ぎ目のところにあるシールを剥がして開けています。紙素材の上に貼られた紙シールなのでうまくできなかったけど。
 で、友人との話をひとつ。この箱がちょうど宅配ピザのいちばん小さい大きさの箱と同じぐらいなので、友人が「ピザ届いたぞ」とか「オリジナルよりピザの方が好きだな」とか話してました。

 坂本龍一の愛娘、坂本美雨のミニ・アルバムもちょっと変わっています。

 謎の人「SISTER M」として教授作品に参加してから、ようやくのデビュー作となった『aquascape』は歌入り1枚+インスト1枚の2枚組。いきなり変則的ですなぁ。そこへきてそれぞれのディスクを紙スリーヴに収納して、それを薄いプラスティック・ケースに収納するという。んでモコモコした模様に重なるわけですね。
 ジャンクCDで買ったんですが、そういうところのこういうのって中身がどっか行っちゃってたり、片方だけになってたり、外ケースなくなったりとかしがちなのよね。

 お次はBonnie Pink。それも大ヒットした『Heaven's Kitchen』。

 なかなか見ることの少ないこれは、やはり初回盤。白で印字された透明ケースにブックレットとCDケース本体を収納し、オビでくるむ。初回ものでケース仕様は多いけど、こういう印字されたのって多くないうえにスレると消えちゃうから丁寧にしないとだね。

 特殊ケースってわけじゃないけど、D[di:]のセカンド『FIRE STAR MAN』もちょっと変わってる。

 紙ケースにぶあっついブックレットとCDが入ってる。それだけなんだけど、このブックレットがもはや「マガジン」で、歌詞に撮りおろし写真に対談に漫画に小説に……と、ほんと「本」。もとより才色兼備で多才なD[di:]ちゃんなので、そんなコンセプトがあったようです。

 不意にジャンク扱いで買った、ヒップホップのMUROもパッケージが変わっていたからこその購入です。

 六角形の変形紙ジャケを裏面から開くと、扇風機のファンみたいに6本ひろがって、なかにブックレットとCD。ブックレットも折りたたんであるのを広げられるという。いやー、まったくの無駄。いいですねー、この無駄な情熱。でも中身は典型的な1990年代後半オサレ渋谷系ヒップホップ。正直つまらん。当時はこんな感じのが高評価されていた時代だったのだなぁ。当時から「なんか違くね?」と思ってたけど。

 ここでやっとこさ洋楽に入ります。やー、変パケは邦楽の方が多いのかね。やっぱ手先が器用でこだわる日本人だなぁ。
 で、ヴァレンシアの『K.O.S.M.O.S』。

 紙ボックスつーかケースつーか、がしゃーんと開いてしゃきーんとスライドして、段々に展開するという、まったく意味のない無駄に豪華なパッケージ。CDは1枚なので、もちろん行き場ない、おまけみたいな感じで収納されている。ブックレットも扉を引っ掛けるかたちで、しまいにくいことこのうえない。外人さんってばやるときは無駄に豪華になっちまいますよね。サンタナとか(またか)。でもこれはあんまり聴いていないので、中身を外に出さずにそのまんま収納しています。

 さて、イタリアのバンコもひとつ。

 紙ジャケ復刻した壷形パッケージで有名なバンコですが、これはどうなんでしょう。すっげースカスカのハリボテ箱に、『B.M.S.』と『ダーウィン』が収納された輸入盤。無駄。ほんと無駄。意味なし。さすがイタリア人はおおざっぱで何となくよければグラッツェな方々ですね。や、誉めてるんですよ。

 そして念願のエアロスミスの『ゲット・ア・グリップ』初回盤アニマル・ジャケットを手に入れたのです!

 これはたしか輸入盤のみの仕様で、牛模様のふっかふかのビロードっぽい生地でデジ・パックが覆われている。まーそれだけであって中はスッカスカのフツーのデジ・パック用のプラスティックなんだけどさ、ずっと欲しかったんですよー。
 こいつの噂を話には聞いていた、リリースから数年後、オープンしたてだった「ディスクユニオン柏店 ヘヴィ・メタル館」でたまたま中古(憶えてるぞ、これも1,400円だった)を見かけたものの、隣りにあったディープ・パープルのボックスなんかを見ていた隙に、隣りにいた男性がこれを手に取ってしまい、わーあったのかそれ、と遅まきに気付き、戻せ戻せ買うな買うな、と念を送ったものの、男性がそのまま買っていってしまったという苦い思い出があります。悔しいので『ゲット・ア・グリップ』は日本盤を買わず、わざわざボーナス・トラックのない輸入盤を買いました。無駄な抵抗ですね。それって抵抗なのか?
 それから苦節10年余。ネット・オークションにて念願叶いました。わりと格安に。んで届いてから、その思ったより安っぽい感触に苦笑い。でも満足。しかもだ、日本盤ボーナス・トラックだったはずの曲まで収録されていたぞ。むむむ。まぁ結果的によいのです。ちなみに盤面デザインも違って、ピクチャー・ディスクだよ。

 さぁて、冒頭にちょろっとだけお話したヴェルヴェット・アンダーグラウンドに入ります。

 ファーストだと思った? や、これはアンソロジー・ボックスの外箱なのですよ。これもファーストのレコードと同じくバナナが剥がれてピンクの中身が出てくるのですよ。やっぱり几帳面にうまーく剥がして、もとのように戻すわけですが。
 本当はファーストのオリジナルLPが欲しいんだけど、中古でもなかなか出ないうえに出ても状態が悪かったりする。バナナ・シールが汚かったり、なくなってたりとか。んで美品はやっぱり高いしねぇ。いっそストーンズの特殊ジャケみたく、CDで紙ジャケ再発してほしいんだけどなぁ。このぐらい簡単でしょ。

 これは実質的な最終作、『ローデッド』のスペシャル・エディション。正確には「ファリー・ローデッド・ヴァージョン」だったかな。
 こいつはよくある、輸入盤に日本語ライナーやオビを付随させた輸入盤の日本盤仕様(ややこしい)なんだけど、中身はもにゃもにゃの、カラフルな煙が角度によって変わるジャケにカートン・スリーヴを被せることでオリジナル・ジャケのようになるもの。まぁそれだけなんですけど。

 で、こういう輸入盤とかって、わりと珍しい仕様もあるのよね。
 いまでも探しているのが、ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』初回盤。ここまでの話の中に出てきた変パケを集めて紹介した記事でその存在を知ったのだけど、なんでも、特殊な「水」が入ってるらしい。たぶんゼリー状かな? それがあの、赤ちゃん泳ぐジャケにフィットする仕様だとか。しっかし遠い記憶にしか残っていない記事なうえ、それ以来、現物は写真でさえも見たことがない。なにぶん初回出荷枚数が少ないのにあとあと爆発的に売れたアルバムなのだから、初回分なんて見つかんないよなぁ。日本盤かオリジナル輸入盤かもわからないし。むー、まじで欲しい。
 あとは、敬愛するジョージ・ハリスンの5,000セット限定で発売された豪華な箱(それもVol.1と2がある)とかもありますね。これも本の写真でしか見たことないけど、そういうのに限ってそこにしか収録されていない音源があったりするのよ。まぁ音じたいは掻き集めたから持ってるんだけど、おまけがたくさんなのだよなぁ。

 さて、最後にプロモーション盤のみの珍しいやつを。
 いやね、一時期そういうのをメーカーさんからもらえる環境にあったのです。当時の仕事で、ですけど。

 僕はクラシックではヴァイオリン曲がわりと好きなのだけど、この人はいまだに知らない。調べてみたらイルア・グリンゴルツと読むそうだ。一応、名門のグラモフォンからのリリースなんですけどね。内容もまぁ、それなりにゆるくて退屈でいいんですけどね(誉め言葉です)。
 ファイリングされた冊子型のブックレットのおわりにCDが入っていて、それをまるごと同じ形の紙ボックスに収納するという、正規商品でもなかなか見ない形状です。



 これは一時期ちょー好きだった、fra-foaのファースト『宙の淵』のプロモ盤。縦長のデジ・パックに、ぽつんとCDが入っている凝ったデザイン。しかも盤を出すとそこには歌詞の抜粋が書いてあるという。正規商品も初回盤は特殊仕様だったけど、これとはまったく別個な仕様でしたねー。おかげで買ってないまま廃盤になっちまったのですが。うう。

 おしまいに、変パケじゃないけど珍しい天野月子のプロモ・シングル『人形』。正規商品は初回盤が絵本仕様だったけど、そのプロモ盤はまったく異なる写真をペラのスリーヴにしたもの。しかもこいつが本当にレアなのは、「人形」の「Radio Edit」を収録していることだ! つっても、単純に冒頭のオルゴールをカットしただけなのですが。そもそもラジオで流れたのかしら。そういやラジオ・エディットって数年前まであたりまえのようにあったけど、もうなくなっちゃったねー。フルじゃないと逆に厭がられるようになっちゃったかもねー。昭和は遠くなりにけり。

 そんなこんなで、いままで集めてきた「変パケ」CDを一気にご紹介したわけだけど、これらを僕は、信じられないことにほっとんど「内容のために買ってたまたま特殊ジャケだった」のです。まず内容ありき。ちゃんとした音楽好き。えへん。うそ。
 でも、FIRE BALLの金缶だけは、あきらかにパッケージ優先で買ってしまった。そこらへんから、「ああ、こういうのを集めて紹介するページ作ろう」と思っていたのですよ。なので今後は、ジャケありきで買うかも。でも、ちゃんと中身も聴くよ。腐っても音楽好きだからね。って腐っとるんかい。ええ。でもそのFIRE BALLも聴きましたよ。悪くなかったすよ。好きにはなれなかたけど(わぁぁ)。あげく松浦あややも買ってもうたけど。

 さぁ皆さんも、こういう視点で「表現」を見てみよう。きっと新しい発見があるはず(かな?)。